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イソノカツオさんのレビュー一覧

投稿者:イソノカツオ

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夜空のむこう

2004/05/04 15:09

30代のさわやかな青春劇とミステリーの融合

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 長篇が評判になることが多い著者のように思いますが、私はこの筆者の短篇も好きです。同じ集英社の「天使たちの場所」や角川から数年前に出た「タンポポの雪が降ってた」などは、ちょっとセンチで、泣かせ所満載で、特に好きな短篇集です。この「夜空のむこう」は長篇小説ですが、全14話のいろいろな話がそれぞれ落ちがあり、それが集まって4〜5年の期間に亘る期間の出来事を描いた面白い形の長篇になっています。主人公たちは、編集プロダクションの篠原と越智と佐智子に、ヴェテランライターの古橋、編集者の和泉、草野、笙子。それにみんなが行きつけのバーのママである栄子。今主人公たち、と複数形で書きましたが、視点は篠原の一視点なのですが、他の人たちも実に活き活きと描かれていて、しかも各エピソードの中で実に効果的な役割を果たし、全話を通して読むと、それぞれの人たちの人生の変化といったものが心にじんと伝わってきます。こういうのって、群像劇というのでしょう。
 そう、この作品は正に優れた群像劇という気がしました。長篇のツボと短篇のツボを両方上手く押しているが故に出来上がった傑作とも思います。こういう形でしか描き得ないような時間と、それに登場人物ひとりひとりへのスポットの当て方といった意味での空間の広がりを感じました。
 この筆者の長篇の中で、今までの最高傑作は「幻の女」と思います。あの作品にもまた、時の流れの中での人間の変化といったものの重みや哀しみが、巧みに描き出されていたように思いますが、この「夜空のむこう」はまた形こそ違え、底辺において、同じようなことが見て取れる気もしました。
 文章も端正で綺麗ですし、今年の一推しです!


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