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  3. LR45さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年6月)

LR45さんのレビュー一覧

投稿者:LR45

270 件中 1 件~ 15 件を表示

ほとんどケチの付けようがない内容

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

タイトル通り、歴史に興味がない方でも知っている関ヶ原の戦いについて述べられている本である。

関ヶ原の戦いのみに論点を絞っており、非常に読みやすかった。
まず、関ヶ原の戦いが起こる伏線となる豊臣政権の評価から始まり、なぜ関ヶ原に至ったかを鮮やかに描いているように思えた。

筆者は、秀忠率いる徳川主力軍が関ヶ原に間に合わなかったことを大変重要視しているように見受けられ、また、秀忠遅参がどういう結果をもたらしたかを理論的に説明している。

詳しくは読んでのお楽しみということで詳細は省くが、秀忠軍が徳川方の主力であり、その遅参は家康にとって大打撃であり、戦後論功行賞にも大きく作用したということを、秀忠軍の軍構成から証明している。

また、図を用いた説明も適時適量用いられており、関ヶ原において家康本隊は、もし敗北した際には逃げ場がないという状況であったことも、その図からわかる。

惜しむらくは、著者は関ヶ原の後の政局についても論述しているのであるが、その説明がどう考えても納得のいかない説明にしかなっていないことであろうか。
秀頼の上洛によって実現した家康と秀頼の直接対面においても、家康はあくまで秀頼を臣下としてみなしていなかったばかりか、主君に対する扱いをしたということを論拠とし、家康に豊臣家を滅ぼす意志はなかったと論じるのである。

だが、どんな歴史家の研究推論よりも、実際に起こった大坂の陣の方が信憑性という意味で圧倒的に差があるのであって、大坂の陣を起こす口実、夏の陣への布石(壕を埋めるなどのごり押し的な行為など)を考えると、家康が何が何でも豊臣家を滅亡させる意志を持っていたのはほぼ確実であると考える。
著者の言うとおり、家康が豊臣家にほんのかけらでも敬意を持っていたとするならば、秀頼の息子まで殺す必要はなかったし、むしろ助けて、石高は少なくとも大名に取り立てていて然るべきであろう。

話はそれたが、この問題は関ヶ原の戦いそのものとは直結するものではなく、「関ヶ原合戦」と銘打った本としては、星5つに十分値すると思う。

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紙の本治療薬マニュアル 2008

2008/03/06 00:00

使い分け

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

薬の解説本としては今日の治療薬が有名だが、今日の治療薬は簡便で使いやすい反面、情報量が物足りない。
医師薬剤師ならば、治療薬マニュアルの方が様々な面で必要な付加情報が載っていて便利だと思う。
情報量としては、今日の治療薬<治療薬マニュアル<ドラッグインジャパンといった感じだろうか。
ただし、情報量が多いから必ずしもいいというわけでもなく、単純に薬の種類、作用副作用などの情報が知りたいだけならば、ドラッグインジャパンなどは複雑だし、読むだけで専門的な知識を必要とするので無用の長物だろう。

使いやすさとしてはドラッグインジャパン<治療薬マニュアル<今日の治療薬となるだろう。

ドラッグインジャパンと治療薬マニュアルの差は情報量大きさその他の面で、かなり大きいのでやはり医局薬局で最初に使う物としては治療薬マニュアルが適当ではないかと考える。

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紙の本現代語訳吾妻鏡 1 頼朝の挙兵

2008/01/22 21:48

まずは日本語にしてからと

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

吾妻鏡は、平安末期から鎌倉時代前期~中期を知る上で避けて通れない書物である。

しかし、だからといって原文を読めばいいかというと、原文は正直な感想として、無理、あり得ないというくらい難しい。
何が難しいかというと、吉川弘文館から刊行されている、国史大系の吾妻鏡を例として言うと、まず基本的に全て漢文、返り点だけはついているものの、振り仮名送り仮名無し、といった状態で、大学受験で学ぶ程度の漢文の力では到底読めるものではない。

小生ごときの能力で本書の現代語訳が正しいのかおかしいのかなど、到底判断できるわけがないのであるが、片手に現代語訳である本書を持ち、もう一方で原文を持ち、フムフムそう訳すのか。。。と考えながら読むのもなかなか楽しいと感じる。

別に原文を持つ必要はないし、この本のみでちゃんと現代語に訳されているので、吾妻鏡を読みたいが、難しくてという方には適切な本だと考える。
また、全15巻に分割されて配本されるということで、特定の時代だけを知りたいという場合にも適している。

惜しむらくは、配本が年4回ということであろうか。

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タイトルと裏腹な

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

タイトルが「日本人とは何か。」という、実に抽象的なタイトルだった上に、約800ページという、かなりの分厚さからくる本の威圧感におされて、買ってはみたものの、読まないままになっていた。

それがふとしたきっかけで、最初の2~30ページ読んだら、一気に釣りこまれてしまった。

タイトルは先述のように抽象的で、何について書かれているのか、いまいち判然としないところがあると思う。

しかし、内容は実に具体的で、かつその具体的な論述の中からタイトル通りの、日本人とは何かを探っていこうと試みている。

では、どのように具体的かというと、例えば古代で例を挙げると、なぜ律令制が日本に根付かなかったか、なぜ荘園というものが発生したのかが、理詰めで説明されている。
基本的には、一次資料の裏付けもキッチリ添付されている。

それが、古代に始まり、中世、近世、近現代と続き、その中で、日本人って一体何なの?という最終目標を浮き彫りにさせていくという形の一冊であったと思う。

800ページ近くあると、読み終わるのに苦労しそうなものだが、この本は800ページもあるとは思えないほど、楽に読了することができた。

一読の価値ありだと思う。

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凄い漫画

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

別に新選組ものの漫画や小説って珍しくないし、結局沖田と土方がお涙ちょうだいで剣もほろろになるってはなしでしょ、と読む前は思っていた。正直、新選組ほど勘違いファンの被害に遭っている歴史上の集団もいないだろうし。しかも、主人公は女の子だし。
しかし、なにごとも見た目だけでは判断できないものだ。
この漫画のなにが凄いかって、時代考証の奥深さだ。
かなりディープである。たとえば、主人公のセイが生理の時にどうしたかとか、そういうことまで文献を調べてきちんと書いている。
作者も端書きのなかでいっていたけれど、やっぱり少女漫画かといわれるようなものにはしたくない、という意気込みがはっきり見える。
もちろん、学者ではないだろうから、調べたといってもその中に間違いはあるだろうけれども、その心意気に惚れ込んでしまった。
また、そんななかでも、エンターテイメントであることを忘れていない。新選組ものの作品のなかでも珠玉の一品であるといっても過言ではないと思う。
ぜひ、この書評を読まれた方に買って読まれることを強くお勧めする。

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紙の本菊と刀 日本文化の型

2009/10/09 04:07

評すまでもない名著

10人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本人とは一体何か?一体どんな性格を持った民族なのか?ということを問うた書物はたくさんある。
高名な学者や知識人の著作がその多くを占めるのではなかろうか。

そんな中で、アメリカ人の著者が戦後すぐの昭和21年に発表したこの「菊と刀」が60年以上経った現在でもいまだに忘れ去られた書物とならないのはなぜか。


その最も大きい要素は、日本人以外の日本とは全く文化を異にする人間が日本を考察していることではないかと考える。

日本人が日本人について論じるとき、読む側も書く側も日本人という枠を超えることが出来ないのではないか。
その点で、本来日本と縁もゆかりもないルースベネディクト女史が、完全に日本外からの視点で日本を観察し考察しているということが賞賛に値すると思うのである。

また、もう一つ大きな要素として菊と刀で取り上げられている記述の多くが、自分の体験、あるいは自分が知る先祖の体験談に合致するという点がある。

中には時代の流れの中で変わっていってしまったものもあるが、そのようなものでも祖父母の話の中にある日本人像とは合致する。
つまり、それは日本というものをきちんと捉えることが出来ているということの裏返しだと思うのだが、この点でも評価に値する。

菊と刀の本文中によく出てくる記述として、「私たちアメリカ人には到底理解しがたいことであるが~」という下りがある。
このような対比がよく行われているので、日本人のどういった考え方がいわゆる日本的と言われる考え方なのか、「ガイジン」とは違う特殊な考え方なのか、具体例が示されているのは理解を助け読みやすくしている要因だと思う。


私個人の中では、長年菊と刀は難しい本だというイメージが先行していた。
確かに簡単な本ではないかもしれないが、内容の濃さを考えればとてもわかりやすい文体とロジックの展開になっていると思う。

細かい部分で明らかな事実誤認などがあるので、全てを鵜呑みにするのは危険だが、そのような危険性がリスクとして成立しないほどの出来であると評価したい。


日本が変わっていく中で、日本人は何を手に入れ、何を失うのか、両親、祖父母の世代の日本人は一体どういう思考パターンを持っていたのか。

菊と刀に書いてあることが全てではないが、日本が古来持っていた文化をもう一度立ち止まって考えてみるのもいいのではないか。
例えば、妻は一歩下がって素直に夫の言うことに従え、それが美徳だ、などと今言えば、男尊女卑だと非難されるだろうが、そういった男尊女卑の文化はおかしいといって男女平等がまかりとおるようになって、我々は何を得て何を失ったのか(私は男尊女卑が正しいと言っているわけではない、あくまで一例として。念のため)、立ち止まって考えてみてもいいのではないか。
私個人にとっては、菊と刀との出会いは、そういうことをあらためて考え直すいい機会となった。


全13章から構成されており、1章平均30ページ程度である。
どこから読んでもほとんど問題ないように作られているように思える。
私自身、途中から読み始めたが、他の章を読んでないために内容が理解できないという苦労をした記憶はない。
短い章では15ページ程度の章もあるので、取っつきやすいと思う。


私個人の個人的な評価としては、数年に一度出るか出ないかというレベルの本という評価をしている。
これほど読むのに費やすエネルギーと得られる情報の効率がいい書物は初めてかもしれない。
書評は所詮自分の評価の域を出ないが、この菊と刀に関しては、日本という得体のしれないものを考えるとき、何をおいても必読の本だと言い切れる。

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汎用性の高い本

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

タイトルがなんとなくハウツー本みたいで、○○がわかる!と題する本にありがちな、分かり易くはあるけれども今ひとつ物足りない本を想像する方もおられると思うが、この本はかなり汎用性が高い本だ。

専門的な記述・用語も満載で、医療関係者でないと理解出来ないであろう用語が飛び交うが、使っている用語から考えるとかなり分かり易い内容に仕上がっている。

例えば精神科医や精神科に勤務する薬剤師などから見れば物足りないだろうが、精神科専門の医療関係者の薬物治療学あるいは病態生理学の導入本としては出色の出来だと思う。

書名は「抗精神病薬の」となってはいるが、薬一辺倒ではなく、病態についても枚数を費やしている。

一々、なぜそうなるのかということが順序立てて説明されており、図やグラフなど分かり易くするための工夫も多々見られ、評価に値する。

確かに、ドパミン受容体を遮断し云々、などという、薬に関わる人間でないと一見難しく聞こえる言葉も多々出てくるが、それが一体なんなのかという説明はきちんとされているし、逆に看護師など臨床に携わる人間の方が実感として理解しやすいだろうと思われる視点からの記述(患者さんの状態についての記述など)も多く、そういう意味で汎用性が高い本だと思う。

精神科に携わる人間であれば、一読の価値はある。

5-HT(セロトニン)や、ドパミンが一体何なのかわからなくても、そういう物質があるのねと流すことさえ出来れば読み進めることも、理解することも十分可能だ。

難しい本はいくらでもあるが、ある程度のクオリティを維持しつつ、抗精神病薬の副作用とその臨床的な意義などを総論的にわかりやすくまとめているというのは、十分価格の価値はある。

少なくともいわゆる薬理本ではない。

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今日の味方は明日の敵という時代を

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

歴史というのは、大まかに言って時代が現代に近づくにつれて、客観的な証拠が多くなり、またその信憑性も高くなるので、時代が新しいほど理解しやすくなる傾向があるのはないかと思う。

極端な話をすれば、邪馬台国のことよりも太平洋戦争のことの方が、史料が多いし理解もしやすいということだ。

しかしながら、南北朝時代というのはこの比例関係からかなり逸脱した時代だと思う。

その要因としてはやはり朝廷が南北両統に分裂し、一体誰と誰が何の目的で戦いを続けているのか分かりにくいという点が挙げられると思う。
例えば、源頼朝の戦いの目的は東国武士を束ねて平氏を倒すことという一点に絞って大きく間違いはないだろうが、足利尊氏の戦いの目的を後醍醐天皇を廃し、南朝の諸氏を滅ぼすこと一点に絞れるかというとそうは言えないだろう。

さらにこの時代を難しくしているのは、多くの武士、貴族が必ずしも北朝南朝のいずれか一方と運命を共にするというわけではなく、状況によって北朝側から南朝側に転じることがあったり、さらには、北朝の主人公たる足利家すらも二つに分裂しており、結局、北朝尊氏派(正確には高師直派)・北朝直義派・南朝と三つの勢力に別れ、泥沼の戦いを半世紀も続けたことにあるだろう。

また、この時代が戦前の皇国史観と密接に相まっていることも取っつきにくくしている要因であるのではないだろうか。

そういうわけで、私自身この時代は興味はあるが、苦手という時代だった。

しかし、多くの著名な歴史学者が本書を名著と讃えているように、あらゆる角度からなぜそうなるのかということがわかりやすく書かれている。
なぜその事件が起こったのか、その結果何が起こったのか(大げさに言えば歴史がどう動いたのか)ということが一貫して著述されているので、非常に理解しやすい。
とある現役の歴史学者が「歴史学は化学である」と述べておられたが、まさに歴史の中の化学反応をわかりやすく解説していると表現したらいいだろうか。

この南北朝時代を経て、義満時代の一時的な栄華を誇るものの、基本的には戦乱と混乱が続く室町時代に入っていくわけだが、既に尊氏存命の頃に幕府内の混乱が読み取れるのである。
幕府内の混乱が劇的に表面化するのは、嘉吉の変あるいは応仁の乱であろうが、その前兆は既に幕府草創期に見られており、この辺りから混乱の理由を拾っていかないと、織豊政権に至るまで続く混乱は理解しづらいのではないかと考える。

そういった意味でも本書は極めて秀逸な本であると評価せざるを得ず、一般に中央公論社から出版されている、この「日本の歴史」シリーズは名著が多いと思うがその中でも特筆に値するものであると思う。

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紙の本現代語訳論語

2001/10/24 03:14

論語

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 岩波文庫版でも論語は出版されている。文庫版の方が訳中心なのに対して、現代文庫版の方は比較的教条的に訳をしている。双方を較べると、同じところを全く違う風に意味をとっていたりするが、どちらかというとこちらの方が理論的でわかりやすい。同著者の論語の新しい読み方も一緒に読むといいかもしれない。

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紙の本日本の歴史 改版 7 鎌倉幕府

2008/03/19 07:20

鎌倉時代史のバイブル

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

なぜ、頼朝が幕府を開くことが出来たのか。
著者は荘園領主が荘園を守るための惣領を求めており、それにふさわしい貴種である頼朝が推戴され、いわゆる御家人が鎌倉殿による公正な裁決と土地の安堵を保証することによって幕府が成立したと論じている。

執筆された日が少々古いので、多少現在の通説と異なるところはあるものの、吾妻鏡を批判的に吟味し、愚管抄をはじめとする非鎌倉的な史料から鎌倉前期を展望している。
かといって吾妻鏡を一概に否定するわけではなく、吾妻鏡の記述の矛盾点、他の史料との食い違いなどを挙げ、それを吟味している。

著者は中世史に興味がある方なら知らない人はいないというほど高名な学者であり、さすがにそれに見合うだけの本に仕上がっている。

私見ではあるが、多少古い本ではあるものの、鎌倉前期のことについて総論的なことが知りたいのであれば、まずこの本から読むのが一番良いと思う。

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面白い!

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

私個人、漫画を頻繁に買う方ではない。
まして、サンデーマガジンのようなメジャー誌掲載でない漫画は友人の薦めでもない限り買った試しが無いと言ってもいいくらいである。
そんな自分がこの「かんなぎ」を購入したのは、ひとえに表紙絵が気に入ったからで、内容には全く期待していなかった。
2008年11月現在アニメ化されていることも、漫画購入時には知らなかった。

しかし、読んでみていい意味で大きく期待を裏切られた。
作画はもちろんのことだが、特筆すべきは、ギャグ要素だと個人的には感じる。
非常に落差の激しいギャグが用いられていて、次ページを開いた途端、そう来たか(爆)というようなことが多々ある。
故に家以外では読めない。

また、一巻を読み終わった時点では、以降の展開に無理があるのではないかと思ったのだが、五巻まで読んでみて無理な設定の追加とか、そういったものがなく、非常に自然に話が進んでいると感じる。

あとがきなどから推測するに、著者にとっては初の長期連載(三巻のあとがきに刊行数自己新であるとの記載がある)のようだが、とてもそうは思えない。

人によって評価は割れると思うが、私個人としては「面白い!」の一言に尽きる。
掲載雑誌を買ってもいいかなと思うくらいだと言えば、その評価のレベルを分かってもらえるだろうか。

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武家政権の誕生

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

内容は非常にわかりやすく、読みやすい。
例えば、幕府成立はどの時点と考えるのが妥当であるのか、諸説並べ、そこから著者の考えを述べている。

この本で一番特筆に値すると思うのは、今まで傀儡将軍としてしか評価されていなかった三代実朝に対し、その政治への関与がただの傀儡としてではなく、実朝の意志による決裁が少なからず存在したということを一次資料から実朝の再評価を行っていることである。

二代頼家の失敗を実朝はよく見ており、兄の二の舞を演じることなきよう振る舞っていたという点は、他の実朝を扱った多くの本では取り上げられることなく、ただ「文弱の人」という評価しかされていない。

日本の歴史と銘打って出されている本は多々あれど、その中でも読む価値が極めて高く、また読みやすさ、まとまりなどを考えても、一読の価値ありと思う。

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最終戦争論

2002/12/02 14:31

そして世界は一つになる。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

石原莞爾に対する日本人の一般的なイメージは、関東軍を指揮して満州事変を起こし、行政を無視して戦争を起こし、かと思えば東条英機に喧嘩を売る権力家というところではないだろうか。
少なくとも私自身は石原莞爾に対してそのようなイメージを持っていた。
この書評を読んでおられる方々の多くも、石原莞爾の研究をしておられる訳ではないだろうから、石原莞爾に対してどのような印象をもっていたとしても致し方ないことである。

石原莞爾は、冒頭にも述べたように、関東軍を指揮して満州国建国を画策し、太平洋戦争を推進した。
そもそも本書自体が、太平洋戦争の必要性について述べた書である。
このような事実から、石原莞爾は好戦的な戦争主義、帝国主義者であるとおもわれるのであろう。
これだけ客観的に石原が戦争礼賛者であるという事実を挙げられると、多くの人は、この現代の平和な日本で、戦前の天皇崇拝に基づいた狂気的な軍国主義者の書いた本など読みたくないと思われるだろう。
確かにこの本は戦争について述べているし、太平洋戦争は是が非でも起こすべきであるとの主張がなされている。
しかし、そのことだけで本書を読む価値のない本であると断ずるのはいささか性急であるのと同時に、もったいない。

この最終戦争論では、戦争の必要性が語られる。
何故太平洋戦争をしなくてはならないのか。
その戦争の先にいったいなにがあるのか。
石原自体は未来をどうしたいのか。

私自身戦争礼賛者ではないが、石原の主張は大いに理解できる。
たしかに戦争はいけないことだ。
しかし、石原の主張はその先にある。
すなわち、人間の有史以来の戦争形態を挙げ、独自の戦争史を語り、そこから未来の戦争を予測する。
そして、産業革命以来の文明の発達を鑑みて、将来戦争は起こらなくなる、むしろ起こせなくなるとの主張にいたるのである。
その過程として太平洋戦争が、東洋対西洋の最終生き残り戦として必要であると説くのである。

ここで重要であるのは、石原が単なる軍国主義者・戦争礼賛者ではなく、将来の世界を考えていた軍人であったということであろう。
そんなのは戦争推進の為のまやかしだという人もいるかもしれない。
今現在、世界から戦争がなくなってないではないかという人もいるかもしれない。
しかし、戦後の彼の生き様や、核開発競争により容易に世界戦争ができなくなったという事実を考えれば、彼の洞察力はすさまじい物であったと思わざるを得ないのである。

戦争に賛成反対、または左右問わず、読む価値のある本だと思う。

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紙の本論語の新しい読み方

2001/12/15 15:32

論語の新しい読み方

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 論語を、孔子以来の注釈書を信じないで訳してみようというのが表題作。孔子死後、いろんな写生が行われてきて、文字の写し替えに写し間違いがあったであろうとし、文意から意味の通りにくいところは、積極的に文字を替えていくという方法を用いて、論語の新しい解釈をしている。
 もちろん、このような方法は軽々しく行えないものではあろうが、論語を教養書として読む分には此の方法でもさほど問題は無いと思う。そのような観点に立って論語を訳したのが、岩波現代文庫からでている「論語」である。
 また、そのほかにも、読者からの手紙で、「論語を読んでいるといったら論語読みの論語知らずといって馬鹿にされる。なんといって言い返してやったらいいか」という投書が著者宛にあったらしい。この問いに対して、宮崎先生は論語の一節をひいてきて、これを逆にたしなめておられた。
 見事に論語を実学上に置いているなと思い、驚いた。
 是非一読をおすすめする。

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紙の本ドン・キホーテ 前編1

2002/11/28 21:55

名前くらいは誰でも知っていると思う。

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ドンキホーテという作品は有名だが、読んだことがあるという人は知名度の割に少ないのではないだろうか。
一つには、ドンキホーテがスペインの文学であり、翻訳でしか読めないというのもあるだろう。
確かに翻訳書はその魅力が、翻訳者の能力、語学、表現力に大きく依存しているところがあるし、翻訳者の能力が芳しくない場合、本を読むことが苦痛になることもあるが、この点、この作品は極めて平易で読みやすい翻訳がなされていると思う。
原作にどれだけ忠実かは原書をスペイン語を読めないので何とも言えないが、少なくとも重厚さを残しつつ翻訳がなされている。
内容自体も意外と濃い内容で、有名なドンキホーテが風車と闘うシーンの他にも、ドンキホーテが各地で起こす荒唐無稽な物語は、一面失笑してしまうようであり、しかし、本質を突いた様な主張ばかりで、エンタテイメント性以外でも読む価値を認めることができる。
長いので、なかなか読み切れないが、簡単に読みたいのならば、同翻訳者の少年文庫版をお勧めする。

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