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ルミナスさんのレビュー一覧

投稿者:ルミナス

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紙の本夏の塩

2001/10/04 01:44

独特の空気を持つ物語

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 久々に大当たりをひいたと思った。私はずっと、こんな作品を待っていたのだ。この所、マンネリ化しつつあるこの手の小説から、足を洗おうと思っていた時に現れたのが、この作品だった。

 主人公の魚住は不幸を背負いすぎて、綺麗に歪んだ青年だ。あまりに綺麗に歪みすぎて、少し見ただけでは分からない。あまりの抑制のために自我を深い所に隠してしまった、そんな青年である。だから主張も執着も無いし、感情もひたすら薄い。本書はそんなどうしようもない青年・魚住真澄が自我を取り戻すまでの物語だ。

 こう言う話は、大抵悲観的になるものだが、作者の突き放した視点の所為か、とてもさらっと読めるようになっている。短いセンテンスでリズム良くまとめ上げられた文章も、読みやすさを引き立てているかもしれない。比較的BLに少ない、ちゃんとした『物語』を書かれる方だと思う。
 が、この作品から私がとりわけ強く感じるのは、作者独特の世界だ。雰囲気、空気と言った方が良いのだろうか。この本の中には身近にありそうで、実際はありえない世界がひろがっている。いや、もしかしたら自分の知らないどこかに存在しているのかも、と錯覚させるようなその空気。
 多分、キャラクタの設定のリアル部分とデフォルメの配分加減が丁度いいのだろう。それに、箇所箇所で入れられた視覚に訴える風景描写がとても好きだ。そして、キャラ同士の微妙な距離感も何とも言えない。作者のバランス感覚の勝利だ。

 内容としてはシリーズと言う事で、概要の紹介がほとんどで、これから話が始まるため、起承転結の『起』の部分だが、充分エピソード的にも面白いので、是非手にとって頂きたい。きっと中毒的に続きが欲しくなるはずだから。

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