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  3. 挫折ハードロッカーさんのレビュー一覧

挫折ハードロッカーさんのレビュー一覧

投稿者:挫折ハードロッカー

16 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本血脈の火

2002/04/27 13:48

伸仁の成長がなんとも眩しい

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「流転の海」第三部。宮本輝の筆は相変わらず、冴えている。物語りがどこまで広がっても、それぞれの登場人物の言葉、表情、動きが鮮やかに行間から立ち上ってくるのだ。とくに素晴らしいのが、松坂熊吾が五十にして初めて得た息子、伸仁の成長を描写する筆者の躍動感あふれる文章。繊細でいて逞しい伸仁は、今後の物語りのひとつの核となっていくことを予感させる。
ああ、はやく続きが読みたい!

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紙の本真面目ちゃうちゃう可朝の話

2002/04/26 19:05

あんたはほんまの芸人や!

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関西生まれの関西育ちでありながら、この人の落語を見たことがなかった。記憶に鮮やかなのは、ギター片手に「嘆きのボイン」を歌う姿ばかり。
そんな可朝さんが、実は、あの人間国宝、桂米朝の一番弟子だったなんて! ということは、かの天才落語家、桂枝雀の兄弟子なのだ!!
新鮮な驚きとともに本書の頁をめくってゆけば、なんのなんの、まだまだ出てくる驚愕の半生。女に選挙にヤクザに借金。常人ならすっかり落ち込んでしまうような境遇にあっても、可朝さんはタダでは起きない。独自の発想と奇抜なアイディアで、どっこい混迷の現代日本を生き抜いているのだ! 痛快至極の生き様たどれば、不況不景気閉塞感も、呵々と笑って蹴飛ばせますぜ!!
すごい。すごすぎる。
月亭可朝、あんたはほんんまの芸人や。
「真面目ちゃうちゃう可朝の話」、けっこう真面目におすすめします。

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圧倒的筆力に戦慄

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1968年〜70年に発表された全十六編、どれも期待に違わぬ傑作ぞろい。とりわけタイトル作「骨餓身峠死人葛」と「浮世一代女」の圧倒的筆力には戦慄さえ覚える。途切れることのない、なめらかで、鋭利で、毒々しく、妖艶な言葉の奔流に身をゆだねてみると、野坂を、「昭和」「戦後」というキーワードで縛ることの愚かしさがよく見えてくる。だって、今読んでも面白いんだもん。

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紙の本キマイラ魔王変

2002/06/03 04:41

ますます快調の伝奇小説

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 シリーズも第四弾に至り、作者の筆は増々冴えている。次から次へと謎めいた人物が登場し、物語がどんどんと膨らんでゆく過程はスリリングで、次巻への期待をかき立てる最後の一行までその緊張感、躍動感が途切れることがない。今作にも青少年の夜を悩ましくする色っぽいシーンがいくつかあるが、それらが決してイヤラシくならないようにデフォルメされて描かれている点にも好感が持てる。年上の美人に、

 「不良のわたしが教えてあげる—」(p63)

なんて言われるのは、男子にとって永遠不滅のメルヘンですもんね。


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紙の本ザリガニマン

2002/05/31 02:59

北野作品中もっとも攻撃的

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 いつもの北野ワールドにはない攻撃性を感じた。モチーフは「どーなつ」と同じ現実崩壊(というか虚構の虚構による侵食)なのだが、決着のつけ方が正反対。ラストシーンでザリガニマンとなったトーノヒトシは、赤い鋏を空に突き刺すように振り上げ、人類への宣戦を布告するのだ。

 ザリガニマンにわかっているのは、自分がザリガニマンだということ、そして、彼ら(仲間)を殺したのは間違いなく人類なのだということ。
 馬鹿馬鹿しくてデタラメで陳腐なこの世界を作った人類だということだ。(p180)

 そこには曖昧な記憶に頼った「なつかしさ」や「せつなさ」をぶっ飛ばす破壊力がある。確かに「かめくん」の姉妹篇として読んだ場合、賛否両論あるだろうが、ザリガニマンがこれから描くであろう暗黒のシナリオには、何者にも抗しがたい魅力があふれているのだ。

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紙の本笑う万月

2002/05/08 13:39

ぼくは激しく嫉妬した。

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 エッセイに、これほど心動かされたことは、かつてない。執筆された時期も、発表された媒体もバラバラの、それこそ雑分の寄せ集めなのに、読む者の、心の核に迫ってくるものがある。昔は日本各地を転々としながら、今は己の分身のような物語を原稿用紙に刻みながら、どこまでも萬月らしい生を生きる萬月に、ぼくは激しく嫉妬した。

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紙の本笑う哲学

2002/05/08 12:31

やっぱり伸坊さんは鋭いのだ

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 鋭い。表現者というのは、これほどまでに真摯な姿勢と視点を持って、日々出会う様々な事象に対峙しているのかと随所随所で唸らされた。なかでも秀逸なのが「差別論」と「文章論」。とくに後者の、

 ボンヤリとした自分の考えを、字に直すときに、ことばの魔力や限界にひかれてどんどんハグれていく、それを何回もひっくりかえしていくのが、作文をすることなんじゃないか?と思っているのだ。(p139)

という一文には感銘を受けた。平易な文章で、文章を書くということの本質を突いてしまうのが伸坊さんのすごいところだ。

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紙の本LAコンフィデンシャル 下

2002/05/07 12:17

情念の筆致

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 黒幕が誰なのか分かっているのに、犯罪と人とが容易には結びつかない、極めて複雑な構成をした小説だった。これがもし純粋なミステリーだったなら途中で挫折してしまったかもしれない。しかし、この物語りの主眼は、あくまでも人間の、もっと限定すればWASPの悪業を描くことにあり、情念に突き動かされたかのごときエルロイの筆致が、見事にその仕事を完遂している。
 うーん、凄い。

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紙の本海峡

2002/04/24 00:53

失くしてきたものに気づく

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瀬戸内の港町で少年が遭遇する様々なドラマを、流麗な文章と、優しい視点で丹念に綴った傑作小説。

人との出会い、別れ、そして死。物語りの中で描かれるそのどれもが、ハッと息をのむほど鮮やかに心に像を結ぶのは、著者自身が濃密な人間関係の中で成長してきたからなのだろう。

私(二十代)は多分、そういうものを失いながら大人になってしまった。
だから、よけいにこの小説がしみじみと胸に滲みるのです。

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紙の本午後の行商人

2002/04/20 23:56

パスポートの持つ意味

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 ことのなりゆきで、謎の行商人タランチュラとメキシコを旅をすることになった日本人青年「ぼく」の成長を描く冒険小説。いかにも「船戸的」な作品にはちがいないが、クライマックスで、「ぼく」が日本人であることの証であるパスポートに、決意をこめて火を放つシーンは、すべての自由を希求する心に、深く深く共鳴するはずだ。「どんな国家も権力も、個人の透徹した覚悟の前では何ら意味をなさないのさ」。そんな船戸の声が聞こえたような気がして、なんともうれしかった。うん、素直にかっこいいぞ!

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警察権力との対峙

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警察権力の本質を白日のもとに曝け出し、その網をいかにくぐり抜けてゆくかを具体的に教示する良書。ちくま文庫から出ている「タクシードライバー日誌」と重複するネタが多いのが惜しまれるが、それにしてもこの迫力には参ってしまう。

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紙の本白夜行

2002/04/27 14:39

どうして亮二と雪穂は

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うむ、確かにこれは力作である。緻密な構成と陰影の濃い人物造形が作品を奥行きのあるものにしているし、リーダビリティに秀でた文章は、東野圭吾が宮部みゆきに匹敵する実力の持ち主であることを証明している。そのことは素直に認めたい。が、しかし、認めた上で、苦言を呈する。
どうしてもぼくには、亮二と雪穂の権力志向が解せないのだ。彼らの深い悲しみはよく理解出来る。でも、それは、金で癒せるようなものではない、と思うのだ。
ぼくが、子供っぽすぎるのだろうか。

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紙の本激動 血ぬられた半生

2002/04/27 13:29

血なまぐさいがユーモラス

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戦後の混乱期を腕と度胸で生き抜いたアウトロー安藤昇。本書で語られるその半生からは血と硝煙の臭いがたちのぼってくるようだが、どこかユーモラスで楽天的な雰囲気もあって面白い。これが本物の男の魅力というものなのだろうか。それとも「あの時代」が持ち得た大らかさが、安藤のような男の生きざまを伸びやかにしたのだろうか。

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紙の本蝦夷地別件 下

2002/04/24 05:03

密度は濃い。が、しかし…

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ううむ、これはどうか。
船戸が丁寧に丁寧に筆を運んだ密度の濃い作品であることは確かだ。だが、しかし、そのせいで破壊力が大きく削がれてしまっているのではないか。登場する人物の誰もが「歴史」という入れ物のなかで、賢く、当たり前にしか動いていなくて、それが、息苦しく感じられることもあった。この描き方では、せっかく魅力的な人物造形のアイヌの少年ハルナフリも活きていないように思う。

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紙の本銃撃の宴

2002/06/06 18:52

船戸のすごさを再認識

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やっぱり船戸はすごい。そう改めて認識させられる傑作短篇集だった。ぼくは「砂のクロニクル」「猛き箱舟」といった長篇大作から船戸の小説にハマったクチなのだが、本書を読了してみると、この太く透徹した視線を持つ破格の作家には、短篇というフォーマットこそが、その剛腕を如何なく発揮できる最適のフィールドなのではないか、とさえ思えてくる。
 例えば収録の「灰色の猟犬」におけるストーリーテリングの巧さを見られたい。冒険小説では使い古された「巻き込まれ型」の筋立てを、わずか五十頁という枠の中でここまでダイナミックに展開させる手腕には嫉妬さえ覚える。黒人バス運転手の欲望の噴出と、荒涼とした岩場に砂塵を運ぶ風の音だけが残る幕切れとのコントラストが鮮やかだ。「居留区の秋」のラストの迫力もすごい。家族同然の叔父二人を自分と同じネイティブ・アメリカンに殺され、そのショックで心臓発作を起こした祖母をも失った少女キャサリンは、ほとばしる情念の黒い炎をこんな言葉に託すのだ。

 「九月はね、インディアンの言葉では草が枯れゆく月と言うのよ。すべてのものが枯れてしまえばいい! 世界のすべてが! そしたら、また新しい芽がふくわ。いままで見たことのないようなまったく新しい芽が!」(p109)

 この少女の慟哭に、ぼくの魂は激しく揺さぶられずにはいられない。そこに、あらゆる政治、権力から自由であろうとする船戸アナーキズムとでも呼ぶべき思想が、炯とした光りを放ち、息づいているのを感じるからである。
 収録作はすべて暗いトーンを帯びている。救いのない話も多い。それでも読後に不思議な開放感を味わうことができるのは、行間に、船戸の「自由を希求する心」が横溢しているからだろう。同好の士には強くおすすめしたい一冊だ。

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