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  3. 青月堂さんのレビュー一覧

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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

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    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

青月堂さんのレビュー一覧

投稿者:青月堂

36 件中 1 件~ 15 件を表示

阿修羅ガール

2003/02/17 18:10

恋する乙女は必読!でも責任は持てない

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 三つ子のバラバラ死体が一箇所に……、このイメージだけで、僕は痺れてしまった。でも、きっと、たぶん、これは恋愛小説なのだろう。
 主人公・桂アイコは女子高生。アイコの一人称で語られる世界は、いつもの如くドライヴ感に溢れてる。リンチ、誘拐、アルマゲドン、物語は爆走し、ついには現世を越えてあの世の際まで。恐〜い森が出てきたときには、理由も無く村上春樹を思い出していた。言うなれば、裏・村上春樹だね。
 何と言っても凄いのがグルグル魔人の章。このぶっ飛びかたはハンパじゃない。この章を読んでから、ついルパン3世のテーマソングを口ずさむようになった。PTSD(心的外傷後ストレス障害)の一種だと思う。
 さすがミステリー作家だけあって、物語は一応の体裁を整えて(ほんとか?)落ち着くべきところに落ち着く。恋する乙女は必読! でも責任は持てない。

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紙の本13

2002/07/07 12:51

物語に溺れる快感

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 久しぶりに本物の物語に出会った。原稿用紙1111枚という長編であるが、読み終わるのが惜しくて堪らなかった。
 別にサスペンスがあるわけではない、しかし、ページを繰る手が止められない。このストーリーテーリングの手法は、ガルシア・マルケスの「百年の孤独」に似ている。知的好奇心というか、イマジネーションに引っ張られるのであろう。
 主人公の橋本響一は、左目だけが色盲という特異な体質を持って生まれた。それが、彼に色彩に関する天与の才能を与えることになる。色に対して強い興味を持つ響一は、中学2年の時、アフリカの未開部族・ジョ族の少年と運命的な出会いをし、中学を卒業するとジョ族の村にホームステイする。森の色を、原始の色を見るために。
 物語は、響一が全ての色彩=神を見る話を縦糸に、黒いマリアの話を横糸に進められ、そして、その糸は一瞬交錯し、第1部が終了する。第二部は、アメリカで現代のカリスマ達が神話的な映画を創るストーリイ。そして、そこに響一が絡んで……。
 最後まで濃密な物語が展開され、飽きさせない。全くとんでもない小説である。

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脳男

2002/06/05 10:29

やっぱり題名は「脳男」で良いです。納得。

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 題名の異様さに、読むのをためらっていた。キワ物かと思っていたのだ。この題名から何が想像出きるか? 培養液の中で生き続ける脳が推理する話(昔のSFで有ったか?)、それともグレイのような頭が異様にでかい男の話?
 完全に裏切られた。もちろん良い意味でだが。
 この本は、人間の自我に関する深い洞察に満ちている。何より驚くべきことは、その深い人間観察が、物語として違和感無く構成されていることだろう。
 連続爆弾魔の話と、脳男の秘密を巡る話と、二つの柱で物語は進んでいく。その二つがシンクロし、爆弾魔と脳男が対決する病院のシーンは、息もつかせぬ展開で見事である。そして、ラストは言い様も無く切ない。
 やっぱり題名は「脳男」で良いです。納得。

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ガダラの豚

2002/05/29 21:07

こんなおもろい話、読んだことあらへん。

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この小説の連載が開始されたのは、1991年のことである。地下鉄サリン事件の4年も前のことである。しかし、本書に出てくる新興宗教は、オウムそっくりだ。
空中浮揚まで登場し、びっくりさせられる。それ以外にも、超能力青年や手品師等、実在の人物を思い浮かべてしまう場面も多い。
物語は密教僧の修行の場面から始まる。リアルな場面と不思議な出来事が交錯しながら、息をつく暇もなく一気に読ませる。
もちろん、らもさんのことだから、怪しげな関西弁が随所に現れ、ギャグもたくさん入っているんだけど、それらは次の展開のために使われ、無駄なシーンは1個所もない。お見事!
これぞエンターテイメント! 最高に面白い。

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紙の本餓狼伝 12

2002/05/29 18:03

この面白さ、並ぶものなし!

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面白い! そうとしか言いようがない本もあるものだ。この面白さは、ドラゴンボールやセイント星矢に通じるものがある。
いや、そうじゃないな。構図的には似ているが、餓狼伝ではもちろん主人公の内面がよく描けている。リアルさもある。そのリアル=現実が漫画的になってきているのだ。
マイク・タイソンVsピーター・アーツ的な面白さ! でも本当に実現するかもしれないこの現実。
獏さんとしては、思いっきり疾走しているのだが、現実がすぐ後ろまで追いかけてきている。そんな切迫感すら感じさせる。でも、獏さんは負けていない。ついに、あの力王山(!)まで登場である。
しかも、松尾象山Vs力王山が実現しそうなのだ。とんでもない話になってきた。ところで、主人公の丹波文七は大丈夫なのでしょうか? 影が少し薄いような……。

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紙の本神々の山嶺 上

2002/05/29 17:47

人の業あるいは鬼の物語

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私の大好きな夢枕獏さんの、その中でも一押しの作品。
一応、山岳小説だが、この際ジャンルは関係ない。究極の人間ドラマである。
エベレストに初登頂したのは誰か?
1953年にヒラリーとテンジンが登頂したのが最初である。しかし、それよりも29年も前に、マロリーが登頂していた可能性があるのだ。
その時、マロリーは最終キャンプから頂上を目指し、そしてそのまま行方不明になっている。
しかし、マロリーはカメラを持っていた。もし、そのカメラが発見されれば、歴史は変わるかもしれない…そのような魅力的な謎から本編は始まる。
しかし、この際それも関係ない。
羽生丈二という人間の、ただ、頂上を目指す、という生き方へのオマージュ。それを1700枚の原稿用紙に叩き付けた、そのような物語である。

獏さんはよく鬼を登場させる。闇狩り師シリーズの第一話が確かそうであったと思うのだが、人がどのようにして鬼になるのか、人の執念が「鬼」を生む過程を書いていた。
本書も「鬼」の物語である。しかし、本書ではあくまでも人間を描いて、そして、おどろの物語以上に鬼が見えてくる。

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紙の本パレード

2002/05/26 19:20

華やかなパレード、演じるのは悩める若者達。

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 マンションのベランダで、旧甲州街道を見下ろしながら、良介君が感想を漏らすシーンから話は始まる。これだけ多くの車が、事故一つ起こすことなく走っている。赤信号になれば、走ってきた車は停止線で止まり、後ろの車も、そのまた後ろの車も、微妙な車間距離を取りながら止まる。
 この微妙な車間距離が、事故を起こさない秘訣なのだろう。そして、それは人間の関係にも当て嵌まる。人と人との関係、それは車間距離よりも更に微妙で、時には偽りを演じ、時には正義に目を瞑りながら、維持されるものなのだろうか。
 お気楽な学生である良介君にも、悩みがある。もっと気楽そうに見える絶世の美女・琴ちゃんにも悩みがある。イラストレーターの未来さんにも、多くは語られないがきっと悩みがある。最年少のサトル君は、一見既に悟っているように見えるが、きっとこれから悩むに違いない。そして、最年長の、既にモラトリアムを脱したかに見える直輝さんには……。
 時間の経過とともに、視点が変わっていく。5人の視点が一巡して小説は終わるが、物語は終わらない。それどころか、悩み(あるいは問題)は何一つ解決することなく、逆に無視出来ないところまで発展している。
 
 青春小説のような出足に騙されて、最後のミステリーには動揺してしまった。パレードはこれから先も続けられるのだろうか?

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紙の本二重螺旋の悪魔 上

2002/05/22 23:12

超人願望な私が見える

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 上下合わせて1600枚(原稿用紙)の超大作である。

 全体は三部構成になっている「封印」「超人」そして「黙示録」。読み始めて、最初は一度あきらめた。一人称の文体が、平井和正の「狼男だよ」のパロディーみたいで、イヤだったのだ。

 しかし、クトゥルー神話がモチーフになっていること、「黙示録」なんてどう書いているのか興味があったことから、通勤途中に読み出した。

 面白い! 抜群のストーリーテラーだ。第一部の「封印」を読み終えた時点で、充分小説一本分の手ごたえがあった。それでも三分の一でしかない。この先どうなるのか、展開が読めなかったが、「超人」というタイトルに惹かれ続きを読んだ。面白い。そうきたか!

 第二部を読み終わったところで、充分小説二本分の手ごたえがあった。それでも、まだ半分。
 しかも、下巻の方が分厚くさえ思える。どんな展開になるのか、先が読めなかったが、「黙示録」というタイトルに惹かれ……、ようするに引っ張り方がうまいのだ。

 モチーフ自体はそれ程突飛なものではない。DNAに封印された太古の悪魔。一種の時限爆弾だ。キーを解除できるだけの科学力を身につけたとき、それは解き放たれる。食べごろに育った家畜を狩るように。ところが、DNAには逆の力も封じ込められている。悪魔に対抗する超人の力だ。そして、悪魔も超人もその役割は……。

 ちょっと長いけど、絶対面白い。おすすめです。

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13階段

2002/05/21 00:24

登りつめた先に見えてきたモノは……。

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 第47回江戸川乱歩賞受賞作である。著者の言葉に「今後も気取ることなく、誠心誠意、低俗ではない娯楽作品を作り続けていこうと思っております」とあるが、この本は、まさに「低俗ではない娯楽作品」と言える。
 殺人を犯してしまい仮釈放中の三上純一、死刑を執行したことがある刑務官の南郷。この二人が、死刑執行を目前に控えた死刑囚の冤罪を晴らすために、困難な戦いを挑む。残された期間は3ヶ月。
 サスペンス溢れる展開に酔い、次々と明かされる意外な謎に震える。そして、事態は二転三転し……。
 娯楽小説としても一級品であることは間違いないが、それだけではない。死刑囚の絶望が語られ、刑務官の苦悩が描写され、死刑制度の実体が明らかにされる。
 作者は決して安易に死刑を否定しているわけではない。もちろん、肯定しているわけでもない。誰も死刑になんかなりたくないし、死刑をするのも嫌だ。なのに死刑がなくならないのは、罪を犯す人間がいるからだ。そう言っている。
 読み終わって、ほぼ全ての登場人物が、何らかの傷を負っていることに気付いた。少し苦いものが残るが、嫌いではない。

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紙の本MOMENT

2003/06/13 22:12

素直な村上春樹のような……

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 MOMENT:瞬間、現在、契機。死を間近にした人の願いを一つだけ適えてくれるという仕事人伝説がある病院。その必殺仕事人こそが、掃除夫の“僕”だった。
 この本は4つの短編から構成されている。そう、構成されているのだ。其々の短編は、完結しているし、どれも皆面白い。だが、なるべくなら最初から通して読んで欲しい。全編を貫く仕掛けも組み込まれているから。そのように構成されているから。

 例えばACT.1 FACE 戦時中、上官の命令とはいえ、敵前逃亡を計った味方を殺したという老人が依頼人。遺族の現在を調べて欲しい、というのが依頼内容。だが、そこには思いも寄らぬトリックと、背筋がぞくっと震えるラストが用意されている。
 この作者、なかなかの食わせ者である。爽やかで端正な文体と、素直な村上春樹と言った風な人物描写に惑わされてはいけない。死を前にした最後の願い、なんて言うとロマンチックにも思えるかもしれないが、それは人間の妄執に他ならないのだ。それを的確に曝け出す作者の視点は、意外と怖いものがある。

 ACT.2 WISH ACT.3 FIRELY THE FINAL ACT.MOMENT どれも面白い。よく出来ている。減点法で採点すれば満点に近いのではないか。だが、何か物足りない。人の妄執を暴きながら、作者の分身である“僕”は、それ程痛みを感じていないからなのだろうか。“僕”もドロドロとした世界にとっぷりと身を浸したとき、本当の怖さが出てくるような、気がする。

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邪光

2003/06/13 22:10

正義って何ですか?

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 善の光・赤光を放つもの、悪の光・邪光を放つもの、何の光も放たない普通の人間。赤光宝霊会の教祖・外乃原久江は人が持つ光を見分けることが出来る。そして、邪光の持ち主を粛正するために、猟奇的な連続殺人を犯し服役している。その教祖の娘「黎子」が、「真琴」の住むマンションに引っ越してきたときから、真琴のまわりでは奇怪な出来事が連続して発生する。
 一見手垢の付いたカルト教団ものと思うかもしれないが、ストーリーは教団から離れて平凡な主婦と一風変わった小学生の日常を追いかける。
 この小説に悪は出てこない。もしあるとすれば、それは独善と言う名の悪かもしれない。正しいことをすれば良いのか? 正しいことって人によって違うの? そんな問い掛けをしながら読み進めた。
 派手さは無いし目新しさも無いが、引き込まれるように最後まで読んでしまったのは、ひとえに作者のストーリー・テーリングの才能によるものだろう。
 美しく、儚く、物悲しく、そして怖い。良いホラー作品だと思う。

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紙の本トカジャンゴ

2003/02/22 20:45

激安犯罪一掃バーゲンセール

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 初期の筒井康隆を思わせるような、爆笑必至・ドタバタスプラッターの短編集。
 一貫したテーマは「激安犯罪者の一掃」。作者は言う「一言で“悪い奴”といっても、大まかに二種類いる。それは巨悪と激安野郎である」と。巨悪とは腐敗した政治家であり怠慢な官僚。激安野郎とは、貴方の隣にもいる(かもしれない)劣悪小市民のことである。筒井作品が巨悪に対して敢然と(真横から)立ち向かったのに対して、この作品では激安野郎に真正面から取り組んでいる。
 まあ、激安野郎のネタには困らなかったとは思うが、料理の仕方はハンパじゃない。よくまあこんなことを思いつくよな、という奇想がてんこ盛り。例えば最初の「ヒロミ」では、こんな性悪女っているいる、普通ジャン、俺もだまされたよ内緒だけど、なんて思わせといてその後の展開がえげつない。
 逆に最後の「ゴンドラの七人」は、どうしたらこんなことになるんだ? という謎のシチュエーションから始まり、なるほどねと落ち着く。
 なかには「小さな濡れた部屋」のように、おお、官能シーン! と思わせといて、ちょっとこれ恐すぎ、シャレになんないよ的作品もあったりする。いや、ほんと恐かった。
 電車で読むのは少し躊躇う。余程自制心に自身のある方はどうぞ。でも一歩間違うと、激安野郎に間違われて、マグナムを撃ちこまれるかも。

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紙の本ナイトワールド 上

2002/12/07 19:56

光と闇の最終決戦。勝利者は自分。

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 永劫なる魔性・ラサロムと光の剣の使い手・グレーケン。神話の世界から戦い続ける2人の最終決戦を描いた超大作。作者は、この手垢が何重にも付いてベタベタなテーマを、ファンタジーという扱いではなく、モダン・ホラーとして描いてみせた。それは、スティーブン・キングを思わせるような、細部にこだわった描写と、人物設定のうまさによるものだろう。
 ここでは、主要な登場人物達は全て何かしら問題を抱えている。光と闇の戦いは、壮大なハルマゲドンだけでなく、各個人の中でも繰り広げられる。人間全てがその心の中に光と闇を持っていて、勝ったり負けたりを繰り返している。
 光の勇者グレーケンですら例外ではない。彼は昔ラサロムとの戦いに勝利し、ようやく永遠の生命から開放された。人として老いることを選択し、痴呆症にかかった妻と緩慢なる死を享受していた。しかし、そこにラサロムが復活し、グレーケンは老骨に鞭を打つことになる。何と弱々しい勇者なのだろうか。何と人間らしい悩みを持った勇者なのだろうか。しかし、力で倒したラサロムはより以上の力を持って復活した。人としての弱さを乗り越えたときに、はじめて闇を打ち倒すことができるのだろう。
 これは、ラサロム対グレーケンの戦いではない。全ての人が自分の心の闇と戦う物語である。それがラストで見事に表されている。

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紙の本悪魔のカタルシス

2002/11/14 15:46

読み終えて、しまった!

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 最初から読んで欲しい。決して最後のページから読んではいけない。カタルシスが半減、いや、皆無になってしまうから。
 牧本祥平は活字中毒のサラリーマン。彼の物事の本質を見抜く能力は天才的である。彼はふとしたきっかけで、悪魔を見ることが出来るようになる。悪魔は人間の姿をして、ひっそりと人間社会に潜り込んでいる。本質を見抜くことが出来る祥平は、誰が悪魔であるかを見抜くことが出来るというわけだ。
 会社の同僚で、祥平に気のある女性。逆に祥平が好意を寄せる自然農法団体の事務の女の子。祥平が尊敬する政治家。学生時代の友人達。それら祥平を取り巻く人の中にも悪魔は潜んでいる。誰が悪魔なのか? 事態は二転三転し、読者はイライラしつづける。そして、ラストになってはじめて「なるほど」とカタルシスを与えるわけである。ふふふ。
 あなたにはこの本を読まない権利があります。

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エリ・エリ

2002/09/04 02:00

神よ神よ、なぜ我を見捨てたもう

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 神よ神よ、なぜ我を見捨てたもう(エリ、エリ、レマ、サバクタニ)新約聖書・マタイ伝に出てくる一節である。
 近未来(21世紀半ば)、人類は宇宙への進出に望みを託していた。月、火星、そして木星のアステロイド帯に基地を作り、資源の採取や移住の可能性を探る。テクノロジーの進歩は、神の存在に疑問を投げかけ、宗教そのものが廃れていた。しかし、人間は精神的な弱さから、神に変わる超越者を欲し、それを宇宙に求めた。宇宙の知的生命体を探す計画は、神を探す計画でもあった。
 神の存在を感じられなくなった神父。レオナルド・ダビンチの如く万能な科学者。インプラント(エイリアンにより身体に何物かを埋め込まれること)されたと信じる精神科医。彼らを軸に、宇宙開発の推進者、反対者達、ローマ教皇やアメリカ大統領といった面々が織り成す幾つかの物語。そして、宇宙から飛来した謎の巨大宇宙船が現れた時、バラバラだった話が一つにまとまっていく。
 壮大な話を破綻なくまとめあげる力量はとても新人とは思えない。半村良や光瀬龍といった60年代のSF黄金期の作家を思い浮かべた。そして、もう一人思い浮かべるとしたら、小松左京。この作品は第一回小松左京賞受賞作でもある。
 それ程ハードなSFという訳でもないので、SFが苦手、という人でも充分楽しめると思う。ちなみに、作者はヒラタニ・ミキではなく、ヒラヤ・ヨシキと読む。男性である。

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