サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 北街公国さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年2月)

北街公国さんのレビュー一覧

投稿者:北街公国

1 件中 1 件~ 1 件を表示

第四間氷期

2002/07/14 07:08

現実世界への取材と逃避

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 かねてよりSFというジャンルにあっては、題材や内容、展開に作家個々人の差はあるものの、テーマに共通するところがある。すなわち現実の世界で繰り広げられていることやものへの逃避だ。空想を言語化するという意味では、ほとんどの小説は同じであるから、例えばジャンルというものを分けるとするならば、どの学問領域に取材し、かつどの時代背景を利用するかによって、それぞれの小説を分類できる。その時、SFは今に取材し、そこから考えうる未来なるものの世界に読者を誘うものといえそうだ。今現在に注意を促し、ありありと見せ付けられる現実に迷い込ませ、溺れてさせていく感覚に息詰まりそうになった頃、ふと頭をよぎるであろう逃避の思考、それこそがSFであると思う。このことを簡潔にして無責任にも、未来を待ち焦がれる感情と言ってしまえばそれまでである。しかし、実際には現実が全く途切れ、改竄されることもなく続くという結論が待っている。逆説的ではあるが厭世的になってしまいそうな事件の連続が、SFの醍醐味であろう。さて、安部公房の「第四間氷期」は、まさに上記SFの本質を的確に突いた傑作である。そこには、現実から隔絶した未来なるものが引き起こす悲劇が綴られている。未来の無条件的到来とそれへの期待に明け暮れ、出口が見出せなくなってしまった方には一読していただきたく思う一冊である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示