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    3月のライオン(1)

    3月のライオン(1)

    羽海野 チカ(著),先崎 学 (将棋監修)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

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    はらぺこあおむし 改訂

    はらぺこあおむし 改訂

    エリック=カール (さく),もり ひさし (やく)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

いさりさんのレビュー一覧

投稿者:いさり

15 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本夏の塩

2002/01/18 19:49

自然な空気

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 魚住くんシリーズは、不幸を呼ぶ体質の魚住が友人の久留米の家に突然居候している話から始まる。
 味覚障害で、表情が見た目にほとんど変わらないので日々ぼーっと過ごしているように見える、顔だけはいい男、魚住真澄。しかしそのいい顔も男に襲われたりと得をするより損であることの方が大きい。現在院生。培養している菌を寒天ごと腐らせてしまう男でもある。久留米充、大学を卒業して企業に就職。まっとうにまっすぐに生きる男。細かいことは気にしない、よく言えば大らかな、悪く言えばおおざっぱでずぼらな性格。魚住とは大学の一般教養で知りあい、なんとなく彼の数少ない友人と呼べる存在に収まっている。その魚住の生活が、久留米やマリやサリームや濱田という個性的な脇役をとりまぜて、淡々と語られていく。
 彼らの行動はどちらかというと直入だ。ころんと言葉を投げてしまうのに、相手に対する空気は他のものよりも悪くない。他者の存在をありのままに、するりと許容してしまう。言葉で書くとこうも簡単だが、実際やるのは難しい。けれども作中の彼らの気張らなさは、絶妙なものである。
 言いたくてもいえない言葉もあるだろう。表に出さない悩みや苦しみも。それが他の小説だとへんに気張って「過去を乗り越えて」だとか「トラウマがどうの」とか「辛かった分愛されたい」だのお腹いっぱいな話展開になるのだが、ふわふわ生きている(ように見える)魚住と周りにしてみれば、「あ、そう」なのである。
 恐る恐る手にとってみたが、もう少し付き合ってみてもいいかな、と思えた魚住くんシリーズなのであった。

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紙の本疵〈スキャンダル〉 冷たい指

2001/12/19 20:43

疵だらけの男たちは…

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 東大法学部を卒業してキャリアとして大蔵省に入った司馬と桐原。ふたりは出世を争うライバルである。旧財閥の桐原家に養子に入り強力な後ろ盾を得ていた桐原は、ある日後継ぎの問題に直面する。プライドを踏みにじられながらも上を目指しつづけることを選んだ桐原。桐原の疵を知ってしまった司馬。
 30男たちがライバルを蹴落としながら、ままならぬことに翻弄され、ぼろぼろになりながらも疵を抱えて生きていく姿がいい。

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紙の本邪道 3 無限抱擁 2

2002/05/09 07:30

ひとまずひとくぎり、です

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ティアランディアとの心の隔絶に苦しむアシュレイ。アシュレイが傷つくことに苦しむティアランディア。そんな2人の仲を最上界からの客人アウスレーゼは微笑ましく見守るとともにかき回す。しかしシュラムが現れ…
ここで1からの話はひとまず決着がつきます。もちろんまだ謎は残されたままですが、中途半端な状態で待つのが嫌であればここまで買っておけば安心かも。
絵の雰囲気が少女漫画っぽいので、ボーイズが苦手な人でもとっつきやすいと思います。

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紙の本邪道 1 囁声のない帝国

2002/05/09 07:19

邪道

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天界南領の後継ぎ、アシュレイはなぜだか頭にツノのある鬼っ子。それをコンプレックスにしながらも、天界一の武将になるために熱心に魔族狩りを行っている。
その彼の七番目の副官にこのたび任命されたアラン・ソールは魔族シュラムに親兄弟を殺され、アシュレイに助けられたという過去を持つ。
魔族の情報を集めに動き回るアシュレイたちだったが…。

沖麻実也の絵は嫌いな人はとことん嫌いでしょうが、好きになる人はかなりはまると思います。背景や小物の書き込みも細かくて、天界という異界の存在感があります。
アシュレイと文殊塾でともに学んだ幼なじみ、守護主天ティアランディアとの確執や、東領の息子柢王とその側近で魔族の桂花との賑やかなやりとりなども交えて、話は進んでいきます。

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紙の本プラトニック・ダンス 1

2002/01/08 23:58

不定形な関係

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 5ヶ国語をあやつり、通訳より一歩深いところでクライアントの契約などの補佐をする穐谷絹一(あきや・けんいち)。自称「日本一わがまま」なホスト鷲尾香(わしお・かい)。クライアントの供でパーティに香水のモデルとして出席した絹一は、他には無い存在感で人の目を引く鷲尾に出会う。クライアントとの行動に疲れ、ひとときの安らぎを求める絹一は冗談か本気か鷲尾を買うことになり…。
  
 1994年にビブロスから発行したものを、大幅に加筆訂正を加えて文庫化したもの。ビブロス刊ものではわかりにくかった感情の揺れが、加筆訂正でより察しやすくなった。イラストも新しく描かれたものを載せていたりしておすすめだが、シャミル氏のイラストがなくなっているのが個人的には残念かも。
  
 仕事では必死に大人の姿勢を保っているが、仕事以外でそういう部分の発揮できない自分に苛立っている絹一。さらに最近、その自分の仕事のやり方にも自信を無くし、鷲尾のプロ意識に惹かれ始めている。鷲尾は鷲尾で絹一の仕事の能力は認めているが、仕事以外で見せる子供っぽい空気に思わず構ってしまう自分に戸惑い、皮肉を言ったり世話を焼いてみたり。こんな二人の不定形な関係が気になってしょうがない。

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紙の本ピュア

2001/12/07 07:03

三洲と真行寺の話はいい

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 どうしてか出るとついつい買ってしまうこのシリーズ。10年以上、このホンワカとした雰囲気で続けていて、いい加減飽きもしてきているはずなのに、やっぱり今回も手を出してしまう。読んでいると古き、良き、懐かしき頃を思い出してしまう。この手の話を初めて読んだ時に感じた、まさにこのタイトル通りの「Pure」な気持ちってやつを。
 主人公カップルはもう関係も落ち着いちゃって、他人の恋愛に口を出すまでになっているのでどうでもいいが、真行寺と三洲の下級生×上級生、子犬くん×クールでそっけなくてできる生徒会長、という二人はツボを押さえていていい。周囲がどんどんくっついていこうが、ベタベタしていようが、この二人にだけはずっと付かず離れずのままでいて欲しいと思うこの頃。

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素直な心情がとても読みやすい

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 池谷忍は双谷学園の高校二年生。中学生のころくりだした夜の町で、小沼桔梗や二葉・フレモントと出会ってしまってから、「自分なんて…」と内にこもる性格も、内にこもってだけではいられない波乱の日々となった(詳しくは本編「東京ナイトアウト」にて)。そんな彼に告白し、ありのままの気持ちをぶつけてくるのが二葉だ。「東京ナイトアウト」では主人公は桔梗で(視点は忍のものだったけれども)、忍と二葉の恋愛は一応サイド扱いだったので、この本が出るのを楽しみにしていた人もいるのではないだろうか。
 将来のこと、恋愛のこと、友人のこと…何かと悩みを抱えがちな忍には若者らしい感情が素直に出ていて共感しやすい。そんな彼の高校生活はやっぱり波乱に満ちていて、まだまだ忍から目が離せない。

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江のざわめく刻

2001/10/25 11:35

三国志を読んだことがない人にもおすすめ

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 朝香版『三国志』。
 「三国志」を読んだことがない人にもおすすめ。とっつきやすい。「三国志演義」や「正史三国志」とは違い、この話の中心地は呉。孫権や周瑜達を真ん中に据えて話は進んでいく。
 冷静沈着な軍師のイメージの強い諸葛亮も若さに見合い、青臭さがたっぷりでていてなんだか新鮮な感じである。個人的には伯言のような脇を固める人間が生き生きとしてて良かったなと思った。

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紙の本寒冷前線コンダクター

2001/09/24 23:51

続刊が非常に多いので買い始めればのめりこんでしまうかも

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 富士見町には『富士見市民交響楽団』と名の付くオケがふたつある。ひとつは最近出来たばかりだが腕の立つ人間をあちこちから引き抜いて出来たオケ。もう一つは、僕が所属している気軽で気楽で暖かいここ<フジミ>。素人楽団だとか二丁目交響楽団なんて呼ばれてるけど僕はこんなフジミが好きだ。
 僕——守村悠季は、プロで食べていくのを諦めたが音楽への熱意を捨てきれず、音楽の臨採教師を務めながらフジミのコン・マスをしている。23才。独身。目下気になっているのは…同じオケのフルート奏者、川島奈津子嬢。でも現在の仲は練習後に「コーヒーでも」の仲。
 そんなおり、フジミにやってきた初の常任指揮者は190はあろうかとも言える大きな奴だった。態度まで大きなそいつは、初日から「僕に従っていただきます」発言。…ああ、これでなけなしの部員さん達は減ってしまうだろうな。確実に。けれども次の練習日、僕の見たのはいつもの3割り増しの部員であり、その次にはなんと、殆どの人が揃っていたんだ! 
 音楽を通して人間的にも芸術的にも成長していく主人公と恋人、彼らを見守ったりぶつかったりしている周囲を描く。

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紙の本泣かせてみたい 1

2001/11/12 00:37

焦らされて焦らされて

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 ボーイズ小説ってのは、書いている作者の癖なり趣味なりが如実に文中に出てきやすい。それだけにワンパターンで飽きのくる話が星の数ほど存在しているのだが、川原つばさの小説は、下調べをきっちりして知識を生かしていることと、これまで生きてきた経験からくるもの下敷きにした説教小説(本人談)であることが魅力となっている。そして、文章から醸し出る色気。
 それ以外は作者の傾向もやや偏っていて、登場人物はステレオタイプぎみであるとか、話の傾向がわかりやすいとかあるのだが、そのへんも著者の個性として(私にとっては)認められる範疇である。
 それにしてもこの話、つまらなくはないし中だるみもしていないのだが、焦らしが多くて、あまりにも多くて、多くて、多すぎて、じれったいことこの上ない。とことん焦らされるので、途中の文章を斜め読みならぬ飛ばし読みしてしまうくらいに。この焦らしが良いところでもあるのだが…。

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紙の本リトル・バタフライ

2002/01/12 01:53

思春期の少年達

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 待っていました。
 彼女は白泉社で「合格祈願」「チャレンジャーズ」等、黒川さんと巽くんシリーズというのを描いているが、これがいいラブコメの味が出ていて注目しているひとり。コメディと言っても寒いギャグをとばすのではなく、何かって言うと殴ったり殴られたり、滝のような涙を流したり。「ぎゃー」とか「ひー」とか叫びっぱなしの主人公に、主人公の同僚の鋭いツッコミに、パワフル母ちゃんに、恐怖の兄ちゃんが暗躍しまくって、恋愛をしている主人公たちを食ってしまいそうな勢いのある漫画である。なので話の合間に絡んでくるシリアスな場面が生きている。いまやラブはあってもコメは少ない時代。こういうコメ路線を踏んだものは稀少でいい。
 そんな高永ひなこの出版物はこれまでそれしかなかったので、今か今かと待ち続けやっと出た次のコミックスがこの「リトル・バタフライ」である。さあ今回も見せてくれようラブコメを! …と思っていたが、表紙からしてラブコメのコの字の片鱗も見られない。やたらと爽やかな少年がじゃれついているのである。爽やかすぎるほど爽やかだ。
 思わず別人なのか? と疑ったが中身は正しく高永ひなこであった。どうもこういう雰囲気のものも描いてみたかったらしい。目を皿のようにしてコメを探すも、この話は「思春期の少年達の微妙な恋心を描いた」さわやかラブな話なのだ。

 <あらすじ> 中三で同じクラスになった仲原は、受験の失敗からの両親の不仲に家出を決意していた。そんな彼が気になる小島は、修学旅行の途中別行動を始めた仲原を追いかけ、友人になる。愛想が無くてクラスから浮いていた仲原は、真っ直ぐで裏表の無い小島の存在に…。

 以上のあらすじのように全く路線は違うが、絵の描き方も変えていてこれはこれで面白かった。足早く経験をしてしまっている仲原へのクラスメイトの尊敬やら、小島の戸惑いやら、思春期という説明しがたい感情をもてあます時期が伝わってくる。

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砂糖菓子のような世界

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 ごとうしのぶのタクミくんシリーズ第1巻『そして春風にささやいて』に収録されている「June Pride」他の漫画化。
 ふわふわとした砂糖菓子のような原作の世界を殺さないほの暖かい雰囲気なので、この手のものが苦手な人でも違和感なく読めると思う。個人的には数少ない小説の挿絵の中でたまにしか見かけなかった、筋金入りのノーマル赤池章三の姿を思う存分見ることが出来ただけで得した気分になれた。新刊が出るとイラストを先に見て回る人にもぜひ。
 ちなみに「そして春風にささやいて」自体は、同じ出版社からビリー高橋さんという人が漫画化している。こういう原作付きものはわりあい、失敗とまでは行かずとも、原作の付属品、お気に入りのシーンをイラストで再現レベルになってしまうことが多いのだけれど、どちらもおすすめ。

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紙の本ロードス島戦記 1 灰色の魔女

2002/03/28 18:57

ロードスという島

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 ロードスという名の島がある。アレクラスト大陸の南に位置する大きな島だ。というなじみの文章で語りはじめられる物語。
 ザクソンに住む正義感あふれる青年パーン。ゴブリン退治のために、親友のエトとともに立ちあがることから彼らの冒険は始まる。どこまでいっても四面四角で真っ直ぐな戦士パーンに、柔和な印象だが芯の強いファリスの神官エト、ハイ・エルフのディードリット、変わり者の魔術師スレイン、気のいいドワーフの戦士ギム、そして盗賊ウッド・チャックと、多彩な冒険者たちの物語である。
 しかし、仲間たちの成長物語というよりは、タイトルの通り大きな戦いの描写が中心。冒険者たちの冒険の過程が省かれているのがもったいなくもある。
 ロールプレイング・ゲームを基礎にしているので、シリーズはじめのこの本はまだどこかセリフ回しがぎこちない感もあるけれど、読めばやはり面白い。

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紙の本王様な猫

2002/02/20 11:02

個性的なキャラクターを待ってます

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 動物や子供に好かれるという特技を持つ星川光魚は、春休みを利用してペットシッターのアルバイトを引き受ける。はじめはヒョウに見えたほどの大きな黒猫3匹の世話をまかされたのだが、猫たちには秘密があった。
 猫、ハーレムというおいしい設定のわりに単調な話だった。主人公のキャラクターがはっきりしておらず、秋月こおの他の話の登場人物たちとたいして変わらないのが気になった。続編で猫たちが既存のものではない個性を見せてくれるかどうかで面白さが違ってくると思う。

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紙の本水に眠る月 夢見の章

2001/11/04 17:06

しっとり

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 周りを激しい砂嵐で囲まれた土地。そこは全てを統治する太陽の王、夢によって未来を予知する月の王、そして水の恵みを与える月の王子たちによって維持される奇妙な大地だった…。
 ごとうしのぶ流のしっとりした書き方が生きている。イラストも小説に合っているし、3冊で綺麗にまとまっているのですすめやすい。
 ボーイズ色とファンタジー色がほどよく混ざり合っているので飽きもこなかった。じれったい主人公カップルだけでなく、素直でないバイスと…もじらしてくれるので一気に3冊とも手に入れるべき。

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