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山屋敷さんのレビュー一覧

投稿者:山屋敷

2 件中 1 件~ 2 件を表示

ポスト構造主義、ダメじゃん。

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 うーん、衝撃的。

 率直に言えば、いわゆるポスト構造主義の代表的学者といわれる人々が、いかに自然科学の概念を濫用しているか、そのでたらめっぷりを検証してしまった本だ(あえてポストモダンって書かないのは、僕が勝手にレヴィ=ストロースとかは偉いって思ってるから)。

 僕みたいに、ポスト構造主義の本なんてきっちり読んだことなくて、でも本書を読んでみようと思う程度には興味があったりする人間には、「ポスト構造主義ってダメダメじゃん」と思わせるには十分の破壊力だ。

 少なくとも「使い方がでたらめ!」という主張は、どー考えても本書の著者たちの完勝。彼らの話の進め方はこんな感じ。既存の自然科学用語が論文の中に出てきたら、これに関する読者の解釈は、普通は次の三種類。

解釈1.比喩として使用
解釈2.自然科学的概念として使用
解釈3.全く新しい概念として使用

 まず、解釈3はない、らしい。参照論文や本を全部チェックした上で、「そういう新しい定義した箇所はなかった」ってことだ。ま、ソーカル・ブリクモン組の作業・主張を信じるって留保はつくけど。

 次に解釈1、比喩のケース。比喩の使い方って、理解を助けるためにより分かりやすい概念に喩えるのが本来なはず。でも、例えばラカンの使ってる「開集合」「コンパクト」「トーラス」……。うーん、どれも一般には馴染みがない。
 なのに、何でこんな難しい概念を比喩に使うの?って訳。

 あと「数学的には」「厳密に」って書いてる所もあって、そんな場合は比喩じゃないないって話になる。

 で、解釈2。自然科学本来の概念として使っている場合。どう見ても自然科学的概念としては混乱をきたしてる、と本書は指摘する。だって、対象に数学モデルが適用できる(例えば、精神科学にトポロジーが適用できる)っていう点について、その理由を何にも論じてないし、用語の扱い方もかなり恣意的に見える。
 つまり解釈2でも変って事。

 ソーカルとブリクモンは、この部分を「だれでもが検証するのは難しい」って書いてる。そうかもしれないけど、いくらか奥ゆかしい表現とも言えそうだ。少なくとも数学に関しては、大学の数学科一年生でも、十分間違いを指摘できるレベルだってのも事実。

 本書の批判(あるいはポスト構造主義の諸論文の擁護)をするときは、ここはしっかり押さえておいてほしいと思った。

 「連続」や「微分可能」は、微分積分みたいな名前の講座で、確実に一年生でやる(高木貞治「解析概論」とか、杉浦光夫「解析入門」とかでチェックしてみて)。「開集合」や「コンパクト」も、数学科一年の自主ゼミレベル(松坂和夫「集合・位相入門」とか。これ、bk1では「利用対象:高校生、一般」とか書いてあるぞ。高校生?)。
 要するに俎上に載ったポスト構造主義の論文は、その程度のレベルの概念を間違って使ってる。

 で、総合すると、解釈1〜3のどれも不適切なのに、一体この自然科学用語の羅列は何なの? ってのがソーカル・ブリクモン組の指摘だ。ごもっともな話だ。

 もちろん、自然科学的概念を扱わなかった部分にこそ、これら「ポスト構造主義」の論文の真価があるって主張はありうる。本書では、その可能性を否定してない(日本語版序文でも、はっきりそう書いてる)。

 でも、しろうとの素朴な疑問。例えば、ラカンからトポロジーを抜いたら何が残るの?
 僕はこの辺の事情に疎いから知らないだけで、誰かがきちんと反論をしてくれているに違いないってのが、今とっても期待している話題。ただし反論風の、実は人格攻撃(ルサンチマンがどーとか)なんかはパスさせてね。興味ないから。

 きっちりした反論聞くまでは、個人的には「ポスト構造主義ってダメダメ」ってことになっちゃうんだろうな、残念だけど。

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経済をわかるためのツールが手にはいる本

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 本書の優れている点は、あくまで「論理」によって経済を理解していこうとする姿勢にある。
 ごく日常的な話を「前提」として、あとは「こうなるよね?」「こうなるよね?」の繰り返しで「論理」を積み重ねていく。
 基本的にはまさに数学の手法といえるが、類書においてはしばしばこの論理の筋道を、「この程度はわかるでしょ?」とばかりにはしょられてしまい、読者としてはそこで理解が詰まってしまうことがある。
 この点、本書はできるかぎり「論理」を細かいステップで丁寧に追いかけるため、途中でつまづくことがない。橋本治が『わからないという方法』でも述べているが、このように徹底的にかみ砕いた説明は、分かってしまった人間がいったん分からない人間の立場に立ち、面倒をいとわず示す必要があり、実は非常に難しい。
 さらに本書では、この「論理の流れ」が太い一本の線で貫かれているため、それぞれの話題がワンポイントのつまみ食いではなく、体系として頭に入り、結果として「よく分かる」という実感に結びつく。
 “経済知識のリファレンス”として見るなら、この本の手に余る範囲はあるかもしれない。しかし本書の狙いはモザイク的な知識の供給ではなく、あくまで経済の基本的な考え方は何かを示すことにある。
 タイトル通り新聞やTVのニュースを理解するには十分であるし、なにより“経済というもの”をどう考えればいいか、という方法論を実感できるという意味で優れている。

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