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    3月のライオン(1)

    3月のライオン(1)

    羽海野 チカ(著),先崎 学 (将棋監修)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

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    はらぺこあおむし 改訂

    はらぺこあおむし 改訂

    エリック=カール (さく),もり ひさし (やく)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

こふきいもさんのレビュー一覧

投稿者:こふきいも

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本隣の家の少女

2001/09/22 01:06

恐怖だけではなかった読後

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 冒頭の記述者による苦痛とはなにかうんぬんにはじまり、少女の死に至るまで残虐尽くしなこの物語り。前触れも、内容も、その結末も、どこを見ても、取っても、救いとか希望とか癒しなどという連想はみじんもない。でもその中にあって、それだけではない何かがあるようにも思う。そう思わせられるのがこの小説の、魅力といってはこの悲惨な物語には語弊かもしれないが、いやたしかに魅力なのだ。ケッチャムという男は偉大な作家である。随所に見られる緊張感、涙なしには決して読めないどこからわいたか知れない高揚で読者を巧みに導く筆力に圧倒されるとき、彼の優れた才能に舌を巻く。この作品はただの恐怖小説などではない。この作品が読者にもたらすものは、閉じられた世界の恐怖ばかりでなく、恐怖でもって開かれる人間の生の感情の方にあり、それをつむぐケッチャムが意図するのは恐怖の連鎖ではなしに、そこかしこにばらまかれた不思議な感情の粒、そのひそかな作用ではなかろうか、とさえ思わせる。一読を薦める。

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紙の本白い犬とワルツを

2001/09/23 00:30

死と優しさと

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書はとても優しい小説である。優しいというのは、怖いものから目を覆うとか、それらしい嘘で間に合わすとか、そういう意味あいは含まれていない。時を経た、磨かれた、どんな厳しさも包み込めるやわらかい優しさ、それが本書の核心にある。
 主人公は子宝に恵まれ、老境に達し、限りない愛をささげた妻に先立たれた男。人生の整理をすべく、落ち着きの中で考えをめぐらせたり、昔のことを思い返したりと、回想の日々を送ろうとしているとき、いつしか自分の命も先はそう長くないことを、彼特有の穏やかな心持で悟る。そこに現れる白い犬。
 はじめ彼を見て、老人は厄介払いのため殺そうかとさえするものの、長くない時を経て彼ら二人は離れがたい間になっていた。彼はどこからやってきたのか、という疑問はついぞ老人の興味にはない。彼は分かっている。この犬は私の何かを知っている。あるいは妻の幻像だろうか?
 いずれにしろ、いい仲間だ、といったふうな関係が展開される。老人の周りには、白い犬ばかりでなく、大勢の暖かい目と心がある。幾人かの彼の子供夫婦は彼の近所に住んでいて、ときどき老人は子供らと、会う。というより、心配ばかりする彼の娘が、老人を見舞いに来たり、老人が何かとっぴなことをしでかしたりはしないかとユーモアたっぷりなあわて方で監視にやってくる。そんなこんなが繰り広げられ、死が老人に音もなく迫る。白い犬は、老人の最期は、というのがおおまかな筋。
 先の優しさは、彼の仕草、白い犬のまなざし、息子娘らの心配顔笑い顔などに、満遍なくあふれている。あたかも生が微笑んだかのような老人の死。だれが読んでも心にじんとくることは間違いない、実に素敵な小説である。

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紙の本フェリシアの旅

2001/09/23 19:14

無垢の可能性

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 著者ウィリアム・トレバーはアイルランドの人気作家。テレビなどの他メディアでも活躍している。本書は彼の近作であり、映画にもなった。アイルランドの片田舎に住む世間知らずで気心の澄み切った17歳の少女フェリシアと、イギリスの小都会に住む孤独な肥満男の偶然の出会いと悲劇的な結末を、時間の経過とそれぞれの重要な過去の回想もまじえて描く。作者は、何を取っても対照的な二人をとくに性格や世間知の点から相違を際立たせ、男とフェリシアの破滅まで、乱れない筆致で追う。物語全体としては、とくに息を飲む、という物語り進行ではないし、それに似た場面も少ないが、二人の行跡、心の動きは迫真であり、何気ない散文から実感にいたるまで伝わってくる描き方が見事である。ただ、読者の意見が大いに分かれるであろうのは、先に悲劇的と書いた結末であろう。男は自らの宿業たる孤独とそれに足をとられた自らに、ある方法で決別を果たす。少女は自分の足をとられそうになった運命から脱出を図るが、その果てにある地平にたどり着くが、それがフェリシアの無垢からの決別のあかしなのか、成長なのか、絶望なのか、作者はあえて意見らしいものを述べない。物語のすべてはここに焦点をあわせられているのは疑えないが、そうであるからこそ、読者にもフェリシアにも、旅の決着点とは何なのか、と考えさせるのである。

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