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先月(2017年8月)

佛頂面さんのレビュー一覧

投稿者:佛頂面

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本秘密の花園

2002/03/23 17:17

「記号でも消費物でもない」女子高生の心と行動を描ききるフェミニズム小説の誕生

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 那由多、淑子、翠という3人の女子高生を語り手として、物語を展開していくという手法が新鮮である。しかも、物語は、それぞれの主人公の性格付けと見事なまでに対応した文体によって語り変えられており、三浦しをんという作家の才能の豊かさを、今までの作品以上に実感させてくれる。
 伝統のあるカトリック系女子校の雰囲気が、この物語にはぴったりである。現代に生きる少女たちの心と行動が、メディアや軽薄な社会学者らによって誇張され商品化された女子高生とはまったく別な、ホントウの生き物として息づいている。幼いころに受けた傷が激情となってほとばしり出てしまう那由多の衝撃的な行動、心から男を愛してしまったお嬢様・淑子の揺れる心と最後の決断、冷静に理知的におのれを抑制する翠の消すことのできない羊水への記憶、オムニバス的に展開する3人の少女たちの語りに引きずり込まれ、少女たちの心と行動にシンクロしていく……。
 これはとても心地よいことであり、男としては同時に異和をも体験することになる。ハッピーエンドではないが後味はけっして悪くはない。3人ともしっかりと大人になってゆくはずだと思わせてくれる。その余韻もいい。消費されない女子高生を描くために、これはとても大切なことだろう。真のフェミニズム小説の誕生を、素直に喜びたいと思う。

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