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  3. 山野翔さんのレビュー一覧

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山野翔さんのレビュー一覧

投稿者:山野翔

6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本間宮兄弟

2006/04/07 19:34

映画になりましたね。

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

江國香織の『間宮兄弟』を読んだ。
面白く、微笑ましくて、そして哀しい恋愛小説だった。
「そもそも範疇外、ありえない」男たちを巡るお話し。
恋愛らしい恋愛は彼等には起こらない。彼等を中心に様々な他人の恋愛沙汰は数多く発生するのだが…。
彼等に起こるのは恋愛とも呼べない一方通行の片想いばかり。切ない。しかし、何か考えようによっては、俗世間を超越しているが如き彼等の生き様は少々羨ましくも思える。
「いい人」だが「恋愛関係には絶対にならない」男二人。本当に「いい人」たちであることが、小説を読んでいると、ひしひしと伝わって来る。
「カレーパーティー」に「花火大会」、それぞれに足を運んでくれる女性たち。
兄・明信の職場の上司の妻(離婚話でもめている)に一目惚れする弟・徹信。勿論、直ちに玉砕するのだが。そして、彼は毎度のように新幹線の走る姿を見に行く。心の傷を癒すために。
兄・明信もビデオ屋の店員・女子大生の直美ちゃんにあっさり振られる。大ショック。
小学校(徹信が校務員として働いている)の教師・葛原先生には、別の彼氏との別れを決意させる役回りしか巡って来ない。
でも、二人の兄弟は基本的に元気だ。
郷里の母親は、そんな彼等を大の自慢にしている。母の誕生日に兄弟は毎年、食事に彼女を誘う。そんな息子たちなのだ。(父親は既に他界している)
最後に思ったのは、恋愛なんて成就しなくても一向に構わないということ。ゴールの結婚生活が素晴らしいものだとは限らない。
「恋に恋する」間宮兄弟の生き方は安全(?)で、ドロドロせず、案外楽しいものなのかもしれない。
兄弟二人、これからも末長く明るく暮らして行ってもらいたい。
一つの男の生き様の理想形ではある。彼等の如く、生きたいかは別にして。
「ここは、ついさっき、私が一人で立っていたときと、違う景色の場所に思える。」
本の帯にある言葉。彼等兄弟が作り出した俗世間とは一線を画した異次元の世界。ずっと其処で生きてみたいような、たまに行くからいいような場所・・・。ほっとはするが、人間真の痛みも必要かもしれないし、人の醜さ残酷さも知るべきなのかもと思う。絵本の世界は普通、大人になれば卒業するものなのだ。しかし、強い郷愁の念を忘れられない・・・。
追記:このお話は映画になった。まだ、公開されてはいない。が、徹信がお笑いのドランクドラゴンの塚地武雅とは、意外なはまり役だと思う。早く観てみたい。葛原先生が常盤貴子もいい線行っている。兄弟の母親役に結構ちょい役で映画出演が多い中島みゆき。どんな怪演を見せてくれるか。これもファンの一人として大変期待している。

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紙の本博士の愛した数式

2005/12/16 14:58

完全数、28

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

来春、映画化されるそうで。
文庫化も近頃されたそうで。
是非一読をお勧めします。名作です。
私が読んだのは単行本版ですが・・・。
交通事故の後遺症での80分間しか記憶の保たない脳になってしまった数学博士。そこに現れるのは、10人目の家政婦とその息子。博士はその息子に√(ルート)という呼び名を与える。何でも優しく包み込んでしまう√。
それから年老いた博士と若い家政婦とその小さな息子の不思議に暖かいそして壊れやすい微妙なバランスの日々が綴られて行く。数字は美しい。複雑怪奇な人間のあり方よりも、よほど神に近い。というか、博士は「神が与えたもの・神の手帳にだけ書いてあるもの」という。ただの数字が背負う性格(?)、江夏豊の背番号「28」は完全数。「完全数」とは「1+2+4+7+14=28」のように素数(整数p (p ≠ ±1)は、±1と±p以外に約数をもたないとき素数であるという)の和がその数字自身になる数。また、完全数は「1+2+3+4+5+6+7=28」のように連続した自然数の和で表される。このことを博士から聞いた家政婦は「どこにも無駄がなく、研ぎ澄まされ、痺れるような緊張感に満たされていた」と感じる。
完全で調和的で静かな落ち着きを備えている数字の世界。まず、家政婦と同じように私(文化系人間)も読み進むうちにその世界の虜になっていった。「数」って面白い。「数学」って面白い。
博士はその数字で他人とのコミュニケーションを取ろうとする。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の如き優しい人柄。子どもを無条件で大切にする人。他人のことを自分より大切にする人。80分間で記憶が消えていく、悲しみと不幸を背負った人。家政婦は恋愛感情ではないが、大切な人として息子と一緒に博士に寄り添う。しかし・・・。
 共に辛いけれど美しく暖かい人間同士の関係だ。この本を読んでいると童話の世界に入り込んだような気がしてくる。悪人の出てこない、安心して読める書物。ハッピーエンドが約束されている世界。そしてこの小説の終わりも、やはりある意味ハッピーエンドである。√は中学校の数学の先生になる。江夏豊の野球カードが博士の胸で揺れる。√と博士のキャッチボール。掛け替えのないものを博士から学んだ2人。得難い友人を得た博士。小説の最後は「完全数、28」江夏豊の背番号・・・。

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紙の本びっくり館の殺人

2006/03/28 14:23

正当な「館シリーズ」の第八作目

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

作者綾辻行人が自ら書いたこの本の「あとがき」によると、この本は「『少年少女向け』の皮をかぶりつつも、(中略)シリーズの正当な第八作」なのだそうだ。ファンの方には今更だろうが、綾辻を知らない人のために説明しておくとここでいう「シリーズ」とは、「館シリーズ」のこと。「館シリーズ」とは、彼のデビュー作『十角館の殺人』から始まる不可思議な建築家中村青司の手になる館で起こる殺人事件を題材にしたミステリの連作である。
この『びっくり館』は講談社の「ミステリーランド」(かって子どもだったあなたと少年少女のための)への書き下ろしなので単独で読んでも面白く出来ているが、本来のシリーズは第一作から続けて読んだ方がより興味深く読めるだろう。前作の事件が後作の伏線になっているところが多いから。特に建築家中村青司の生い立ち生育歴・人柄は、作品を続けて読むことによって徐々に明らかにされて行く。
さて、本作であるが少年少女向けということで、全体的に少し大人しい感じがする。彼の作品は本格ミステリとホラー・幻想小説の融合にその魅力があるのだが、大人にとってはこの作品はもっともっと怖くして欲しい所である。まあ、少年少女にはこのぐらいが限界か?あまり怖すぎるのは、惨すぎるのはこの「ミステリーランド」には相応しくないから。
しかし、充分それでも綾辻ティストは発揮されている。摩訶不思議な世界の構築。兵庫県のA・・市とは勿論、芦屋市のこと六麓荘あたりが舞台である。新神戸駅も阪神淡路大震災も出て来る。舞台設定はすこぶる現実的。街の描写も普通である。が、一旦、中村青司がその街に建てた洋館の中へ足を踏み入れると様相は一変する。眩暈が発生する。
その「びっくり館」と呼ばれる洋館に舞い戻って来た主人の老人古屋敷龍平、その孫トシオ、そしてかってこの洋館で起こった殺人事件の被害者で亡くなってしまったトシオの姉梨里香(りりか)の身代わりの腹話術人形リリカ。
妖しげな雰囲気は一気に高まる。そこへ主人公の小6永沢三知也以下、トシオの家庭教師の大学生新名努、そのいとこで三知也の同級生でもある湖山あおいが絡む。
殺人事件は密室殺人。種明かしはミステリの書評として御法度だが、ヒントだけいうと綾辻お得意の叙述トリックである。近頃、使いすぎなような気もするが、本格ミステリにホラーと幻想小説を結び付けようとすると、どうしてもこの方法が必要になってくるのかもしれない。
アガサクリスティー女史の『アクロイド殺し』みたいな感じの種明かしを想像してもらうといい。全く同じというわけではないが。馬鹿にされたような気が最初はするかもしれない。が、再読してみると実にフェアーに読者に挑戦している作者の姿勢が分かる。流石、綾辻!嘘は一切書いていない。ただ、書かなくていいことは敢えて書いていなし、書き方に工夫は存分に凝らしてある。
物語は十年半の時と場所を越え、主人公三知也が犯人と対面するところで終わる。
解決のヒントは、密室の中にあった人形リリカ。七戸優の装画がリリカを描いている。あざやかな黄色いドレス。胸元までの長い金髪。蝶の形をしたエメラルド色の髪飾り。まんまるくて大きな青い目。くちびるの両端からあごにかけて、くっきりと走ったふたすじの黒い線、正確には腹話術人形のカクカクと動く口元の溝。悪魔と呼ばれた梨里香の生き写しの人形。何故、悪魔と梨里香が呼ばれたのかはここでは伏せておこう。
なかなかの佳作。(厳しく採点すると傑作ではないが)
是非、一読をお勧めする。読んで損はない作品。トリックも腹を立てるより、再読してヒントがちりばめられていることに感服してもらいたい。ここまで書いてあるのに気付かなかったのか!と。

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ほうかご探偵隊

2007/03/07 08:50

血の流れないミステリー

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

血が流れないミステリー。
誰も死なないし、問題になるのは奇妙な不要物の連続消失事件だ。
学校で飼育していたニワトリ、絵の上手い生徒が描いた風景画、募金用の手作りの張りぼての招き猫、縦笛の真ん中だけ。
さてさてこれらのなくなった、消えた物には何か共通項があるのか?クラスの誰かがやったのか?
そのうちに明らかになる学校近くで起こった宝石店の強盗事件。この犯人の仕業?そんなことはないんじゃない・・・。え、内部に共犯者がいるって!?
二転三転する結末。小学校5年生の仲良し4人組が大活躍!
わずか4日間の間の知的冒険譚。
結構、面白かったです。小学生が読んだら、もっと感動するんだろうなあ。真に子どもを意識して書かれた名作。これを面白くないという大人の読者は、きっと子どもの心を無くしてしまった人たちだけだろう。
沢山の子どもたちに読んでもらいたい作品。読書好きが増えること間違いなし。出てくる男女のちょっとした遣り取りも可愛らしくて微笑ましい。

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紙の本ダ・ヴィンチ・コード 下

2005/03/20 21:23

バチカンの枢機卿の批判記事を新聞で見かけて、読む気になりました。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

第一声は「それなりに面白かった。」です。
飛び抜けた傑作とは言いませんが、良くできた佳作でした。
下巻の帯を見ると「トム・ハンクス主演にて2006年映画公開決定!」の文字が躍っていました。主人公探偵(実はハーヴァード大学教授 宗教象徴学専門)を彼が演じるのでしょうが、ちょっとイメージが違うような…。まあ、それより絵的には静かな(大クライマックス無し)で話が終了するので、監督は(脚本家は)一ひねり二ひねり、終わり方を工夫させねばならないでしょうね。
さて、内容ですが暗号解きがメーンで、しかもその暗号がレオナルドダヴィンチの絵画にまつわるもの。なかなかに興味を引かれます。『最後の晩餐』なんて下巻に複製が挟み込まれていますし、表紙は上下間とも『モナリザ』。これだけメジャーな作品を相手にした謎解きは読者を引きつけずにはおられません。
出だしのルーブル博物館やパリ・イギリスの風景描写、また適度に挟まれた活劇、そして探偵役さんとソフィー・ヌーブ(殺された被害者ルーブル美術館館長の美しく聡明な孫娘。何とフランス司法警察暗号解読官←できすぎ!)の淡い恋愛模様もベストセラーになる要素を(手順を)きっちり押さえています。上手い書き手だと思いました。
しかし、我々、無宗教の(一神教ではない)日本人には何の問題もありませんが、バチカンの枢機卿が怒るのも無理のない歴史ミステリーでした。ヨーロッパ・アメリカの思想的根幹をなすキリスト教の全否定とは言いませんが、大きな解釈変更を迫っている内容です。特にカトリック教会には確かに気に入らない内容でしょうね。
最後にこの本がヒットした最大の理由は『トリビアの泉』的雑学・蘊蓄の挟み込み方の上手さでしょうか? 知的好奇心を適度に刺激してくれます。難しすぎず、簡単すぎず。これを機会に私なんぞも少しキリスト教を勉強し直してみようかな、という気になりましたから。
蛇足として、娯楽小説だから別にいいんですけれど、話の展開がスムーズに流れすぎのきらい(そんなに都合良くいつも行くわけ!?)は若干感じました。小道具がときとして蘊蓄披露のためだけに使われている、と感じさせられる場面もありました。
まあ、ともかく楽しい一時を過ごす日曜日の読書にはもってこいでしょう。重い純文学は長期休暇中にじっくり読んで、じっくり人生について悩みましょう。これは読み終わった瞬間、心安らかに昼寝できます。

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紙の本容疑者Xの献身

2006/03/28 14:38

至高の愛に疑問あり。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

立派な作品だと思う。
トリックは完璧。意表を突かれた。さすがは東野!どんでん返しの推理には頭が下がる。
しかし、その動機の「愛」については、犯人像(容疑者像)と結びつかない。犯人が自己犠牲の上で守ろうとした彼女。その彼女との出会いの場面の描写が弱いからだ。そこまで彼女に入れ込む犯人の気持ちが残念ながら充分に伝わってこない。彼女と彼女の娘、二人との些細な出会いだけで即座に犯人は自殺を思いとどまり、生きる意欲が湧く。本当にそんなことってありか???
そして動機の「愛」は「恋愛感情」ではなく、「もっと深い愛」の筈なのだが、トリックを成立させる上で犯人の人間像と矛盾するように思える。
頭髪の薄さを気にする犯人像は「恋する男」のもの、「もっと深い愛」を想起させない。探偵役湯川助教授がここから推理をスタートさせては最後の結末には至らないだろう。それなら、彼女が事件を起こしてしまったとき、彼は偽装工作を考え出すのではなく、自首を勧めるのが最も論理的対応ではなかろうか?そこが納得できない。または感情的に偽装工作をして彼女を我がものにするか。本作の第三の道を選ぶのには、無理を禁じ得ない。「至高の愛」に現実味が、種明かしまで感じられない。
え、そこまで彼はやるのか?と思ってしまった。普通、やらないだろう、と。
また、「自分に存在価値はない」「自分が死んでも誰も悲しまず、困らず、それどころか、死んだことさえ誰も気づかないのではないか」と考えて自殺を計画し、その後、二人と出会って自殺願望が消え去り、生きる喜びを得た犯人が同じような境遇の「技師」にあのような行為に及ぶとは考えにくい。湯川助教授の「歯車」のたとえ話もありふれすぎていて少々陳腐な感を否めない。
最後に沢山欠点を挙げたが、名作であることに間違いはない。東野圭吾らしい作品である。推理小説の枠に当てはまらないところを狙っており、それはある程度は成功している。中途半端な気はするが・・・。以上である。
また、再読して時間の経過と共に変わっていく思い(評価)をいずれ書きたい。

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