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空屋さんのレビュー一覧

投稿者:空屋

10 件中 1 件~ 10 件を表示

紙の本きみはペット 1

2002/06/06 00:10

本当にほしいもの

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 悲しいくらい、すべからく女は強くなってしまった。そうさ、筆者だってその一人さ! 三高(死語)で、なおかつ会社の歯車にしっかりと食いこんでいる、そんな女性の人口を調べてみたまえ。
 女のプライドは山より高くなる。男のランクは落とせない。今の生活だって捨てられない。それでも社会のあつれきを必死にかき分けながらふと思うんだ。本当にほしいのはパーフェクトな生活だったかなあ、ってね。
 新聞記者のスミレちゃんにはパーフェクトな彼氏とペットのモモ(注.人間。男性。背が低い。学歴なし。収入なし。ダンサー)がいる。本当にほしい人は誰だろう。必要な人は誰なんだろう。スミレちゃんの明日はどっちだ?

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彼女のリアルはこんな形。きみのリアルは?

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池袋路上通り魔事件、幼児虐待、酒鬼薔薇聖斗、林真須美事件、オウム、…何が君の心に一番傷をつけた? 一言で言ってしまえば「悲惨な」事件の数々。その一つ一つを君はどう見てきただろう。
この本には、前述の事件たちと日常を、目を閉じずに見つめた一人の人間の思いが詰まっている。これが真実だと決めつけることは私にはできない。ただ、少なくともこの言葉よりは誠実なんじゃないかと思う。「また痛ましい事件が起こってしまいました」。ブラウン管の向こうで毎日繰り返されるこの言葉よりは。
ポジティブな哲学に支えられた言葉はやわらかで強く、温かい。だからこそ、多くの人に届くのかもしれない。ネット上の売れっ子コラムニストのリアルがここにある。

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敵同士の恋愛、はじまり

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 2020年東京——犯罪の多発するSFチックな都市。警官だった両親を亡くした司は、同級生である三代目九竜組組長、竜司のボディーガードになる。多額の借金を返すため、時には力に訴え、時には女装する司が激しく楽しい一冊。
 一巻は、二人の親を殺した敵探しがメイン。中学生とは思えないイイ身体した竜二と、女装時と普段のギャップがあまりにありすぎる「警察犬コロ」司の、ラブラブへの道、はじまりはじまり。

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アー・ユー・エネミー?

2002/09/22 14:57

愛すべき自由人たち

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 便利屋をやってるブンと爆弾魔のハト。この二人を中心として話は進む。俺を殺してくださいと言う大学生、狂言誘拐を頼む風俗の客引き娘——。一筋縄ではいかない二人も、彼らを取り巻くキテレツな人々も、「あ、こーゆう奴いるいる!」といいたくなるような生っぽさがある。それは気取っていうならば、雑多な現代を気負いなく投影している、とかいうことになるんだろうか。まあそれはそれとして。ともすればうまく取り繕われがちな「人としてダメな部分」がちゃんと入ってる。それがかっこいいと思うわけです。
 パワフルだけどスタイリッシュ。愛すべき自由人たちの物語をどうぞ。

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紙の本虹−Rainbow−

2002/06/07 00:27

天から降る雨のあとに

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 土砂降りの雨。伸行の心の中も雨模様だ。5年ぶりに再会した、遊んでもらった記憶もない父親。シドニーの相棒、ヘンリーの親友である警官の射殺事件。真相を探る伸行の中に、入り込んでくる父の姿。
 子から見た世界と、父から見た世界。同じ場所に立っていても、世界の色は違って見えていたりもするのだ。事件を通じて変わる伸行がすがすがしい。
 伸行のひらめきは、シリーズ三作目になって少々神懸り的に感じるようになってきている。だがこのシリーズのキモは謎解きではないと思われるので、筆を置いて小説の中に浸ることにしよう。

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紙の本雪−Snow−

2002/06/06 23:57

雪に幻を見る

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 雪が見せた幻があった。心に染みついた影のような幻が。
 大雪の日、バイト先である「スカイ・トラベル」社に向う途中に伸行が見つけたのは、真っ赤に染まった男の身体。「ユキオンナ」と呟く男の死から、伸行とシドニーは『センダース』のトップデザイナーの謎に迫っていく。
 伸行とシドニーの幼いころの記憶がところどころに現れ、二人にとっての思い出の美しさを意識させられる。彼らには当然でも、思い出を楽しく思えるのは、素敵で特別なことだ。
 同著者による他社のシリーズ「DESPERADO」から、ダニエルがゲスト出演していることもファンには必見。

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紙の本窓−Window−

2002/06/06 21:37

誰かの死を願ったことは?

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 誰かの死を願ったことがあるだろうか。この人さえいなければと思ったことは?
 ニューヨークで生まれた伸行は、9歳から15年間過ごした日本を捨てて、ニューヨークへやってきた。そこで伸行は、友達であるシドニーに会いに行く。彼は、日本国籍を捨てた伸行にとって、唯一の「あて」だった。そしてツアーガイドのバイトを始めた伸行と刑事のシドニーは、道路をさまよう一人の女性に遭遇する。彼女は記憶を失っていた。
 女性の気持ちに共鳴しながら、伸行は事件を解いていく。それによって否応無しに自分の過去に向き合うことになる伸行。彼の心の揺らぎが、この本の全体を覆っている。その根っこにあるものは、冒頭に書いた言葉に対する懺悔であるような気がする。

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ビューティフル・ボーイ

2002/06/05 23:07

憂鬱な明日を笑うために

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灰色の毎日をそれなりのプライドで過ごしていた男は、三十歳の誕生日を境に小さな落とし穴にはまってしまう。どんどん失っていく今までの生活。妻に見捨てられ、失業し、男はシングル・ファザーになってしまう。落ちたのはまるで人生のブラックホール。だがそれは運命の大逆転のチャンスもつれてやってきていた。
後悔のない人生なんてあるだろうか? でも、足りなかった言葉を、足りなかった手のひらを、さしのべるタイミングはもう一度やってくるかもしれない。とりあえず僕たちは、そのことを信じて明日を夢見ていこう。この本は、明日を信じさせてくれる。

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紙の本プリンセス・シールド

2002/09/22 15:25

性格の悪いプリンセスぶりを、もっと

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 ペットショップの「アンニュイ系美人」磁有は口が悪く性格も歪んでいるが(すみません誉めているつもりです)、無口な恋人樅路のことをそれはそれは好いている。真冬のプールに飛びこんで樅路を脅すほどに。晴れて恋人同士になった今日も磁有にはわからない。樅路が磁有のことをどう思っているのか……ああ恋は盲目。
 後半は、続編と称して波留の恋愛話になっているが、どっちかっていうと分けて一冊ずつ、出来上がるまでをじっくり描いてくれるほうが良かった。
 おまけマンガでポメラニアンの姫が言い放った言葉が、なんとなくこの一冊を振りかえると浮かんでくる。彼らは、なんだかんだいって「人生勝ち組」なのだ。

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紙の本陰月の冠者

2002/06/06 02:13

クリスマスも働いてます!

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 凶星出現の危機が迫る中、達彦率いる『本家』神島は天狗からの攻撃を受ける。外との連絡を絶ち、かたくなに一人で敵に対抗しようとする達彦。
 一方、天狗に遭遇した聖たちは、その天狗が、元は人間の子どもで、退屈だから世の中をぶっ壊すという考えで人殺しをしていることに驚愕する。
 しばらく重い話が続いてますが、今回はクリスマスですから、パーティーはあり、聖のプレゼント話ありと、ギャグ要素もお楽しみです。特に聖が、グレーのマフラーとアイボリーのマフラー、どちらを弓ちゃんへのクリスマスプレゼントにするか選ぶシーンは…(笑)そうか、残りものは××のになるのか…ッ
 それにしても達彦の孤独っぷりが痛い回です。あとがきにもありますが、どうしてもみんな達彦とかみ合わないのがなんだか切ないです。

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