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johさんのレビュー一覧

投稿者:joh

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疎外者達へのオマージュ

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 「ギークス」という言葉を理解しようとするジャーナリストがいた。同じ時期、周囲とは違う自分を「ギークス」と認め、自由になった若者がいた。
 「ギークス」とは、社会からつまはじきにされる永遠の反逆者たちが、インターネットの力を得て繋がりを持ったとき、自分たちを誇りを持って呼ぶ名である。本来は「サーカスで鶏の頭を噛み千切りそれを食らう芸人」という侮蔑用語だが、自分達は他人とは違うことを強調し、侮蔑を誇りに反転させ、自分達の独自性を高らかに謳う言葉だ。
 内向的な性格、他人とは違う嗜好、サッカーは嫌いで本を読んだりゲームをするのが好き。米国でよしとされる価値観−スポーツができ、明朗快活−とは外れ、学校からつまはじきにされる若者たち。どの世代にもいた疎外者達が、インターネットにより結び付けられる。持ち前の探究心から、コンピュータを自在に操れるようになった彼らは、社会のコンピュータスキルの必要性から脚光を浴びるようになる。会社のCEO達は、ビル・ゲイツのようなドットコム長者に憧れ、コンピュータオタクを重用しはじめたのだ。
 そんな時、「ギークス」という言葉に引かれ、「ギークス」達にインタビューをはじめたジョン・カッツ。彼は一人の「ギークス」に惹かれる。それがジェシー・デイリー。大胆で繊細、寡黙で雄弁。聡明な彼をジャーナリストの立場を忘れ、自分の子供のように思い始める。「ギークスならどこでも暮らせる」というジョンの言葉に、ジェシーは生まれ育ったアイダホから、大陸の半分近い距離を移動して、大都会のシカゴへ移住することになる。シカゴでギークスならではの人々との軋轢を体験し、もっとクリエイティブな仕事をと、難関シカゴ大学への入学を志すことになる。しかし、願書提出期限は四ヶ月前に過ぎ、しかも大学進学能力基礎テストの点はかなり低い。ジェシーはシカゴ大学選抜部長に掛け合うのだが……。
 疎外されたもの達の怒りと悲しみ、それに向けられた深い愛情。コランバイン高校銃乱射事件が引き金になった全米的なギークス狩りと、ギークスを擁護するカッツの活動を織り交ぜ、青年の成長が描かれている。読了感は爽快。

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