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先月(2017年8月)

不動坊さんのレビュー一覧

投稿者:不動坊

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本晴子情歌 下

2002/07/05 18:15

生きとし生けるものすべてにドラマあり

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これは高村薫という作家の中で長い間育まれ続けた、日本という国に対する愛情、哀惜、憐憫、叱咤、激励、諸々の感情を凝縮させる一大作業ではなかったかと思います。 直木賞受賞の際に、「私はミステリーを書いているつもりはない」と答え、一部で物議を醸したことは有名なエピソードです。しかし、合田シリーズをはじめとする高村ミステリーに並べて、この「晴子情歌」を読むとき、高村薫のいうミステリーとは、非常に限定された一ジャンルとしてのミステリーを指していたのだということが改めてよくわかります。小説が、純文学にせよエンタテイメント傾向のものにせよ、人の心の闇に踏み込むという作家の作業がそこにある限り、それらはすべてある種のミステリーと呼んでも差し支えないはずです。その意味では、あえて勝手に高村薫の直木賞受賞時の言葉を読みとけば、私は小説を書いたのだ、と理解することも可能だと思うのです。
関西大震災を機に、自分の中の何かが変わったという高村薫は、あの天災と人災のもと、多くの死から、ドラマとはすべての生きとし生けるものにあることを知り、作家として何を書くべきかを悟ったのではないでしょうか。生きている人の姿を書きたくなったのではないでしょうか。
この上下巻が実はまだ一部でしかないということは、一読者としてじつに幸せな気分にさせられます。

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