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先月(2017年1月)

GOさんのレビュー一覧

投稿者:GO

1 件中 1 件~ 1 件を表示

「磨けば光る子どもたち」を読んで

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 一気に読み終えた。近頃視力も気力も衰えたせいか、一気に読み切るような本に出会っていない。しかしこの本は久しぶりに魂を揺さぶられた。
 野球に明け暮れ、野球の中で育ってきた新卒の青年が、都立高校の野球部監督として甲子園を目指す。当然にことだ。が、しかし採用は「仕方なく養護学校へ」。著者のその時の憮然たる気持ちが伝わってくるような気がする。
 茶目っ気たっぷりなダウン症の生徒とのかかわりがいい。「…秘められている可能性を最大限に引き出してあげればいい。それだけのことなのだ。」新卒2年目くらいで教育の原点みたいなことに気づく著者に驚かされた。しかもあと一年したら普通校へ行こうと鬱積した精神状態にいる最中なのだから尚更だ。私も長いこと教員という仕事をさせてもらったが、大学を出て2〜3年の頃は、子どもたちとさして変わらない幼稚なものだった。
 P72、知的障害養護学校にある変な平等主義…、このことについて、筆者は確かな考えを持っていると考える。こういった主義主張は今でこそ下火になったが、その頃は小中学校にも伝播し、私たちの時代の管理職や心ある教師にとっては、苦々しい思いとなって心に残っている教育運動の一つかもしれない。
 ティーボールのこと。「…その説明を聞いた瞬間、何かずっと引っかかっていた…これだ…」。知的障害を持つ子どもたちにかける愛情、その子どもたちの誰にも味あわせてやりたい野球への情熱。本当にすばらしい。生半可の取り組みや模索では、たどり着くことはできないと思う。
 「心のバリアをなくすために。障害者と健常者が互いに接する機会を増やし、相手のことをわかろうとすることだ」。全くその通りである。柔軟な心を持つ子供の時から積極的に進めていかなければならない。接すること、触れ合うことは、相手を知るきっかけにもなる。
 はじめのうちは、いい面もそうでない面も目につき知ることになる。それでそれは仕方のないことである。しかし、ここからが大人の本当の出番ではないだろうか。大人というより、子どもたちにもっとも身近な教師や親の役割である。障害者と健常者の関係だけでなく、人間として相手のいい面というか長所を見つけようと努められる子どもを育てる。大変気の長い、根気のいる仕事だが、これが親の務めであり教師の仕事なのかもしれない。相手のいい面を認められるようになれば相手が好きになるだろうし、相手からも好かれることになる。
 はじめは腰掛け的に仕方なく養護学校の教師になった著者が、知的障害を持つ子どもたちとのさまざまなふれあいを通して、「原石を磨けばキラッと光る子どもたちがたくさんいる。そこが、知的障害教育の最大の魅力であると私は確信している」と言い切っておられる。すがすがしいこの言葉に、障害児教育の展望に希望が持てよう。

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