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レビューアーランキング
先月(2017年8月)

チャミさんのレビュー一覧

投稿者:チャミ

197 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本わたしのいもうと

2005/12/24 20:25

人を傷つけるのはたやすいが、傷ついた心を癒すのはとても難しい。そのことを少しでも子供たちに分かって欲しい。

22人中、22人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

松谷みよ子さんの絵本らしくない、どこか陰鬱なイメージのする表紙。でも、何故か惹かれて読んでみた。
いじめをテーマに描かれたこの作品は、松谷みよ子さんへ寄せられた一通の手紙をもとに作られたそうです。
あまりにも可哀相で衝撃的な内容に、読後もしばらく涙が止まりませんでした。
小学校4年生の時に転校した学校でいじめにあったいもうと。
「くさい」「ぶた」と言われ、「汚い」と避けられ、誰からも口を聞いてもらえず、遠足もひとりぼっち。
食事ができなくなり、病院で目にしたのは、いもうとの体に無数にあるつねられたあざ。
衰弱しつつあるいもうとの口にスープを運び、抱きしめ、添い寝し、精一杯の愛を注ぐ母親。
やがて、いじめた子は中学生になり、高校生に。
でも、いもうとの時は止まったまま。心を閉ざしたまま。
そして、ある日、ひっそりと死んでしまいます。
最後に残された手紙には
「わたしをいじめたひとたちは
もうわたしを
わすれてしまったでしょうね
あそびたかったのに
べんきょうしたかったのに」
絵本では、最後までいもうとの顔は描かれていません。
ただ、転校前のシーンでは野原で遊ぶ明るい少女の姿があるものの、その後は後ろ姿やうつむいた姿勢だけ。
それが、いっそう、いもうとの心の闇を浮かび上がらせ、どれほど傷ついているのか手に取るように読者に伝わってきます。
いじめている人にとっては遊びやすぐに忘れてしまうことでも、本人にとっては命にかかわる問題になっていることもあります。
また、この作品では母親や姉の深い愛情と哀しみもにじみ出ています。
いじめを受けた本人だけでなく、いかに家族が苦しむか…。
「いじめ」とは家族をも巻き込むことを忘れてはいけません。
また、現在、子を持つ母である私は、このいもうとの母親が必死にいもうとに愛を注ぐシーンにこみ上げるものがありました。
自信を失い、心を閉ざしてしまった幼い子を救えるのは、母の愛情かもしれないですね。子宮に戻してあげるほどの深い愛でなければ、傷ついた子は救えないかもしれません。
それでも、死を選んでしまったいもうと。
残された母親のやりきれなさと悲哀が胸をうちます。
私なら、我が子を救えるだろうか。
いや、なんとしても救いたい。
そして、そんな悲しい思いをさせたくないし、誰かを傷つけさせることは決してあってはならない、と思いました。
この本は、子供だけでなく、大人にも読んで欲しい絵本です。

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紙の本三コ

2009/05/19 22:05

いつまでも心に残る名作。命を捧げて山となった巨人の話

15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「花さき山」「もちもちの木」の斉藤隆介と滝平二郎さんのコンビで贈る、心に感動を与える絵本。三コは秋田の平野にずっと昔から生きている巨人。その山のように大きな体を見たものは誰もいなかったが、三コのやった仕事だけは目にすることはできた。例えば、きこりたちのために谷川にかけられた橋や百姓たちのためにつくられたため池など。そんなある日、三コの姿を見ることができたものがいる。オイダラ村のオンチャと呼ばれる次男坊や三男坊たちだ。彼らは跡取りでないために仕事がない。そんな彼らのために、三コは山に木を植え、きこりの仕事を作ってあげた。ところが、ある日、その山が山火事になる。どんどん燃え広がる山火事。このまま、火が広がれば、秋田の国は火の海になるかもしれない…というその瞬間、三コは山を抱きかかえて火を消そうとしがみついた。村人たちに最後の笑顔と「焼け跡にはまた木を植えろ」という言葉を残して…。
斉藤隆介の民話風の創作絵本。あとがきには次のような言葉が記されています。「八郎は水に入って死に、三コは火にかぶさって死ぬ。しかし、太く貫いて共通点はある。それは、八郎も三コも働く貧しい人々のために命を捧げて死ぬ巨人だということである。しかも、はにかみを知る心優しき巨人だということである。それが、私の、人間の理想像だ」と。「花さき山」で老婆が言った、「いいことをすれば花になる。命を捧げれば山になる」という言葉がよみがえり、山のように大きな命の尊さを深く思う。命を無駄にすることなく、誰かのために生きること。私たちが忘れがちなものがこの絵本には描かれています。
さらに、斉藤さんのあとがきの続きには、次のような滝平さんの仕事への情熱を感じさせる言葉が描かれています。「この十年(1975年当時)、常に私の挿絵を書いてきてくれた滝平さんが、それを(三コ)をすばらしい絵本にしてくれた。前作「八郎」よりさらに一段の進境である。かいてはかき直し、かき直してはかき、私と編集者を二年待たせた。できばえは待ったかいがあった。インスタントばやりの当今、作者も画家も編集者も、こんなもどかしいような手間をかけたことに、私はひそやかな誇りを感じている」
このあとがきが書かれた時から30年以上の時が過ぎ、さらに世の中は効率の良さを求め、時間短縮へと突き進んできています。
気の遠くなる作業を繰り返し、何度もやり直し、納得のいくまで手間をかけられた傑作だからこそ、絵を見ただけで心を打つものがあり、心に深く刻まれるのでしょう。そんな作品を創りあげることのできる作家がこの世から去られたことが、とても悲しく惜しく思います。

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紙の本ちびくろ・さんぼ

2005/05/05 04:44

復活して良かった!

13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

なぜ、この本が絶版になったのか不思議でしょうがなかった。初めて読んでから早三十年は経とうとしているのに、内容は鮮明に覚えている。この本ほど子供たちに当時愛された本はなかったのでは、ないでしょうか?
何より、お話がユニーク! せっかく、お父さんに買ってもらった新しい服や傘、靴などを身に着けてルンルン気分でお散歩していたのに、トラたちがやってきて…。名場面は、トラがグルグル回るシーン。当時、幼い私は本当にバターはトラから作られると勘違いしてました(汗)。そして、そのとろりとしたイラストを見て、なんて美味しそうなんだと…。そして、この本を読むと必ずホットケーキが食べたくなって、母に作ってもらった思い出があります。一冊の本が、幼い頃の記憶を呼び覚まし、母の作ってくれたホットケーキの味まで思い出させるなんて素敵なこと。子供たちにも、そんな思い出を持ってほしいので、読み聞かせています。そして、子供たちの目には人種など全く意識せず、サンボの物語として、喜んで絵本を読んでいます。人種差別と意識するのは、とても心の寂しい大人の視点で見るからなのでは? 永遠に残したい名作です。

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人との関係に悩んだ時に手にとって欲しい一冊

13人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

自分はいつもきちんとしているのに、どうしてだかうまくいかない。周りに嫌なヤツがいていつも自分の足をひっぱる。家族関係がギクシャクしてる。仕事でも部下が思うように動いてくれない…。本書は仕事や家庭、自分を取り巻いているトラブルの原因である人間関係を見直し、問題を解決に導いてくれる秘策を教えてくれます。
ポイントは「箱」。自分が他人のためにすべきだと感じたことに背く行動を自分への裏切りと呼び、一旦、自分の感情に背くと、自分を正当化しようとし、現実を歪んでみるようになります。その状態が「箱」の中に入っていると本書では表現します。箱の中にいると他人をも箱の中に入れてしまい、互いに相手を手ひどく扱い、互いに自分を正当化します。この状態では人間関係を円滑にすることは不可能であり、仕事や家庭において支障が生じてきます。箱の外に出るには、ほかの人々に抵抗するのをやめた時。相手を「物」ではなく、「人」として見ることがキーになり、自分が人にどのような影響を及ぼすか、成功できるかどうかはすべて箱の外にでているか否かにかかっていると本書は伝えています。ポイントだけ言うとわかりずらいのですが、本書ではそれをさまざまな例をあげて、わかりやすく解説してくれています。自分の奥さんに対する不満はいったいどこから発しているのか、部下のミスはどう解決すればいいのか、社員全体のモチベーションアップのためにすべきこと…などなど。人間関係が左右するシチュエーションにおいて、本書が伝えている「箱」からの脱出がいかに大切なことか、読み進めるほどに実感できます。ページをめくるたび、自分は今、「箱」に入っているか否かを確かめ、相手を「人」として見つめなおします。自然と相手を人として尊敬し、愛おしく思えてきます。その想いが相手にも伝わって、自分自身も心地よく過ごすことができ、自信がついてきます。人との関係に疑問を感じた時、手にとってみるのをオススメします。
ストーリー立ての文章がとても読みやすく、前向きになれる内容が気にいった一冊。

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紙の本うえきばちです

2009/03/19 23:49

怖いものみたさの誘惑に勝てない方にオススメする、シュールな絵本

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

図書館の司書の方に「何か印象的な絵本を紹介して欲しい」と頼んだら、この絵本を紹介してくれました。表紙はただの植木鉢。だけど、だけど、中身はとってもシュールで強烈なインパクト。頭をガーンと殴られたような衝撃と、ホラー的な要素も含むユニークな絵本です。お話は、植木鉢という平凡なタイトルからは想像ができない展開です。植木鉢があったので、土を入れて植えたのは、なんと“のっぺらぼう”。毎日、水をやっていたら、めが出ました。ここの場面のイラストは、芽ではなく、目が出現した顔。そして、はがでました。この場面は葉ではなく、歯。はなが咲きました。ここでは、花ではなく鼻。ここで終わりではありません。耳や毛までうまく言葉遊びを交えながら、お話が進みます。何より、描かれているイラストが可愛いというより、不気味。息子はあまりの怖さに布団をかぶってしまったぐらいです。それでも、またページをめくってしまうのは、怖いものみたさでしょうか? とにかく、強烈にインパクトがあり、ちょっぴり怖くて、とっても面白い一冊です。小さい子供は怖がってしまう恐れがあるので、まずは大人が確認してから読み聞かせてあげて欲しいです。

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紙の本おまえうまそうだな

2005/11/11 02:34

父性の美学とは

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

父親を描かせたら天下逸品の作家・宮西達也さんの切なくなる絵本です。生まれたばかりの恐竜の赤ちゃんを食べようと近づいてきたティラノサウルス。「おまえうまそうだな」と。。。
ところが、赤ちゃんはティラノサウルスをお父さんと勘違いしてしまいます。恐竜の赤ちゃんは自分の名前をうまそうだと思い込んでしまいます。つまり、「おまえ、ウマソウだな」と。
ティラノサウルスは、赤ちゃん恐竜のペースに流され、ともに行動するはめに。
赤ちゃん恐竜に振り回されながらも、食べ物を分け合う温かさ、一緒に寝るぬくもり、守ってあげたいという親心などがティラノサウルスに芽生えます。そして、彼が一人で生きていける術を教え、最後は…。
ラストシーンは胸を熱くする内容でした。
数日間過ごして得た、相手への愛情。ティラノサウルスは本当の愛とは何か考えたのでしょう。
本当の愛とは、ベタベタと甘えさせることではない。
まず、一人で生きていけるようにしてあげること。
そして、本当の親のもとへ帰してあげること。
愛するゆえの辛い選択。それを、さりげなく、赤ちゃん恐竜を哀しませることなく、行動に移したティラノサウルスに感動します。
宮西さんの独特の父性の美学を、ユーモアたっぷりに描いた作品です。
できれば、パパが読み聞かせてあげて欲しい絵本。

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紙の本もこもこもこ

2006/05/09 00:32

思わずニッコリしてしまう谷川ワールド満載の一冊

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

赤ちゃんへのファーストブックにもオススメの絵本です。文字はあまりありません。もこもこと膨れ上がる不思議なもののお話をシンプルなイラストで描いた作品です。
もこっと地面から膨れた何かが、どんどん大きくなって、にょきっと出てきたものをパクっと食べちゃいます。
すると…ツンと何かが飛び出して、プゥッと膨れて、パチンと弾けて…。
物が動く時のいろいろな表現を不思議なモノとともに魅せてくれます。小さな子供でも十分にモノが変化していく様子を楽しめます。
見事な配色のイラストも子供には印象的に映るはずです。
私はこの絵本の谷川さんのあとがきが気に入りました。
「もとながさんは、えかきのくせに、にんじゃのしそんで、にんじゃのしそんのくせに、ろしやじんみたいなかおをしていて、ろしやじんみたいなかおをしているくせに、『そやけどねぇ、あかんわ』などといいます。もとながさんは、へんなえばかりかきます。ぼくはもとながさんのかく、へんなえがだいすきなので、いっしょにこのえほんをつくりました。そうしたら、えほんもすこしへんなえほんになりました。かぜをひかないように、きをつけてよんでね」
ね。とっても谷川さんらしい後書きでしょ!!まるで「これはのみのぴこ」みたいです。
でも、画家の元永さんのことも元永さんの絵も大好きだ、という谷川さんの気持ちがほんわか伝わってくるようで、この後書きに惹かれて絵本を読んでしまいました!
しかも、最後のかぜをひかないように…って!! 思わずププッと笑ってしまいますよね。
こんなユーモラスな谷川さんの絵本が私は好きです。

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紙の本こんとあき

2006/04/30 02:00

切なさとあどけなさと、そしてほんわかした温かな気持ちに満たされる絵本

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

あきのおもり役としておばあちゃんちからやってきたキツネのぬいぐるみのこん。あきが成長するにつれて、だんだん古くなり、ほころびてきたこん。あきとこんはおばあちゃんに直してもらうために、ちょっとした冒険旅行に出かけます。
あきが不安になると「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と励ますこん。
ぬいぐるみが動いたり、お話したりするのも不思議ですが、妙に世間慣れして何でもこなすのもユニーク。ところが、さきゅう町で砂丘を見ているとこんが犬に襲われて…。
夕暮れの砂丘の光景と、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」とつぶやくこんの声がだんだん小さくなっていく様子、そんなこんを背負っておばあちゃんちへ急ぐあき…。小さなものたちの深い友情が満ちたこのシーンは、夕闇が迫る寂しさとともにとても切なく胸が熱くなります。
ラストはおばあちゃんにちゃんと直してもらって、こんは元気になります。
幼い頃、ぬいぐるみを友達のように想い、大切にし、遊んだ経験ってありますよね。自分の中では、ぬいぐるみが話しかけてくれているような…そんな温もりある思い出。この絵本は、大好きなぬいぐるみがお話できて動いたりして、さらに自分を守ってくれるという、子供たちにとっては理想そのもののようなぬいぐるみ“こん”を魅力的に描いた作品です。
林さんの可愛らしく情緒豊かなイラストが物語をいっそう素敵に魅せてくれます。
絵本を読んだ後、最初のページと最後のページをチェックしてみてください。ちゃんと“こん”の型紙が載っています。
「私もこんが欲しい!!」と子供が言ったら、作ってあげるのもいいですね。

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紙の本てんごくのおとうちゃん

2010/05/30 10:14

お父さんの死。重いテーマながら爽やかな感動を与えてくれる絵本

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「はいはい、てんごくのおとうちゃんげんきにしてますか。」と始まるこの絵本は、亡くなってしまったお父さんの思い出を描く内容です。お父さんのいない生活に慣れたけど、ときどきお父さんと過ごした日々を思い出すぼく。キャッチボールをしたり、怒られたり、一緒に出かけたり…。お父さんとの楽しい思い出が続く中、お父さんが亡くなった日のページが突然現れます。冷たい雨が降っていて、みんなが泣いていて、ぼくはわからないけど庭に吐いてしまったこと。悲しいという文字はどこにも書かれていないのに、大切な人を失ってしまうという衝撃と突然の悲しみが読者の胸を打ちます。周りの人の「かわいそうに」という言葉、先生の妙な気遣い、ぼくの心の中の言葉が示すように、そんなことは当事者にとってみればいらん心配なのかもしれません。
冒頭の「はいはい、てんごくのおとうちゃんげんきにしてますか?」という言葉が出てくるのは、いつもそばで見守ってくれているという思いがあるから。悲しみを乗り越えた男の子の心の成長、お父さんへの変わらない愛が感じられます。
重いストーリーなのに、軽快に描かれた言葉や楽しそうな絵のおかげで心あたたまる内容に仕上がった物語。読めば読むほど、心に響き、亡くなった人の思い出を大切にしたいという思いが強まります。「おじいちゃんのごくらくごくらく」や「ぼくがラーメンたべてるとき」など、長谷川義史さんの作品は重いテーマを扱いながら、重さを感じさせないさらりとした展開とわかりやすい言葉運びで読者を惹きつけ、読後にはしっかりと背景に流れるテーマを心に残し、感動を与えてくれます。この絵本もそのひとつ。

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紙の本ぐるんぱのようちえん

2005/10/17 11:38

こんな幼稚園があったらいいな。

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

子供の頃に読んで大好きだった本。
汚くてひとりぼっちだった象のぐるんぱが、仲間の象に助けてもらって働きに出ます。
最初はビスケット屋さん。
次はお皿屋さん。
その次は靴屋さん。
ぐるんぱが一生懸命作るものは、どれもぐるんぱサイズ。大きすぎて扱い辛く、お店の人からいつもクビにされてしまいます。
しょんぼりしてお店を去っていくぐるんぱ。。。
体の大きなぐるんぱにとって一番ぴったりな職業って何でしょう?
最後にぐるんぱは子供たちに出会います。
大きすぎたビスケットも、お皿も、靴もたくさんの子供にとっては素敵なおやつだったり、プールやかくれんぼの出来る遊び場として活躍!
ぐるんぱが最終的に決めた仕事は幼稚園でした。
この絵本を読むたび、職業の適正って…と考えさせられます。いろんな職にチャレンジしても、ダメと言われるぐるんぱ。落ち込みながらも、再チャレンジを続け、そして今までの経験を生かして最も適した職業を見つけます。ぐるんぱの生き生きした表情と子供たちの楽しそうな姿がそれを物語っています。
子供たちにとっては、しょんぼりしょんぼりのフレーズがとてもお気に入り。ストーリーもテンポが早く、飽きのこない内容です。何より、子供たちに働くということを簡単に理解させることができ、途中で諦めずに何度でもチャレンジすれば、いつかきっと自分にぴったりのものを見つけることができると教えることができる絵本だと思います。
そして、子供にとって夢のような楽しい幼稚園が描かれているのも魅力ですね。
今、ニートなど働かない若者が問題視されていますが、ぐるんぱのように少しづつ自分にぴったり合う職を見つけるために努力するのも大切なことだと思います。

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虐待の連鎖…。誰も虐待を止められなかった事実が悲しい

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2000年に実際起こったネグレクトで幼児が死亡した事件を扱ったノンフィクション。
虐待と言えば、身体的虐待を思い出す人が多いと思うが、これはネグレクトによる虐待で悲惨な結末を迎えた事件だ。
身体的虐待が第三者に発見されやすいのに対し、ネグレクトは発見されずらい。この物語でも、保健婦、児童相談所、医者などが気づいているにもかかわらず、母親のネグレクトを誰も止められない。それは、人の生活に口を挟むということが日本人には苦手だからだ。もしかすると虐待かもしれない、でも違ったら母親を傷つけることになるから、もう少し様子を見よう…そんなことで発見が送れ、被害者である幼女は3歳の誕生日をダンボール箱の中で迎え、そのまま何も食べずに死んでいった…。
読んでいるうちに怒りを覚えたのは、母親ではなく、そういった虐待を未然に防ぐための公的機関に対して。
そして、何よりショックだったのは、母親自身がその母親にネグレクトの虐待を受けていたこと。
母親から見放され、食べるものは何もなく、ごはんに醤油をかけた食事しかしていない子が、母になったら…。誰も育児を教えてくれなかったら。母の愛情を知らずに育った子が母になった時、どうやって子供に愛情を注ぐのか…。
そう、この我が子を死なせてしまった母親も、母の愛情を知らず、ネグレクトの状態が彼女の日常だった。そして、また、その母も親から同様の扱いを受けていた…。虐待の連鎖が浮き彫りになって見えてくる。
それでも、この若い母親は最初は必死に子育てを頑張る。悩み、苦しんで…。だが、無関心な夫、干渉する姑、いいかげんな実母、そして対人関係を築くのが苦手な性格が禍して、最悪の結果に…。
ひとつの歯車が狂うと、全ての歯車がおかしくなるように、この若い夫婦の生活が崩れていく。そして、犠牲になるのは幼い女の子。
何より、この幼女の甘えたい気持ちや辛い気持ちが、ひしひしと伝わってきて、たまらない。たった3歳で、そう思うだけで涙があふれた。
無知とはこんなにも悲惨な結果を生むのか、そして知識を得ようとしない母親と知識を与えない社会にとても憤りを感じた。
この本は、若い夫婦(加害者)の生い立ちから、加害者の親の生い立ち、そして犠牲になった女の子の生後から亡くなるまで、そして裁判の経過まで詳しくリアルに書かれている。
何よりもこの本には、子供に対する愛情がさりげなく匂う。
それは、この本の著者が子育て中の母親であり、若い母親(加害者)と同じく育児の悩みを持つものだからこそ描けたものだ。
育児中の母親たちに、そして虐待を取り扱う公的機関の人々に、ぜひ読んで欲しい一冊。

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おじいちゃんと孫の心あたたまるお話。ラストシーンは胸にグッときて、涙があふれちゃいます。

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

おじいちゃんと一緒に暮らす男の子のお話。幼稚園の送り迎えや遊ぶのも、お風呂に入るのも大好きなおじいちゃんと一緒。お風呂に入る時におじいちゃんがつぶやく「ごくらくごくらく」という言葉を聞くと、なんだか心が温まるよう。そんなおじいちゃんと男の子は今度温泉に行く約束をします。ところが、おじいちゃんは病院に入院することに。元気になって戻ってくると言っていたのに、おじいちゃんは病院から仏様の国に行ってしまいました。大好きなおじいちゃんが亡くなった悲しみ、そして、おじいちゃんとのお風呂の思い出がとても心あたたまる様子で描かれている絵本です。
物語は作者の西本鶏介さんの実体験に元づいたもの。そこにはこんな風に綴られています。「『ごくらく』はおじいちゃんが「ぼく」に残してくれた大事な合言葉。この言葉がある限り、おじいちゃんのことを忘れず、いつまでもおじいちゃんと過ごした至福の日々を思い出すことができます」と。子供にとっておじいちゃんやおばあちゃんは母親や父親と違う甘えられる存在。その豊かな経験と大きな懐で小さな子供を包容する優しさがあります。
大好きなおじいちゃんとのほのぼのとした交流、そして大切な人の死を悼む心、悲しみを乗り越えておじいちゃんの残してくれた優しさを思い出に変える子供の心の成長…そんなものが絵本を通して伝わってくるようです。感動的なお話。

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紙の本教室はまちがうところだ

2007/01/30 16:22

間違えることで知識を得、そして成長する。間違えることは恥しくないよ、と教えてくれる絵本。

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「教室はまちがうところだ。
みんなでどしどし手をあげて
まちがった意見を言おうじゃないか
まちがった考えを言おうじゃないか…」
蒔田晋治さんの詩に長谷川知子さんの生き生きとしたイラストで描かれた絵本。
間違うことを恐れたり、失敗を避けてしまうこと。
子供はもちろん、大人でもありますよね。
でも、最初から間違えない、失敗しない人なんていない。
間違うことで発見することもあるし、失敗することで得る知識もある。
教室で手をあげるのを怖がっている子、一歩踏み出せずにいる子、そんな子供たちに勇気を与えてくれる絵本です。
何より、勇気を与えるだけでなく、教室全体で多様な考えを認め合うことが大切だと言っている点が素晴らしい。
そして、こんな風におおらかに気持ちをほぐしてくれる先生がいたらなぁ〜と思います。
いつも失敗を恐れて、間違うことを恥しいと思っている娘のために選んだ作品です。
転ばないで歩くより、転んでみて初めて知る痛みや危なさ。そして、その経験から得る注意力や人への思いやり。
何事もやってみないと始まらないし、失敗することで増える知恵もある。そして、失敗を重ねるごとに心が大きくなり、多彩な考えを得、人として何倍も成長するということ。
まずは第一歩を踏み出す勇気をもって欲しい子供たちにぜひ読んで欲しい一冊。

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紙の本おならばんざい

2007/01/30 16:20

読み聞かせで絶対受ける絵本!

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

静まり返った1年3組の授業中。突然「ぷうっ」というおならの音。「せんせい、おならしたのようこやで!」とてつおが言うと、教室中が騒がしくなります。
顔を赤らめてうつぶせるようこですが、先生が「おならが出るのは健康な証拠や」と言う言葉と同時に泣き出してしまいます。
授業はいったんストップし、おならの話に。先生がわかりやすくおならについて説明し、生徒もだんだんその仕組みを理解していきます。
右ページには先生の話を分かりやすく表現したイラスト、左ページには文章とてつおとようこのふたりの様子が描かれています。
物語が進むにつれて、てつおとようこの表情と気持ちが変化していく様子もリアルタイムで楽しめます。
最後に先生がこっそりてつおに注意するシーンには思わずにっこりしてしまいます。
そう、男の子って気になる女の子をついついいじめてしまうんですよね。
ラストページにはふたりの作文が載っているのも◎。
小学生、特に1年生が読めば、自分の教室で起こった出来事のように感じ、楽しめる作品です。
小学校での読み聞かせのボランティアで子供に読んだら、大うけでした。オススメです。

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紙の本エルマーのぼうけん 新版

2005/11/01 12:36

読み進めるほどにワクワク&ドキドキ!子供の冒険心をくすぐってくれる名作中の名作

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

動物島に捕らえられているりゅうの子を助けるためにエルマーは冒険の旅に出掛けます。リュックに詰めたのはチューインガムやキャンデー、歯ブラシ、虫めがね…。あまり役に立たないようなアイテムばかりのようですが、冒険では見事に活躍する重要なものに。
動物島のジャングルの中で虎やサイ、ライオンなどの猛獣たちと知恵比べをするシーンは、とってもユニークなアイデアを次々と発揮!
エルマーと一緒にドキドキしたり、知恵を絞ったり…子供の冒険心を思い存分くすぐってくれる名作中の名作です。
絵本に慣れた子供には、文字ばかりの児童書は親しめないと思いがちですが、この本にはちゃんとエルマーが動物島で辿った足跡が記された地図も載っています。お話を進めながら、子供と一緒に地図と見比べて「今、エルマーはここだね。これから、どっちへすすむのかな?」なんて会話も広がります。
何より、子供の心の中で、その子なりのエルマーの世界や情景が想像されるのが素晴らしい。
ファンタジーなお話だからこそ、想像力も膨らみます。
さらに、今の子供たちが夢中になっているアドベンチャーゲームやロールプレイングゲームでは、敵をやっつける、という観念しかありませんが、この物語では動物たちの悩みを解決するという方法で先へ進みます。
単に、敵を倒すのではなく、相手のことを良く知り、自分の知恵を絞り、相手も自分も満足する解決策を見出す。現実の世界では、ゲームでの解決策より、エルマー的なこんなアイデアが必要になります。
今の子供たちにぜひ読んであげて欲しい作品です。
子供の夢を膨らませるためにも、そして、知恵を身につけるということを教えるためにも。。。

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