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modernさんのレビュー一覧

投稿者:modern

16 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本グリーン家殺人事件

2002/03/09 08:14

最強の「古典ミステリ」

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 これほどに端正で高貴な推理小説があるだろうか。ヴァン・ダインの第三作にして黄金時代のアメリカを代表する作品である。確かにそのあまりの「形」の美しさ故、現代のミステリに慣れた読者の目にはカタルシスや驚きの全く無い、つまらない作品として映るかもしれない。だが、この作品の価値はそんな陳腐な「謎解き」などにはないのだ。全体に漂うおどろおどろしい雰囲気、美術学、犯罪学に彩られたペダントリー、そして圧巻は後半、探偵ファイロ・ヴァンスが事件に関する事実を98の項目に分けて提出した文書である。この98個の要素を正しい順番に「並べ替える」ことによって事件は解決する。はっきり言って「はったり」である。だがヴァン・ダインの魅力は「はったり」にこそあるのだから、この趣向はこたえられない。はっきり言ってこれからミステリを書こうとしている人や、ミステリ・ファンになろうとしている人にとっては、下手な学術書なんかより何倍も役に立つ作品であろう。まさに「最強」である。

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時の鳥籠

2002/03/12 21:14

浦賀ワールドの最高峰

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 現在においても、この作品が浦賀和宏の一つの頂点と言うことができるだろう。極限まで練り上げられ、読む者を飽きさせないプロット。YMO「テクノデリック」に彩られた、退廃的でありながら限りなく優美な世界観。そして結末の衝撃。どれをとっても「天才」という言葉がふさわしい。
 「記憶の果て」に対する、余りにも完璧な回答。凄いって、本当に。

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記憶の果て

2002/03/12 19:30

救済の書

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 これは、圧倒的な救済である。確かに荒削りな面、技法的に未熟な面はある。明らかに京極夏彦の模倣とみられる部分もある。だが、そんなことを超越して、これは「ある種の人間」にとって救済の書と成り得る。
 「ある種の人間」とはどんな人間か。それをここで詳しく言うのは辛い。自分のことだから。だが乱暴に定義してみよう。まず15歳以上18歳未満であること。そして何よりも音楽が好きであること。そして(これが一番大事だが)、生きることに不器用であること。この3つを満たしている人間——特に男性——なら、この本を手に取ってみるべきだ。人生変わるから。絶対。

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Vシリーズの到達点

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 瀬在丸紅子を主人公とする「Vシリーズ」のコンセプトは、「シンプル、シャープ、スパイシィ」だそうだ。その3つの基準をすべて完璧に満たしているという点で、この「恋恋蓮歩の演習」は現在のところ、本シリーズを代表する作品と言っても良いだろう。「シンプル」と「シャープ」は意識的になりさえすれば割合簡単に満たされる条件だが、「スパイシィ」というのが難しい。その点、本作はその華麗で心憎いプロットと確かなメッセージ性で他を圧倒している。
 結末については、ミステリに慣れている人ならある程度予想できるだろう。しかし、「意外な結末」だけがミステリの魅力ではない。そこに至る過程と文体の美しさこそが重要なのであって、それを味わいながら読む者には確かな感動が与えられるだろう。そういう意味も込めて、森氏は本書でピーター・ラヴゼイの作品を引用したのかもしれない。

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美濃牛

2002/03/10 08:23

サンプリング文学

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 近年、音楽の世界では「サンプリング」という言葉が流行した。これは何かと言うと、既存のレコードの良いところだけを抜き出して、組み合わせて、自分の新しい音楽にしてしまうという手法、つまりは「盗作」である。ただしその使い方が上手ければとても面白い音が出来上がるし、もちろん著作権で訴えられることもない。
 何故こんな話をしたかと言うと、この「美濃牛」という作品がまさにその「サンプリング」によって書かれた小説のように思うからだ。音のようにそのまま抜き出して並べるだけとはいかないが、思想的サンプリング、つまり引用した言葉からイメージを膨らませて、さまざまなオマージュと共に話を作っていく、という作り方がされているように思う。こんなことは卓越したセンスと膨大な知識量があって初めて出来ることである。脱帽、と言うしかない。

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紙の本ミステリーズ 完全版

2002/03/10 08:12

読者参加型ミステリー

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 印象的な装丁といい、収録作の前半と後半で「DISC-1」、「DISC-2」と分けられている趣向といい、全体に洒落た雰囲気を漂わせた短編集である。しかしこの作品の読みどころはその「収録順」にこそある。「DISC-1」における最初と最後の短編、そして「DISC-2」における最初と最後の短編に留意して読めばすぐ気付くものであることは著者もあとがきで述べているが、「読者参加型」のミステリーになっているのである。推理小説における「読者」の役割を見つめ直す、という逆説的な試み。それは完全に成功していると言って良い。特に最後に収められた「不在のお茶会」は、「小説」そのものの意義を問い直す極めて意欲的な作品であり、日本短編ミステリ史上最高峰の作品と言っても過言ではないだろう。大傑作。

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紙の本人形式モナリザ

2002/03/08 08:45

踏み絵

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 そのポテンシャルとは裏腹に、最も過小評価されている森作品であろう。あちこちでこの本の書評を見てきたが、そこには必ずと言って良いほど「よくわからない」という感想が記されていた。何故だろう?
 この本の裏表紙には、広告文句として「ラスト一行で、読者を襲う衝撃の真実!」と書いてある。その通りだと思う。少なくとも私は、最後の一行で全身に鳥肌が立った。だが、一般的には「よくわからない」ということになっているらしい。
 確かに本格ミステリとしては地味なのかもしれない。大袈裟な物理トリックがあるわけでもないし、探偵が最後に皆を集めて真相を暴くわけでもない。だが、そういう「決まりごと」を超越した地点に、この作品はある。
 本当に森博嗣の書くミステリィが好きなのかどうかを読む者に問う、踏み絵となる作品なのだろう。単なる推理小説としてではなく、森氏の思考に沿って感覚的な読み方をして貰いたい。そうすれば、結末で震えが止まらなくなること請け合いである。

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紙の本森博嗣のミステリィ工作室

2002/03/08 08:13

すべての森ファン、必読の書

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 普段決して「あとがき」を書かない森博嗣が、いやというほど自分について語ってくれちゃってる本である。S&Mシリーズ全作品の解説は言うに及ばず、自作の漫画、研究者としてのエッセイ、「憧れの人」萩尾望都との対談など、ファンなら涙を流して喜ぶコンテンツが満載だ。
 しかし、この本の真の価値は別にある。冒頭に収められた「森博嗣のルーツ・ミステリィ100」がそれだ。森氏が作家となるにあたって、ルーツとなった100冊を自ら選んでいるのであるが、自分などはもう、ここだけを数百回読み返した。それだけ奥が深いチョイスであり、森氏が他のミステリ作家と一線を画している理由がにじみ出ている。
 これだけの情報量が、文庫になって750円。買わなきゃ森ファンではない、と思う。多分。

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ベンスン殺人事件

2002/03/09 08:29

ファイロ・ヴァンス登場

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 巨匠ヴァン・ダインの記念すべき処女作である。とにかくこのシリーズの特徴は、物凄い量の薀蓄である。ファイロ・ヴァンスという探偵はとにかく古今東西の芸術に通じている設定になっていて、はったりをかましまくる。「中国人に比べて日本人の芸術は浅薄だ」とかも言う。まあ時代が時代だから仕方ないとも思うが、とにかくこの人の表現は人種差別、性差別に溢れていて、ものすごく厭味である。だが——、こんなことを書くと読む気をなくす人がいるかもしれないが——、あえて言おう、そこが魅力なのである。犯罪捜査中に自分の芸術知識をひけらかし、ときどきオペラの台詞などを引用して悦に入る探偵。そんな「嫌な奴」を見ているのが、だんだんと快感になっていくのだ。読んでもらえれば解ると思う。もはや「事件」なんてどうでも良いのだ。

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紙の本夢・出逢い・魔性

2002/03/10 17:05

夢で逢いましょう…

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 まずタイトルの妙である。「夢で逢いましょう」に係っているのはもちろん、英題が「You May Die in My Show」なのだからホームラン級だ。内容はと言えば、そんな色物然としたタイトルにも関わらず、バランスのとれた良作である。
 舞台がテレビ局というだけで森ファンならいろいろ期待してしまうだろうが、そこに囚われ過ぎることもなく、視点の使い分けも上手い。論理的な部分と詩的で幻想的な部分。ストイックな部分とバラエティ豊かな部分。著者の二面性が綺麗に出された作品であり、絶対に読んで損は無い。

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カナリヤ殺人事件

2002/03/09 08:02

ポーカー・ゲーム

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 ヴァン・ダインといえば「グリーン家」と「僧正」——。そんな風潮があるが、なかなかどうして、他にも名作、傑作はたくさん眠っている。そう、例えばこの「カナリヤ殺人事件」のような。
 著者が掲げた「心理的探偵法」というものが一番美しい形で開花している作品である。容疑者たちを一同に集めた探偵が、彼らとポーカー・ゲームをやって犯人を突き止める——。現代の常識から考えると極めてナンセンスかもしれないが、そもそもヴァン・ダインの作品というものはそういういびつな感じを楽しめることが魅力になっているふしがあるから、あまり気にしてはいけない。
 ともあれ、極上の味わいの一品。

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紙の本火蛾

2002/03/08 09:08

新作求ム

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 まず、表紙が良い。ノベルスなのに指紋が付かない。これは大事なことだ。もちろん、内容も良い。これはもっと大事なことだ。イスラム教とミステリ。こんなにかけ離れたものもないだろう。まず推理小説にとっての大前提、「犯人の追及」という指向からして、ムスリムの性格に反している。しかし、作者は凄まじい離れ業でもって、この二つを融合させてしまう。しかもそこに論理の破綻は無い。これは見た目より遥かに凄いことだと思う。文章も格調高く、新人とは思えない香気に溢れている。まさに「言うことなし」である。
 ただ、新作が出ない。1年半も待っているが、まだ出ない。デビュー作が偉大なだけに、それに縛られているのではないか? などと余計な心配をしてしまう。メフィスト賞の未来の為にも、第二の殊能将之になってくれることを望む。

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紙の本とらわれびと

2002/03/12 21:49

破綻

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 疑惑の表紙を持つ安藤シリーズ第四弾。「記憶の果てに登場した印象的な脇役、金田を中心に据えた物語である。とにかくミステリとしては完全に破綻している。論理的な推理や解決への筋道といったものを完全に無視し、ただそこには凄まじいカタルシスだけがある。エラリー・クイーン信者が読めばさぞ激怒することだろう。解決部分だけを取って付けたような印象があり、バランスが凄まじく悪いのだ。ただ浦賀和宏ならではの狂気の描写、ドライヴ感はシリーズ中随一であることも確か。奇形だが、不思議な魅力を持った作品である。

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頭蓋骨の中の楽園

2002/03/12 21:36

「シリーズ化」ということ

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 この作品以降の安藤シリーズを見ていると、どうしても無理をしているように思えて仕方がない。浦賀和宏という作家の資質を考えた場合、同じキャラクタで作品を量産すべきではないと強く感じる。
 もちろんそれぞれの作品に魅力が無いというわけではない。この「頭蓋骨の中の楽園」で名探偵となった安藤直樹は、彼らを取り巻く世界をバラバラに解体し、「そんなもん分かるわけねえだろ!」的な真相を暴きだす。が、そこに必然性は見出せないし、前二作にあった噎せ返るような情熱も感じられない。その傾向は近作でますます酷くなってきており、何でもかんでも「シリーズ化」させる最近のミステリ界の状況はやはり問題ではないだろうか。

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紙の本少年たちの密室

2002/03/11 14:43

善と悪

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 傑作だと思う。が、肌に合わない。
 私は「社会派ミステリ」というものが嫌いだ。何か社会問題をテーマにする場合、ある程度「悪役」を決めなければならないのは解る。そうしないと問題自体が見えてこないから。しかしその「悪役」を犯人に仕立て上げるだけのために、結果として「ミステリ」の部分の構造を曲げざるを得なくなった、という雰囲気が感じられる作品が嫌いなのだ。
 本書において、「悪役」はあまりに絶対的な悪として描かれ、その人間性さえ否定される。そして主人公の思想はあくまで健全で正しいものであり、同情を喚起するものとして描かれる。これは古処氏の他の作品でも見られることだが、とにかく人間を「分けている」のだ。問題を前にすると逃げる人間、立ち向かう人間。慕われる人間、慕われない人間。自分に正直な人間、上に媚び諂う人間——。そんなに簡単に人を分類して、評価してしまって良いのだろうか。
 確かに現実はそうなのかもしれない。腐った人間に価値などないのかもしれない。だが、私はそんな世界、嫌だ。人を計る「基準」などあってはならない、と思う。
 古処氏の言論は、決して間違った方を向いてはいない。が、一つだけ問いたい。この物語の「善」なる主人公と、「悪」たる犯人の間に、どんな違いがあるのか——と。

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