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あうしさんのレビュー一覧

投稿者:あうし

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坂本竜馬とフリーメーソン

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これ傑作です。本当に傑作です。

フリーメーソンといえば、世界征服を目論む悪の秘密結社とか、政権転覆の陰謀を虎視眈々と企む地下組織というような、禍々しい陰謀史観に彩られた見方と、単にロータリークラブみたいなものという牧歌的な見方が並立していて、一般人にはなかなかその真実の姿が見えてこなかった。
著者は、アメリカで仕事をしている関係からか、多くのメーソンの友人を持つ。ある条件を満たして2名以上の会員の推薦があれば、入会できるという。フリーメーソンのポリシーは「友愛・救済・真実」だ。
著者はメーソンではないが、メーソンの友人に連れられてソルボンヌ大学に訪れれば、すぐにも、学長が出迎えてくれたという。その学長もメーソンだった。
メーソン同士にしか分からない握手の仕方で、お互いがそれと知り、便宜を図りあうのだ。ビジネスでは非常に有効な力を発揮するのだ。
著者は趣味で購入していたメーソンの紋章の入ったバッジを付けて海外にいくそうだが、あるとき、海外の空港でパスポートを紛失しているのに気付き、途方にくれていたら、係官が、すっと近寄ってきて、すべての便宜を図ってくれたという。その係官はメーソンだったのだ。

こうした経験から、著者はフリーメーソンを徹底的に調べはじめた。
そもそもは石工の組合だった。日雇い人夫を想像することなかれ。古代や中世において石工というのは最高の知識人であったのだ。建築家であり、芸術家であり、技能者であり……。巨大建築をなす。ヨーロッパ全土から石工を招聘する。当然、玉石混淆である。一流の技術者を見分けるために、知識と技量を兼ね備えた者のみが入会できる組織を作る必要があった。会員証は偽造される。儀式を合い言葉として認証手段とした。これが起こりだ。

その後、十字軍から騎士団といった存在を呑み込み、やがて各界の中心に会員が存在する巨大組織に成長した。アメリカ歴代大統領のうち、15人はメーソンを表明している。日本の総理、鳩山一郎だってメーソンだ。米国映画産業、自動車産業もメーソンだらけ。

しかし、何と言っても本書の白眉は、第5章だ。
明治維新の裏にもメーソンの姿が見え隠れしているというのだ。一介の素浪人、坂本竜馬が薩長という雄藩をその人柄だけで結びつけたのは、やはり、小説的ロマンの見せる幻影だ。竜馬の背後には、イギリスの武器商人がついていたのだ。雄藩はイギリスの兵器がノドから手が出るほど欲しい。しかし、その商人は歴史の表に出たがらない。その商人の隠れ蓑として竜馬が存在したのだという。そしてその商人の背後には……。竜馬の船中八策はまるで英国の立憲君主制の基本概念そのままだし……。「友愛・救済」の概念は、徳川政権を認めにくいし……。

こうした補助線を歴史に引けば、人物や事実の持つ意味がまるで変わって見えてくる。ホントに面白かった。

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