よっちゃんさんのレビュー一覧
投稿者:よっちゃん
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紙の本宇宙はどこまで明らかになったのか 太陽系の誕生から第二の地球探し、ブラックホールシャドウ、最果て銀河まで
2007/09/09 12:53
ちょっとマニアックな宇宙ファンのネタ本
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
現代の天文学は、驚くべきほど多くのものを対象に、様々な方法で研究がされている。望遠鏡をのぞく人ももちろんいるが、コンピュータの中に宇宙を再現したり、準備10年、観測10分という惑星探査機を使う人たちもいる。
そうした天文学の「現場」で活躍した人たちが、自らの手で天文学の今を語ったのが本書である。間に訳者やライターなどのフィルターがかかってないぶん、生々しい現場の感覚が行間に見え隠れし、迫力ある筆致になっている部分も散見される。
しかし、一方で、まとまりのなさと、素人(でない人もいるが)著者の悲しさで、内容レベル、表現など、読みにくさは否めない。前半では、編者による概論的な解説となっているが、それも思いつくままに並べた辞書的構成であり、ストーリーとしておえない。いっそ、この前半はなしにして、後半の様々な著者が書くなかでのコラムとか補足のようにしたほうが読みやすかったかもしれない。
全体としては、書き下ろしにもかかわらず、いろいろな人があちこちで書いた普及用の文章の寄せ集めみたいになってしまっている。内容はオリジナリティが高いが、いかんせん分量が少ないのでつっこみ足らないようにも感じる。
正確さだけは折り紙付きだろうから、ハンディなネタ本としては、役にたつし、それ以上ではないともいえよう。
紙の本家づくり建築家の知恵袋 「子ども部屋」のために家を建てるな
2007/09/09 13:01
知恵はいろいろ、しかし実践できるだろうか?
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
家は三回建てないと、思い通りのものができない。とよくいわれる。しかし、このご時世、そんなことができる人は、ごくわずか。多くの人が、乾坤一擲、人生一度の大決意で家を建てるのが実情でしょう。
そこで頼りになるのが、事例集。こうしたらよかった、こうして失敗した、そうした多数の事例のなかから、自分に向いたものを見つけて、過去二回分の代わりにするわけです。
そのために活用されるのがインターネットですが、素人がわからみたものがほとんど。ハウスメーカーなどのプロの提案は、豪華すぎて、いいとこ30坪の家には全く向かない。
そこで、現場密着型の建築家の本とこういうことになります。
天野氏の本は、そうした用途に向いた貴重なものですが、いかんせん同工異曲なものが多い、だから、一冊あれば十分なのですが、それには新書で手軽なこれがよいと思います。
今後は、構造別や、年代、家族構成別など、テーマ別に本を書いていただきたいですが、一人の建築家にそこまで求めるのは無理難題でしょうね。
紙の本栄光なき天才たち 4
2001/04/29 00:58
日本の科学者の熱さを知ろう
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「栄光なき天才たち」は、青年マンガ雑誌ヤングジャンプに連載されたシリーズです。タイトル通り、不遇の天才をテーマにした一風かわったマンガ伝記で、なかなかの人気を博しましたが、その中でもこの4巻は、ビタミンの発見者の鈴木梅太郎、日本の伝染病研究のパイオニアで世界的な医学者北里柴三郎、人工にガンを起こす方法を発見した東京大学のハミダシモノ山極勝三郎、世界的な医学者で苦労人の野口英世、そして、科学者の楽園といわれた理化学研究所が取り上げられています。
このなかで理化学研究所は、理研の名前で世界的にも知られている「日本の科学研究の奇蹟」ともいわれる機関です。現在は文部科学省の特殊法人ですが、もともとは、科学者が自ら経営した研究所でした。そして戦前の理研グループは一大コンツェルンを築くまでに至っていたのです。しかし、その事実はあまり知られていません。本書は、そうした理研の姿を生き生きと描き出しています。リケンという言葉を聞いたことがあれば、ぜひこの一冊をかるーい気持ちで読んでみて下さい。
なお、理化学、物理・化学を会わせた言葉です。理科学ではないのでご注意を!
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