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先月(2017年2月)

オレンジ犬さんのレビュー一覧

投稿者:オレンジ犬

2 件中 1 件~ 2 件を表示

ダロウェイ夫人

2004/09/20 10:41

誠実に、あたたかに、人生を愛するということ。

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魔性の本。
読む人を、物語の渦に引きずり込む力を持っています。

映画「めぐりあう時間たち」の原案にもなった、イギリスの作家ヴァージニア・ウルフの小説。
よく知られていることですが、ヴァージニア・ウルフはその生涯を通して、狂気と正気のあいだを何度も行き来し、自分のこころを極限まで見つめ、そして入水自殺しました。
けれど『ダロウェイ夫人』を読めば、ウルフが確実に、とても誠実であたたかなやり方で、自分の人生をきちんと愛して死を迎えたことがわかります。

新しい読書の喜びを教えてくれる名著だけれど、これから読もうとする人はどうか取り扱いに気をつけてください。
この小説を読んだ後の数日間、評者は心が敏感になりすぎて、心にたまっていた膿が全部出るような感じで精神が不安定になり、そして1週間後に情緒不安定のトンネルを抜けたときには、かさぶたが剥がれて新しい自分に生まれ変わったような気がしました。
自分が変わるほど価値のある読書だからこそ、片手間じゃなく、まっすぐ向き合って読んでみてほしいと思います。

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なぜ働くの?

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「ニート」という言葉を、この本で初めて知った。学校に通っているわけじゃなく、仕事をしているわけでもなく、職探しや職業訓練をしているわけでもない人びと。そういう「ニート」の若者が、日本に40万人。いまも増え続けているという。

若者たちは、なぜ「ニート」になるのか。

この本は、さまざまな立場と考え方を持った若者たちから丁寧に話を聞きとり、それらの蓄積から「ニート」というつかみどころのない現象を読者に説明する、大まかな地図のようなつくりになっている。「ニート」を説明するのは、少なくとも今の段階では、たとえば風呂敷で雲を包もうとするのにも似て、とても難しいのだろう。だからこの本も、専門書として読むよりは、むしろこれから職に就こうとする人や、最近職についたばかりの人が、「仕事とはなんぞや?」ということを考えるきっかけとして読むのに向いているかもしれない。

ところで学生時代、就職すれば人はなぜ仕事をするのかくっきりみえるようになると思っていた。けれど働き始めて1年あまり経った今も、仕事をする理由はさっぱりわからない。お金のため? やりがいのため? 世の中のため? この本を読みながら、わたしも歯車がひとつずれていたらニートだったなあと思った。だって、働くことはつらいんだもの。仕事しないですむんだったら、そっちの方がいいに決まってる。

…でも、ひょっとしたら、「なぜ働くのか」という質問の答えをつかんでも、それは幸福のゴールじゃないのかもしれない。答えがわかるかどうか、そんなことよりも、答えを探して泣いたり笑ったり転んだり起き上がったりする過程そのものが大切で、その道のりだけが人生を豊かにしてくれるのですよ、と言いたいんですよね、玄田先生?

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