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HRKNさんのレビュー一覧

投稿者:HRKN

44 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本スキップ

2002/07/06 16:05

時間を取り戻そうとする姿勢

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

体を動かしながら考えること。主人公真理子のこの姿勢は見習いたい。

やわな部分を持ちつつも、それを直視することなく常に前進し続ける主人公。そんな主人公が戻ることができない楽しい時間と、その時間と共に在った友。失った時間を思い知らせるのも、崩れ落ちそうになるのを救うのも、その友だった。残酷な内容でもあるが、最後には不思議な爽やかな気分が漂っている。この感じ、これを味わいたくて幾度となく読み返してしまう。

何度読んでも、主人公に感情移入してしまう。次に再読する時は美也子の視点に注目して読んでみたい。

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「鈍」で在ること

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

小澤氏の対談本には武満徹氏との「音楽」があるが、本作品はそれよりもずっと肩の力の抜けた内容であり、より自然な小澤氏の語り口が楽しめる。正直、読み始めた時は小澤氏と広中氏の緊張感があまりにもないため、なかなか読み進められなかったが、慣れれば何の問題もない。お互いがそれぞれの分野のスペシャリストではあるが、違う畑の住人同士であるため、自分の分野を語る言葉が懇切丁寧である。そのせいか、これまでの著作からも垣間見えた小澤氏の音楽観や人間観のようなものが、ここではより普遍的な形で表出しているように思う。

しかし、「運・鈍・根」というキーワードは面白い。特に「鈍」であろうとするのは難しいが、現在も大活躍の二人からこの言葉を聞くと励まされる思いだ。

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クラシック音楽愛好家必携

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

版を重ね、より詳細に作品名が収録された。簡潔にまとめられた作曲家の紹介も親切だし、重要な作品ではその内容にまで言及されており嬉しい限り。辞書的な機能ももちろん万全だが、ページをめくっているだけで多くの作曲家と出会うことができるのが貴重だ。編著にあたられた井上氏の労力には脱帽。クラシック音楽を愛する者には必携の書と言える。

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紙の本夜の蟬

2002/07/31 23:13

この人の文章が好きで、少し怖い

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

北村氏の円紫師匠登場のシリーズ、完成度という面から言えば本作が随一ではないかと思う。あまりにも深い。ミステリに、謎の提示とその解決の驚きのみを求めるのであれば、本作が与えてくれるものは少ないかも知れない。だが、人間を愛する者、文章を愛する者にとっては本当に響き響く内容だ。謎が解かれねばならない理由、解かれることで起こる感情、それが現実感を持って迫ってくる。決して嘘臭くなく、現実離れせずに。これほどに温度を持った文章を書ける北村氏が、少し怖い。

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紙の本錦繡

2002/07/31 22:54

透明の向こうの壮絶

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私は本作「錦繍」で初めて書簡体という形式を知った。高校生の時である。書簡体の小説は近頃では珍しいらしい。文庫に併録されている解説にそうあった。書簡体というのはある程度使い尽くされた形式なのか、と当時少し残念に思った記憶がある。しかし、本作のこの雰囲気は書簡体でなければ描けないものだと思う。中に展開される二つの人生の浮き沈み、これは手紙というある意味で冷静な媒体を通してこそ、その凄まじさが生きてくるのではないか。

初めて読んだ当時、一通目の手紙の訥々と続く語りになかなか馴染めなかった。が、作品のボリューム自体は大きくないし、淡々と続く手紙のトーンとそこに展開される壮絶な人生の圧力の対比に浸っているうちに読み終えていた。一つ重要なキーワードが前半に登場人物の口から発せられ、それに向かって二つの人生が収斂され、そしてそこを出発点に別々の方向に決然と向かって行く様に心底感動した覚えがある。

今回改めて読み直してみると、いくつか気付くこともある。本作が書簡体であることを読み手に確認する技術、それが見えてしまう部分も所々にあるように思う。しかし、登場する二人の生き方、生き様の凄さはどうだろう。感動できた。ある程度歳を食った今だからこそ、新鮮に読むことができたのかも知れない。

作中に登場するモーツァルトの交響曲第39番、この音楽作品の無色透明な雰囲気は、「錦繍」に描かれているものに近いと思う。本作を読み終わった後、交響曲39番を聴いてみたのだが、その雰囲気の繋がりには驚愕を覚えるほどであった。宮本氏の、この音楽作品を選び取ったセンスには全く脱帽である。

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紙の本チップス先生さようなら 改版

2002/07/13 17:28

宝石のようでもある

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不思議な作品。決して目立つ人物ではないチップス先生、彼の人生が描かれるのだが、長い時間をかけては描写されない。断片的なエピソードが重ねられるだけ。まるで詩を読むような心持ち。そしてチップス先生を巡る人の優しさ、それが伝染してくる。軽快でいて軽薄ではない。この味が出てくる秘密はどこにあるのだろう? それを確かなものにしたくて何度でも読んでしまう。いつ読んでもキラキラしている。何度読んでもその輝きは色褪せない。おかげで手元にある文庫本はボロボロ。いつも身近に置いておきたい作品である。

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励まされる強い言葉

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

同時期に出た「海馬」と併せて読んだ。「海馬」は、対談する二人が面白い言葉を述べてそれに感動し合い、そして読者を励ましていくような内容。人生捨てたものではないと改めて考え直したところだ。

だがこの「調理場という戦場」、これは厳しい。「海馬」は理論的で優しく静かな励ましであったが、こちらは常に叱咤されているような印象である。決して愉快な内容ではなく、緊張が解けない。私に欠けている物事への対し方が、これでもかこれでもかと提示し続けられる。時に、その強い生き方に気圧されそうだ。だが独善的では無く、読み進めるうちにその緊張が心地良く思えてくる。読み終わった今、気持ちに重いものが残ったような感じである。

非凡で在り続けるためには、平凡なことを繰り返すことが一番近道なのだろうか。目の前のどんな些末なことも疎かにせず、進み続けるスタンス。私の心に深く深く叩き込まれてしまった気がしている。

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コーラスは楽しい

2002/07/05 14:44

歌の中に身を置きたい

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私は合唱音楽に足を踏み入れたことはないが、本書読了後暫くは、市民合唱団への入団を本気で考えていた。関屋氏の合唱への真摯な姿勢に打たれてしまったのだ。

関屋氏は、長きに渡り多くの市民合唱団の指導に携わってきた人物であり、氏を慕うそれら合唱団を総称して「晋友会合唱団」というらしい。私の手元にも、彼らが演奏参加した小澤征爾/ベルリン・フィルの「カルミナ・ブラーナ」と、武満徹の合唱作品を特集した彼ら独自のアルバム「うた」があった。前者の力強さはベルリン・フィルのそれに全く遜色なく、作品の土臭さと歪な崇高性に合致した彼らの歌いっぷりには舌を巻く。後者の冒頭に収録された「さくら」での繊細な音作り、彼らの歌う喜びに包まれるようだ。ハミングさえ絶美である。関屋氏が求めた実際の音の形を聴くと、本書は誠に説得力に満ちた内容となる。こんな人の下で、こんな音楽の中に身を置いてみたい。

入団への迷いは、まだ完全には払拭されないでいる。

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紙の本空飛ぶ馬

2002/07/04 10:20

言葉の仕掛け

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北村薫氏のデビュー作。本作品が最高傑作だとする向きも多いと聞く。この頃の北村薫は「覆面作家」だった。主人公が女子大生ということもあり、女性作家であるという評判が主たるものだった。文章がたおやかであるし、女性のしぐさの描写なども的を得たものだったからだと思う。しかし実際は…。

さて、本作品はどのページにも、言葉遊びのような仕掛けがいくつもあり、読み飽きさせない内容である。その輝くような言葉が、謎解きの面白さと人間の感情の深遠さ、それを徹底的に表現する。重い内容であっても、爽やかに味わえる。五つの短編が収められているが、標題作「空飛ぶ馬」のほのぼのとした温かさが印象的。私はやはり、北村作品の初体験となった「織部の霊」が好きだ。

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豊饒な音楽と、饒舌な文章と

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矢代秋雄、その創作活動の全盛期に唐突に亡くなってしまった作曲家である。遺された作品は寡少であるが、その殆どが現在も演奏し続けるに値する魅力を湛えたものだ。日本フィルハーモニー交響楽団からの委嘱による「交響曲」の壮大な楽想、刺激的なオーケストレーション、第三楽章の官能的な旋律。日本交響曲史上に燦然と輝く成果である。尾高賞を受賞した「ピアノ協奏曲」の揺るぎない構成感、その機能を使用し尽くした独奏ピアノ、最終楽章のスリリングな疾走。協奏曲を楽しむに必要なエッセンスが横溢している。この二曲の存在だけでも、矢代の名は長く語り継がれることになるはずだ。

そんな矢代の音楽観を、この論集で知ることができるのは幸運である。彼持ち前の批判精神、音楽上の広い見識、それら矢代の創作のバックボーンとも言えるものを存分に味わうことができるのだ。矢代の熱い語り口は臨場感満載であり、彼の音楽作品を彷彿させる。

例えば、フランスの作曲家ジョリヴェに対する文章、矢代は「私にとって、この作家は、全く不可解である。いや、そう言っては嘘になる。はっきり言ってしまえば、大嫌いである」と真っ先に書く。毅然と第一主題を提示する「交響曲」の率直さと同じものだ。一歩間違えれば独善的に過ぎる口調に陥る危険もあるが、そう感じられないところが矢代の真骨頂だ。そして更に「まず、私はこの人の顔が嫌いだ」と来る。危ない。「ピアノ協奏曲」のスリルに近い。もちろんジョリヴェの創作姿勢・作品への的確な批評があとに続くからこそ、バランスが取れ、緊張と弛緩の演出ができているのだ。音楽的である。他にも、ショパンの作品の構成力、戦後の代表的な音楽作品選出、作曲家三善晃への賞賛、自作の説明、指揮者ジャン・フルネやフルート奏者ランパルへのコメント、など、音楽を好む人間にはたまらない文章が数多く収録されている。どれも膨大な音楽的知識に裏付けられた、大いに肯かされる内容だ。自作を語る部分では、譜例もいくつか掲載され興味深い。

早くに亡くなった矢代の情熱、音楽への愛は、数少ない音楽作品に封じ込められていると同時に、本書にもまた在る。読むたびに、矢代の主張・音楽が生き生きと表出してくるようである。

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紙の本秋の花

2002/06/29 12:40

それでも生きる

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「人が死なないミステリ」を書く作家だった北村氏、この作品では初めて登場人物が亡くなることになる。それだけに「死」の意味は深く語られているように思う。

時間を奪われる否応の無さ。真相が明らかになることの悲しみ。推理を巡らせる場面も下衆な雰囲気は出ず、深刻さが際立っている。透徹した冷めたトーンが中盤までは続く。だが終盤に大きく動き出すのだ。終盤は最後の一文に向かって急展開する(この手法は北村氏の後の著作「ターン」の雰囲気を彷彿させる)。悲しみが深まり、登場人物の感情が渦巻くのがわかる。動揺と不安。その一部分に私も加わることを余儀なくされてしまう。そして、全てを救う最後の一文。包容力、悲哀に満ちた広大な包容力。生きること、死にゆくこと、その全てが私の中に染み込んで来るのが分かった。それでも生きていかねばならない、それでも生かさねばならない、そんな励ましに感じた。

この作品のミステリとしての評価は私には出来ない。驚愕の底に突き落とされるような画期的なトリックを採用するミステリならば、他にも数多く存在するのだから。だが、本作品ほど「謎を解くことの意味」が悲しくも明瞭に語られる作品はないのではないか。謎が在るだけではなく、謎を解かねばならない切迫感、生きる人にとっての謎の意味、そこまで十全に語ることのできている希有な作品だと思う。

最後の一文と、次作(六の宮の姫君)で更にエピソードが重ねられる辺りに、北村氏の深い優しさを感じた。本作品の存在で、私は生きていくことの意味を忘れずに済んでいる。一生手元に置きたい作品である。

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紙の本スキップ

2003/08/14 21:43

時間を取り戻そうとする姿勢

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体を動かしながら考えること。主人公真理子のこの姿勢は見習いたい。

やわな部分を持ちつつも、それを直視することなく常に前進し続ける主人公。そんな主人公が戻ることができない楽しい時間と、その時間と共に在った友。失った時間を思い知らせるのも、崩れ落ちそうになるのを救うのも、その友だった。残酷な内容でもあるが、最後には不思議な爽やかな気分が漂っている。この感じ、これを味わいたくて幾度となく読み返してしまう。

何度読んでも、主人公に感情移入してしまう。次に再読する時は美也子の視点に注目して読んでみたい。

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紙の本仕事、三谷幸喜の

2002/07/31 23:41

舞台を見てみたい

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非凡であろうとしても、非凡にはなれない。自己の身の丈をわきまえ、そこから少し先を目指し仕事を続けていく。そういうシンプルな作業こそが、非凡であり続けられる根源なのだろう。勇気をもらえる本だった。

特に、三谷氏が淡々と「人生の流れのようなもの」を止めたと書く部分には、大いに共感した。

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紙の本優駿 上巻

2002/07/31 23:00

物語作家の面目躍如

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物語作家としての宮本輝の最高傑作ではないか。どんどんと話に引き込まれる自分が面白い。宮本氏の長編には、ともすると部分部分の面白さを追求し過ぎて全体のフォルムがあやふやになってしまっているものがあると思う。だがこの作品は、細部の描写もきめ細やかであると同時に、全体のスケールも失われず、作品の雄大な存在感が誇示できている。映画化されたのも肯ける面白さ、ぜひ読んでみていただきたい。

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音楽を離れた作曲家の姿

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矢代秋雄氏の音楽論集に「オルフェオの死」がある。ここでは音楽全般に関わることや、彼の創作姿勢、何人かの作曲家についての考察など、読み応えのあるシリアスな内容が展開されている。対して本作は、肩の力を抜いて読めるエッセイ集である。もちろん音楽論として扱っても全く遜色無い文章もあるが、全体的には身近なテーマを扱ったものが多く収録され、音楽を離れた矢代氏の姿が表出するようで興味深い作品だ。室内楽の楽しさを簡潔に語ったかと思えば、犬ぎらいを高らかに宣言。乗馬への思いを綴った文章や、黛敏郎氏への短いながらも情に溢れた文章もあり、読み飽きない。文章の出典が様々であるため、全体としてのまとまりには欠けるが、その散らかり具合も愉快だ。

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