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山田花江さんのレビュー一覧

投稿者:山田花江

2 件中 1 件~ 2 件を表示

ホテル狂によるホテル狂のためのホテル本

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 思い起こせば、出会った瞬間にビビビときていたのだ。「こ、これはっ」と手を伸ばし、本を開かずにはいられなかったのだ。何しろサブタイトルは「測って描いたホテルの部屋たち」だぞ。あのホテルの部屋たちを「測って」「描いてる」んだぞ。これを読まずして自称「ホテル好きで図面好き」の名がすたるというものである。

 そして開いてみて、おおっ! のけぞった! 本当に測って描いている。しかも測っているのはあらゆる物全てである。ベッドからランプシェード、トイレットペーパーホルダーに至るまで全部測り、そのホテルのレターペーパーに50分の1の縮尺図を描いている。

 これはスゴイ! かのコートダジュールの名門「ホテル・ネグレスコ」からニューヨーカーの誇り「ザ・プラザ」、こちらはドイツ人の誇り「ホテル・アドロン」などなど超一流ホテルの客室が、一枚の紙に図面化されている。そのフリーハンドで描かれた温もり溢れる図の客室は、何となくメイクを落とした後の素顔のオンナを彷彿させる。どこか恥ずかしげで、けれどその美しさ、愛おしさは一層増すような、そんな気分である。

 各ホテルを紹介するエッセイもまたよい。いかにも建築家らしい、設計する側の視点で書いているからとても客観的で、造る側の仕掛けがよく分かる。本書を読んだ後では、したり顔のホテル評論家の書いたものなど「あっち行ってろー」と爽快にすらなる。

 それにつけても著者の計測パワーたるや、感服である。そもそもは建築家の勉強のために始めたそうだが、やがて「測らずにはいられない」身体になってしまったらしい。あらゆる物を測って描いた挙句、フルーツやら遊びに来るリスやらまでスケッチしている辺り、相当のホテル好き、いやホテル狂(いやホテルバカ…)とお見受けした。

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紙の本阿川弘之自選紀行集

2002/02/28 12:01

阿川嫌いも紀行嫌いもこれは読め

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 あなたは面白い紀行に出会ったことがあるか。私は過去1冊しか出会わなかった。たいがいが自分の世界にどっぷり浸り、描写や心象風景に終始するという、ガイドブックほど役に立たないくせに、ガイドブックよりつまらないものばかりだった。
 しかし本書は違う。「鬱のマンボウが、浮かぬ声で久しぶりに電話をかけて来た」と、のっけから読者をとりこにする。そして彼ら及び母マンボウそして平岩弓枝夫妻という、読む者のめまいを誘うような取り合わせでクイーンエリザベス2の旅が始まるのである。その船旅は平らかであるか? そんなわけがない、マンボウは○○で、平岩弓枝は××で、アガワは〜〜で、そして母マンボウは威厳をもって「阿川さん、私は蕎麦屋へ行きたい」などと太平洋上でのたまわるのである。この辺はぜひ読んで爆笑してもらいたい。
 こんな小気味良い紀行が16篇。それぞれが実に愉快で実に旅心溢れるものばかりである。阿川嫌いのアナタも、紀行嫌いのアナタも読んで絶対損をしない、いや彼らと一緒に旅する愉悦を味わえる、かなり上質の一冊である。
 私はこの本を読んで大いに学んだ。すなわち作家というのはやはり変人で、変人との旅というのはそれはそれは楽しいのだなと。

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