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先月(2017年1月)

ヨーキーさんのレビュー一覧

投稿者:ヨーキー

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本トリップ

2004/05/24 19:03

しょぼいリアル

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

関東近郊のしょぼい町を舞台に、しょぼい登場人物によって繰り広げられる、十話のしょぼいお話の詰まった連作短編集。
全編、いかにも「小説的」な、劇的且つ運命的な出会いやご都合主義的展開はほぼ皆無と言ってよく、しかし、どこにでも誰にでも起り得るお話ばかりかと言えば決してそうではなく、小説なのにどこか「現実は小説より奇なり」と思わせるリアルさが漂っている。

私個人的には、角田さんは物語を描く作家ではなく、人間を描く作家であるような気がしている。
本作品でも、各主人公たちを形成しているのは、時に貧乏臭さを感じるほどの生活感と、きれい事とは対極にある剥き出しの人間臭さ。余すことなく描かれたそれらのせいか、自分とどこか重なる部分を持つ登場人物はもちろん、自分とはまったく異なる世界を生きる人物にも共感を覚え、あっさり物語に引き込まれてしまう。まず人ありき。ストーリーに人が引っ張られるのではなく、人がストーリーを引っ張っていく。

ストーリーと言っても特別なことはほぼ起らない。淡々と過ぎていく十人の日常と感情が、どこか冷めた目線で切り取られている。
ご本人が「しょぼい話を書くのが好き」と仰っているだけあって、どの話も実にしょぼくて、颯爽とした格好の良い人間など一人も出てこない。みんな、何かから逃げたがっていたり、あきらめていたり、他人をひがんだりしている。彼女の作品を読むたび、そこはかとない痛みを心に感じるのは、自分もしょぼい日常を送る、格好悪い人間であるからだろう。
小説世界に【ジェットコースター的展開のあとの劇的なハッピーエンド】のみを求める人や、【最高な日常を送る最高な自分!に満足している人】にはおすすめしない。きっと、そういう人が読んでもこの本の良さは理解できないだろう。

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銀の皿に金の林檎を

2004/05/25 23:01

あっけらかんとした孤独

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

芥川賞作家という肩書きの入った帯と、タイトルと装丁の素敵な写真に惹かれ初めて手に取った『大道珠貴』。隣に受賞作である「しょっぱいドライブ」も並んでいたが、迷わずこちらを手に取った。タイトルと装丁ってのはつくづく大事だと思う。

さて、この小説は主人公・夏海のの四章で構成されている。
観光名所のなかにある町で、52歳にして30代に見える祖母と、祖母が四十代半ばで生んだ、歩と空という二人の子と、魚谷という祖母の愛人に囲まれ暮らすの夏海のまでが淡々と描かれている。
登場人物は主人公をはじめ全員、どこか現実感が薄い。ふわふわしている。とりとめがない。出てくる人出てくる人、みんな一風変わっていて、読者に共感を抱かせない。様々な出会いや出来事を通じて主人公が成長していく話でもない。ただ、飄々と生きる一人の女性の15年間がありのままに語られているだけだ。そして、そのありのままの不器用さや正直さや寂しさが、ふいにこちらの胸を衝いてくる。安定を求めない、どこかへ行きたい、このままで終わりたくない、という主人公の言葉が「居場所が欲しい」という心の叫びにも聞こえてくる。彼女の求める居場所は15年間きっと同じまま。そこに辿り着けずに漂流し続け、これからも漂流し続けるんだろう。なんて切ない。

大道さんの魅力はいかにも文学的な堅苦しさのない、砕けた文体にあるのではないのかと思う。かえって読みにくいほど、簡単な漢字もカタカナやひらがなで書かれている。今まで小説ではあまり読んだことのないタイプの軽めの文体に最初は驚いた。これが芥川賞作家?と思わず首を傾げもした。けれど読み終わる頃にはすっかりその魅力のとりことなっていた。憑かれたように彼女の全作品を読み漁った。結果、おそらく他の作品を最初に読んでいたら、その一冊でやめにしていただろうと思った。と考えると『銀の皿に金の林檎を』は、タイトル・装丁・文体・内容の全てがたまたま偶然にも私の好みにぴたりと合致したのだと思う。けれど新刊が出たら、きっと読むに違いない。再びのぴたりを期待して。

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紙の本アッシュベイビー

2004/05/26 13:20

勝手にいつまでももがいてろ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

“悲しすぎて、私はもう涙がダクダクで、マンコも泣いて”
(。はなし)
最後の一文を読み、あーやっと読み終わったとぱたりと本を閉じた。自分で自分を誉めてあげたい。
疲れた。こんなに疲れた小説は久しぶりだ。内田春菊の著書を読んだ時と似た疲労感。いや、徒労感と言うべきか。
単行本であることと厚みを考えれば1000円は安いと思い、書店で平積みにされていたのをつい手に取りレジに向かったが、途中で何度もページを閉じかけた。そういえば忘れていたが、『蛇にピアス』は最初の数ページで読むのを放棄していた。

文章は上手いと思う。読ませる文章をお書きになる。リズムがいいのですらすら読めてしまうが、内容がもう生理的に駄目。受け付けない。何度も気分が悪くなった。
特に、キャバクラで働く主人公・アヤとルームシェアしているホクトが、預かったという親戚の赤ん坊(女)に対して行う、ペドフィリア行為。
チンコとマンコの連発や、ホクトが鶏やウサギを犯して殺す場面描写は、漫画的でリアリティーもなく笑えもしたが、赤ん坊に対する行為だけはリアリティーのあるなしに関らず、娘を持つ親としてただひたすら嫌悪感を覚えた。こういう鬼畜な話を二十歳そこそこの少女が書くのかと別な意味で感心はしたが。

作者は社会の底で生き難さにもがいている人間たちを書きたかったのだろうとは思うし、そういう話は私も好きだ。しかしこの作品に対しては「勝手にいつまでももがいてろ」という感想しか私には持てなかった。

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