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  3. まみ君さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年1月)

まみ君さんのレビュー一覧

投稿者:まみ君

14 件中 1 件~ 14 件を表示

紙の本フロイト先生のウソ

2003/03/17 14:18

すべての精神,心理関係者,必読

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

精神分析とかさー,催眠とか,あやしいと思っている人,あなたは正しい.
フロイトよ,昔っからあなたに対する批判は多いけど,ホブソンの「夢みる脳」に続き,久しぶりに直撃弾がでちゃいました.
これから,心理,精神関係の仕事に就きたいと思っているみんな,
これをしっかり読んで,変な学問?で一生無駄にしちゃいかんよ.
日本のカウンセラー,精神科医のレベルは先進国のなかで最低だと思います.
と,私の知り合いの偉い精神科医が言ってました.
でもこういう本が衝撃を与えると言うことは,書いた人がドイツ人であることを考えると,諸外国もたいしたことないかも.
と,いうことは,革命が必要だ.みんな,がんばろう.

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紙の本脳のなかの幽霊

2001/07/15 17:40

脳梗塞のひと、必読

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 脳機能、それをこんなにおもしろおかしく語れる学者がいるなんて。最近、日本でも学者さんの一般向け物語風情報教授本がはやっております。「空飛ぶ寄生虫」「見る脳・描く脳」、養老孟…この人達に共通するのは、、みんな東京大学出身だー…なんてこといいたいんじゃなくて…ようするに情報公開が始まってきたととらえていいでしょう。だから最近の患者さんは物知りで手強いのです。勉強しない医者は必然的に現役引退を迫られるのです。それにしても、このラマチャンドランさん、インド人で、昨今のアメリカの医療業界がアジア人に牛耳られつつあることを知らしめてくれます。DNAの発見者クリック、ソマッテクマーカー理論のダマシオなど脳の最先端をいく科学者はみんな仲間同士なのですね。それにしてもいつだったか、筑紫哲也の高尚な科学番組で(なぜかおかずとして広末涼子が出てた)立花隆がラマチャンドランにインタビューしたときのあの表情、一つ間違ったらインチキ詐欺師だ。でもこんなジョークが通じるほど、明るく「科学」しているのかと思うとなんだかうらやましい限りです。
 あ、それと栗本慎一郎、いるでしょ、もと明治大学教授の、パンツをはいたサルで有名な、その人、脳梗塞になっちゃって、独自でリハビリ法を開発したのだけど、この本を参考にしてます。もし若くして脳梗塞後遺症で苦しんでいる方がおられたら、是非参考にしてください。

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経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

パソコンの、車の、コンピューターソフトの、携帯電話の、その他もろもろのバージョンアップと呼ばれる現象、「先進国」に生きている人間の多くがそうした消費システムに踊らされている。いい加減疲れてるのに、そんなことは悪だとか、怠け者だとか、花粉症になったり糖尿病になったり挙げ句の果てには癌になったり、自ら命を断ったり、人間自身も消費されている。そして時には戦争で消費されたりもする。武器で死ぬと直接的だから悲惨さが倍増するようだけど、それより「バージョンアップ」によって殺される人間達の方が圧倒的に多い。
選ぶ権利があるとはいうものの、それでは生活ができないとなればもはや選択の余地はない。自然はもうあっぷあっぷなのだ。おぼれかかっているのだ。
筆者は言う、何も目新しいことなどかかれてはいないと。しかし読者にしてみれば、目新しくない情報は我々の虚脱感を解くためのカンフル剤になりはしたが、一時的なもので病根を断つ治療法にはなれなかった。目新しくない情報に共通するおのおのの連関を探し出すこと、またその対策法をうまく考えつくことができなかったのである。無論、この本がすべての解法を明示してくれるわけではない。具体的に何か指針を与えてくれるわけではない。だからちょっとした不安に陥るかもしれないが、それは私たちが自立するチャンスを残してくれたと解釈すべきだろう。自分で考えることからすべてはじまるのである。
「甘えの構造」は日本社会における人間の発育過程を論じたものだが、もはやそれは日本だけの現象ではなく、先進国のしかも機械に甘えざる(頼らざる)を得ない構造に広げることができる。人間に甘えることで成長することはできるが、機械に甘えることで私たちは自分自身を失う。

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紙の本言語を生みだす本能 上

2001/08/09 10:16

言語はようするにくう、ねる、あそぶといっしょ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 言葉がどうやって生まれたのか。チョムスキー理論は難解すぎて、すぐに挫折した私も、どーにかその理論を部分的に理解することが出来た(でもやっぱり難しい)。ところが内容はそれだけにどとまらない。進化論や発達論、それを「俗な」引用をもちいて堅くならないように保護させている。結論はようするに「言語は食べる、寝ると同じように本能」なのだ。学術本でこれだけジョークのセンスがあってしかも超一流の内容を含んでいる。失語症の勉強をしてみたものの、いまひとつイメージがつかめなかったのに、そうこの本を読んで理解できた。文法遺伝子なるものが存在すると予告しているが、いまやなんでも遺伝子だ。幸福、怒り、分子生物学的用語に置き換えて、レセプターや神経伝達物質が人間の感情にいかに作用するのか解ってきたからだ。おそらくは言語の遺伝子こそが根元的に人間らしさを理解するのには有用だろうと著者は考えている。地球上の生物の中で言語があるのは人間だけなのだ。動物のsymbolicな伝達を言語と考えてはいけない。サルは決して話すことは出来ないのだ。オウムにしてもそう。しつこく言語を教え込んで、「動物にも言語能力がある。」なんて、大汗かいていたアメリカの学者がいたなぁ。伝達は出来てもsyntaxはないのだ。反射や物まねの範疇でしかないのだ。ただし、それが生物界での人間の優位を証明するものではない。原始キリスト教的思想は背景にないようだが、利用される可能性はある。

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暗殺されそうな科学者?

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ケネディーがなぜ暗殺されたのか、CIA、マフィア、軍需産業など様々な思惑が絡んでいたと言われる。大統領程ではないにしても、科学者の視点でこれほど政府の軍事政策を批判して生命の危険はないのだろうか。それにしても常温核融合、磁気療法、俺も信じてたなぁ。ピップエレキバンってある(あった?)よね、あれまさしくvoodoo scienceに基づいたインチキ商売だよね、訴訟を起こされたら多分負ける。まあ医薬品なんて胡散臭い物ばかりだ。このての権利意識については日本人はおっとりしているから、だまされたまま幸せに生きていくのが普通かも。そうそう、例のビタミンO、ホメオパシーも載っている。世の中巨体なオウム真理教がはびこっているんだねぇ。科学的真理に到達するまでにはだいぶ罪作りな世論操作も必要なのかなぁ。こうしたある種の大衆操作はいろんなところで利用されている。政府(官僚)の発表だってそうだ。日本にも科学者からみた正直反論書はあって、「リサイクルしてはいけない。」なんて本もこの類だ。情報取得手段の発達に伴って一部の専門家にしかしられていなかった事実について知る権利を積極的に主張しよう。

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精神科研修医の必読書

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 たとえば推理小説のようなフィクション混じりの法廷喜劇が書いてあるわけではない。実のところ多くの精神科医は簡易鑑定は別として、精神鑑定を実践する機会がほとんどない。それは一部の「高尚」な学者が占拠する垣根の高い場所なのだ。実際にどんなことが行われているのか、世間の人も含めて多くの医師は知る由もない。
 こうした鑑定学には揺るぎない基礎をもった優れた臨床能力が要求される。多くの大学ではもはやそうした伝統的な精神医学を修めた診療課長は稀少である。研究? というより書きやすい論文の数で教授になった人があるとき事件を受け持って四苦八苦するのだ。例えば宮崎勤の事件をみてもわかるように診断は三者三様である。笑い事ではすまされない。そうやって精神科医が信用を落としていく。
 精神医学の診断が難しいのはひとえに病気の原因がわかっていないことに起因する。しかしながらその困難さに挑戦するため多くの臨床家が症状を客観的に記述し、まとめてきた。その作業の繰り返しによって精神医学の診断学も発展してきた。
 この本は何も鑑定の書き方だけを説いているのではない。生物学的精神医学が世界の潮流を占めるなか、本来の臨床に立ち返った診断学の醍醐味を多くの若い精神科医に問いなおそうとしているのではないか。日の当たることなかった「地味な」臨床家の重厚な診断学をrealityをもって堪能することができる。
 医学界はもちろんのこと、法曹界の方にも必読の一冊である。姉妹編として「司法精神医学研究」が上梓されたことも付け加えておく。

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医学界、法曹界にとってのバイブルです

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 マスコミの影響で精神疾患と犯罪の関係について大きな誤解が生じています。私は精神疾患イコール心神喪失を主張する者ではありませんが、現実の犯罪者が「判決」を下された後どのような処遇を受けているのかよくわかると思います。医療刑務所と言うところは精神医学を専門とする医者で滅多にさえ立ち入ることのない領域です。ましてや世間の方ひいては法曹界の方には現場の医療を垣間見る唯一の資料といえると思います。
 社会精神医学という分野がありますが、実のところ多くの犯罪はこうした分野と密接な関連性を持っています。しかしながら多くはテレビ好きの一部の専門家が診察もなしにマスコミの資料をもとに、想像の診断を垂れ流している状況です。願わくはそうした前情報に惑わされずに公正な裁判を行ってほしいものです。

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紙の本人間の証明

2001/09/06 21:51

人間の証明

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 たとえば人が信じられなくなったときあるよね。裏切られて、偶然で、運命で、わざと、裏切られたとするよね。そういうときにこの「小説」を読んだらまた、明日からどうにか生きていこうと思うよ。西条八十の詩、美空ひばりや村田ひでおの唄ばっかりつくってんじゃないんだから。詩人の声をうまくひとつのストオリィーとして完成させた、自然な運命の絡み合いを人の死を通して語っている。詩は長いストオリィーなんだ。思えばこの小説がでてきた頃は、「戦後」が死語になりつつある頃だった。それは実感できない遠い歴史上の出来事だった。やがて「悪魔の飽食」へと続き、戦争の意味を問いかけた。いろんなことが過ぎ去っていった。悪い記憶も衝撃も、幸せだったことも。しかし人間はおそらく、すべての人間に対して鬼になることはできない。

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言語と脳機能についてのuptodate

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

言語学というと文系の仕事だと思っているのは、先進国ではもう日本だけでしょう。児童心理学といえばいまだにピアジェ、かくいうわたしもそう思ってましたところ、チョムスキーとの論争が挿入されており、ああ、なんと時代おくれな私かなと悲しくなっちゃいました。しかし、だからといって、言語学の謎が解けてきたわけではなく、まだまだアプローチの面で未熟さを感じます。筆者に一つだけ反論するとすれば、失語症の患者は「失語」だけではなく、詳しく調べればその他の認知機能の変化もあると思います。だって、失音楽だからといって、音楽の認知機能が独立しているとは言わないですよね。言語も他の機能と独立しているとは思えない。脳の機能を評価する難しさは、ある局在機能と他の局在機能とのネットワークとバランスが複雑に絡み合っているからでしょう。その糸をほぐさなければ理解できそうにない。
この本はわかりやすさという点では、良書ですが、情報についてはスティーブンピンカーの「言語をつかさどる本能」の方が読み応えがあります。

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現代日本の研究機関と対比

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本屋で偶然見つけた本だった。特に目的もなく、ふらふらと子供をつれて文庫本をのぞいていたら「理化学研究所」の成り立ちが書いてある。科学の中心は物理学の時代から分子生物学の時代に移り、科学の世界はますます資本の規模が重要な発見と相関するようになった。はたして日本の科学の黎明期にあって、大河内正敏のような鷹揚な人物が科学者として存在したのは幸福なことであった。むろん当時としてもアメリカの巨大資本の前に対抗できるはずはないのだが。もはやデレッタンティストであり、専門家であるという、有名な寺田寅彦のような人物は必要とされなくなりまた生まれなくなった。さらには一人の天才に頼り新しい発見を生み出す時代は完全に終わった。大局的には日本での科学は20世紀初頭に個人の発見から集団の発見へと変化する端境期にあったといえるが、まさにその橋渡し役を担ったのが当時の理化学研究所だったのではないか。そういう感想をまずもった。
 著書のなかに盛んにでてくる「自由」というコトバ。自由というのは責任を兼ねている。しかしおそらく日本人というのは自由になれていなかったろうし、自由な楽園の背反に属すべきは本来は責任なのだが、当時の彼らにとっては使命感とか忠信といったほうがよさそうだ。大学は自由であるべきだという考え方が一方ではある。しかし現在の大学の硬直化を招いたのも、大学人としての自由、いまでは保身と言った方が良さそうだが、それを守るために独裁的になり、むろん研究者としてのチェックはもはや教授になってしまえば免除されるし、そうした責任のない自由を与えてしまったせいであろう。現在の理科研はどうであろうか。少なくても研究機関としての大学はもはや救いようのない次元まで堕落している。恐慌寸前の経済になってようやく、不必要な大学が淘汰されようとしている。第二の大河内があらわれて堕落した科学界の構造改革を夢に見るのは私だけだろうか。







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診断は病歴が命

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 それがよーくわかる一冊ですな。これから医者になるみなさーん、検査は控えめに病歴はしっかりと、それが医療の基本ですよー。忘れないでね。私の琴線に響いたのは「脳外科医はあまりわからないが何かできる。神経内科医はよく知っているが何もできない。」の名言です。
 専門家用の著作じゃないけど、もちろん専門家が読んでも、そうでない人が読んでも十分面白い。昨今世間一般でも「脳」に注目が集まっているから、入門書としてもよいかもしれない。それにしてもアメリカ人の専門家は読ませる技術が一流です。
 日本のプロ野球でも、ほら森田が復活したでしょ、片麻痺があるのに、あれすごいよね。この本でもプロ野球選手の話が出てくるのです。その診察、推理力には感心しますね。あれやこれや検査なんて必要ありません。ただ体の中を除いたわけではないので、100%というわけにはいかないけど。患者さんは治療はもちろんだけど、予後についても知りたいわけで、たとえ難治の病気であってもその先どうなるのか理解していることが対策を考える上で重要です。したがってそのおおもとたる診断学をしっかりしないとたいへんなことになります。ただむずかしいときもあるのよね。そのへんのジレンマを神経内科医は毎日感じているのかも、だから本を書きたくなるのかも。

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暴対法下のやくざ

2001/07/15 23:25

最近、なぜ犯罪が増えているのか

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 最近犯罪が増えていることが身近に感じられることがある。映画「ゴットファーザー」をみればわかることだが、もともとヤクザ者は地域の自警団を担っていた。戦後、警察権力が暴徒化した民衆を抑えきれなかったとき「ヤクザ」の手をかりてこれを沈静化したのは有名な話である。
 宮崎学のサイトをみればよくわかるが、やくざを暴力団と命名し大衆を扇動し、己の権力を強大化させてきたのが現在の警察である。彼らはただの一官僚組織に過ぎないのに、大衆に権力者としてのイメージを植え付けている。あれだけの不祥事が暴露されたにもかかわらず、駅の広告には警察官募集のポスターが貼られている。この不況のさなかなぜ一官僚組織だけが潤っているのだろうか。パチンコ屋のカード導入にしてもしかり。ようするに利権の争いなのである。
 暴対法は警察の権力強化であり、現在ちまたにあふれている犯罪はその結果導かれた「外国人」の、あるいはそれに組みする「暴徒」によるものである。盗聴法という最大の武器を手に入れた警察はさらなる権力強化をはかりそれによってますます閉塞感の強い社会が作られていく。
 インターネットの規制も徐々に行われてきている。聞いたことのない法律で取り締まりが強化されてきた。私たちは何ら防御策を講じないまま、泣き寝入りするのだろうか。犯罪の被害者になるまで。

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精神分裂病の神経心理学

2001/07/15 16:26

精神分裂病の神経心理学

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 その昔ブロイラーが提唱した分裂病の中核症状、思考障害、現在の分裂病研究における出発点のほとんどはそこではなかろうか。局所的な障害が全体に影響を与え、あるいは全体的な障害が局所症状を浮かび上がらせる場合もある。分裂病が前頭葉を中心とする障害であることについてはおおかたの賛同が得られているが、前頭葉という言葉を使用することがかえって問題を複雑にしている。なにしろ前頭葉が「何者であるのか」がわかっていないのだから。無論、後天的な障害を観察しその部位の機能を想定するのは古くから行われている。大脳の局在には人それぞれの個性があるらしいことがわかってきている。同じ部位が障害されていても表出される症状が異なるのだ。分裂病についても人によって異なった障害部位が想定される。さらに複雑なことには分裂病がどうも単一疾患ではないことだ。こうなると何を指標に研究を勧めていくべきかわからない。かつて主流であった精神病理学が廃れ(しかしながら犯罪、社会問題と関連する臨床医学においては現在もそうしたアプローチが必要なのだが)、少なくとも設計図は提示されている遺伝子が研究テーマの主流になるのは当然のことだろう。言葉遊びの時代はとうに過ぎたのだと。神経心理学についてもある種同様の傾向が押し寄せていた。結論をもとにやや矛盾していても安易な仮説をたてることが許されていたのだ。しかし厳密さを好む科学者が分裂病を研究対象として取り上げてくるようになると、こうした胡散臭さが攻撃の対象になってきた。
 この本の趣旨たる神経心理学はかつて、脳損傷者を土台にして隆盛を誇った。そして分子生物学の台頭によって精神病理学と同じく時代の潮流にまさにのりよこねようとしていた。しかしSPECT,PET,fMRIの登場によって「大進化」をとげ、その組み合わせが多くの興味深い知見を生みだした。ただし、「にもかかわらずどうもよくわからない」のが現時点での結論になる気がする。有病率としてもっとも多い、しかも若年発症のこの神経疾患を克服するのはまだまだ先のようである。

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紙の本だれが「本」を殺すのか

2001/06/30 11:46

だれが本を殺すのか

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 本大好き人間からの愛の挽歌ですな。情報伝達として、紙の形をとるのか、それとも他に変わるものがあるのか、それが時代と共に変遷していくのは仕方のないこと。ただ、文化として産業として成立した時代の、かつてそれに全てをかけていた、あるいは現在もかけている人間にとって、「本」が衰退していく原因をさがすのは、それを一冊の大著として世に問うべく十分な動機であったに違いない。
 本を読む理由のひとつに実ははずかしくてこんな事大声でいえないのだが、自分だっていつかミニ小説家になって本を書いてやろう、なんて野望が心の片隅にあるのは否めない、たぶん多くの「読書家」がそうだ。でも、そんなの表現の一手段でしかない。かつて小説がもてはやされていた前近代のなごりでしかない。娯楽が増え情報が増え、もう自宅に閉じこもって文字とにらめっこしなくても十分自己表現はできるのだ。文章をかくったって、別に紙のうえでなくてもいいじゃないか。
 そうはいうものの、俺だって「読書家」のはしくれです。多くの文化がうまれて死んできた。そのくり返しにすぎないのではないか、本なんてそんなに高尚じゃない。おれは本がある限り買い続けるだろうけど、でもだからって本が衰退していくからといってその流れを止めようとは思わない。文化はみなそうやって死んでいったのだ。
 有名図書館でのインタビュー。公務員的なのはやはり貸出の数が業績になることだ。図書館が子供の遊び場みたいになることだってある。でもそれでいいのではないかと思ったりする。たとえ漫画ばかり借りていったって、その中の誰かはそれ以外の本にきっと手をだす。大人が読みやすい空間をつくるなんて、そんなの喫茶店だってできるじゃないか。子供が本にふれる空間の方が大事じゃないか。駄本で十分、ベストセラーのミーハーでいいからどんどん購入したらいい。図書館は読書のプロのための空間ではないのだ。図書館についての著者の主張には賛成しかねるなぁ。やっぱり欲しい本は買いたくなるでしょ。プロはそれでいいんですよ。ときどき専門書を見に行くくらいでいいじゃないか。

 「再販制度」…この際、こんな無意味な制度なくしてよ。売れない本はそりゃ、なくなるだろうけど、いざとなったら情報のストック源としてインターネットがあるじゃない。

 いろいろ書いてあるけど、結局文明の進化に伴って、本も電子化されていくんだな。ちょっとした違和感をもちながらもそれに飼い慣らされていく本好きな人たち、その一人として文章家が世にその寂寥感を伝えたんだな。

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