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紅葉の君さんのレビュー一覧

投稿者:紅葉の君

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紙の本光源

2001/09/30 10:21

光は何を語るか

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 映画は光と闇の交錯する空間である。闇が闇になりえるのは, 空間を照らす光の織り成す力なくしては人に印象づけることはできない。同様に光の存在が引き立つためには闇が不可欠である。映画そのものが光と闇の戯れであるのと同様に, 映画製作に関わる人間も光と闇に支配されている。そして, 人間がその人となりを語るためにはこの支配から逃れることはできないのだ。さらに人間を支配する光と闇の力が強い者同士が一同に会すれば, 彼等が紡ぎ出す空間は魅惑的であるが破壊的な力をもつのだ。桐野夏生が用意した舞台は正にそのような舞台である。元恋人だったプロデューサーと撮影監督。映画界の名声を得ようとする新人監督。元アイドル。この他にも訳在りの登場人物たち。これらの人物達が照らし出す自分色が激しくぶつかり合い, そのぶつかりあいを受けてまた新たな色を探し出す。そこではその場その場の状況に身を任せていくしかない。だからこそ, その人となりが顕わになるし, 人間の複雑な心模様が現われる。狂乱と破壊の魅力。その魅力を余すことなく『光源』は描き出している。
 桐野夏生は今回の作品でも登場人物の眼差しから状況描写をしている。この作法は『OUT』などにも通じるものがあるが, 今回は展開が速いのでよりスリリングになっている。それだけに映画製作の緊張感を上手く描き出している。この点は桐野夏生の筆の力のなせるものである。それだけに, 第4章 狂乱と第5章 後日談の繋がりの弱さが気になる。第4章の顛末を描くのであれぱ, 俳優高見のアメリカ行きを描くよりは映画製作の状況を詳らかにした方が良かったと思われる。この点は残念だが, 桐野夏生の作家の力を確認させる作品となっているのは間違いない。

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