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レビューアーランキング
先月(2017年1月)

YOKANさんのレビュー一覧

投稿者:YOKAN

6 件中 1 件~ 6 件を表示

イラクとアメリカ

2002/09/16 21:55

爆撃—その先と後にあるもの

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 2002年9月現在、国際政治はイラクに対するアメリカの攻撃準備をめぐって揺れ動いている。そもそも、中東の小国・イラクは、なぜ巨大な風車のアメリカと対立する事になったのか…。本書は、その起源をイギリスによる植民地支配の時代までさかのぼりながら、徐々に解き明かしてゆく。
 そもそも、イラクという国は、中東の多くの国々と同じように、列強の無理のある線引きから生まれた国だ。イギリスからの独立から出来たイラク王国は、王族もイギリスに指名されたサウジアラビアの王族を引っ張ってきたものだったのである。こうした人為的な国家であるイラクが生き残ってきたのには、アメリカの支援があり、なにより石油の利権分配があった。そういう意味では、イラクの歩んできた道は中東諸国の多くと同じだ。だが、なぜフセインはその力の根源のアメリカと対立し続けるのか…。本書を踏まえることで、読者がメディアから離れてイラクへの攻撃を考える、良いきっかけとなる本である。

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紙の本憲法はまだか

2002/08/16 00:40

憲法が目指したもの

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本国憲法はいかにつくられたか—この本は、憲法作成に携わった人々の人間ドラマを中心に展開していく歴史小説である。同じタイトルでNHKで放送されたものを、脚本家自身がノベライズした。振り仮名も親切にふってあって、ローティ−ンからでも充分読める憲法の誕生物語だ。

敗戦後、憲法改正の機運が盛り上がる中で、国務大臣の松本烝治が、憲法問題の委員会を組織するところから話は始まる。松本はこれを「第二の戦争」とよんで、大日本帝国憲法にちかい政府案を提出。不満のGHQは、独自の憲法案を作り出していく事で、日本側との熾烈な憲法論議が始まっていく——

日本国憲法が施行されて、2002年で56年になる。奇しくもこの年月は、大日本帝国憲法が施行されて廃止されるまでの年月と重なっている。ついでに言えば、2002年はサンフランシスコ講和条約が締結されて50年という節目の年でもある。折り返し点となったこれからの日本国憲法を知るために、最適な本としてこの小説はある。この憲法の下で、戦争をせずにすんできた事を思うと、私も著者と一緒に憲法に頭が下がった。

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いま、自覚すべきこと

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 W杯の日本戦、内親王誕生、石原新党。こうした場面で「日本」を無邪気に肯定してしまう最近の若い人々を、香山リカは「ぷちナショナリズム症候群」と名づけて、心理学等を応用しながら分析していく。早く書かれる事を期待されたためか、実証例の乏しさはあるけれども、硬派な論壇が正面からとりあげない問題に果敢に立ち向かったのを、高く評価したい。そして、この「ぷちナショ」な風景に潜む、日本の社会状況の変化を切り取る著者の手際は、いつもながら大変鮮やかである。
 うすうすとこんな雰囲気に気づいてた、W杯の時は「ニッポン、ニッポン」と連呼していた、いや日本にもナショナリズムがあって当然じゃないか——どのような立場の人であれ、まず一読してみるのをおすすめします。

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「性」の作られ方

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「ラブホテルの力」とは何か?
著者によればそれは、「性行為を規定する空間」としてラブホテルが存在していることだという。
時代と共に変遷するラブホテルが、その時代の性行為をつくりあげてしまうという、現代社会の盲点がこの本にはつづられている。
ラブホテルの様式の変化を江戸時代までさかのぼりながら、現代の性のありかたもまた歴史の産物とみなすこの本は、優れた社会学の本であると共に、歴史の裏面史とも読める。
どの方面から興味をもっても、楽しく学べる本である事もつけくわえておく。

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紙の本海辺のカフカ 上

2002/09/13 22:28

どこへゆく、村上春樹

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

いろいろと難点はつけたいけれども、作家・村上春樹は、少しずつ新しい場所に行こうとしている。この小説は作家にとって一つのステップアップだ、というのが率直な感想だ。
 まずこれまでの小説と変わってきたところ。第一に、人物の内面を掘り下げる三人称の文体が、『神の子どもたちはみな踊る』の時より、ずっと深化している。今回の登場人物は、ナカタさん、「僕」、佐伯さん、猫などなど、登場人物には同じような世界観でくくれる人はいない。著者は三人称の語りでこれらの人物をとりこむことによって、小説の世界がいくつもの視点から読めるのを可能にした。
 第二に、今回は固有名詞を多用している事。これで、この小説の持つ同時代性というのは、よりはっきりするようになったと思う。このことは、著者がこの本を、2002年に生きる人たちへ贈ることを強く意識した結果ではないだろうか。
 最後に大きな点は、この小説が、様々な「日本」と対話するテクストになっていることだ。それは日本の文学作品(例えば『坑夫』『雨月物語』)であったり、歴史(二人の日本兵)であったり、場所(中野、四国)であったりする。こうした変化がどういう方向を向いていくのか、予断を許さない。
 
 さて、難点といえば、登場人物が相変わらず「喪失」をみな抱えている事だ。この作家の一貫したテーマは、「喪失」に固定されてしまっているんじゃないか、という危惧がある。
 さらに、15歳の少年が読んで面白いかというと、これはそういう話ではない。こんなにも受け身で、世間なれしている15歳というのは、まずいない。そういう点では、これまでの春樹作品の語り手だった「僕」によく似ている。リアリティは感じないけれども、著者が求める15歳像というものは描かれていると思えば、読む事はできるのだけれども …。15歳の持つ内向するエネルギーには遠いような気がした。

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純情の仮面をひっぱがせ

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「見つめ会うと 素直に おしゃべり できない」
というJ−POPの歌詞があったけれど、この本は「意中の女性の前で赤面してしまう」
男を、日本の近代文学をテクストに、批判的に検証していく本である。

とってくるテクストは『蒲団』から『瞼の母』、映画『無法松の一生』と多岐にわたる。これらの作品から浮かび上がってくる「赤面する男たち」が、女性から「逃げる男たち」であるという論証は、純情な男性?にはきついかもしれない。しかし、著者によれば絵に描いたような純情な青年も、80年代には姿を消したという。歴史遺産となっても、がんばれ、純情男。

一つ注文をつけるとすれば、小谷野敦を参考文献にあげながら、「恋愛」の誕生は明治以降だ、と書くのは、いかがなものだろうか。

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