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先月(2017年2月)

服部綾乃さんのレビュー一覧

投稿者:服部綾乃

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本黒い羊他

2006/07/24 14:26

訳者からのメッセージ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書「黒い羊 他」は、ラテンアメリカが生んだ稀代の短編作家アウグスト・モンテロッソによる寓話集である。
 モンテロッソは、グアテマラ人の父とホンジュラス人の母のもと、グアテマラ人としてホンジュラスに生まれる。両親はともに軍や政界の大物につながるような家系の出であったが、物書きに憧れを抱く父親は定職を持たず、雑誌や新聞の発行、劇場経営などに手を出す。そんな暮らしのなかでモンテロッソは小学校をやめてしまう。理由は学校が嫌いだったから。しかしその後も独学で膨大な量の本を読み続け、それが彼を文学の道へと進ませるきっかけとなった。モンテロッソはまた、外交官としても一時期活躍するが、自国の政変をきっかけにメキシコに亡命。作品も、そのほとんどが亡命先で書かれたものである。
 この作家を評する言葉にはさまざまなものがある。人並みはずれた文学的素養を持ち、もっとも短い言葉で的確に表現するすべを知る作家、そしてブラックユーモアの達人。
この寓話集には、そうしたモンテロッソらしさがいかんなく発揮されている。寓話といえばイソップ物語を想像する者には新鮮な驚きをもたらすはずである。物語の舞台はジャングル、主人公はそこにうごめく動物たち。作家はその独特の皮肉な語り口で、動物たちの行動をとおして人間が心の中に抱えている業や性を描き出す。しかし、どんな辛らつな話であってもそこに暗さはまったく感じられない。むしろ読者は、俎上に上げられている人間たちを愛おしいとさえ思うであろう。それは、作家が自身の哀しさをも重ねて書いているからである。これはまさに、人間を知るモンテロッソの傑作である。

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