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edradourさんのレビュー一覧

投稿者:edradour

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紙の本空爆の日に会いましょう

2002/10/31 21:36

ゲルニカ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

所詮は他人事。

そんなことは当たり前。自分以外のことなんて全て他人事。
だから自分のことからはじめよう。
というのが著者の行いたかったことなのではないでしょうか。

僕も去年のあの日、ひどく衝撃をうけ、世界はこれで大変なことになるなどと、
非常に深刻に考えていましたが、日を追うにつれ、そんなこともだんだん忘れていき、
ただただ日常をつつがなく過ごすようになっていました。
毎日のニュースが殺人や戦争やスキャンダルを飽きもなく喋りつづける中で、
きっと僕らの感覚は麻痺してしまったのかもしれません。

ただ、ひとつだけ言えることは、
そういったニュースは「身体性をもたないリアル」でしかないということ。
身体性を持たない出来事からは何も生まれません。
ただ意見だけが生まれます。
たとえば、先日のアメリカの狙撃事件を知って「悲惨だ。犠牲になった人々はかわいそうだ」とそのときは思いますが、ほどなく僕たちの日常生活は普通に、あくまでも普通に始まっていくのです。
失われてしまった、というか初めからゼロであったかもしれない身体性を、ここ、日本、東京の日常と繋いでゆくために、著者は知らない人々の家へと仮想難民としてあてどもなく泊まり歩いていったのではないでしょうか。
わたしたちのリアルはここからはじまる。と。

だから著者が誰と何を喋ったかなんて、きっとどうでもいいことで、しかもきっとどうでもいいことばかり喋っているんだろうけど、
著者が家主とその夜をともに過ごしたということ、
それによって遠い国のリアルと東京のリアルがリンクしてゆくということ。
そこが大事なのではないでしょうか。

誰かの意見が知りたいのであれば、本屋でいくらでも読むことができるし、そうすることで何か思うところがあるかもしれないけれど、僕には遠い国の戦争や平和について真剣に考えることだけが重要だとは到底思えません。

この本の帯には「空爆の日に波紋を投げかけた女の子の133日の記録」とあります。
いわゆるコラムでも小説のたぐいでは決してなく、あくまでも個人的な記録。
だから、本当は読み物というよりも、ひとつの「参考/モデル」として参照されるべきものなのかも知れません。しかし、さまざまな意見ばかりが飛び交う中で、その一つの「参考」が提示されたことに、僕は大きい意味があると思います。

とpeneropeさんの感想を読みながら、僕の感想を書いてみました。

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