やまもりさんのレビュー一覧
投稿者:やまもり
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紙の本半眼訥訥
2001/09/07 14:28
深みある社会観・人間観
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高村薫は、小説に限らず、エッセイとか批評でも鋭い視点を持った人です。『文芸春秋』2001年8月号に載っていた、文体論的な小泉純一郎論は本当に本当に感心して読みました。クールで、他人に媚びないところがすごくカッコいいと思います。新聞にときおり載る発言でも、うなずかされるものが多く、さすが「社会派」作家! と感じます。分厚い本が多いので、なかなか手を出すのに勇気がいるのですが…。
「半眼訥訥」は、いろいろな新聞や雑誌に載った文章をまとめた本です。小説で培った深みある社会観・人間観が、ダイレクトに社会批評に転化されています。最高におすすめの本です。
紙の本新しい歴史教科書 市販本
2001/09/07 14:38
やはり「問題教科書」
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この教科書は歴史事実を多く隠蔽しています。
この教科書は、自国のかつてした悪いことは極力隠蔽し、一見良いと思えるようなことは誇張して書く、という「自国中心主義」史観で書かれています。 しかし、このような姿勢ではこれからの国際社会で日本人は孤立するばかりでしょう。かなり危険なものだと思います。
自国の良いところも悪いところもすべて率直に知った上でその自己を肯定し、他者を理解し、協調を求めてゆく姿勢こそが本当の「愛国心」なのではないのでしょうか。
この教科書のような自国中心主義の発想では、排外主義や狭量なナショナリズムへと陥る危険性が高く、問題の多いものだと思います。
例えば、日本の加害の部分は「多数」「多く」と具体的な数を書かず、被害・無関係な国の被害は、何を根拠に正しいと分かるのか「・・人」「約・・人」と書く。都合の悪そうな所は、徹底的にぼかしているのです。
ありのままの自分を認めず、欠点を克服せず、隠そうとする国民は尊敬されません。
やはり教育現場で使うべきではないと思います。
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