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    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

海野さんのレビュー一覧

投稿者:海野

1 件中 1 件~ 1 件を表示

現代社会の痛み

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ひきこもり、リストカット、ドメスティックバイオレンス…。
現在問題となっている、さまざまな心の病。
人は「弱い」から、そのような病にかかるんだろうか。
「強く」なれば、そんなの笑って済ませられるようになるんだろうか。

この作品に登場する人物達は、みんな心に傷を負っている。
そしてその傷を持つ者たちが2人以上になると、不思議な力を持つようになるのだ。
ひきこもりの「勉」は頭が冴え、天才的発想が可能となる。
放任されている小学生「真」は、人の心が読める。
そして父親の家庭内暴力に傷つくリストカッターの「有花」の力は、ヒーリング。
しかしこれらの力は前述したように、
自分以外の「傷を負ったもの」といるときでないと発動されない。
その意味とは一体?

人から傷つけられたものは、
自分の弱さをより弱いものの中に見つけ、憎み、破壊の衝動に駆られる。
それでは、自分を傷つけている人も、
なんらかの傷を、心に負っているのではないか?

「センチメントの季節」で少女・中年男性等の心理を繊細に描いた榎本ナリコの新作。
巷で流行っている、「傷の舐めあい」的作品、
「社会啓発」的作品とは一画をなす、新感覚の「痛み」系マンガ。
現在も連載は続いているようなので、今後の展開に大いに期待しています。

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