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メッシナさんのレビュー一覧

投稿者:メッシナ

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ソニーがつくる「たのしい銀行業」

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 ふつう、銀行というのは、顧客、つまり我々と距離のある所にある、と思いがちである。が、このたび生まれたホヤホヤの銀行である「ソニー銀行」は、そうした銀行のイメージを100%覆そうとしている。本書は、このソニー銀行が開業するまでの、苦労多き日々を、しかし楽しいノリで描いた、近来にないオモシロイ読み物である。
 ものがたりは一人の青年の「銀行をやってみたいな」という漠然とした発想からはじまる、そこから銀行設立までの、波乱万丈の日々がはじまる。傑作なのは、のちにソニー銀行の社長となる石井茂氏が、当初は著者の所属していた財務部に派遣社員として来るくだりである。石井氏は実はあの廃業した山一證券の企画室にいた人だという。それも午前中の勤務だという。その石井氏と著者、そして強力なパートナー達が、あれこれ試行錯誤しながら、本年6月11日の開業にまでこぎつけるのだが、物語に出て来る人達の個性が面白い。例えば、同行の資金運用担当の「チェリーさん」は、けれんみのない数字の天才だが、ただひとつ「私のところでやっていただきまして……」と、へんな敬語を使ったり、役員との懇談のとき「でもね、あんた悪いけどね」なんて言ってしまう癖がある。このほかにも結構オモシロイ人達が登場するのが本書のひとつの魅力であろう。しかし、最大に感動したのは、銀行のプロジェクトが一時凍結になった1998年当時、石井、十時の両氏はプロジェクト解凍を信じて2人して苦労した、という逸話である。彼等の努力の甲斐あって、ソニーは1999年に銀行業への参入を決めた。そして、さらなる難題と立ち向かい、ひとつずつ克服していき、ついに2001年の開業にこぎつけられた。
 彼等の情熱もさることながら、彼等チャレンジャーの心を尊びはぐくむソニーの社風が、本格的なネット専用銀行の誕生を可能にした。最後に「ソニー銀行よ、これからは徹底的に顧客本位に徹し、真の民衆の為の、ひとにやさしいネットバンクを目指すのだ。絶対にソニーという偉大なブランドの威光には依りかかるな」といいたい。

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