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  3. アルビナさんのレビュー一覧

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先月(2017年6月)

アルビナさんのレビュー一覧

投稿者:アルビナ

19 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本最後のテロリスト 2 鼓動

2007/10/29 00:25

疾走する、男達の激情。

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 個人的には、この作品は2007年のベストBL小説。
 作者/谷崎泉が当初同人誌で発表していたものを商業用に大幅加筆して書き下ろしたもので、イラストレーターはシバタフミアキ。胎動編(威)・鼓動編(蓮)・鳴動編(セキ)()内を主役とした三部作構成になっている。

 主要な登場人物は三人。
広域暴力団興津組財政係の一人息子で、喧嘩早く情に厚い武闘派・威。
興津組大幹部の氷川に拾われ、菅生の養子になり威と義兄弟になる頭脳派・蓮。
“錬金師”の異名をもち、裏社会で故買屋グループを率いる慎重派・セキ。(*)

【三部作あらすじ】
 親である前に極道であることを優先する父親に反発し、ヤクザの世界に身をおくことを拒んでいた威。氷川の計略により蓮と義兄弟になり、恋人の凪が暴行を受けたことをきっかけに己の運命を受け入れてゆく【胎動編】。
 前作から1年後、東京の大学に進学した蓮は故買屋グループのリーダーであるセキに自分の理想を重ねて激しく求める。自分を翻弄する蓮を憎みながらも心ごと引き込まれてゆくセキだが、「一緒に来い」という言葉を残して蓮は急に消息不明となる【鼓動編】。
 前作から5年後、裏社会のなかで徐々に大きくなる故買屋の“セキ”という名のしがらみに限界を感じ、故買屋をたたんで日本を出ようと決意したセキ。そこに行方知れずだった蓮が現れる。義兄の威を興津組のトップに担ぎ上げるべく裏で画策する蓮は組織のキーマンになっていた。惹かれあいながらも交わることのない立場の二人。出国を迫られるなかセキが示した二人の未来は・・・【鳴動編】。

 これまで三巻通して3回読んでも、毎回飽きることなく興奮した。
徹底的にドライな文体。スピードの速い展開。骨太の世界観。緊張感のある男同士の激しい恋情。まるで映画のような疾走感がある。正直スタイリッシュな男同士の恋愛を描く谷崎泉が、極道の世界を舞台にこれほど丹念にかつ疾走感あふれる描写で描けることに驚いた。鋭い人間観察でキャラクターを掘り下げた描き方は、昨今の量産されたBLとは一線を引いた奥深さがある。ライトな文体のBLではなく、どちらかといえばストイックさが逆に色気を増す耽美型。同じく耽美型の作品で花郎藤子著『禽獣の系譜』(白泉社)を思い出したのだが、この作品もハードカバーで売り出しても遜色ない作品であると思う。つまりイラストの助けが必要ないほど著者自身の筆力が優れていて、文章だけで読者を作品の世界に誘える力があるということだ。


 と、前述しておいで恐縮だが、
私が一番注目したのはイラストレーターのシバタフミアキ。
BL誌では馴染みがないが、青年誌で商業漫画を描いている別名のプロ作家である。スタイリッシュなアメコミ風の線の太いイラストは、ドライな世界観に見事にマッチした。作品の内容とイラストの相乗効果が高いBL小説において、ラステロの魅力を120%に増量して伝えてくれた。BL小説における妖艶なイラスト革命を起こした奈良千春とは別の路線で、新たなウェーブとなって欲しい。次回またどこかで会えることを期待したい作家だ。

 特にメディアミックスされていない(CDドラマ等)作品なので、人気がでるほど読まれていないのかと少し落胆。でもスリリングな男同士の恋愛を好む人には、十分に読み応えのある作品だと確信している。三部作構成なのだが、どの巻から読み始めてもだいたい話は分かるので、自分好みのキャラクターの表紙から選んで読んでも楽しい。(個人的には2⇒1⇒3なので【鼓動編】に書評を掲載させてもらった)




息つまる恋情と爽快な感動を味わいたい人に。

そして今以上にもっと評価されてほしい作品だという主張をこめて。

オススメです。


(*セキは胎動編未登場)

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紙の本聖なる黒夜

2012/12/04 02:27

めぐりめぐるメビウスの輪

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ミステリーは好きなジャンルだ。犯人の正体や事件の結末が最後まで見えない。見えた!と確信しても裏切られる。毎度毎度やられた!と頭をむしるのだが、出し抜かれるのもまた痛快で、ついミステリーに手がのびてしまう。一度読破した後、もう一度読んで物語を再構築するのもミステリー作品の楽しみ方である。

 しかし、言葉の謎かけやトリックは、この作品にはない。
 殺人事件が起こり、捜査一課の麻生警部が独自の捜査で犯人をあげようとする。被害者であるヤクザの韮崎の周辺を調べると、過去に自分が罪を自白させた山内練がいた。麻生は思わぬうちに、山内と韮崎が自分の運命に関わっていたことを知ることになる。
殺人事件を追う筋と平行して、麻生と山内の過去が暴き出される。もともとこの二人は、同作者の『RIKOシリーズ』で登場し、大きな波紋を残していた。この作品は二人の過去編である。
 
 刑事モノらしく、情報があふれ、容疑者・参考人の数もハンパじゃない。主人公の麻生警部とともに物語は進められてゆき、警部が犯人を確信した時、読者にも犯人がわかる。
 緻密に伏線を張り巡らせ、膨大な量の情報の糸を操ってゆく作者には舌をまく。しかし、これは一般的に言われるミステリーとは少し違う。この本は、全部麻生龍太郎という警部と山内練という青年の、めぐりめぐる運命の物語なのである。
 679Pという厚い本を読みおえた後、私達に残るものは何だろうか?
 きっと、ジェット・コースターに乗り終えた後のような、つめていた息を吐き出すため息だけだろう。

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紙の本バッテリー 2

2012/12/04 02:25

青いリビドー!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「この本、小学生には早いんじゃないの?」
この児童文学を読んで、小学教員の姉が言った。

『バッテリー1』では小学生だった主人公・原田 巧もピカピカの中学一年生。
初夏のさくらんぼのような瑞々しい感性の光る頃だ。誰しも周囲への不安と期待で浮き立ち、胸をふくらませる。

 天性の才能を研磨する努力をおこたらず、その徹底したプロ根性ゆえに、学校でも家庭でも周囲との衝突が絶えない巧。母親との関係、野球部顧問との対立、先輩からのリンチ…「野球がしたいだけだ」という巧の不器用で真っ直ぐな想いは、“社会”のなかで浮き立つ。ピッチャーとしての自分の実力で周囲を認めさせてやる、と言いきる巧の傲慢さを、うらやみながら憧れて魅かれてゆくキャッチャーの豪と級友達。良くも悪くも彼らにとって巧はカリスマ的存在だ。しかし、巧自身は自分の力に固執するあまり周りが見えていない。

冒頭の姉の発言通り、小学生が読んでも消化出来ないのでは?と思える部分がある。そこが『バッテリー』の面白いところだ。巧と母親の関係や、学校教育に関する諸問題は複雑な“大人の世界”で、大人の視点でこそ理解出来ることや見えてくる問題点がたくさんある。しかし、まずは子どもの目線で読むべきだろう。著者・あさのあつこ氏が伝えたいのは、「社会」「学校」「家族」すべてを見つめている子どもの目だ。子ども自身だ。強烈な自我をもった「原田巧」という少年を主人公にすえて、原田巧が見て感じている世界を私達はそのまま共有し、ありしの日の自分が蘇えり、こころの芯をゆさぶるのだ。 

ジュブナイルだと思って頭から排除しないで、是非読んでほしい。青春時代の自分の内面を思い返すことは、思いがけず恥ずかしいが、こうして昔の自分を思い出し、自分が確かに存在しているのだと認めることがときには必要だと思える。青春の日のストイックさ。傲慢さ。猛スピードで過ぎていった毎日を精一杯生きていた自分を思い出してみよう。未熟だけれど良いモノをたくさん持っていた事に気づく。それは古びた宝物箱を見つけたようなドキドキ感だ。

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紙の本僕のやさしいお兄さん 1

2012/12/04 02:41

異色?BL系家族コメディ

14人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今市子の漫画は、二度目が一番面白い。

二度読む理由?
もちろん一度だけでは物語の流れが理解できないからである。主人公を含めた周りの相互関係が非常に複雑で、初めはキャラクター相関図を頭に叩き込まなければいけないし、BLというより推理小説を読んでいる感覚に近いかもしれない。

ぼんやりと読み流してしまっていると、どんどん話が(とんでもない方向に)進んでしまい、結局「で、このヒト誰だっけ!?」と頭を抱えてしまうハメになる。

しかし設定を理解した上で二度目に読めば、あら不思議。
あちこちに張り巡らされた伏線とキャラクターの行動や表情の謎が一気に解けて、思わず「なるほどね~。」と呟いてしまう。

 主人公を含めその他大勢の脇役キャラが「現実にいそうな」淡白だけど個性的な性格で、家族(同居人・隣人・親戚など)としてつながっており、擬似的な家族コメディ(時にシュールな)が繰り広げられてゆく。それがあまりに面白いので「これってBLだったけ・・・?」とふと考える。
でも不思議なことに全体を通してみると確かにBOYSLOVEであって、主人公の恋する情感もたっぷりだし、美しく端正な絵柄はとんでもなく色っぽい。
・・例の場面だけが個人的に多少物足りない気もするが、これまでの焦らリズムで悶えているので、良い具合に腹八分目といったところだろう。


推理もコメディも恋愛も、異なった要素が一つの作品の中でバランスをとっている今市子独特のBLワールド。
一度ハマると病み付きになる世界へようこそ!

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紙の本ア・ソング・フォー・ユー

2007/09/28 02:45

保育園長、裏社会を奔走する!

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ハナちゃんこと花咲慎一郎探偵の待望の新刊だ。
告知されたときは今か今かと待ち望んでいたが、今回も期待を裏切らない感動をくれた。

特に好きなのは、子どもの純粋さに泣いた『プレイバックPART3』と、お馴染みの悪徳インテリヤクザ山内練の意外な友達が登場する『骨まで愛して』。山内の秘書・長谷川環も登場して賑やかに動いているうえ、麻生探偵も少しだが印象的な出番があるので『聖なる黒夜』の読者は楽しみが増すかもしれない。

ハナちゃんシリーズはこれで四作目になるはずだが、今までのシリーズを未読でも全く問題ない。短編集なので、ちょっとした時間に読めるので未読の方にもお勧めだ。



↓以下はシリーズ初読の方への推薦文として。参考になれたら幸いです。


このハナちゃんシリーズが面白い理由が2つある。

一つは、探偵業を営む動機。
主人公・ハナちゃんの本業は、新宿二丁目にある無認可保育園の園長である。主に水商売で働く多国籍な女達の幼児を預かっているため、国からの認可を得ることは難しい。経営も不安定だが国からの援助金もなく、園は万年赤字状態。。しかし、可愛い子どもたちのため園を潰すことだけは出来ないと一発奮起し、運営費用を稼ぐために、探偵として裏社会に関係した危ない依頼を引き受けてゆく。このハナちゃんの捨て身ともいえる優しさが物語の根幹をなしている。

もう一つは、ハナちゃんの周囲の女たち。
子どものためにトラブルに巻き込まれるハナちゃん。そんな彼を支援するのが、保母の敏江・末子・南、野添女医、元妻で弁護士の麦子、彼女でオーナーシェフの理沙ら、それぞれの専門分野のプロである女性たちだ。困ったときはいつでも手を差し伸べるてくれる。信頼できる彼女らの協力があるからこそ、自由に動けるということをハナちゃん自身も理解している。登場する女性はほとんど独身か離婚暦のある女性だが、それぞれが職業に誇りをもって自分らしい生き方を歩んでいる。地に足をつけた彼女たちの生き方に共感を覚える人も多いはずだ。

探偵小説といっても、トリックを破ったり論理的推理をするというより、柴田よしき先生らしい、人と人の繋がりや他者の感情や内面に重点を置いている作品。


今作は幼稚園の場面がほどんどなかったので、
既刊の三作、『フォー・ディア・ライフ』『フォー・ユア・プレジャー』『シーセッド・ヒーセッド』で是非チェックしてみてください。


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しびれるような、青き春。

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「Jの総て」の主要登場人物たちの過去編と、「Jの~」その後の短編が収録。
 実は「Jの総て」を未読だが、あるBL評者が薦めていたのでためしに手にとってみた。そして本作を読み終えたいま、「Jの総て」が読みたくて読みたくて、狂ってカレンズバーグ校の時計塔から飛び降りられそうなほどだ!(未読の方はわかりづらい例えですみません。)

 本作での主人公のアンドリューと対の存在であるポールの関係は、読んでいていつかどっかで見たことがあるような・・と考えていたのだが、少年愛の名作「トーマの心臓」のオスカーとユーリの関係性を彷彿とさせる。

 人懐っこく明るい性格で人望もあるが、町の権力者である父親に強いコンプレックスをいだいて反発するアンドリュー。戦争によってユダヤ人の父親と生き別れ、母親も早くに失ったために、どこか投げやりな言動で人生を諦観しているようなポール。二人は全寮制の名門中・カレンズバーグで出会い、喧嘩しながらも交流をふかめて友情を芽生えさせていくのだが、ある日、アンドリューの父親のしたことをきっかけに二人の関係に溝ができてゆく。。


「ばら色の頬をした、くだらない少年時代(いま)なんか」早く終わればいい
と言い捨てて、関わりあうもの全てを否定するポールに、悔しさを噛みしめ、好きだと言う代わりに呪いの言葉を吐くアンドリュー。

友人の心の傷を守ろうとする少年の純粋な想いと感情のぶつかり合いが、コマの一つひとつから明瞭に流れてくる。とても雰囲気のある作風だ。表紙からして幻想的な作風かと思いきや、登場人物たちの感情の揺れはとてもリアルで、初めてドナを抱くアンドリューの心情など言葉ではあらわされない場面でも、よく理解できるものだった。

 終わりに「Jの総て」のその後を描いた短編が載っているので、この二人の関係は永遠に平行線のままだということは分かっている。しかし(だからこそ?)少年時代の恋にも愛にも似た一過性の感情の交感をこんなにも艶やかに鮮やかに描かれると、心の底からしびれてしまう。そして一層その世界に耽溺したくなるのである。

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紙の本Paradise kiss 5

2003/08/26 23:17

前進しつづけるすべての若者へ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 奇抜なファッション、情熱的な恋、最高にクールなジョージ(+その他大勢)のキャラクターに魅せられっぱなしの“パラキス”もいよいよ最終巻。矢沢あい先生ご自身が服飾系の学校で学ばれていたこともあって、どのページもファッション雑誌のようなデザインのきらびやかさ。ビジュアル的に楽しめることうけあいですが、最終回にむけて加速するストーリーにも目を離せません。ジョージと紫の将来、実和子と嵐と徳森の三角関係の行く末、そして最大の謎イザベラの本名も明かされます!
 もちろん彼らも卒業間近になれば就職を考えなくてはならないし、唯我独尊だったジョージもデザイナーとしての現実問題に立ち向かうことになります。紫もジョージとの恋に傷つきながらもモデルとしてのプロ意識をもち始めます。
それぞれのキャラクターが社会に向けて一気に動き始めた5巻は、矢沢先生が就職や恋愛に悩む若者にむけた前向きになるためのエールのようでした。

 切なく、苦しい思いをしてこそ人は華やかに成長する。現在自分の目標をもっている人も、いない人も、彼らの生き方を「素敵だな」と感じるのであれば、5巻を読み終えたあとの心の奥にはきっとやる気がみなぎっているはずです。

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紙の本アウディ・ノス

2002/03/15 14:08

かたちの無い信仰と祈り。絶望の淵での願いと想い。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 阿蘇での信長との戦いから数十年後、“換生”しているのか浄化してしまったのか、依然行方のつかめない景虎を探し続ける直江。阿蘇での贖罪と景虎を失ってしまったかもしれないという不安と絶望に自殺未遂を繰り返す年月。しかし最後の最後で彼に死をとどめているのも景虎への想いだった。
 「もしも自分が死んだ後で景虎が見つかったら、自分は彼を一人ぼっちにさせてしまう。」
 たとえ蜘蛛の糸ほどの希望であっても“換生”している可能性を捨て切れない限り自分は死ねない、と。
 絶望と希望の狭間に揺れ苦悩する直江のもとに、一体の木造仏像の調査が依頼されてくる。夜になると涙を流すというその像を調べてゆく直江は、その像の真実が思いもかけぬ方向を向いていることを知る。。
 
 表題作の『Exaudi nos』他『Golden winnar』『夜を統べる瞳』の二作を収録。一粒で三度おいしいこの作品。『炎の蜃気楼』以前、直江がどれだけ苦悩し景虎を想っていたのか、本編とは違った味わいが楽しめる。
 『夜を統べる瞳』は作者のあとがきの通り“炎のミラージュ”の象徴的作品。ファンもファンでない人も一見の価値あり。

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ハード耽美…。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 見てください! 表紙からしてテツのフェロモンむんむんです。この表紙にノックアウトされて手に取った方も多いのでは? 私もそのクチですが。
 
 待望の「飼育係リカ」シリーズ第2部。テツとリカの話です。
1部の主人公だった夏目ヒロのお兄ちゃん、テツが主人公です。

 濃密な漫画を読んだな、というのが第一の感想。本の中の世界はバイオレンスと耽美に満ちていて、主要人物以外の人間はみんな獣です。ヒトにあらず。以前リカシリーズの第一部「飼育係・リカ(上)」を読んで、あまりに激しい描写力と本の中の世界観についてゆけずに放置したままだったのですが、今回この本をよんでから改めて再読すると、アラ不思議。どんどん本の世界にハマりこんでゆけました。
 キーワードは「ママ(お母さん)」。「飼育係」とか「ママ」とか、シリーズの用語が多く、一見とっつきにくい印象ですが、言葉の意味を理解してみると、世界が変わります。面白いです。

 テツの魔性の小学生時代(既にタチですョ!)と、弟ヒロとの歪んだ関係。サロンの会長として君臨し、セックス・シンボルとして学校中の垂涎の的である一方、自分から求めることに飢えた彼が、リカと出会い恋したことで、しだいに脆く追い詰められてゆく。ラストは衝撃的。…でも大丈夫。

テツの周りをぴょんぴょん跳ねる幼いヒロが、たまらなく可愛い!
オカマな姐さんに変身する前の、杏二の過去が切ない。
そして飼育係のリカ。テツをも怖気づかせるほどの直球で、テツの全てを欲した彼の気持ちこそ紛れもない愛情です。

 テツの弟であるヒロと飼育係リカの本編。これからどうなってゆくのでしょうか? 続刊楽しみに待ってます。

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桜蘭高校ホスト部 1

2003/09/20 01:12

“おしん”系ホスト参上!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 学校にホスト部(クラブ)なんて世も末…なんて考えていませんか?
確かに実際に存在していたら問題ですが、二次元ワールドでは無問題! 金持ち高校生美男子たち(一名除く)がおりなす友情アリ愛情アリ涙…ナシのある意味とてもマニアックな漫画。

 主人公ハルヒは金持ち学校に特待生として通う庶民の子。間違えて入ってしまったホスト部の部室で800万円の壷を割ってしまい、借金返済のために無理矢理入部させられることに。「人間は外見よりも中身が重要」という考えから、外見にこだわらずダサダサな格好をしてきたハルヒだったが、ホスト部の王(キング)にいじられてステキな美少年に様変わり。見事に変身したハルヒに出された課題は、「指名客を100人つくること」!!

 とりあえず、他のホスト6人がキャラ濃いので(バカ殿・参謀・妖しい双子・ショタとそれを守る寡黙男)、主人公の地味で堅実な性格が魅力的です。フランス料理のフルコースを食べた後の梅茶漬みたいな感じでしょうか。脇役が多く、コマも人も台詞も多いので1Pを読むのに時間がかかりますが、笑いどころ満載なので飽きません。読み応え充分、これ一冊だけでもお腹いっぱいになりますが、苦難の主人公ハルヒの今後がすごく気になります。続刊にも期待中!

 笑いたい気分の時、手にとってみてはいかが?

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ビバ☆兄弟恋愛

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 兄弟は兄弟だけど、ちょい訳あり兄弟の恋愛ドラマ。「モラル的にどうなの?」というツッコミには何とも言えませんが、まぁそこはBLマジックに頼りましょう。
 本田家の長男・正一は税務署につとめるお堅い性格。なかなかオチない彼には読んでいてやきもきするが、反対に自由業の次男・俊二の一途さと懐の深さがとても魅力的である。脇役のよっちゃん(三十歳)もとてもカワイイ。HONDA村の建設を実行しようとする行動派の本田父・母もイカしている。
 山田ユギの漫画を読んでいて「上手いなぁ」と感じるのは、話がドシリアスでも、所々に必ずギャグをはさんでいる所。相変わらず読ませる所と笑わせる所が絶妙で、引っ張られるように次の展開へとページをめくってしまう。
 Hシーンもお楽しみ☆ 正一の足を舐める俊二の表情に、かけひきめいた兄弟の間の緊張感に、もう悶絶必至である。更に「最後のドアを閉めろ!」の本田家三男・賢三も所々で顔をだしているので、前作を読んでいれば2倍楽しめる。先に読むことをオススメしたい。
 今回も「おまけのページ」がかなりあるので、ファンとしては嬉しいかぎり。別作も一本ついている。ユギの読者サービスに乾杯!

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戦争と人の情

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 表題作『38度線』では、北朝鮮と韓国を分かつ国境最前線に送り込まれたアメリカ人兵士が、同じく国境をはさんで立っている朝鮮の兵士との交流を生み出したことで、人間と国と戦争についての疑問と不毛を提示した。
 この作品は作者のデビュー作であり、少々荒削りな絵ではあるが、それが逆に宿舎の騒がしさと国境の前線に立つ二人の兵士の間の沈黙を際立たせている。島国である私達には国境の意識は薄いが、史実を取り入れた作品の、国境を越えた異国人同士の交流は深く胸を打つ。
 
 1P目から笑えるのは、ドイツとフランスのサッカー馬鹿を描いた『ノルマンディーで会いましょう』。典型的なドイツ人とフランス人の性格が台詞に表れていておかしい。皮肉の上手いドイツ人に青筋を立てて耐えるフランス人もおかしい。笑いに笑って「戦争中にこんな馬鹿なことしてる奴らがいても良いよな」という気になってくる。
 しかし戦争は現実にあり、現実は捨て切れない。死を心の奥で覚悟しつつも戦地へ向かうドイツ兵を見送り、因縁のサッカー試合を強制したフランス人たちの「戦争が終わったら…」と繰りかえす台詞がとても切ない。
 
 他に日本の航空兵を描いた『サクラ サク』等全部で5編の作品にすべて戦争が絡んでいる。戦争の現場に立つ者、見送る者、死んでゆく者、残される者。多角的な視点で語られる人の愛情と戦争へのさまざまな想い。作者はそんなギリギリの人間の想いをドラマとして完成させている。戦争について自分で深く掘り下げるのもよし、ビジュアルを楽しむのもよし、石原流ギャグに笑うのもよし。読む人を選ばないこの漫画にはたくさんの“お楽しみ”が詰まっている。

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紙の本吸血鬼には向いてる職業

2007/09/19 04:19

抱腹絶倒・・オタクBL。

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「笑えました!」
一言の感想に尽きてしまうほど、榎田作品のなかで腹を抱えて笑った作品は初めてだ。BLとしては★×3だが、コメディとしては★×4

榎田作品は、大部分の作品が占める割合として職業BLと認知している。
冗談のおとし所やもだえ所の他に、時に社会人としての含蓄ある言葉が出てくるとチョット元気がでたりして、私にとってのビタミン剤でもあるのだ。

この『吸血鬼には向いてる職業』も、マンガ家シリーズとして同著者からシリーズ発刊しているのだが、他の作品が恋愛主流なのに対して、この作品はLOVE少なめ?と疑問に思うほどコメディ路線を突き進んでくれた。いやいや、自分が見落としているだけで、いつもならもだえ要素が隠されているはず・・と読み直してみるが、結果は”笑”。

もちろん”笑い”は主観的なものなので、ニヤリともしないまま読み進める方もいるだろうが、p.13 とp.18~先を読んでみて少しでもシンパシーを感じたり「ぶっ」っと噴出したら、この作品はきっと楽しいものになるはずだ。

作中には、他漫画からのパロ台詞がちりばめられているので、「我こそは漫画オタク」と自認してる方は、のっけから拾い集めて読み解いてゆくのも楽しい。あとがきで元ネタ明かしをしてるのだが、私は4つしか解らず、ちょっと凹んだ。




余談だが、
最近オタクを主人公とした映画や漫画や書籍がたくさん流通しているためか、オタク=根暗・不細工・理解不明 といった客観的な負のイメージが大分緩和され、今や社会的オタク規制の緩和のために、どこからがオタク域なのかという区分線は、あくまで主観的な自分の意思でひくものに変化してきているように思う。


この作品の主人公の特徴として「社会的なオタク」と書かれており、なんとも時流を捕らえた特徴に笑ってしまった。また「腐女子」という言葉まで作中に使われていたのがメタ的で、とても面はゆい。


既刊の漫画家シリーズ三作
「きみがいなけりゃ息もできない」「ごめんなさいと言ってみろ」「愛なら売るほど」と同じテイストのロマンスを期待していると、若干肩透かしをくらうかもしれないが、メタ的にオタクな自分を楽しめる人にはお勧めしたい。

なによりも、作者自身が楽しんで書いたと感じた、漫画への愛溢れる作品だ。

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格好いい詐欺師に御用心!

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この春、TVドラマが開始予定のホットな話題になりつつある本作。
 主演がNEWS(ジャニーズ事務所)の山下智史ということで、全国の中・高校生の興味を湧かせることに期待したい。多種類・多目的な詐欺に対する予防法を知っておくことで、生活の知恵となるし、自己責任の代償を若いうちから知っておくことも大切だろう。

例えば、9巻目の本作でも話題にあがる「個人情報」について。
企業間では「個人情報保護」はまさしく死活問題で、大分敏感になってきているが、一方でネットにつながった携帯電話で不特定多数の友達とメルアド交換をする学生がいる。社会人でさえ、自分に実害がない限り法律の現実的な必要性が理解できないタイプの人間もいる。
クロサギは、そういう「今は実害がない」学生や社会人の社会科参考書として読むといい。毎巻、時事問題を扱っているので一層馴染みやすいだろう。
同時に人間関係にも注目。黒崎とつららの関係がこう着状態の中、発展しないのでヤキモキしているのだが、ドラマが開始することで進展はあるのだろうか。神志名警部補との因縁もますます深くなってゆき、漫画でもドラマでも活躍しつづけてほしい作品だ。

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紙の本僕にだって言い分がある

2012/12/04 02:45

主人公そっちのけだがジジババ最高ー!!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これは明るく楽しく健全な青少年の上京物語です。(嘘)

 天然でどこかネジが一本緩んでいるような主人公と、純粋な幼馴染みのカップルの恋愛成就が主体です。
が、脇役が素晴らしくイイ味だしていて、ついついそちらに目がいってしまいます。ハイパーなじっちゃん・ばっちゃん、やさぐれつつも優しい先輩と、先輩に恋する同居人の「犬」もとい一途な顔グロ男。
 
心の優しい男たちのラブコメディです。

最後にもう一度。じじばばサイコー!

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