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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

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    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

ひろしさんのレビュー一覧

投稿者:ひろし

5 件中 1 件~ 5 件を表示

どれにも似ていない、新しいファンタジー。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ベストセラーシリーズ、ビッグファットキャットを書いた作者の、デビュー作ファンタジー。
十二国記もゲド戦記も指輪物語もナルニア物語も読んだけど、どれにも属さない、新しい感のあるファンタジーに仕上がっている。宮崎アニメにドラクエとFFを足したような?スケールの大きなハラハラドキドキ感がたまらない。
最終章のこれでもか感はかなりな物。全然方向は違うが、以前読んだ「ホワイトアウト」を思い出した。次から次へと襲いかかる絶対絶命、そして絶対に諦めない主人公達。最後に天空から舞い降りるのは、絶望の光なのか…それとも!?

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紙の本外套・鼻 改版

2002/03/01 19:40

すべては『外套』からはじまった?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 『外套』のストーリーそのものは、たいしたものではない。貧しい下級官吏が、やっとの思いで新調した外套を盗まれ、その心労がもとで死んだあとに、冷たく当たった役人の前に幽霊となって現われる、というだけのお話。しかし、その一行一行が豊かなイマジネーションを喚起して、読後もくっきりとした忘れられない印象を残してくれる。読者の頭の中に、ひとつの小宇宙を築き上げ、その中で、いつまでも主人公のアカーキー・アカーキエビッチが「生きて」いるのだ。一個のユニークでありかつ普遍的な人間像がみごとに創出されている。「すべては『外套』からはじまった」というトルストイの言葉もうなずける名編。

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紙の本カラマーゾフの兄弟 上巻

2002/02/14 18:52

とにかく一度読んでみてください!

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 これを読むのは二度目だけど、やっぱり恐るべき本だ。善と悪、堕落と高邁、欲望と犠牲、信仰と無神論、愛と嫉妬、真実と嘘、貧困と放蕩、犯罪と道徳、親と子、生と死、殺人と自殺、苦悩と救い。複雑な心性によって引き起こされる様々な人間模様が嵐のように吹き荒れて、読むものをただただ圧倒する。
 しかし、もしかすると登場する様々な人間、男も女も、父も子も、相反する性情を持つ者も、だだひとりの人間の心の混沌を暗示しているのかもしれない。確固とした自己を持つと信ずる者も、この物語を読んでいるうちに、はたしてこの自分は本当の自分なのだろうか、自分の心が自分を裏切ることはないだろうかと不安になるに違いない。

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紙の本ボヴァリー夫人 改版 上

2002/03/01 19:34

不倫小説?のパイオニア

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 いまとなってはありふれたお話だが、この手の小説のパイオニアということで、それを意識して読むと、やはり重みがある。ただ、フローベールという人は分裂気質なのか、文章にむらがあって、非常に巧妙で印象深い描写があるかと思えば、だらだらと退屈な記述が続いたり、唐突に場面や時間が転換したりする。
 印象深い描写といえば、村の共進会でロドルフがエンマを誘惑する場面で、役人たちのペダンティックでかしこまった演説のあいだに、愛の囁きを挿み込んで陳腐さを強調する手法とか、よりを戻したレオンとエンマが窓を閉め切った馬車を街じゅう疾駆させて、まったく性描写をせずに、それを暗示させる手法などが秀逸だ。特に後者では、最後に馬車の窓から女の白い手が伸びて、見せずにしまった別れの手紙を破り棄てる場面が、鮮やかなイメージでいつまでも心に残る。
 登場人物の造型も素晴らしい。特に主人公のエンマの人物像は鮮烈で、背伸びして夢と虚栄に生き、現実を生きられない人間の悲劇的な末路をみごとに描いている。物語が、俗物の権化ともいえるようなオメー氏の成功談で終わっているのも痛烈な皮肉だ。

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紙の本谷間の百合

2002/02/27 08:59

新鮮な驚き

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 あらすじなどから想像するに、恋愛における肉体と精神の相克、その戦いの中で見出される霊的な愛の貴さ、といった古典的なテーマがリアリズム的な手法で展開される、古臭い退屈な話だと思っていた。
 確かに前半は予想どおり、世間知らずのナイーブな男女が、プラトニックで神の道徳に忠実な愛を全うしようと、馬鹿馬鹿しくも健気に苦闘する。しかし、最後まで読んで驚いたことに、物語は想像したのとはまったく逆に、肉欲を否定した精神的な愛の悲惨な敗北に終わるのだ。
 決して作者はセックスを礼賛しているわけではないのだが、あまりにも真摯で美しくも哀しい壮絶なまでの前半の描写があるだけに、その大どんでん返しの悲劇的とも喜劇的ともいえる効果は鮮烈である。
 したい放題、放任されて育った若者が、自己の性欲をなんの葛藤もなしに充足させる、その言い訳としての道徳の否定や破壊を、なにか新しい価値観であるかのように描いた現代の作家の作品などより、よっぽど新鮮で衝撃的である。
 それに、登場人物の造型の彫りの深さもみごとである。たとえば、主人公が恋する婦人の夫であるモルソフ伯爵。そのヒステリックな異常ぶりにもかかわらず、決して狂言回し的な役に終わらずに、しっかりと「呼吸」し、「生きて」いるのは特筆に価する。

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