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文芸社 進行管理室 阿部裕子さんのレビュー一覧

投稿者:文芸社 進行管理室 阿部裕子

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様々な愛の形がここにある

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 私は企画、編集という立場の者ではございません。刊行後の著者と交流する部署におります。先日、妊娠8ヶ月で小社を退職した担当を、本田京子氏は「私も3人安産だったから、安産がウツるようにね♪」と励ましてくださった、かつては相当ならしたであろう、頼もしい我らがオネエサマであります。さて、本題に入ります。

 この本、結構分厚い。例えるなら、初級英和辞書といったところであろうか。このボリュームで恋愛小説。一体どんな内容か皆目想像もつかないが、読み進めてみる。全4章から成り、まず第1章。主な登場人物は4人。そのうち3人が10代後半である。茶色い目がかわいい雄(ユウ)と、少年のまま大人になったような富岳(フーガ)の恋。不本意な結婚を決められた雄と、密かに、だが誠実に互いをいたわりながら愛を温めてゆく様は、まるで『賢者の贈り物』のようである。著者いわく「第1章は全て第2章以降の急展開につながるプロットの積重ねです」。
 第2章以降は一転、愛の陰の部分、愛の深淵を真摯に深く掘り下げる。登場人物も20〜30代になっている。結婚生活で精神を蝕まれた雄と、やっとの思いで結ばれた富岳だが、その先には考えもしない結末が待っている。そして第3章では、立ち直りつつある彼と親友、篠(ショウ)との禁断の、しかし与えうる限りの愛情と誠意をたゆまず尽くし続ける愛が始まる。そこに必然的に浮揚する激情、つまり愛憎により、はからずも自己を、相手を破壊していくのである。
 とはいえ、各登場人物がユーモアのセンスを兼ね備えており、軽快な会話のやりとりが一貫して本書にはずみを出していて実にスピーディーに読める。

 皆様、春のひだまりのような恋、愛する人や自己を破壊するような激しい愛…形は様々だが、恋愛のご記憶はあろう。私自身、すでに忘却の彼方へと消えていた恋愛を、読みながら随分思い出させてもらった。ありがたい。全編にわたりスピーディーに展開され、あっという間に読めます。分厚いのに。また、夕暮れの横浜山手や夜の海の怒涛など印象的なシーンがちりばめられ、読み手の心に長く余韻が残る、「愛し方」について改めて考えさせる一冊です。

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