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先月(2017年8月)

光森長閑さんのレビュー一覧

投稿者:光森長閑

248 件中 1 件~ 15 件を表示

瞳 連続テレビ小説

2008/10/06 19:38

この上ないさわやかさを等身大に演じる。榮倉奈々ちゃん主演「瞳」ドラマガイドで半年間を回顧。

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 先日9月27日に半年間にわたる放送が終了したNHK朝の連続テレビ小説「瞳」。朝ドラ史上過去ワーストの視聴率と言われてはいますが、視聴者の生活時間帯の多様化や、衛星第2・衛星ハイビジョンと放映チャンネルの分散、さらには土曜日の一週間分一括の再放送など諸般の事情を勘案すれば、各局ともドラマが苦戦しているなかで関東地区平均15.2%は御の字でしょう。
 榮倉奈々ちゃん演じた主人公・一本木瞳が半年間駆け抜けた「瞳」のドラマガイドが本誌です。表紙には奈々ちゃんのすがすがしい笑顔が大写しで輝き、巻頭にはドラマのなかで奮闘する数ページ掲載されており、奈々ちゃんの姿を堪能できます。
 以下主なキャストのインタビューや、脚本家・チーフプロデューサーの対談、ロケ日記などが続いていて、ドラマの概要を理解できます。また、ドラマの舞台となった東京都中央区月島・佃界隈のガイドは、瞳たちの息遣いを感じにロケ地を訪ねてみる際の観光案内にもなります。
 私自身、このドラマに半年間視聴者としてお付き合いしたきっかけはもちろん奈々ちゃん見たさでした。当初の段階では、ヒップホップダンスに青春を捧げる女の子が、里親制度と向き合い、下町人情の中で成長を遂げていくという、硬さに柔らかさをまぶしたいかにもNHKらしい作品という印象がぬぐえませんでしたし、本誌からもそのあたりの匂いは多分に感じられます。
 しかし、ドラマを見進めていくうちに、そうした印象は次第に消え去りました。本当にまったくの嫌味なしに瞳はいい子なのです。共演の西田敏行さんもクランクアップの際、「等身大の役を演じることは俳優にとって難しいが、悩みながら演じる姿を見て刺激になった」と語っていました。まさにその等身大の瞳そのものの奈々ちゃんを毎朝目の当たりにすることができたことに大きな喜びを覚えます。
 当初の話の流れからすれば、最終話は里子の誰かが一本木家から卒業するか、それともダンスのコンテストで優勝して大団円となるのかと個人的に予想していましたが、まったくの大外れでした。意図的なストーリー展開の盛り上げよりも、ごく日常の風景を描き出すことのほうがはるかに瞳、そして奈々ちゃんには似つかわしく思います。
 もっとも、かつて奈々ちゃん主演で放送されたドラマ「ダンドリ。」もまたダンスの話で、かつ父親が行方知れずという非常に似通った設定ということもあり、スムーズに話に感情移入することができたのも大きいでしょう。まっすぐに、ひたむきに、家族や友達を愛して、キラキラと生きる女の子が本当に嘘偽りなく絵になる女性なのです。
 すでに放送の終わっている作品のドラマガイドですから、今さら書評に掲載するというのはいささか躊躇しました。しかし、このまま過去最低の不人気作品の烙印を捺され、本誌も死蔵されてしまうというのはあまりに惜しいという気持ちをどうしても捨て切れませんでした。
 本誌で紹介されているあらすじは第10週目までです。残り16週分のストーリーや、追って登場してくる主要キャストのラサール石井さんや小池栄子さん、勝村政信さんたちは出演者として掲載されていませんが、話の導入部を押さえるには問題ありません。本誌を読んで、本編を見ようという気になったならこれからDVDでも間に合います。「瞳」と奈々ちゃんの魅力を一人でも多くの人に感じてもらうきっかけになってくれれば、本誌も幸甚の至りでしょう。

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多部未華子1/25

2009/02/09 23:20

無用な演出なし、正攻法の内容に好印象。多部未華子ちゃん20歳の記念碑は瀟洒なフォトブック。

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 2009年の1月は未華子ちゃんの話題で賑やかでした。23日には次期NHK朝の連続テレビ小説「つばさ」の会見場でサプライズのバースデーケーキに号泣。誕生日の25日にはこのフォトブックの出版を記念してのトークショーが開催され、200人のファンを集めました。人生初のシャンパンを口にして「おいしい。何かお酒のにおいがします」(スポーツ報知)と大人の気分を味わいました。
 こちらのフォトブックも未華子ちゃん自身初、そして10代最後の記念に出版されました。価格はこの手の出版物では控えめの2,000円。にもかかわらずハードカバーのしっかりした装丁です。「フォトブック」というともっとチープな作りのものもありますが、とてもそうは括れない、瀟洒で格式高い印象を持ちます。
 特に活字の部分はそうです。6ページではありますが恩田陸さんの書き下ろし小説を掲載。冒頭からしっかりと作品の世界を作っています。
 圧巻なのはインタビューです。一般的な一問一答形式ではなく、それ自体が一つの小説のような構成です。タイトルが「インタビュー」なのですからもちろんそうに違いないのですが、本当に「インタビュー」なのか私小説なのか、錯覚に陥ります。
 拝読すると、がつがつした強い上昇志向や自己顕示欲は感じられません。しかし、プロ意識が未形成なのでなく、無用な力みがそぎ落とされた、しなやかでしっかりとした女優魂の芯の強さを感じます。中学3年のときミュージカルの稽古中体調を崩して休んだときの仲間が温かく迎えてくれたというエピソードは実に心に染み入るものですが、このあたりが原風景なのでしょう。
 また、「団体行動は嫌い」とはっきり断言しているのも目を引きます。この世代のタレントさんだと友達とワイワイやるのが好き、というような態度のほうが好感を得られるようにも思いますが、そういう姿勢がまったくないあたりも矜持なのかもしれません。
 巻末には「昨日のわたし」と「明日のわたし」へ宛てた、未華子ちゃん自身がしたためた手紙が掲載されています。
 一方、写真のほうは、この手の作品は得てして芸術性を求めたがる内容になりがちなところですが、これにはそうした印象は全くありません。全体を通じて画面が柔らかい太陽光で満ちています。稽古風景やキャンパスライフを想起させるような構図、さらには屋外へ飛び出して岩手県下の草原と、未華子ちゃんの日常の温度に触れられる内容です。笑顔はさほど多くありませんが、時折見せる笑顔が非常に自然で、芸術通以外が近寄りがたいものに固まっている印象がありません。
 20歳の記念作品、というと、かつては菅野美穂さんの「NUDITY」しかり、最近では堀北真希ちゃんの「セミヌード」まで、とかく肌の露出で大人びた印象を演出しようという写真集が世間の耳目を集めます。それはそれで一つの判断ですが、私は今回の未華子ちゃんのような全くその気配のない、堂々とした内容に極めて好印象を持ちます。肌の露出で20代の女優に脱皮するというのはおかしな話で、女優としての資質に自信があるのならありのままの実力を見せつければいいだけのことです。タイトルも誕生日そのままに「1/25」としたのも、20歳になった瞬間を装飾せずに表現しようという意図なのかもしれません。小細工なし、真っ向勝負でぶつけてきたこの作品に、周囲も未華子ちゃんの圧倒的な地力を感じているであろうことが窺い知れます。
 このあたりは、事務所の先輩でもある宮崎あおいさんの良い系譜を引き継いでいる印象を持ちます。宮崎さんもひたすら一本道に、映画での高評価を経てNHK朝の連続テレビ小説、そして大河ドラマで国民的女優と駆け上がりました。未華子ちゃんもそうなるのでしょうか。次回の朝ドラも未華子ちゃんが初の平成生まれのヒロイン、そして80作目にして47都道府県のしんがりとして埼玉県が初舞台という節目を任されており、期待が並々ならぬものであることがわかります。
 今年成人式を迎えたメンバーには堀北真希ちゃん、戸田恵梨香ちゃん、さらには未華子ちゃんと高校の同級生だった新垣結衣ちゃんと、錚々たる顔ぶれが揃っています。今年を未華子ちゃんの飛躍の年としてもらい、今一層若手女優の世界を盛り立ててほしいものです。

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喜ばしき新規参入。「異文化」をも取り込んだ広い守備範囲を、貫かれた「女優愛」で格式高く装う。

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 美少女タレントに関する書籍ばかりを拝読している私としては、出版元の「ACCESS」という会社も、母体となっている「東京カレンダー」という書籍もまったく存じませんでした。
 スクリーンで活躍する若手女優を特集したグラビア誌では、当書評でも取り上げている「B.L.T. MOVIE GIRLS」と「CINEMA GIRLS」の2誌がメジャーですが、どちらも芸能関係ではおなじみの出版社です。
 そもそも、グラビア誌系の冊子であれば読者プレゼントページがあるのがいわば定石ですが、本誌にはありません。ここからも全くグラビア誌にはなじみのない出版社であることが感じられます。
 畑違いの出版社が女優を素材に冊子を作ってきたということは、成長産業への新規参入という意味合いで受け止めたく、大変心強く、歓迎したいと思います。
 先述の2誌は映画作品に絞った女優の特集ですが、本誌はドラマ、さらには海外作品もと、幅広く切り取ってあります。グラビア誌ではほとんどお目にかかることにない方や、外国の女優などには全くの「異文化」を感じる部分もあります。
 そうした本誌ですので、当然格式は高くなります。グラビアに多くの紙数を割きながらもほとんど笑顔がないというのも、わかりやすい路線でアイドルファンを引き付けようという体裁にはしていないことがわかります。
 ですが、読み進めていくうち、さほど「異文化」という印象はなくなっていきました。全体としては案外グラビア誌の黄金律にのっとって作られている印象です。
 表紙は堀北真希さんです。映画「白夜行」が公開になったタイミングでもあり、やはりこうした冊子の顔に用いられると座りの良さを受けます。グラビア12ページとボリュームも十分です。
 加藤あいさん、戸田恵梨香さん、そして巻末の宮崎あおいさんと、実力派の若手女優にもしっかりとページを割いており、このあたりはファンとして安心して見られます。
 昨年「ゲゲゲの女房」で一気に躍進した松下奈緒さんもタイムリーな人選です。松下さんもあまりグラビア誌で拝見するというイメージがありませんから、貴重でしょう。
 一方でAKB勢も押さえるなど、しっかりと時流に沿うことも忘れていません。
 そうした意味では、玄人好みのベテランからアイドルまで「女優」という仕事をしている人なら誰彼なしに放り込んでいる振れ幅の広さはある意味驚きです。格式張った体裁も、後付けで納め込んでいる側面もあります。
 一貫して編集方針に感じられるのは、「女優」が好きだ、というバックボーンです。誰を応援するかによって、またどんな作品が好きかによって「女優」というストライクゾーンは動くでしょう。あまり固められたイメージにこだわらず、読者それぞれのなかにある「女優」像で切り取りながら読むというのも一つの方法かもしれません。
 本誌はグラビアの紙数も十分ですから、グラビア誌として見ても合格点です。ただ、それに留まらず、本誌としては記事をきっちり読ませたいという覇気が伝わってきます。「1980-2010 女優の歴史」以下計7本もの特集記事が組まれており、データベースとしても、読み物としても読みごたえがあります。
 トータルで160ページ、しかもオールカラーですから、手にした感じはかなりボリューム感があります。これで価格は1,260円ですから、昨今の冊子としては破格と言ってもいいほどお得な内容です。
 本誌は定期刊行の冊子ではありませんので、取り立てて次号を期待することはできないかもしれません。ただ、十分に見ごたえのある冊子でしたので、次につながれば大いに楽しみが増えます。せめて年に1度程度、その年の女優の仕事のまとめのような形式で発行されれば資料的にも面白いのではないかと思います。

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紙の本あいこ便り 皆藤愛子写真集

2010/07/11 17:12

僕たちの愛ちゃんがここにいる。どこまでも生のままに、どこまでも愛くるしい愛ちゃん2年半ぶりの今が満載。

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 今や「めざましテレビ」のキャスターだけにとどまらず、バラエティやCMなどにも引っ張りだこの愛ちゃんこと皆藤愛子さん。このたび2年半ぶり、愛ちゃんのセカンド写真集が出版になりました。
 ファースト写真集「あいこ日和」もいまだ人気が衰えていないとあって、まさにファンにとっては待ち焦がれた写真集です。
 「ビックコミックスピリッツ」の特別編集ということで、同誌のグラビア、さらには同じく同誌発の昨年末発売「ビューティーアナ ウィークリーカレンダー2010」で見かけたものと類似するカットもあります。ただ、重複しているという感はなく、むしろ漫画誌発のグラビアだけに写真集特有の凝り過ぎたクセがなく、万人が見て心底かわいいとしか思えないカットばかりを収録したという印象です。
 一般に26歳の女性タレントの写真集なら、多少の「芸術性」を織り交ぜて生のキャラクター以外の変化球で目先を散らしたくなるものです。しかし、本作ではロケでもスタジオでもすべてにおいて徹底した直球勝負しかしていません。この状況に堪えられる愛ちゃんは本当にすごい人だと感嘆しますし、ファンが何を望んでいるかを理解したうえで撮り下ろしているカメラマンや出版社もあっぱれです。
 2年半分の愛ちゃんが詰まっている分、今よりも幼く見える表情も散見されます。6月26日に行われた発売記念イベントでもご本人が「ちょっと太っているときもあるので、よく見ると顔が違ったりしています」(オリコン)とコメントしていましたが、確かにそう見えなくもありません。それでも、もともと愛くるしさ満点の愛ちゃんの顔立ちだけに、少し丸顔のほうがかわいさが倍加して見えるのはひいき目というものでしょうか。
 初のハワイでの海外ロケ、さらにはウエイトレスや魔女などのコスプレもあり、という触れ込みですが、前作ではもっとこてこてのイメージのカットもあったことから、いわゆる「コスプレ」という言葉の響きが持ついやらしさはありません。あくまですべてがさわやかな愛ちゃんの世界です。
 個人的に一番のおすすめのカットは表紙です。芝生に水しぶきがキラキラと跳ね、まるで愛ちゃん自身が光を放っているようです。
 「あいこ便り」というタイトルどおり、ご本人の今の気持ちを綴ったエッセーも収録されています。「まれにずっと仕事がつながって寝ずに『めざまし』に行く事もあります」というのは早朝のお仕事ならではの大変さが窺われますし、小学校の頃は体育が大好きで目立ちたがり屋という今とは正反対のイメージだったというのはちょっとした「愛ちゃんトリビア」という感じです。「愛について?」の項を「名前は愛子だけれど、愛を語るのは、まだ少し先になりそうです」と締め括っているのには、常套句ながらとりあえず胸を撫で下ろしたファンも多いでしょう。
 付録には撮影風景を収めた40分のDVDも付いています。グラビアのみならず動く愛ちゃんもに楽しめます。

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オタク市場の研究

2005/11/05 03:33

「新しいオタク像」に市場の露払いの意図は有りや無しや。愛好家には踊らされない自覚も必要か。

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 空前のオタクブームの中、遂にこうした本まで出版されるようになった。しかもいい加減なサブカル本ではなく、執筆は野村総研というマーケティングの専門書である。圧倒的な仕事には敬服するしかない。実際この方面の事業に携わる人には役立つ内容も多いだろう。
 本書はオタク市場の分析が狙いであり、「オタク」の内面性の評価などはしていない。緻密な研究は素人が口を挟めるものではないし、異を唱えるつもりも毛頭ない。
 ただ、これだけ研究し、ビジネスのヒントを提示しているのだから、「オタク」という存在を現在マーケットはどう見ているのか、そしてどうしたいのかを知るには絶好の文献と言える。その行方に最も影響を受けるのは趣味に親しむ人たちであり、その一人として意見を述べる権利もあると思う。
 本書は「オタク」を非社会性や特異な身なりなどの一般的なイメージではなく、「対象を限定せず、こだわり分野への消費形態と心理性向」を持つ人たちと再定義している。だから旅行やファッションなど、従前からの特徴的な「オタク」像とはかけ離れた趣味を持つ人も含んでいる。
 ”上限”はそうとして”下限”はどうか。本文中具体的な記述はないが、帯に「『アキバ系』ではない新しいオタク像を提示」とあるところを見ると、負のイメージは「アキバ系」「萌え」といった人たちに一身に引き受けてもらって排除し、その上で良質な「オタク」像を新たに構築したい意志があると見ていい。
 このことは正しい。オタクブームだからといってその非社会性まで容認されたわけではない。
 されど、そのスタンスはどこまで貫徹できるのか。項目中私の分かりうる「芸能人オタク」に関して言えば、あまりにさらりと書かれているが、その人物像は物欲に執着し芸能人を妄信するだけの存在であり、真っ当なファンとは程遠い。本書言うところの「アキバ系」そのものである。これでは逆に「アキバ系」に免罪符を与えているようなものである。
 「オタク」は「アキバ系」ではない、と謳いながら、その実「アキバ系」をも取り込めるロジックになっている。なぜ殊更「オタク」の定義を変えなければならないのか。「オタク」「アキバ系」の後ろ暗さを消し、金儲けしたい人が大手を振って参入できるよう露払いする動機が本書にあるのではと勘繰ってしまう。
 そのことに悪意はないのだろうし、経済を介し事象と向き合う姿勢も極めて真摯である。だが、その真摯さがかえって怖い。経済を錦の御旗にしてしまうと、中にいる人が見えなくなり、歯止めが利かなくなる。前述の「芸能人オタク」をさらりと書けるのも、異様な実像には目をつぶり、”きれいな”経済効果だけを切り取れるからだろう。善意だからといって清濁一緒くたにされてはたまったものではない。
 愛好家の側も自戒したい。地位の向上や理解の促進は経済という他者の手を借りる問題ではない。ましてや現在のオタクブームは棚ぼたであって自助努力ではないし、ブームの力を借りなければ定着できないようではあまりに心もとない。市場規模も金儲けしたい人にだけ関係ある話であって、愛好家には何の意味も持たない。
 模型業界の雄、海洋堂社長の宮脇修一氏も新聞のインタビューで「今は『電車男』などでさらなる追い風が吹いているように見えますが、オタク的には『ぬるい』。オタク文化のバブルで、いつかストーンと落ちます」と語っている。
 オタクブームに気を良くしているばかりでは不用心だ。趣味に専心していたつもりが、知らぬ間に踊らされる子羊になってはいないか点検したい。ひとかどの愛好家なら容易に取り込まれる対象にはなるまいという気骨も欲しい。時流に振り回されることなく、かといって勿論社会に背を向けるのではなく、実直に趣味を全うするのが愛好家には一番であるし、結果世間にも認知される王道なのだろうと思う。

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ピュア☆ピュア 52

2009/01/31 23:46

川島海荷ちゃん二の矢の攻めの二度目の新年表紙登場。本誌からの衝撃告知の決意に心からエールを送りたい。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 2009年の皮切りとなる第52号の表紙・巻頭を務めるのは、2年前、2007年1月以来2度目となる川島海荷ちゃんです。
 2年前の海荷ちゃんは、相次ぐドラマへのレギュラー出演で知名度を飛躍させていた、ちょうど最中にありました。同じ事務所のガッキーのブレイクもあり、このまま一気にエース級へ上り詰めるのかと思われましたがその後は比較的平静を保っており、昨年のTBS系ドラマ「ブラッディ・マンデイ」などで再び脚光を浴びることとなりました。いわば「二の矢の攻め」の狼煙を予感させる登場です。
 この間2度ばかりグラビアに登場していますが、表紙・巻頭で見る感慨は特別です。制服姿に加え、自宅で過ごす休日をイメージしたようなグラビアは海荷ちゃんらしさ満点。落ち葉舞う公園での一コマもさわやかです。4月からは高校生となり、グラビアにもインタビューにもお姉さんになった実感を持ちます。特に弟妹に関するくだりはほのぼのとさせられ、暖かい家庭の風景が目に浮かびます。
 遅生まれの人なら高校生になって早々に本誌卒業となりますが、幸い海荷ちゃんは16歳の誕生日までまだ1年2か月も猶予があります。このメリットを最大限活かしていただかない手はありません。個人的にはやや伸び悩んでいる感のある音楽ユニットよりも、女優業、そして本誌レギュラーとして全力を傾注していただきたいと願うところです。
 他の顔ぶれですが、やはり新年最初の号というと一木有海ちゃんを外すことはできません。2005年にスタートした「有海ちゃん大賞」もはや4回目。「サンドイッチを食べられるようになった」とか「ハマっている芸人は狩野英孝」など、有海ちゃんらしさ全開の各賞を発表しています。さらに、本誌年1度のお楽しみ・お正月の振袖は今年は有海ちゃんの番となり、おかげであまりにも眩しい白い晴れ着姿を拝見できる僥倖に恵まれました。
 今回のグラビアはロケ地にもこだわりがありそうです。横須賀で潮風に吹かれる伊藤夏帆ちゃん、高尾山の紅葉に負けないくらいあでやかな小池彩夢ちゃん、川崎大師でだるまに見入る重本ことりちゃんと、元気にスタジオを飛び出してくれました。
 フジテレビ系ドラマ「トライアングル」で女優デビューを果たした志田友美ちゃんや、古びた工場や日本庭園など趣のある背景も様になっている山谷花純ちゃんなども見ごたえ十分です。
 「ワイワイ対談」には共にエイベックス所属の江野沢愛美ちゃんと指出瑞貴ちゃんが登場しています。昨年はエイベックスの若い波が一気に本誌に押し寄せましたが、そのパワーは今年も健在のようです。
 また、50号のリニューアル時になくなっていた「モノクロームの街、モノローグの少女。」が今回から読者の熱い声に押されて復活しました。第1弾は山田樹里亜ちゃんが荻窪の商店街を舞台に登場しており、やはりモノクロならでは味わい、そしてこの企画ならではの情緒溢れるロケ地の選定に唸らされます。
 グラビア初登場組では日南響子ちゃんが気になる存在です。本来2ページであるショートグラビアに3ページで登場。名前も「きょうこ」ではなく「きょおこ」。名門・スターダスト所属ですが、本誌でおなじみの伊藤夏帆ちゃんたちの路線からするとやや“変化球”の印象もあります。もちろん期待株であることに変わりなく、本誌にはその才覚をうまく活かしてほしいところです。
 昨年のホリプロスカウトキャラバン史上初の小学生グランプリ・高良光莉ちゃんも芸名も新たに初登場です。このところ同キャラバン出身者は連続して誌面に登場していますが、これも史上初めてアクション女優発掘が標榜されていただけに、本誌路線とはあまり合致しないのではと思い込んでおり、私としては少々予想外でした。今回の白い衣裳は鮮やかで、継続して登場となるならば現行路線を堅守してほしいものです。
 なお、今回久々に水沢奈子ちゃんによる水着グラビアが復活しました。これまでの奈子ちゃんの路線からすれば水着自体はさほど驚くものでもありませんが、誌面がまた揺り戻されるのは残念です。今回発売の写真集が辰巳出版で宣伝を狙ってのことですし、個々の活動状況にまで口を挟むことはできませんが、せめて誌面と写真集は切り離して考えていただきたいと思います。
 また、裏表紙には誌面には掲載がありませんでしたが、小池彩夢ちゃんもまた辰巳出版の写真集の広告で水着になっています。本誌だからこその高次の要望ですが、たやすく水着に流れる表現手法は再考してほしいものです。
 と、いつもならここで筆を擱くところですが、グラビアページを一通り拝見し、読者ページ・編集後記に目を通した途端、血の気が引きました。まさか本誌が次号から季刊に移行するとは。何度も見間違えであってくれと見直しましたが、どうしようもない事実でした。新年早々こんなに悲しい知らせを目にすることになろうとは、しばらくショックで呆然としました。
 数年前に同じく隔月だった「memew」が季刊に移行、昨年は「アップトゥボーイ」が大幅リニューアルを図るなど、グラビア誌を取り巻く情勢は年々厳しさを増しています。加えて、かつてのハロプロなどを中心としたローティーンのバブル的状況もありません。
 ただ、そうした時勢よりも、今日の若手女優の方々の活況、そしてその屋台骨を多くの本誌OGが支えている現状に象徴される誌面及び登場する人材の向上に、今回の季刊移行は逆に起因するところが大きいように私としては感じられます。
 誌面の品位が向上するほど、下卑た読者層は本誌から離れます。熱烈な購買層とこうした読者層の多くは合致し、誌面の品位と収支は得てして反比例します。本誌の正道を行く判断が結果として招いたジレンマともいえます。
 私の思いとは正反対になりますが、誌面の品位を下げ、下卑た読者に媚びることで現状を切り抜ける方法もあったかと思います。ただ、スタッフのコメントを読む限り、あくまでそうした判断には立たず、さらにクオリティの高い誌面を作るための決断であることが強調されています。これは絶対に讃えねばなりません。
 編集後記には「このヘヴィなご時世、いまは忍耐のとき」とあり、恥ずかしながらそこまで本誌が苦境に立たされていることに思いを致すことはありませんでした。2か月に1度本誌を拝読できることは何の疑いもない当たり前のことでした。当たり前が当たり前でなくなって改めて有り難味を噛み締めるとともに、スタッフの苦悩をよそに時に苦言を呈してきた私もまた、本誌を追い詰めてしまった一人なのかと胸に刺さるものもあります。読者ページでスタッフから「苦言もまた愛情の証」と温かい言葉が掛けられていることに少しはほっとします。
 現実に本誌を拝読できる機会が年に2度も減ってしまうことは抑え難い喪失感です。しかし、打ち沈んでばかりいても何も生まれません。スタッフの熱い思いを知ったからには、読者としても奮い立たないわけにはいきません。本誌が選択した編集方針をひたすら支持し、可能な限り1号でも早く隔月体制に戻れるよう応援し続けることです。私もできることは知れていますが、ファンとしての志を今一層固くし、その魅力を伝える一助でありたいと決意しています。

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変わらぬ実直さでライバルを圧倒。今年も定番・青い表紙のTVスター名鑑が秋の深まりを告げる。

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 先週書評を書いた「2008年版 オールスター名鑑」に続き、今度は「TVスター名鑑2008」が手元に届きました。この2冊が本棚に並ぶと、一段と秋の深まりを感じます。
 おなじみの青い表紙をはじめ、体裁、掲載項目、価格と、昨年とまったく変わっていません。ジャンルも男女スターをはじめ、子役、グループ、文化人、キャスター・解説者・リポーター、アナウンサー、さらには誕生日一覧、物故者一覧と例年どおりの充実ぶりです。
 発行が同時期だけにどうしても「オールスター名鑑」との比較になってしまいますが、「オールスター名鑑」が大幅ページ減となったのに対し、こちらは昨年同様6500人を掲載しています。掲載人数では完全にこちらに軍配が上がったということになります。何事もなければ気がつかないところですが、掲載人数の勝負で「オールスター名鑑」が脱落したことで、この数字を維持することがいかに大変であるかを認識させられます。
 毎年これだけのボリュームのタレント名鑑を手にできることには安心感を覚えます。この実直さはいつまでも変わらずにあってほしいものです。

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経過は不明瞭ながらも誌上オーディションは近内里緒ちゃんに白羽の矢が立つ。キャストの厚みと初心回帰に再建への端緒は開けたか。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 前回9月末と告知されていた発行予定は例によってあっさり繰り延べになり、1月以上遅れる結果となりました。読者は皆初めからこうなるとわかっていますから、何も無理をした日程を組むことはなかったでしょう。
 それはさておき、前号の「第1回ミスレモンティープラス」誌上オーディションにエントリーされた顔ぶれを見て、本誌の読者ならば「出来レース」の臭いを感じなかった人のほうが少なかったのではないでしょうか。その真偽のほどは関係者しかわかりませんから滅多なことは言えませんが、少なくともそう映るくらい、グランプリを獲得し、今回の表紙・巻頭を飾っている近内里緒ちゃんが全候補者中図抜けていたということです。
 まだ海の物とも山の物ともつかないこのオーディションに、NHK教育「天才ビットくん」レギュラー出演をはじめ実績的には既に十分な里緒ちゃんが何ゆえ応募したのか定かではありません。
 ただ、経過はどうあれ、里緒ちゃんほどの実力者ですから正当な判断ですし、諒として構わない結果だろうと思います。また、どん底まで落ちた本誌の信頼回復を、この肝煎りの企画の成就に託そうという意志も見えます。
 それだけに、もっとクリアーかつオープンな形でこの企画をスタートさせる必要があったものと感じます。読者投票を行った以上はその結果を公表するのが当然ですし、審査の経過やオーディションの概要、審査員の意見等も掲載すべきです。そうした経緯がブラックボックスのままでは信頼を寄せられるオーディションにはなり得ません。また、水着撮影可能であることが応募の条件でしたが、スケベ読者に擦り寄るための道具として使うようでは問題外です。
 今後は準グランプリとなった工藤知佳ちゃん、鴻巣有沙ちゃん共々一蓮托生で行くことになるようです。「第1回」とあるからには、今後2回、3回と開催されるのかもしれませんが、惰性では意味がありませんから、この冠を威光を持つものに育てていく努力が一層求められます。
 その里緒ちゃんを含め、キャストの厚みはかなり増しています。藤本七海ちゃんはさすがにこのクラスだと格の違いを感じさせます。本誌誌面ではおなじみ、麻亜里ちゃん、坂田彩ちゃんたちは今回も安定感抜群です。他誌では常連だった川原真琴ちゃんの顔も久々に拝見しました。現在てれび戦士として活躍中の細川藍ちゃんも登場しています。その他のキャストもいつもどおり知名度は決して高くないものの、総じて好印象を与える子が揃っています。
 そして衣裳やロケ風景も、かつての「ブルセラ排除路線」が明確だった頃に帰ったようなさわやかなものが多く見受けられます。ここへきて本誌の「初心」を思い起こし、原点へ立ち返ろうとしているかのようにも見て取れます。
 そうだとすれば賞賛に値する判断です。本誌が今回2桁に至る号数を重ねるまでの礎を築けたのは、かつての良識的な編集方針がすがすがしい風を吹き込み、読者の心をつかんだからでしょう。そこがうやむやになり、妙な功名心と安易な誌面づくりにとらわれてしまったことで、迷い道に入り込んでしまった感もあります。
 毎度「Editors ROOM」ではスタッフの心苦しい心情が吐露されてきましたが、今回は相変わらずの編集長の謝罪の弁以外は肩の力の抜けた文面が目立ちます。スタッフも息の詰まるような立場に置かれ続けては、おのずとそれが誌面に現れてしまうでしょう。このあたりからも、最悪の局面からは抜け出した本誌の現況が窺われます。

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鶴首幾年、昨今稀な超高品位の一冊が誕生。本物の美少女&キャスターだけを厳選した珠玉の編集方針。

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 正直直接手にするまで、真っ向から「品」を謳った本誌の紹介を信じることができませんでした。所詮は見掛け倒しではないか。今のご時世、「飛び道具」なしの冊子が受け入れられるはずはないと。
 半信半疑のままページを開きましたが、すぐに自らの不明を恥じました。モー娘。の全盛期以降、煽情的な水着グラビアの拡大やオタク・アキバ系ブームの到来、さらには脱法児童ポルノ誌の増長と、美少女業界の空模様は俄かに荒天となり、今日もなお油断ならざる状況が続いています。そうした中、ただひたすらに彼女たちの魅力を信じてきた者としては、黒雲に遮られていた太陽をようやく本誌に見た心境です。「そろそろ品のある女優が見たい」と「品のない女優」を一刀両断にするなど、果断な編集方針には心から敬意を表します。
 その記念すべき本誌の表紙・巻頭を飾るのは藤井美菜ちゃんです。インテルやブルボンのCM、さらには映画「シムソンズ」に本年度の甲子園ポスターと、若手女優の中で一際強く光り輝いている美菜ちゃんを起用したところだけ見ても本誌の感性がわかります。12ページを割いてのグラビアは大変貴重ですし、もっと貴重なのが生い立ちや日常生活、仕事の話と詳細に語られているインタビューです。
 さらに、ドラマ「ダンドリ。」主演に抜擢された榮倉奈々ちゃん、「三井のリハウス」「三ツ矢サイダー」のCMはじめドラマ・バラエティに引っ張りだこの夏帆ちゃん、ドラマ「白夜行」、映画「日本沈没」と立て続けに主要な役どころを務める福田麻由子ちゃん、「恋するハニカミ!」レギュラーで鮮烈な存在感を放つ平田薫ちゃん等々、よくぞこれほどまで完璧な人選ができたという顔ぶれが連なっています。現在の我が国の美少女業界で思い当たる実力者は余すところなく網羅されていると言って間違いありません。
 若手女優のみならず、今回の目玉となっている特集が女性キャスター界の名門・セントフォースの研究です。高樹千佳子さん、小林麻央さん、杉崎美香さんのインタビュー、中田有紀・舟橋明恵・戸塚貴久子3氏の座談会に加え、同社の社史を遡って徹底研究しています。女性キャスターにも応援対象を見出している人にとっても嬉しい内容です。
 グラビアはもちろんですが、インタビューなど記事も読み応え十分です。高倉文紀氏や青木孝司氏といった名だたる文士の筆が、水を得た魚とばかりに冴えています。
 ただ、一つだけ難を言うと、「次世代候補」「欲望への飽き」「時代は反動を繰り返す」等の文言が並ぶ触れ込みには少々引っかかるものがあります。日経エンタ別冊という性格上、そうならざるを得ないのもわからなくはないですが、せっかくこれだけの出来映えに仕上がった本誌を予想屋風情に落としてしまうのはあまりに能がないと思えます。彼女たちを時代の趨勢や流行で押し上げられただけの、本誌言うところの「むき出しの欲望」に支えられた人たちと同レベルとは見たくありません。
 良いものは良い。そんな歪みのない評価に支えられた美少女たちが恒久的に活躍できる土壌が形成されてほしいと願います。そのためにはタレントやメディアの側もさることながら、歪みのない評価を裏打ちできるファン層の形成が求められます。彼女たちを擁し、こうした括りが本誌によって高らかに宣せられるまで数年の忍従の時を要したということは、裏を返せば支持層の側もそれだけ歪んでいたということです。本誌に共鳴した読者の方々の間に少しでも本物に近づいていこうという機運が湧き上がってくれば、彼女たちと、彼女たちを取り上げていただいた本誌を崇敬する読者の一人として幸甚の至りです。
 なお、私事ですが、これがbk1通算100件目の書評となります。100冊の節目にこのような珠玉の一冊について書けるその縁に深く感謝いたします。

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「公約」実現は本誌変遷の予兆か。「金看板」固守から宿志の証明へ、自己主張が強く出た第7号。

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 「遅れが慣習になってしまうのが怖い」とはスタッフの弁ですが、予定から1か月強遅れでの発行となりました。前回ほぼ予定通りだったのが元に戻った格好になりましたが、待たされるのが読者のほうも慣習になってしまったようです。
 本誌といえば水着・制服論争が定番になっているようなところがありますが、前回の第6号で、今回第7号での水着掲載と、完全な制服否定の意図のないことを宣していました。中身を見てみると、その通りの内容となっています。
 表紙の寺田有希ちゃんからしていきなり制服での登場です。矢口聖来ちゃんは水着姿を披露しています。スタッフが自嘲気味なのも無理はないでしょうし、傍目には宗旨変えしたようにも見受けられます。
 ただ、読者の声に答える「Readers VOX」のコーナーで、これまでは水着・制服に関する応答が多かったのに今回は全くないことからも、編集方針の変更というよりは編集部のこだわり自体がすでにこのテーマから離れていることが推し量れます。むしろ完全否定という「金看板」だけが独り歩きしてしまったことの火消しに躍起になっている感じです。
 初期段階で大舵を切ることで印象付けたようとした高邁な理念がある程度浸透し、次のステップへと進む時局が来たという判断でしょう。「『そればかり』というのはいかがなものかと問いたいわけで、言葉で言うよりは媒体を持っている自身の身で実践を試みている」というのが本誌の本懐のようです。
 今回取り上げられているテーマに、キャストの知名度と年齢のバランスがあります。
 知名度のバランスのほうは、現時点の活躍の度合いよりも、本誌での紹介がファンへの名前の浸透に資することを専ら念頭に置いているようです。そのうえで、「今」の子と「これから」の子のバランスを配慮しているようです。
 年齢に関しては、ミドルティーン、ローティーンだけにこだわるのではなく、10代中心のキャスティングとし、併せて10歳未満の子についても対応し、こちらもバランスに配慮することが表されています。
 今回は本誌が本来どのような方向性を志向していたのかがはっきり見えた内容と言えます。知名度、年齢共に幅を持たせ、衣裳にも特段固執することなく、本誌が良いと感じた女の子をたくさん掲載していくということなのでしょう。
 「今」の子では、表紙・巻頭の寺田有希ちゃんや、シャープ「vodafone 903SH」のCMでの変顔でおなじみの仲里依紗ちゃんあたりは、ネームバリューもあり、年齢もやや高めでこれまでの本誌の路線からすると“よもや”と思えます。その反面、バランスに配慮するあまりか落下傘降下的な印象もなくはありません。
 「これから」の子は、全国誌である以上もう少しハードルは高くてもいいかもしれませんが、起用を重ねるうちに底上げは着実に図られてきたと感じられます。
 てれび戦士として、さらには日立のCMでおなじみの樹音ちゃんをいち早く登場させたり、岡本杏理ちゃんや志保ちゃん、大政絢ちゃんや山口真璃亜ちゃんらスターダストの期待株を大挙して起用するなど、きらりと光る人選も伺われます。
 個人的には「そればかり」に徹するのも見識だと思いますが、本誌があえて標榜するからにはしばらくは成り行きに注目せざるを得ません。本誌には一度表紙・巻頭を務めた子は再登場させない慣例があり、“軸”をあえてなのか作らないようにしています。特定の個性を突出させない誌面作りも自己主張なのでしょう。
 ちなみに、変化という点では、表紙・裏表紙のデザインも若干リニューアルされています。「新しい酒は新しい革袋に」という意欲の現れなのかもしれません。

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一気に400人増の6500人掲載。総合タレント名鑑の老舗・TVスター名鑑の群青が晩秋を彩る。

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 今年も残すところあと2か月となり、何となく気ぜわしくなってくると、青系統の表紙でおなじみ、TVガイドのTVスター名鑑発行の時期となります。
 毎年100人単位で掲載人数が増えていくTVスター名鑑ですが、今年は何と一気に400人増という出血サービスです。さすがに6100人から6500人へと著増すると見た目にも違いがはっきりとわかり、2冊並べると段差がつくのがわかります。にも関わらず値段は据え置きとたいへん良心的です。
 この名鑑の幅広い掲載範囲はさすがで、男女スターや子役、グループはもちろんのこと、文化人や、キャスター・解説者・レポーターまで網羅されています。さらにこの名鑑の最大の特長は、各局のアナウンサーまで収録されていることです。巻末データファイルには、誕生日の一覧と今年の物故者が収められています。
 つい先頃別冊JUNONの新オールスター名鑑が発売されたばかりで、総合タレント名鑑の両雄が晩秋に激突することになりました。値段も全く一緒の税込み900円で、使い勝手も互角でしょう。表紙の色も好対象。芸能通なら青と赤、2冊並べてデスクの上に置くのもいいかもしれません。

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第5号にして遂に中村有沙ちゃんが巻頭に登場。当世グラビア誌の最高善、ブルセラ排除の姿勢に胸を張れ。

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発行日が遅れるのが本誌の常とはいえ、当初予定から2か月半近くも待たされるとは驚きでした。その分を取り返そうという意気込みの現れではないのでしょうが、今回の表紙・巻頭は大エース・中村有沙ちゃんとなりました。
同世代の子の中では頭一つ抜け出ている有沙ちゃんの表紙・巻頭に歓喜するのは勿論ですが、これまでの本誌の方向性からすれば意外な感もあります。特に表紙・巻頭に関しては時代に先駆けてきた本誌ですから、他誌で経験のある子を起用するのは5冊目にして初めてのことです。過去4回すべてに出演してきた有沙ちゃんは、当然いずれ表紙・巻頭を務めてもらうべき人だったわけで、文字どおり満を持しての登場となりますが、フレッシュさを重視して憚られてきたビッグネームたちの巻頭起用に関しては、状況が変わっていくのかもしれません。
それはともかく、グラビアのほうはさすがは有沙ちゃんと得心させられる内容です。1〜2月の撮影というものの、この春から中学生になったばかりの有沙ちゃんにしてみれば小学校の卒業記念グラビアであり、読者にしてみれば進学してから初お目見えになります。中学生になったらここが変わるところは? との質問に、あっさり「ないです」と言い切ってしまうあたりは愉快ですが、得意の早口言葉を披露して放送部入部の希望を語っている新入生の素顔は微笑ましく思えます。
ほかにも、有沙ちゃん同様4月から中学生になった篠原愛実ちゃんは髪型のせいかやや幼く感じられますし、NHK朝ドラ「すずらん」や「千と千尋の神隠し」の声優で一躍有名になった柊瑠美ちゃんははや17歳になって大人びたたたずまいで登場しています。本誌では常連のレヴィ・ジェイクラス勢からは出村真実ちゃん、松本夏空ちゃんらが名を連ね、特別企画では鉢嶺杏奈ちゃん・七奈ちゃん姉妹が共演しています。ただ、前回までに比べると、全体に新顔にシフトしたのかややキャスティングが弱くなったように感じられました。
グラビアに加えて、読者の声と真摯に向き合う「Readers VOX」の欄は興味を引きます。これまでも水着の理非を問うなど、グラビア誌としては異色の踏み込みをしてきましたが、今回は衣裳に制服を求める意見に対して答えています。このなかで、いわゆるブルセラを排除したグラビア誌を目指そうという創刊のコンセプトを表明している様は見事の一語に尽きます。見てくれだけが一人歩きし、それを偏愛する読者を誘引する冊子がある以上、また読者に対する世間の根深い偏見や誤解がある以上、まず形から入って威儀を正すことはたいへん意味のあることです。制服までもシャットアウトするのは厳しすぎると言えなくもないのでしょうが、当書店bk1でも“アダルト写真集”にジャンル分けされるくらい環境が悪化しているのを考えると、厳しすぎるくらいでちょうどいいはずです。自信なげな文体ですが、日和見する必要は全くなく、堂々と胸を張るべき編集方針です。水着・制服は付き物という“常識”を捨て去ってもグラビア誌は存立できるという事実を積み上げてきたことを誇りとすべきでしょう。本誌自ら律することで、ブルセラ趣味を焚きつける有象無象の冊子と一線を画し、グラビア誌の理想形をかざし続けてほしいと、読者として強く望むところです。
そうした本誌の姿勢の副産物とも言えるでしょうか、いち早い第3号での表紙・巻頭を含め、幾度も登場してきた成海璃子ちゃんがこの4月からの新ドラマ「瑠璃の島」の主演を12歳にして射止めました。本誌の指針の確かさを証明した結果ということかもしれません。
次号発売は6月下旬とのこと。当世このジャンルの最高善と言っても過言ではない本誌だけに、発行日の遅れのようなつまらないことでけちをつけてほしくありません。予定どおりに、梅雨空を晴れ渡らせるような女の子たちの笑顔に逢いたいものです。

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長澤まさみさん今年2度目の表紙で振り子が戻る。改版1年、高品位の女優グラビア誌として確実に浸透。

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 本誌の母体であるテレビ情報誌「B.L.T.」11月号に本誌の宣伝も兼ねグラビアが掲載されていました。
 それ自体がどうということではありませんが、私のような読者にとっては事実上そこしか読むところがなかったということです。これは今月号に限ったことではありませんが、あまりにも寂しい現実です。本誌グラビアの出色さを証明している反面、現下の美少女業界の実情を如実に現している一面にも感じます。
 話がそれましたが、本誌第7号が発売になりました。前回の書評で「『生え抜き感』と『通好み』という二極を軸として交互に送り出していくのが本誌のこれからの流れになるのか」と書き、書評ご担当者の方にも「良い流れではないでしょうか」と評価をいただいたところですが、まさにそのとおり、「生え抜き感」の強い内容となりました。「B.L.T.」は上述のとおり、姉妹誌の「U-17」や「CM GIRLS」もかなり危うい状況ですから、私が書いたところで振り子が確実にかえってくる保証はありませんでした。書いた手前もあり、私としては大変安堵したところです。
 まず書店で手に取った時点で、表紙に長澤まさみさん、裏表紙に川島海荷ちゃんの姿が目に飛び込んで来ました。この時点で外れはないと安心してレジに持って行けます。
 内容も期待を裏切りません。長澤さんは今回映画「モテキ」の特集ということで堂々20ページを割いて登場、圧倒的なボリューム感です。赤髪という“異形”での登場となりましたが、落ち着いた情景の中で撮り下ろされた雰囲気はさすが、今年2度目の表紙の王者の風格が漂います。
 海荷ちゃんのほうは飛行機や計器類をバックに航空公園でのロケのようです。メークや衣裳のせいかレトロっぽい雰囲気も感じられ、普段とは少し違う表情を見せてくれています。こちらも14ページとボリュームは十分です。
 ほかにも今年CM等でも上昇気流を感じる木村文乃さんはお伽話の一ページを思わせるような霧深い森の中の情景で、見事な仕上がりになっています。
 戸田恵梨香さん、仲里依紗さん、満島ひかりさんら実力派もページ数は少ないながら掲載されており、誌面を締めています。
 手に取った時点では安堵でしたが、読み終えてさらに喜びに上昇しました。現下の情勢でこれだけの誌面を作っていただいた本誌には感謝したい思いです。
 今年1月に現在の誌面に改版され、季刊として4号、1年が経ったことになります。結果「生え抜き感」と「通好み感」の表紙が2度ずつとなり、また高い品位のグラビアも堅持され、非常にいい形で定着したと言えます。次号は12月に発売とのことですが、2年目からもこの良さが変わらず続いてほしいものです。

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紙の本TVスター名鑑 2011

2010/12/19 23:39

掲載数もページ数も全て変わらず完成の域へ。ウェブ版不許可の壁は越えらずとも紙には紙の良さがあり。

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 毎年同じような書き出しですが、この「TVガイド TVスター名鑑」が発行されると秋の深まりとともに1年の過ぎゆく早さを実感します。
 一般向けの廉価版タレント名鑑は今や本誌くらいしか思い当たりませんし、掲載内容も十二分に充実しています。芸能ファンなら手元に置いておけばまず重宝する一冊です。
 本誌は毎年微妙に何かしら変化があるものですが、今年はまったく昨年と変わっていません。掲載数6500人、総ページ数486というのもすべて同じで、完成の域に達したということなのでしょう。
 本誌が一昨年から力を入れ始めたのがウェブ版名鑑です。表紙には「掲載8000人超」とうたってあり、昨年から1000人増えていますが、実際ウェブ版を見てみると現時点では約6500人で、8000人超を「掲載予定」となっています。また、これは2009年版の際に書いたところですが、当時からの掲載不許可のタレント・プロダクションが依然解消されておらず、本誌と同列に扱うのは無理があるようです。
 やはり紙には紙の良さがあります。ウェブ版はその特性を活かした速報性などに特化されることに期待し、来年以降も本誌を買い続けることにしたいと思います。

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第3号の表紙・巻頭は石原さとみさんが飾る。気高く完成度の高いグラビアの数々はさすがの女優のお仕事。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 季刊ペースで刊行されてきた本誌も早いもので今回で第3号を数えました。こうした良質な冊子が定着することはたいへん喜ばしいことです。
 今回表紙・巻頭を飾っているのは石原さとみさんです。ネームバリューはもちろんですが、それに見合うページ数のボリュームも確保されており、見ごたえは十分です。
 できることなら石原さんならではの屈託のない笑顔も見せて欲しかったところですが、気高く完成度の高いグラビアの数々はさすが女優の仕事という内容に仕上がっており、その美しさに酔いしれます。
 ほかでは、芦名星さんなどはこうした冊子ではやや「ストライクゾーン高め」の感のある新鮮な人選でしたし、谷村美月さんは相変わらずの存在感を発揮しています。大塚ちひろさんも時折こうした冊子で見かけますが、やはり力のある女優さんという印象を持ちます。
 もっとも、過去2回に比べるとキャスティング面ではややパワーダウンの感は否めません。これまでが破格の豪華さだった感もあり、創刊・定着に精力を傾けたということかもしれません。いわば「平常営業」に移行したということなのでしょうが、誌面の品位は保たれており、その点は安堵します。
 読者プレゼントでは、定番のサイン入りポラに加え、サイン入りポスターも用意されているといるのもうれしい配慮です。個人的な感想ですが、「大きいことはいいことだ」ではありませんが、賞品の大きさとうれしさは正比例する一面もあります。もちろんこれだけ完成度を誇るグラビアの数々を掲載する本誌ですので、その1ページを切り取ったようなポスターであれば大変価値があります。
 現在のペースだと第4号は年明けになるのかと思いきや、告知によると12月中旬に発売されるとのことです。冬休み、お正月映画に向け、スクリーンの若手女優が一層充実する季節ですから、前倒しして伝えようという本誌の意気込みも伝わってきます。これまでの本誌の路線からして、どれほど充実した内容になるのか、今から楽しみです。

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