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南川泰三さんのレビュー一覧

投稿者:南川泰三

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グッバイ艶〜Tさんへの手紙

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 お手紙ありがとうございます。非常に好意的な感想を戴き感謝しております。
この「グッバイ艶」は出版されて以来、覚悟をしていたとはいえ、おしなべて好意的だった前作「玉撞き屋の千代さん」とは全く違った反応が返っております。
作品的には元「文芸」編集長の高木氏より絶賛され、「直木賞も可能・・」などというありがたいお言葉をはじめ、映画監督の大林宣彦氏から「創作者として大いに共鳴…映画的に読んでみたい」日刊現代の書評欄には「衝撃的な現代の奇跡の純愛物語」週刊新潮の書評欄には「極めつきの私小説」など作者冥利につきる書評を始め、読者からも熱いラブコールを戴いておりますが、一方で同じ編集者や作家から手厳しいご批判もあります。まさに賛否両論、好き嫌いがはっきりした作品のようです。従って、食わず嫌いな読者は敬遠するかも知れませんね。
「グッバイ艶」への批判のひとつは「これほどまで亡妻のプライバシーを暴いていいのか」という御指摘です。小説を通じて晒される読者自身の「触れられたくないもの」への畏怖があるのかも知れません。
僕自身、執筆中よりこれを世に出すことへの逡巡がありました。
しかし、物書きのはしくれである以上、艶との25年を心に眠らせたまま、墓場に持って行くのは忍び難く、一方で死者とはいえ亡妻のプライバシーをこういう形で暴いていいものかと葛藤しました。
その葛藤を踏み越えさせたものは彼女が下着の奥に忍ばせた日記の切れ端でした。
書かずにおられない何かが私を突き動かせたのです。
「今は亡き艶のプライバシーに踏み込む分だけ、自分のプライバシーも可能な限りさらけ出す」これが作者である僕のせめてものエクスキューズでした。
もしも、読者がこの本を読んで艶という女に悪感情を抱いたとしたら、これはまさしく失敗作です。
本の帯には「酒を飲ませれば誰とでも寝る女と童貞男の〜」云々とありますが、正確には「酒を飲ませれば誰とでも寝る女というひと言に始まった男と女の空中バトルと言った方が的確です。ほとんど毎日、ウイスキーのボトルを空にした艶ですが誇り高い女です。
幸いにして今のところ、批判する方でさえ艶という女に対する好意的な見方が大半であることに安堵しております。Tさんも「かわいいお方〜プライドが高く素晴らしい」と認めて戴けたことが大変、嬉しく思いました。
この作品は「文芸物は売れない、ましてや無名の作家の死んだ女房の話なんて」と大手出版社から断られ、ようやく小さな出版社の御好意で陽の目を見ました。
従って、初版部数も少なく、せめて出版に踏み切って戴いた弱小出版社のためにも初版部数ぐらいは売れて欲しいと願う昨今です。

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