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先月(2017年8月)

雷鳥さんのレビュー一覧

投稿者:雷鳥

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本日本の高学費をどうするか

2005/12/28 09:38

書評は本を正確に読んだ上でやろうね。

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 『日本の高学費をどうするか』についての塩津計氏の書評には相当疑問があるので、敢えて氏の書評を批判しつつこの問題を考えてみたい。【 】は塩津計氏からの引用である。

 【私は80年代はじめに名門国立大学を卒業したが、そのとき学費が年間1万2千円から一万八千円に値上げされるということで】
 国立大学の学費が年間1万2千円だったのは、1971年入学生が最後。学費値上げ阻止闘争が起こったのもその頃。80年代初めなら国立大の学費は年間18万円。「名門国立大学」をご卒業なさっていながら、その程度のこともご存じないのか? 最低限、事実はきちんとふまえる程度の知的能力をお持ち
でないと、「税金の無駄遣い」と言われてしまうだろうね。
 【では、この凄まじいばかりの国立大学の学費値上げは一体どこへ消えてしまったのか。答えは二つ。一つは各都道府県に一国立大学、一国立医科大学を設置するということでぶったてられた膨大な駅弁国立大学の無駄経費。】
 間違いだらけの文章だ。各都道府県に国立大学が設置されたのは、戦後まもなくの学制改革によって旧制高校や高等専門学校が大学に昇格した時点でのこと。大宅壮一が「駅弁大学」という有名な言葉を発明したのもその頃。70年代になって国立大の学費がバカスカ上がり始めるより20年も前である。無医大県を解消する政策は70年頃から始まったが、何でも医大さえあればということだったので、あらかじめ私立医大や県立医大のあった県には国立医大は作られなかった。岩手県や和歌山県がその例。
 【これだけアホナ駅弁大学を乱立させて教授を抱え込めば、そりゃカネは足りなくなるわな。】
 高等教育への日本の公的資金支出率が先進国中最低であるという、著者も越知氏も指摘している事実に塩津計氏は全然触れていない。カネが足りないのではない。政府が最初から出そうとしないだけのこと。
 思うに、塩津計氏は戦前的な、大学に行けるのは一部の裕福なエリートのみであった時代の感覚でしかものを言っていない。脳みそが塩漬けになっているのかな。高等教育進学率の増加は日本だけではなく、先進国に共通して見られる現象なのだよ。たしかに知的に低い層までヒマつぶしに大学に行くという悪い側面もあるが、産業が知的に高度化している中、高い能力を身につけた人間を多数養成しないと国家全体として落後してしまうからだ。「駅弁大学」だって理工系では修士課程まで進むのが今どきの常識。そして卒業生たちは、超エリートではないにしろ、社会の中堅を担う人材として立派に活躍している。
 「誰もが大学に」という口当たりのいいスローガンは批判されて当然だが、東大進学者が都会の私立一貫校出身者で占められつつあるという現象が物語るように、「金持ちじゃないと一流大学は無理」という傾向が実際に生まれつつある。それをおかしいと思うかどうかは、保守か左翼かではなく、思考力があるかどうかの問題ではないかな。

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