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レビューアーランキング
先月(2017年8月)

たけみさんのレビュー一覧

投稿者:たけみ

5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本「恋する力」を哲学する

2004/01/25 01:35

自分らしく生きるきっかけ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

題名どおり、恋というのは本当にエネルギー(力)を必要とするものである。
なぜ人を好きになるのか、そして恋をしている時あんなにも生きるパワーが漲るのはなぜなのか。

色々な人の意見を聞く事は一つの物事を自分なりに考える際にとても有効である。
この本でも著者を初めとした様々な人の恋愛についての意見・見解が載せられている。

プラトン・キェルケゴール・バタイユ・ゲーテなど哲学者、ユング・フロイトといった心理学者、また村上春樹・マルグリット=デュラス・スタンダールといった文学者など様々な分野から「恋する」という事を分析している。
ユングの言う「アニマ」「アニムス」という概念から恋愛の対象になる人の分析、そして恋愛の種類、恋愛が人の人生に与える影響などについて述べられている。

著者は本当に自分と向き合った恋愛、スタンダールのいうところの「情熱恋愛」は「自分の中に眠っている力を目覚めさせ、発揮させる起爆剤である」と言う。
その例としてルソーやニーチェなどを挙げている。

この本の中で紹介されているニーチェの言葉にこんなものがある。
「悲しみにもこう言うがいい。『過ぎ去れ、しかしまた戻って来い!』と。」
私はこの言葉がとても好きで、悲しみはその時は辛いので過ぎ去って欲しいものであるが、悲しみがあるからこそ喜びもある。
過去の悲しみも喜びも自分に起こった全てが今の自分を作ってきたものでどれも否定する必要はなく、自分らしい選択の結果を良い部分も悪い部分も全体的に受け入れよう、というとても前向きな思考が素敵だ。
こんな素敵な言葉を生み出したのも、ニーチェとサロメの恋愛があったおかげである。

恋愛だけでなく親子愛・人類愛・自己愛など愛情には色々な種類があるが、恋愛は特に愛情の対象の選択からしてとても限定的でパーソナルなものであり、1対1の密度の濃い感情のやりとりである。

恋をすると今だかつてないくらい自分自身と向き合うことになる。
自分に誠実であるか、自分らしく生きているかどうかが鮮明になる。
そうでなかった場合は自分に誠実に自分らしく生きていきたいと思うようになるし、そうである場合はますます人生を好きになれるはずだ。
きっと誰でも本当に相手のことが好きになった時、自信やゆとりが生まれたり、普段は意識しない自分の生来の気質やルーツが見えてきた経験があると思う。

自分自身と向かい合わざるを得ない位純度の高い恋愛は、その結末がどうであれ人生を自分オリジナルな方向へ変える力を持っている。
自分らしく生きるきっかけを与えてくれる。
そう感じることのできる素敵な1冊である。

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紙の本織田信長 1 無門三略の巻

2003/10/07 19:31

人間織田信長

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山岡荘八さんといえば「徳川家康」(全26巻!)ですが、まずは全5巻の織田信長から。

今川義元を討ち取った桶狭間の戦い、姉川の戦い、浅井長政との戦い、本願寺の焼き討ちなど戦国武将だけに戦の話も多くありますが、どの戦もやはり戦っているのは人間。
その武将武将の個性や、家そのものがもつ気風、そして時勢などが複雑に絡み合って、ドラマチックです。

戦自体は、天下統一という、ある意味今では有り得ないステータスを得るための野心からというよりも、目的は戦国の乱れを収めるためであり、止む終えない流血という面もあったんだという事がわかります(当然野心もあったかとは思いますが)。

戦国時代という生命がかかった混乱の中でも、人間は自分の性質を捨てられない。
そのことが哀しくもあり、綺麗でもあります。
死はあらゆる財産やステータスを超えたところにやってくるもの。
むしろ死を意識する機会が多いからこそ、確実に自分が所有していると言えるものが自分の信念や想い以外にはないと分かっているのかもしれないなと思います。

極限状態の中の決断だからこそ透けて見える意志の強さ・重さが、戦国時代の小説を読むときの醍醐味ともいえるでしょう。

戦に関する重い話もある一方、信長の天才的な戦での采配や、経済的な施策、人を見る目の確かさにも驚かされます。
傭兵制をとった点(兵農分離)、楽市楽座、豊臣秀吉が代表的ですが農民からの人材登用、鉄砲の積極的使用など、この点については色々な書物で分析されています。

この本はそこだけにフォーカスがあたっているわけではなく、信長が吉法師という名だった元服前から本能寺の変まで、織田信長を取り巻く人間関係が軽妙に描かれています。
信長のお目付け役であった平手政秀、正室である濃姫、徳川家康、家来である豊臣秀吉・明智光秀・前田利家・柴田勝家など、個性豊かな登場人物と信長とのやりとりがコミカルでもあります。

信長は衣服や装飾品にもセンスがあり、南蛮物を取り入れたり、豹柄の皮を2種類使った袴を履いていたりと、なかなかのおしゃれさん。

この本で人間 織田信長を感じることができ、ますます信長が好きになりました。

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天下人の自由時間

2004/01/21 20:50

趣味から窺える人間性

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この本は「趣味生活」という側面から織田信長・豊臣秀吉・徳川家康といった3人の天下人のエピソードが収められている。

戦国時代の武将達の趣味・遊びはどのようなものだったのか。
鷹狩、能、茶の湯、和歌など共通している趣味もあるが、その趣味に対するスタンスの違いが読み進むうちに分かり興味深い。
例えば能の好みの違いで、「秀吉は無常観やロマンのある能を好み、家康は武士的な気概や人情のある能が好きだった」と本書にはある。
秀吉の男気のあるスケールの大きな面、家康の人間的な温かみなどを感じることができる。

天下統一といった大きな目標に向かうにはそれなりの成功のセオリーというのが大筋ではあると思われるが、プライベートな趣味に関してはその人自身の癖が強く出るため、この本の切り口はとてもいい。
戦国時代の風俗や雰囲気を知るという意味でも面白い。

また、各エピソードを読んで、権力者が好む趣味というのはどうしても政治がらみになりがちだなぁと感じる。
権力者が何かが好きだと分かったら、周囲の人が喜んでその関連グッズを献上しにあがる、という訳である。
茶の湯の茶器然り、鷹狩の鷹然り。
もちろん本人としては好きなのだから純粋に嬉しいのであろうが、何せ影響が大きいため罪作りである。
その辺りのエピソードも当時の状況を窺い知ることができて面白い。

また三者とも、とても熱心に趣味に取り組んでいることが分かる。
何かを極める人は探究心が旺盛で、その他の事柄でも「極める」までは行かないまでも楽しむことができるレベルまで自分を高めることができるようだ。
特に秀吉に関してはその他の家柄も良い2人とは異なり農民の出身であるのに、晩年には和歌・茶の湯・能などでプロから見てもなかなかのレベルまで達した、ということが意外で驚いてしまう。
コンプレックスから学び始めたのかもしれないが、きっと明るい秀吉のことだから最終的には本当に楽しくなってしまったのだろう、と思うととても微笑ましい。

個人的には織田信長に興味があったのだが、読後は家康の今までの堅いイメージと趣味に対する姿勢から見え隠れする人間としての素朴で暖かい部分や、秀吉の無邪気な熱中、そしてやはり趣味においても知的で斬新で極端な信長、三人それぞれに好感を持った。

戦国時代に興味のある人にとっては既存の本とは趣の異なる面白い本だし、興味のない人が読んでもなかなか面白い1冊である。

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歴史の見方

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堺屋太一さんといえば元経済企画庁長官、経済の人、というイメージが強かったのですが、今このレビューを書くためにYahooを調べたら、なんとカテゴリは「歴史小説家」。
著書を見てみると確かに歴史のものがほとんどで、純粋にある人物についての著作もありますが、特徴的なのは歴史的な事実からひもとく現代ビジネスや社会について書かれたものが多い点でしょうか。
この本もそのうちの一つ。

ここで取り上げられている人物は古代から現代に渡ってバラエティに富んでいます。
聖徳太子、織田信長、石田光成、石田梅岩、マッカーサー、光源氏など。
日本のシステムに、そして思想に影響を与えたと思われる人物です。

その中には私が良く知らない人も含まれており興味深く読んでいたのですが、特に私は織田信長の記述が印象的でした。
歴史の授業などであまり学ばなかった(もしかしたら記憶にないだけかも)、当時には画期的な傭兵制をとっていた点が特に印象に残り、織田信長の傭兵制からまさに近代になったのだなぁと納得してしまいました。

この本を読んで、歴史とは日本の過去であり現在のシステム、そして自分達の日本人としての価値観の基礎に繋がっているものである、という当然のことがリアリティをもって感じられました。
歴史は学ぶべき価値のあるものです。
このような現代に繋がっている点をもっと強調して学校教育に取り入れてもいいのでは。
年号や史実を覚えるだけの勉強では、歴史の人文的な面、つまり史実とは人間がある時代に生きて、その個性により状況により残してきたオリジナルな足跡であるという感動的な一面、を見逃してしまう、歴史をつまらないものと思ってしまう、と、この本を読んで感じました。
日本人にはヨーロッパなどに比べて歴史を大事にしない風潮があると言われがちですが、この歴史を本当の意味で関心をもって学んでこなかったことが、自分達のルーツが曖昧になる原因であり、日本という国に誇りをもてない原因なのかもしれない、とも感じました。

私の歴史に対する感じ方を少し変えてくれた、大切な1冊(2冊かな)です。

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紙の本今日の芸術 時代を創造するものは誰か

2001/09/06 19:52

芸術の捉え方

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 画家、彫刻家などとして知られる「芸術は爆発」の岡本太郎氏の本。 この本で岡本氏は、意外にも(失礼!)非常に明解かつ論理的に、そしてやっぱり情熱的にいきいきと、芸術について語っています。その芸術をとりまく偏見や状況を、絵画史、日本の文化、そして日本の美術教育など非常に多方向から分析していて、その洞察力の鋭さはやはり常人のものではないなと感じます。

 岡本氏は様々な言葉で芸術を定義していますが、誤解を恐れずに意訳すれば「万人に共通の根源的な生きる喜び、怖さなどの感動を突きつけられるもの」というようなことなのでしょう。

 絵画だけに限らず、音楽、文学など表現の産物には、その裏に必ず表現者の感動があります。その表現の産物が「芸術」となるには、様々なくくり−「人種」「性別」「時代」「文化」などを超えて、その感動が見るもの聞くものを精神的に高揚させる(それが共感でも反感であったとしても)ものであることが必要条件だと私も納得しました。

 様々なくくりを超えた感動、すなわち芸術に出会ったとき、私達は自分をとりまく「くくり」を突きつけられ、「くくり」について考えさせられ、そしてその「くくり」から解放されるチャンスを芸術からもらう。それは、つまり1生命体としての、1個人として自由になること。これが、岡本氏の言うところの芸術が「自分自身の人間形成、精神の確立」(岡本氏の言葉の引用)たるゆえんでしょう。

 本質的なものに触れることの少ない、また触れなくても時を過ごせる現代にこそ芸術が必要である、と熱く語る岡本氏の言葉に身の引き締まる思いのする一冊です。

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