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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

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    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

油脂人さんのレビュー一覧

投稿者:油脂人

7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本李朝暗行御史霊遊記

2002/06/18 09:20

おいしい構造

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 皇帝の目の届かぬ地方民衆の現状を調べるという表の役と、祟りなす鬼神妖怪封じ込めるという裏の仕事を持つ暗行御史。貪官汚吏を裁くため従二品という高い位にあり皇帝直々に任命されるという格好いい役どころだ。
 キャラクターの良さに加え、水戸黄門システムを持ち、妖怪が暴れ、しかも倒すとゲットできるという楽しめないわけがないという優れものの構成だ。
 それを可能にしている馬牌という強いアイテムが魅力的だ。銅製の印章だが、これを見せれば暗行御史だとわかる水戸黄門でいう印籠、金さんで言う桜吹雪、暴れん坊将軍でいう余の顔の役割を果たすのだ。
 またこの馬牌には陰陽の気が封じ込まれており、そのうちの陽の気は最も純粋な陽の気で妖怪などの陰のものは先ず勝てないのだ。しかも、勝った相手はその中に封じ込めて必要に応じて使うことが出来るというポケモン的なおいしさもある。
  第二章で捕らえた妖怪、第三章の禍神、第四章の不可殺と着実に仲間を増やしている。北朝鮮で映画にもなったし、水木しげる氏の妖怪本でもでてきた不可殺の登場はなかなかよかった。
 全五章で決して少ない分量ではないのだが、どんどん先が、そして続編が読みたい内容だ。

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紙の本新耳袋 現代百物語 第8夜

2003/06/26 10:26

目を瞑っても浮かんでくるイヤなカバー裏写真

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 前作からちょうど一年ぶりになる老舗怪談シリーズの最新刊である。
 また今回も、カバーを外した表紙に凄い写真を使っている。
 前作の腕が一本多い写真に続き、これまたぞっとする写真を使っている。因みに使われている写真は第七話「猿島」と第八話「五枚の連続写真」とに関連するものだ。どんなものかは見てのお楽しみ…である。

 本巻での特色として、章が三つと少なく、一章毎の話が多いという点が先ずあげられる。
 作家のKさんと隣のお婆さんに関する数話や、Cさん一家に起こった「十時十五分」に関する数話、ヒサオくんに関する数話など、章を立てることも出来るが敢えて行っていない。この区切りのないことで最後まで読み切ってしまいそうになる。これは、一気に読み上げると怪が起こるという本シリーズにまつわるジンクスを敢えて体験させようと誘っているのであろうか。
 また、おそらく意識的にしていると思われる、今昔物語集をおもわせる二話一類(隣り合う話がなにがしかの関わりがあり、しりとりのように繋がっている)っぽい形式がいい味を出している。「黄色いレインコート」「赤いレインコート」という話が並んでいるのは典型的だ。離れたところに「青いレインコート」という話もあるが…。
 更に、最終章は各話にこれまで付けられていた「第何話」という番号がなくなっている点も見逃せない。章の始めにこの点について断りがあるものの、なんとなく違和感を覚え、それが怪談を薄気味悪く感じさせる役目を果たしている。また、この話数がないことも一夜完読を誘っているように思える。

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紙の本新耳袋 現代百物語 第7夜

2002/06/24 09:34

カバーを外して表紙も見ると…。

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 今やブランドといっていい怪談集の最新刊だ。
 一冊に九十九話(実質百話)の粒ぞろいの実体験談を載せて回を重ねること七巻目。マンネリを避けようとしているのか、新しい試みも見られる。
 今回は各章の題に、漢字一文字+「にまつわる話」とつけるという試みがなされている。各話の題も妖怪の名前を髣髴とさせるようなこだわりのある凝った名称になっている。
 また、投稿文そのままといった文体を採用している話もあり、これまでの新耳袋調を微妙に崩そうとしているようにも見受けられる。
 目新しくはあるが、第一巻目からの愛読者には違和感を与えるかも知れない。

 しかし、目の肥えた好事家達にも定評のある怪談の数々は、従来の新耳袋の良さを全く失っていない。敢えて安易に怪異の原因を探して因縁譚などにはせず、不思議さを殺さない手法は本シリーズならではである。
 第三十六話「寿司提灯」、第三十九話「見廊婦」といったあり得ないような不思議譚においてもリアルな恐怖を味わわせてくれる。

 毎回、カバーを外した表紙に内容に即した写真が使われている。これは隠しアイテム的な楽しみもあり、ここも楽しみにしている方が割といるそうだ。
 ある巻において、オリジナルでは草の匂いがするという不思議な写真が使われていたこともあったが、今回はこれは不思議だと一発でわかるものである。
 第四話「一本腕」でその話の核心となる不気味な写真なのだ。これは一見に値する。

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うなぎを増やす

2002/05/31 10:39

身近なようでいて不思議だらけのウナギ。

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 身近なようでいて謎の多いウナギ。養殖モノでも捕まえたウナギでも、腹を割くとそこには卵も白子も見あたらない。そこで、ウナギは泥から生まれるとか、山芋が変化すると言われていた。
 これはウナギが遠い海の彼方で産卵し、卵や精子はそこへ向かう途中で大きくなるからだ。
 生命科学がめざましい進歩をとげている現代では流石に芋から鰻になるとは考えられていないが、「ニホンウナギは未だにどこで産卵しているのか皆目分からない。」「飼育しているウナギの成熟卵を人間はまだ目にしたことがない。」…などという、微妙にずれた常識が未だに存在しているようである。
 ニホンウナギの産卵場所は北緯15度、東経141〜143度付近であろうと東大の塚本教授らによって絞り込まれている。
 また、ウナギの成熟卵はおろか仔魚が1976年に北大の山本教授らによって人工的に作出されている。ただ、当時は仔魚は数日しか生かせなかった。現在では養殖研究所の香川博士らにより仔魚を活かし続けることに成功しており、養殖に供する種苗であるシラスウナギに変態させることが出来れば生活環の全てを飼育下で過ごさせることが可能となる。ただし、コストがかなりかかるが…。
 また、ウナギの種類や最近の養殖事情などにも触れられており、本書を読破するとウナギ通になれること請け合いである。

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紙の本師匠!

2002/05/28 10:49

クロウトのクロウトによるトーシロのための噺

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 作者は本職の落語家である。著者紹介には落語も出来る小説家ともある。
 本書は創作落語集ではない。短編小説集だ。
 「すず女の涙」「講師混同」「打ちどころ」「先立つ幸せ」「はんちく同盟」という五作品で構成されている。
 本職の噺家さんだけあって、落語界の内情がリアルに表現されており物語に引き込まれる。
 登場人物名が巧く考えられていて、決して作者やその師匠(立川談志師匠)といったクセのある方々の間だけの話とは思わせない。
 「打ちどころ」を除いて、前座・二つ目といった若い落語家の「ぼく」の一人称で語られており、その視点から師弟愛や若手の苦労などが描かれている。
 真打ちを主人公とした「打ちどころ」だけは神の視点から書かれているが、芸への伸び悩み、ライバルでも仲間でもある同期の噺家への鬱屈した思いなどが描き出されている。
 こう書くとお堅い小説かと誤解されるかも知れないが、随所にちゃんとくすぐりが散りばめられており、笑いを期待した読者も納得のいく内容になっている。
 巫山戯ていたり無軌道なように見える噺家たち。その裏に隠された人情噺のように切ない物語の数々をお試しあれ。

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第二巻が楽しみ。

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 本書は連作形式の短編集で、『湖の秘密』『魔の山へ飛べ』『あなたはだあれ?』の三編が納められている。それぞれ、ネッシー系湖沼生息型巨大生物、ツチノコ、化けギツネが UMA (Unidentified Mysterious Animal)としてでてくる。それぞれにマメ知識と題したコラムと、ベストヒット UMA と題した随筆がついてお得である。
 ちゃんと UMA についての蘊蓄が披露されながらも、作者の持ち味のギャグが散りばめられており、充実した内容となっている。
 お笑いイコール悪ふざけではなく、決して UMA をいい加減に扱ってはいない。作者のUMA 好きという雰囲気が溢れていて、UMA ファンにも納得がいく仕上がりだと考える。

 シリーズものだけあって主人公はなかなか魅力的である。蘇我家馬子(そがのや・うまこ)という「おんびき祭文」という謎の古典芸能の語り手だ。上方芸人である。芸はしっかりしているが、ど厚かましいおばはん。しかし、なぜか UMA や古代伝承に詳しい。
 UMA ハンターというくらいだし、謎の生物を探し求めるのかと思いきやそれは二の次で、地方公演をする傍ら、不老不死伝説を追い求めている。ヒントは出てくるものの、なぜなのかはまだ第一巻であるためだろう、本書では明らかにはされていない。
 また、馬子には行動を共にする弟子がいる。名は、蘇我家イルカ(爆笑)この掛け合いもなかなか楽しい。
 蝦夷はおらんのか?と、歴史上でも影の薄い馬子の息子、入鹿の父に思いを馳せる…。
 ところで、UMA のダジャレで『馬』子なのだろうか。UMA には「ユーマ」とちゃんとルビがふってあるが…。最終回には馬のUMAを追いかけていたりして…。

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紙の本同姓同名小説

2003/07/24 08:53

名称が性質を規定するか

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 実在する有名人で、現在も元気に活躍している方々を登場人物とする短編を収録したものである。
 といっても、「この小説は完全にフィクションであり、実在の方々とは何の関係もありません。同じ名前の別の人、としてお読み下さい」と註が付いている。
 この註に騙されてはいけない。登場する有名人の性格や行動パターンは一般のイメージ通りであり、本人といっても良い場合もあるのだ。
 具体的には、「みのもんたがみのもんたであるために(みのもんた)」「ピンクレディーの復活(ピンクレディー)」「蚕谷村奇譚・なお美の夢(川島なお美)」「間違えたいの!(中村江里子)」「上祐の夏(上祐史浩)」「乱の乱(乱一世)」「力の魂(竹内力)」「田代の一番長い日(田代まさし)」「女優・荻野目(荻野目慶子)」「広末の秘密(広末涼子)」「総理の息子と呼ばないで(小泉孝太郎)」「モニと私(モーニング娘。)」「上161下105の男(松尾スズキ)」の十三話。
 川島なお美のようにむくつけき男性の「精やん」が変身してしまう話や、ピンクレディーを語るアブナイ人が登場する話もあったりするが、何より、本人として読むと面白い。少なくとも本人をイメージして読まないと面白さは半減するだろう。
 特に「上祐の夏(上祐史浩)」「田代の一番長い日(田代まさし)」といった犯罪者ものが、危なくて面白かった。前者は尊師も出てきて、胡散臭さ爆発だ。それも本人としか思えない設定で、ちょっとアブナイ。
 「総理の息子と呼ばないで(小泉孝太郎)」「モニと私(モーニング娘。)」などは、皆が思っているイメージそのままだが、松尾スズキならではの想像力の飛躍が見られて楽しい。

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