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  3. 黒い山羊さんのレビュー一覧

黒い山羊さんのレビュー一覧

投稿者:黒い山羊

17 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本ハリー・ポッターと秘密の部屋

2001/04/25 20:52

登場人物の多面性がいい

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 このシリーズ、評判がやたらめったら高い。だからこそ、用心しつつ、距離をとりつつ読んでいるのだが、それでも一息で読ませられてしまう。けれど、作品中で一年の時間をかけて、一つの事件が進んでおり、短く感じつつも、実は語られない部分が大半であるため、私たちはつい子供向けのファンタジーであると、思い込んでしまう。もちろん、それが普通の見方であるはずで、それなのに大人にも楽しいのは、見えにくい部分が大人になる過程で経験し、できればしまっておきたい部類のものだからだと、思う。たとえば、家族や友人、勉強や努力、信じることや裏切り、中傷、疎外。あっさりと語られているものだけでも、これだけある。けれど、ポッター君、これらのことをやや危なげではあるものの、結果的にはひらりひらりと乗り越えてしまうのだ。一見ひょろりとした少年に、これだけのしぶとさがあるだけでも意外なのに、おまけに他人の立場からの視点がとっさにでてくるなんて、絶対にタダモノではない。それとも、家族の虐待は身にしみているのか。まぁ、彼は魔法使いだけれど、それ以前に、人間としてかなりの可能性があるように見える。実は、周りの人物達にも同様のことが言える。友人達のふと見える側面、先生達の意外な心中、そういったものを私たちは読者ならではの視点で見つめているわけだ。だから、ときとしてハリーたちの反応に苦笑を誘われ、成長に期待してしまう。おかげで、続きが待ち遠しくてしようがない。一年に一冊の発行というのは、作者の意向だとのこと。つまり、私たちはハリー達と一年ずつ邂逅するわけだ。心憎い趣向、と思ってはやる心を抑えている。

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NOW!

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 昨年、英語版で読んだときは、英語が苦手なこともあり、正直あらすじだけを読んだようになってしまって、重くて辛くて、その分ハリーの最後の機転に涙が出るほど救われたような読後感だった。
 そして、待ちに待った日本語版。随所の言葉遊びや細やかなディテールが浮き上がってくると、その魅力が鮮烈なまでに訴えてくる。特に“NOW!”というセリフ。原文ではわざわざ大字だったが、それでも印象は薄かった。しかし、和訳で「いくぞ!」と目に入ってきたときの興奮したことといったら! ヴォルデモートの姦計から、辛くもハリーが逃れるシーンだけに、ハリーの勇気を際立たせることこの上ない。名ゼリフといえば、ハグリットの開き直りともとれるセリフもそうだろう。名前通りの本性を表したファッジに言い聞かせてやりたいほどだ。これらの名ゼリフも丁寧かつウィットの効いた名訳と、緻密なストーリーテリングがあってこそだろう。
 ストーリーについては、ここで述べる必要もないくらい、ありとあらゆるメディアに出ている。しいて気になるのは、三人組の間柄が微妙になってきたことくらいだろうか。それから、ダンブルドア校長がヴォルデモートに対抗するために意表をつく人物を挙げてもいた。ここでも1巻からの伏線が生きているわけで、次の巻ではどのように展開していくのか、今から楽しみである。
 このシリーズは、最初から、死や闇その他あらゆる目を背けたくなるものがテーマとして流れている。徐々にその傾向が顕在化しているが、ダンブルドアやハリーを信じて読み続けるしかないだろう。何しろ本書は入院患者だった私に、ついうっかり二日で読ませてしまうほど、面白いのだから。

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ハリーは孤独なのか。

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 一年に一冊。まるで会えなかった一年分の手紙を、いっぺんに貰うような気持ちだった。最初は一息に、そして二度目からは、かみ締めるように読んだ。何しろ、ハリーが生き残ったあの事件の関係者たちの話である。お陰で、これまで以上に複雑なストーリーで、物語は二転三転する。油断のならない展開で、読み始めたときには、予想のもつかないオチとおまけが待っている。
 ハリーは一歳で両親を亡くし、文字通り孤独だ。誕生日は喜ばしいものだと、知らなかったような少年だ。けれど、彼は彼を理解しようとしてくれる人に巡り会っていく。そして同様に、理解し合えない人とも。彼はまだ少年で、成長過程だけれど、孤独だったことで、逆に好意や幸福に対して鋭敏な感性を持っている。だからこそ、失意の中でもめげないし、理解者との別れにも、立ち向かえる。亡くなった人の意を汲むこともできる。ときとして、弱味にもなるけれど、彼は孤独だった分、本書でさらに強い少年になったと思う。あと四巻、つまり四年後まで、彼はどのように成長するのだろう。本書は何度読んでも、新しい発見があり、意外な側面が垣間見える。一冊手元に置いて、読み尽くすのも一興である。

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続きは…

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 まだ終わるには、早すぎる。読後まず、そう思った。北斗杯という一つの区切りはついているが、本因坊戦や研究会での勝敗はつかず、まして登場人物たちの成長はまだまだこれからだ。せっかく棋風も出始めていたのに、ここで終わるのは、まったく惜しい。
 本来、囲碁は斬った張ったと同等かそれ以上の緊張を持つ。対局中に口を出そうものなら、血溜まり(碁盤のウラ)に生首を乗せられるというほど。下手なバトルよりよほど恐ろしく、また千年以上の深みと数奇な歴史も備えている。
 そんな、取っ付きにくいゲームを広めた点でこの作品を評価する向きもある。しかし、ゲームとは本来楽しむもので、登場人物たちが真剣にかつひたむきに楽しみ、戦うさまにまさに惹きこまれた。正直、再開してほしいくらいだ。ここで終わってしまうのは、たとえどんな事情であれ、歯痒いことではある。

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紙の本カシコギ

2002/12/12 02:58

ただひたすらに愛すること

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 父親はどれほどの愛情を息子にそそぐことができるのか。本書では、父一人子一人の家族が、お互いをどれほど愛し、思いやっているかを経糸に、息子の病の進退を緯糸に綴られている。
 私たちの世代は特に、劣っていないこと、普通であること、親の不名誉にならないことを肌で感じ、綱渡りのように、自分を折り合わせている。愛されないのは自分が欠けているから、親の望み通りではないからだと、自ら納得している。つまり、無条件に愛されるのは、お話の中だけで、現実には条件付きで愛されていることを知っている。たとえば、成績、健康、見栄え、才能…条件を挙げればキリがない。そして、自分たちも同じように子どもをはかりながら、愛するのだろうと、漠然と感じている。もし、自分の子どもに何らかの欠点があったら、個性だなどという前に、疎ましく思うだろう自分が容易に想像できる。
 それでも、この父親の立場に立ったとき、同じ事を望まずにいられるだろうか。ただひたすらに、息子の回復を願い、治療のためにあらゆる犠牲を払わずにいられるだろうか。多分、してしまう、少なくとも、しようとするだろう。そうして、そういった自分がまだ残されていることを本書は気づかせてくれる。だからこそ、読後、父親に共感し、不思議と満足感に満たされるのだ。愛する相手を守りたいと願うのは、誰しも同じなのだから。

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紙の本帰ってきたアルバイト探偵

2004/03/13 17:58

帰ってくるとは…

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 待って、待って、待ちすぎて、ほとんど諦めていたところでのシリーズ最新作。前作で高校をダブってしまった、主人公リュウが冒頭からなにやら怪しいバイヤーとして登場している。
 そして、ロシア系フランス人の美少女モニークと出会ったところから、事件は急転直下、あれよあれよと大事になっていく。ロシアンマフィアに中国保安部、挙句にアメリカ系テロ集団と核の争奪戦を繰り広げる羽目になる。
 難を言えば、敵が多すぎるということだが、この父子には、それぐらいじゃないと、釣合わないだろう。
 相変わらずの物騒なアルバイトだが、もちろん父子の軽妙洒脱な会話も健在。島津副室長が真面目なだけに、余計おかしい。ハードボイルド・コメディの面目躍如だ。
 それにしても、次作はいったい何年後だろう?

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紙の本陰摩羅鬼の瑕

2003/09/12 00:42

生きているのか?

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 今作においても、摩訶不思議な世界と、素っ頓狂な人々は健在である。やや壊れ気味の関口が、花嫁を助けるために、珍しいほど奮闘するが、敢え無く五度目の花嫁殺人事件が起きてしまう。誰も、花嫁に殺意を持たず、実行できた者もいない。一見、そんな不可能犯罪に見えるのだが…。
 この作品、なんと冒頭で犯人がわかってしまう。つまりこの話は“who done it”ではなく“why done it”が延々と論じられている。これに死生観が絡んでくるため、会話ですらが弁術的であり、一歩間違えば言葉遊びになりかねないものを、孕んでいるが、生死の線引きが一つの解を提供している。私達は一体、何を指して生きていると言うのだろう。
 推理物としてだけではなく、死生観を考えるために再読してみるのも一興。なお、短編集で伊庭元刑事を見たり、前後の事件を知るというのも楽しみ方の一つです。

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紙の本桐原家の人々 4 特殊恋愛理論

2001/08/18 02:02

意外な常識の持ち主?

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 本編は、前3作の番外編ですので、まずその3冊を読みましょう。これ単独で読むのも面白いけれど、やはりいきなり読むのは避けた方がいいです、刺激が強いから。
 さて、本編では文句なしの美男子で、性格は掴みがたいながらも、いい相談役だった零ちゃんが、主役です。そして、三つ子が産まれようとした頃の、まさしく戦争のような騒ぎから、城段との冗談にならないエピソード、そして結婚からちょっと先まで。何しろ背負っている過去が過去なので、笑う要素は少ないのですが、その分目頭が熱くなる話でした。脇役も、本編では目立たなかったおじいちゃん、おばあちゃん、広美さんが、実は『桐原家の人々』であることを立派に証明してくれます。怒るときは、しっかり怒ります。その怒りっぷりは盛大ですが、すっきりします。もし身勝手で理不尽な怒りなら、苦いものがありますが、彼らの場合こちらがたきつけたくなるほど、まっとうな理由で怒ります。そして、引きずらない。おまけに優しくて逞しい。それこそ、十六年もあんな秘密を隠していられるくらいに。その原点をこの番外編で、確認できます。多少、常識とは違うことをやらかそうと、最後の締めくくりとして、じっくりと楽しめること、受けあいです。

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紙の本黄昏の岸暁の天

2001/05/12 02:02

十年ぶりの続編

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 待ってました、ものすごく。『魔性の子』から、実に十年。このシリーズの時系列中で、一番新しい話であること、何より高里があちらとこちらを行き来した経緯が、やっと明かされるのだから、もう眠るのも忘れて読んでしまった。期待したことも何も忘れて、物語に没頭でき、作中の人物たちの価値観・立場の違いを、とてもはっきりと見せ付けられた。
 テーマは毎度のことながらかなり重いものだが、そこは登場人物たちの性格や、軽妙な会話が救っている。おまけに、登場人物の意外な成長や弱点に思わず微笑してしまう。何より、一人一人の前向きの姿勢が、私たちをも引っ張っていく。相変わらず、大きな物語であると思う。そして、何より面白い。読後の苦しいながらも、一風の清涼感を感じさせるのも相変わらず。そして、今回はそれほど、待たずに次回作が読めるらしい。『戴』という国の命運やいかに、といったところで、七月を待つとしよう。

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毒草大百科

2001/08/18 02:24

隣の庭は?

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 毒草というと、後ろ暗いようなイメージが付きまとうが、実際に毒草といわれて、即座に挙げられる人は少ない。まして、どの植物か見分けられる人はもっと少ない。ところが、毒草は人が殺せるものから、腹下しまで、用途は種種雑多、おまけに昨今では苗が何の説明も無く売られたりしている。実際、私の庭にも複数植わっている。もちろん、普通に店頭に並んでいたものばかりである。隣家の庭を見れば、やはりある。通りすがりの家には、綺麗にプランターに植えられていたりする。極めつけは、病院の庭で、なんと華麗に咲き誇っていたことだろうか。もちろん、毒草と知らないのだろう。けれど、身近な危険に変わりはない。子供が誤食することだって、十分にある。知っておいて損はない知識である。そしてもう一つ、身近な人々が無知ゆえに嬉々として、目にも鮮やかな毒草を育てている。それを自分だけが知っているというのも、少し楽しいではないか。

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紙の本魔女の息子

2004/04/30 17:48

隣りに体温

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 70歳を過ぎても女である母と、ゲイの次男坊。
 一緒に暮らす二人は一見、マイノリティだ。まして、冒頭から濃厚なセックスシーンときては、キワモノめいた印象を与えかねないだろう。
 しかし、この二人の日常生活の繊細なやり取りがいい。何気ない会話から、色色なものが澱のように、浮き上がってくる。
 ゲイの息子の、不惑に近づいているのに、揺れ動く恋未満の想いと、体の欲求との不釣合いが炙り出す虚無。モラトリアムが終わりつつある焦燥。結局、肉欲だけでは満たされないのは、誰しも同じなのだ。それは、70歳を過ぎようと、ゲイであろうと、人間が寄り添って生きていく限り、捨てきれない性だろう。
 それでも、心を整頓し、毅然とした母親はかっこいいし、40歳が近づいて、友人もなく、当てどなく彷徨う息子は、足場の定まらない人には、他人事とは思えないだろう。
 つまり、余計な枝葉を取り除けば、人間の幸福は案外、簡単に転がっているけれど、屁理屈をこねていたら逃してしまう、そういうことなんだろう。シチュエーションは全く他人事に思えるのに、違和感なく読み終えてしまった。

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ドイツ人の意外なユーモア

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 ドイツ人というと、どういうイメージがあるだろうか? 先年のW杯のように堅実かつ真面目、というのが一般的ではないだろうか。しかし、この小説は著者の15・6才の頃の実話を基にしたものである。はっきりいって、生活は苦しい。けれども、その中でたくましくも飄々と生きている人々は、ベルリンの壁さえも日常に埋没させる。その強さは、世情の暗さすら越えて、笑わせてくれた。さすが、収容所さえもユーモアにしたドイツ人! 
 けれども、笑ってそれで終わりとならないのが、この小説だ。後書にあるが、ドイツの東西で笑う部分が違うそうだ。また、冷戦で国をさかれたほかの国を思う。そして、日本も…。沖縄や北方領土についてユーモアを発揮できる日が、私たちに来るのだろうか? ともあれ、ベルリンの壁がなくなって10年ほどで、このような小説が出てくるとは、ただただ賞賛あるだけだ。
 

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紙の本樹上のゆりかご

2002/10/21 03:39

浮世離れしたミステリー

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 高校生活はある意味、非常識で当たり前だったりする。同じような年齢の子供が、一律に詰め込まれているのだから、極端にはしることもままある。だからこそ、小説の題材としても魅力的で、高校を舞台とするものは多い。その中でも、この辰川高校は実際にありそうで、ありえない、境界線上の浮世離れした空間だろう。
 男子は大時代的な風習を守り、代々引き継ぐ。少数派の女子は、矛盾に気づけば、それぞれに適応しようと足掻く。その方向性がそれぞれの個性をそのまま反映している。その個性が強烈であれば、事件の一つや二つ起こらない方が、おかしい。というわけで、起こるべくして起きた事件を糸として話は展開する。
 全体的に浮世離れしているが、72群だの携帯電話だの試験だの、そういった学生をやった人間には馴染みのあるものが配置してあるので、わりあいすんなりと読んでしまう。けれども、登場人物の個性はかなり濃い。お陰で、事件はそれなりに解決するが、人物を巡る謎は残ったままだ。まして、前作はファンタジーで活躍してしまったヒロインだ。次の作品が予測不可能というのが、一番のミステリーかもしれない。

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紙の本終わるデイ・バイ・デイ 下

2002/04/04 00:22

読後の爽快感あり。

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 アニメが面白かったので、読み始めたのだが、なるほど無理のある設定をこういう形にするのかと、そこでまずほかには無いすっきりした感想を持った。主人公の人間味がある意味、一番解りやすいのも本書だろう。ヒロインに殴られてやっと動けるあたり、情けなくも感情移入してしまうのだ。びしっと言われて、目の前がすっきりすること請け合い。そして、正統派とでもいうべき、戦闘シーンの圧倒的な強さは、引き込まれる面白さだ。
 最後に、威勢のいい啖呵を切って、日常に戻っていくあたりで、題名にやっと納得して、満足の溜息をついて終わらせる筋立ては、エンターテイメントとしてかなりイケると思う。鬱憤の溜まってる方、すっきり系のカタストロフがほしい方にはお薦めです。

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紙の本R.P.G.

2001/08/23 03:00

ありそうで怖い

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 ひっそりと出版された観のあるシンプルな小説である。ネット上の擬似家族、そして殺人がおき、普段は裏方に徹していた刑事たちが解決のため、ちょっとした罠をしかける。人間誰しも、その場に合わせて役割を演じているのだけど、この小説では、家族の役割、ネットの陥穽、そして個人ということについて鋭い視点で描かれている。キリキリとした緊張感が、小説を最後まで一気に読ませてくれた。そして、最後に仕掛がようやく明かされる。それは切なくて厳しい。犯人に対する「赤子の手をひねる」という言葉を、恐ろしいと思わせる文章の上手さも宮部みゆきならではである。何より、ネットにはまり込んで、都合の良い関係を、現実にまで持ち込むなんて、現実ではここまで極端ではないものの、少なからずあるのだ。
 また、『クロスファイア』『模倣犯』に登場した刑事たちが、再登場しているので、できればそちらを先に読むことを勧める。

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