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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

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    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

行方知れズさんのレビュー一覧

投稿者:行方知れズ

5 件中 1 件~ 5 件を表示

百間とおともだちたち

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

百間の、「人」に関するエッセイ集。教え子や同僚、友人、息子などについて書かれたもの。
これがなんだかいつもの百間のエッセイとすこし様子が違う。どこかウエットで、いつものあの、こちらがボウセンとしてしまうような豪快な言い放ちや偏屈さがなりを潜めているように思われる。
それはおそらく、ほとんどが回想というかたちをとっており、登場する人とのうしなわれた関係を振り返るという質の文章だからなのだろう。
それでもやはり関わった人たちとの思い出のなかには、百間ならではのはちゃめちゃなエピソードが盛りだくさんで(深夜、教え子との飲み会の帰りに他の教え子の家にこっそり墓場からひきぬいてきた卒塔婆を投げ込んだり…)その筆致はいつものあの豪快な偏見にみちたものだし、充分たのしめる。親交のあった著名な人々、芥川龍之介や、宮城道雄との関わりなどでも、まったく無謀な思い出がたくさんで(盲目の音楽家宮城道雄との闇なべのエピソードは読んでいるこちらがすこしこまってしまうほど)いつものように大笑いするのだが、大笑いののちに一抹の薄寒さ、寂しさが残るのだ。
その読後に覚える哀切、一抹の寂しさは、百間がはちゃめちゃな接し方をしたひとびとに対して、そのひとたちにしかけたいたずらや罵詈雑言が度を越しているのと同程度に、強い愛情を持っていたことを示しているように思う。月並みな言い方になってしまうけれども、百間の人間にたいする愛の強さを、感じるのだ。
けっして大上段にふりかぶって、うしなわれた関係を惜しんだりすることなどは無いのだけれど、すくない言葉のなかに万感こめられているのが感じられる。芥川の自死について「余り暑かったから死んでしまったのだと考え、またそれでいいのだと思った」という言葉などは、芥川への愛と誠実さを如実にしめしている。

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変てこ・可笑しい・可愛い

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

10編あまりの中・小編小説おさめられているが、オススメなのは、『第七官界彷徨』、『こおろぎ嬢』、『アップルパイの午後』など。
読んだことが無くてもタイトルを見ただけで、なんだか一癖ありそう、ということがわかるだろう。書物と現実の世界をさまよう、妄想癖のある少女や、大真面目に人間と苔の類似を指摘して苔の恋愛を研究する男など、尾崎翠の小説の登場人物たちは、へんてこな人ばかり。そのへんてこさは、みんな一様に内省的すぎて自分の世界をつよくもっているゆえのもののようだ。まわりの世界に対して、神経症的なまでに繊細で、でもどこかこっけいな人物たちが、ひどく魅力的である。
そんな人々が互いの世界を持ち寄りながら、ぽつりぽつりと対話する光景は、どこかかわいらしくさえある。
解説に、澁澤龍彦の前の奥様で、先ごろ自死された矢川澄子さんが書かれていることも、尾崎翠の世界をしるためのひとつの手がかりになるかもしれない。


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紙の本クチュクチュバーン

2002/04/05 18:08

グロテスクさなんて、ここではとるに足らぬことだ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 究極に、意味の喪失した世界で生きていかねばならない人間たち。彼らは地球上の度重なる汚染のためにもはや人間の姿をしていない。ホラーやSFを連想させるが、ここにはつくられた虚構物語のつるつるした手触りはない。妙な現実感、われわれの現実の世界に地続きなのではないかと考えさせるくらいの切実さを持たせているのは、作者の筆力だろう。現代世界のグロテスクな戯画とくくってしまうにはあまりにラジカルすぎる。頻出するフレーズ「俺たちの仕事は見ることだ」のように、もはや世界に拮抗してゆく力をもつことは許されず、でもなおこの世界に生きることを余儀なくされているわれわれに残されたのは、見ること、しかない。哲学が難解な言葉を尽くしても語りえぬことを、文学はまだ記述する可能性を持っているのだと実感させた一作である。

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紙の本高瀬川

2003/04/22 01:40

はっきり言おう、駄作です。

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平野氏の作家としての位置づけってそもそも、文学的に才能があって面白い作品を書くとかなんかじゃなく、すごく努力して気迫のただよう長編とかがんばって書いてるけど、けっして面白くも新しくもないけど読める、っていうとこだと思う。マスコミは、ピアス&茶髪の年少の芥川賞作家、古典の教養が豊かだとかをはやしたてるけど、それらに惑わされちゃダメ。
今回の「高瀬川」では露骨にぼろが出ている。前作「葬送」は二部仕立て、相変わらずのロマネスク志向でなんとなく華やかな登場&退場だったが、今回は舞台が現代、主人公も日本の若者ときているのでそのいただけなさは隠しとおせない。しかしこの作品への惹句がすごくてまた皆だまされてしまうんだろうな…「現代の愛と性を描ききる」とかそんなの。愛でも性でもないのは、冒頭を読んでもらえばわかります。文学かぶれの高校生が書き付けたノートのはぎれを読んでるみたい。主人公の男がラブホテルでことに及ぼうとしているのが冒頭なんだけど、このあまりのぎこちない描写は実験的なものなのか確かめるために最後まで読んだんだけれど、マジだった。
たぶん彼は現代を描こうと意気込んでかえって、自分が累々たる文学者たちの死体の上にたっているという責任や文学の言語の実験精神をまったく欠いた、きわめて保守的な、悪しき文学愛好者にすぎないっていうことを露呈させてしまったんだと思う。
辛辣? そりゃあ、辛辣にもなりますよ。こんなに完成度の低い作品が大手から出てそれなりに売れてゆくかたわらで、こんなのと比べ物にならない、文学的な野心にあふれた秀作が無視され続けているのを、書評子は目の当たりにしているのだから。

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紙の本何様のつもり

2002/06/17 00:25

命かけてたのです。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

訃報を聞いても、ぴんとこなかった。それはナンシー関という人があくまで私たちにその実体を感じさせなかったからではないかと思う。もちろん私たちは彼女のプロフィールや実際の姿を知っていたけれど、それらと作品を結び合わせたところで、なんら実像をむすばない気がしていた。つまり、謎めいた存在だった、少なくとも私にとってはそうだった。そんな彼女の39歳という年齢での死。混乱するばかりだ。
CMやテレビといった生活に結びつきすぎているものを評するのは、一般人が茶飲み話程度にするときか、あるいは社会学者や広告の研究者が社会の世相とあわせてアカデミックにおこなうときの、両極だと思う。ナンシー関のやり方は、このどちらでもないのだ。CMやテレビへの向かい方がまず違う。とるに足らぬものへの真剣さ、というのともちがう、もちろん真剣以外のなにものでもないことは自明だが、そんな健全な、紋切りな表現からは大きくはみ出してしまう気がする。執心、狂気、に近い気がする。読んでいてときどき、このひとこわいなあ、と思う。対象への好き嫌いや情熱や愛、そんなものは微塵も感じないのだ。感じるのは、自分のすぐ目の前にあって、もやもやとして捉えがたい世界を、深く沈静しつつただひたすら執念深く記述しようとしている人間の姿だ。大きななにものかにとらえられることなく、ナンシー関という一人の人間の稀有にまっすぐで鋭敏な感覚・直感を冷静にもちながら、猛スピードで消費されていくCMやテレビの世界に全速力で伴走していた人、だったと思う。

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