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ユイさんのレビュー一覧

投稿者:ユイ

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本殺し屋

2002/10/20 12:04

お手軽暗殺—あなたも一度、どうですか?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 他愛のない会話、他愛のない行動、他愛のない殺し。
 この小説を読んで、唖然とした。それから一人、大笑いした。

 あなたは殺し屋と聞いて、どんな存在を想像しますか?
 私はまず、凄腕の、それ専門に訓練を積んだようなプロフェッショナルを想像します。不可能と言われるような、護衛を大勢侍らせた人間をいとも簡単に殺す。
 でも、この小説の殺し屋は私の想像を見事に裏切ってくれました。
 三流ゴシック誌に殺しの依頼、対象は冴えない印刷屋の主人、殺し屋はというと……ここまで話してしまうと、読む楽しみがなくなってしまいますね。

 こちらの想像を見事に裏切り、新しい世界を開拓してくれました。心が温まるようなあっさりとした殺しの味です。ありそうでなかった斬新な小説。ローレンス・ブロックはこの手の小説の天才でしょう。
 あなたもお手軽暗殺をお楽しみ下さい。

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絶望と殺気のイラストが紡ぐ漫画の新境地

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 主人公の顔の造形は、女性的で非常に美しい。しかし、憤怒に塗れた主人公のその時の表情は、衝撃的なほど歪んでいる。
 これは、今の平和木瓜した日本からは生れない絵だ。
 この作品は咽るような殺気とどす黒い闇に満たされて、何かが狂ってゆくのを必死に押し留めようとしている主人公が描かれている。時に美しく、時に格好よく、そして時に醜く。怒りに歪んだ主人公の顔は、醜悪と言って差支えが無いほどである。此処まで徹底した憤怒の描写は、かつて見たことが無いほどだった。
 ダークサイド的な漫画の流行、その火付け役は恐らく「ベルセルク」だと思われる。
 この漫画は「ベルセルク」よりもっと女性に近い位置で、且つ「ベルセルク」を超える力を持っている。
 憤怒に燃える主人公の顔を見たとき、私は思わず言葉に詰まった。読む手が止まった。ここまで書いていいのだろうか、とさえ思った。そして読み進めていくうち、一瞬だけ主人公が笑った顔があった。私はそこで手を止め、まじまじと主人公の笑顔を見つめた。
 その笑顔が、この漫画のイラストが持つ底力を、全て物語っている。

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現代の韓国を浮き彫りにした作品

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 この漫画のラストエピソードでは、日本の韓国との関係がリアルに描かれている。韓国人の持つ反日感情や、日本人の持つ韓国人への差別意識などがそれだ。韓国の漫画だが、外国のものという感じはせず、受け入れやすい。いや、はっきり言って日本の漫画よりよほど内容が濃い。
 つい最近、「命」の作者で知られる柳美里が、在日韓国人をモデルにして書いた小説に出版停止を食らった。日本人は日韓それぞれの国民の感情をどの程度把握しているのか——出版停止、という事実からはっきり解るだろう、日本人には問題意識が欠如している。
 そんな日本を、韓国人はどのように見ているのか。それが解るのがこの漫画だと思う。ラストエピソードなど、ぜひたくさんの日本人に見て欲しいと思った。
 それ以外でも、ちょっとしたシーンで、韓国のキッチンの様子や、家庭で出される食事などが見れる。それだけでも勉強になった気がしてしまうのは、やはり私たち日本人が無知だからなのだろうか。

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