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yam-chaさんのレビュー一覧

投稿者:yam-cha

4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本画図百鬼夜行

2002/03/01 22:09

妖怪たちの宴

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 鳥山石燕——「妖怪」を生み出すことに取り憑かれた、江戸時代の絵師である。
 『画図百鬼夜行』は、先行する幾つかの「妖怪絵巻」、主に土佐光信筆と伝えられる『百鬼夜行絵巻』を下敷きにし、これら絵巻に登場する様々な「怪異」たちを、個々の「妖怪」として、うねる怒濤のような“百鬼夜行”の中から、丹念に一個一個とりあげ、個別の「名」を与え、画布に定着させた、いわば、「妖怪画の集大成」である。そしてまた、「妖怪画の出発点」として、後に続くものたちに多大な影響を与え続けている。
 さて、これら妖怪画について語るには、日本のアニミズムから始めなければならないことになるのだがそんなややこしい話は置いといて。
 鳥山石燕はなんでまた『画図百鬼夜行』なんぞ描いたのか。数えてみたら、『画図百鬼夜行』『今昔画図続百 鬼』『今昔百鬼拾遺』『百器徒然袋』のシリーズ4冊で、207(数え間違いで無ければ)もの妖怪を産み出したことになる。まさに「妖怪に取り憑かれた」状態だ。よくもそれだけの妖怪を描き連ねたものだ。
 なに考えてんねんこの人。しかし——多分答えは簡単だ。
 楽しい。それだ。楽しかったに違い無い。実際、『画図百鬼夜行』のページをめくる度、鳥山石燕の楽しそうに描く姿が目に浮かぶような気がする。それが画面の妖怪たちから感じられる。中にはなんだか判らないシュールなモノまで登場するが、それら一つ一つに向けられた鳥山石燕の愛情溢れる眼差しが、ちょうど同じように画を見る私の視線と重なって、彼の心に触れたような気持ちにさせる。
 私にとって、鳥山石燕描くところの『画図百鬼夜行』は、決して高尚な画集でも貴重な資料でもなんでもなく、まさに、「絵本」なんである。開く度に、時空を超えて、のほほ〜んとした気分にさせてくれる、大事な、「絵本」。

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紙の本鋼の錬金術師 1

2002/03/01 23:55

最高の「B級」!お勧めNo1

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 寡聞にして“荒川弘”という名前を知らなかったのだが、これは他の作品も気になるなあ。
 陰影のくっきりした、すっきりと省略された画。筋肉と骨格の正しい描写、バランスのとれた人物。気持ちのいいデフォルメ。コマの運びのテンポのよさ、画面の構成の確かさ。非常に読み易い、いい漫画家だと思う。
 「錬金術」とは言うものの、「B級映画のテイストを盛り込みたいという思いから生まれた漫画、「こんな錬金術があるかい!」とつっこみながらおつきあい下さい」と著者自身が公言しているように、錬金術とはまったくかけ離れた、とんでもない“魔法”である。が、体系はきちんと整えてあるらしく、読んでいて違和感、というか、齟齬感はない。まあ、とにかく荒唐無稽で何でもありだが、まさにB級ファンタジーホラーコメディアクション(なんのこっちゃ)。
 ちゃんとエンブレムが「カドケウスの杖」なんだよな〜。でもって敵(?)方のエンブレムが「ウロボロス」。基本。
 短気でちびで美人の“前衛(アタッカー)”と落ち着いててデカブツでイカつい“後衛(バックアッパー)”、もちろんどっちも強えぇ、ってのは、「アップルシード」(士郎正宗)のデュナン&ブリアレオス以来、お気に入りのパターン。
 まあ、エドワード兄さん男だけど、ちびで美人なことに変わりはないし。エドワード君いい性格だぁ、気に入った。ぜひその性格に磨きをかけて頂きたい。弟のアルフォンス君は、いまんとこ大人しいけど、多分、兄のことになるとキレると見た。そういうシーン希望。是非見たい。ラストに登場したロイ大佐@焔の錬金術師もいい顔しててお気に入り。こいつ性格悪いに違いない。
 エドワード&アルフォンス。エルリック兄弟。エルリックですよ、エルリック。うぅ〜ん。やっぱ、アレ? 「エルリック・サーガ」(ムアコック)? もしそうだとしたら、ラストは…いや、考え過ぎか。でもおそらく、エルリックという名前に込められた想いは、あの、「人の越えてはならぬ一線を越えてしまった」皇子の悲劇へのオマージュ、なんではなかろうか。

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“生きて”いるお伽話

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 柔らかい有機的な線で描かれた、人物、着衣、家屋、木々、生活風景、そうした「日常」の情景の的確な描写。その中に蠢く異形の「蟲」たちの造型。何処から来て何処に行くのかも知れぬ「蟲師」ギンコ(おそらく銀狐の音)の拾い歩く「蟲」の物語。
 「蟲」とは、生命の大元に近いモノ、昆虫でもなく植物でもなく、もっと、根源に近い、ナニカ。それはそこにいる、確かにいるが、それを見る事が出来る者とそうでない者がある。本当は、皆、それを見る力を持っているはずのもの—それが、「蟲」。採り様によっては自然そのものとも受け取れるのかも知れない、が、その解釈はあまりしたくない。「蟲」は「蟲」として存在するもの、なのである。
 「蟲師」とは「蟲」に取り憑かれた人のもとを訪れ、その災いを取り除く事を生業とする者たち。だが、ギンコは蟲師の中でも異端の存在のようだ。彼は、蟲と共存する事を望んでいるように見受けられる。取り憑いた蟲の所為で、恐ろしい事態を引き起こしてしまった男に、ギンコは呟く。
 「お前に罪などないさ。蟲にも罪などない。互いにその生を遂行していただけだ。誰にも罪などないんだ」
 少し変わった味付けの昔話のようなストーリィと、蟲の造型や設定、ギンコの立場は…こ、この喩えは極力使いたくはなかったのだがッ…某宮崎駿作品のような色合いです。
 が、宮崎作品とは決定的に違う。何が違うって、ギンコはなにも「目的」を持っていない。なにも「拠り所」を持っていない。ただ「己」が在るだけ、の存在。だからこそ、彼はリベラルでニュートラルに成り得る。
 淡々とした語り口ながら、物語はかなり深いところを抉ってくる。“人”の幸せとは何なのか、今自分が“そう”と信じているものは、本当に“そう”なのか、“行って”しまった方が幸せなのか“留まって”苦しむのが人間なのか。ギンコは「留まれ」と呼び掛ける。だが無理矢理にそうさせはしない。選ぶのは、自分自身、なんだから。
 ギンコのヌケた態度がいい。銜え煙草(本当は煙草ではないのだが)もシケモクっぽいのがイカす。全ての登場人物が各々に生きていて各々に闇を抱えている、その生々しさがきちんと伝わってくる。最初にも書いたが、日常風景の描写の的確さと、それらの登場人物の所為で、「日常に投げ込まれた“非日常”」もしくは「日常の裏側に在る“真実”」の怖さが引き立つ。
 「柔らかい角」の、“聞こえぬはずの音”の絵が秀逸。「筆の海」の蟲封じも奇抜で面白い。非常に怖い話もある、あまりにも哀しい話もある。激情さえも淡々とした筆致で描かれる、その所為でそれはより一層こちらの心に入り込んでくる。物語自体は荒唐無稽なのにも関わらず、すんなりとその中に入って行っている自分に驚いたくらいだ。この物語自体が、作者の生み出した「蟲」なんではなかろうか、と思う程である。

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紙の本海のある奈良に死す

2002/03/01 21:49

珍しく「ミステリー・ツアー」?

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 「海のある奈良」に行ってくる—そう言い残して取材旅行に出掛けた有栖の同業者、推理作家の赤星学は、翌日、福井県・小浜で、変死体となって発見された。赤星と最後の言葉を交わしたのは、有栖自身だった—
 「海のある奈良」とは何処なのか。「人魚伝説」を追っていた赤星はいったい何処へ向かっていたのか。書かれなかった“推理小説”を追う形で、有栖と火村は捜査を進める。
 「海のある奈良」を求めて右往左往する有栖たち。後書きで作者自身も言っているように「登場人物が孤島や山奥の村に閉じ込められることが多い私(有栖川有栖)の小説にしては舞台がよく移動する」。火村曰くの「ミステリーツアー」のようで読んでいて楽しい。珍しく(?)有栖が結構使いものになってたりするんだよね。
 「八百比丘尼」のような美人プロデューサー、「シレーヌ」「サイレーン」、「人魚の牙」…人魚伝説にまつわる妖しげなワードがちりばめられて、うっかりすると真実を読み落としてしまうかも…?
 「海のある奈良」の場所の解明は好きなんだけど、毒殺のトリックは…うーん。
 有栖と火村の会話を含めて、会話文がとても多いので、読み易いのではないでしょうか。大阪弁の会話は、読んでて思わず楽しくなってしまいます。

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