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  3. 山瀬暢士さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年2月)

山瀬暢士さんのレビュー一覧

投稿者:山瀬暢士

8 件中 1 件~ 8 件を表示

黄金にうえた男たちに滅ぼされた古代文明

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

増田氏のこれまでの著作に基づき、16世紀のスペイン・ポルトガルの海外進出時代である大航海時代において、黄金に魅入られたスペイン人たちが現在のラテンアメリカやカリブ海領域における侵略、征服、原住民社会の破壊をいかに行ったか一冊の本に簡潔に読みやすくまとめてある。新しい知見を入れてはいるが、一般向けに簡潔な内容を目指していることから多くは盛り込まれておらず、大筋においてこの著者が過去に出した本の内容を踏襲している。通史なのだからこれで特に問題はない。ノンフィクション作家ヒュー・トーマスのアステカ帝国征服に関する著作を取り上げるあたりは(学者たちからも結構評価されているのは確か)英文学科出の著者らしい考えだと感じた。
以前出た本と基本線は変わっていない為、これまでに出版された増田氏の本を読んだ事がある人であれば特に買う必要もないが、これからこの地域におけるスペインの征服時代を知りたいという人は一読の価値があろう。価格が3000円というのは今の時代には少し高めに思われるかもしれないが、写真も豊富だし、無難な価格であろう。
インカの部分は私の専門ではないものの、アステカ征服については少し補足しておきたい。巻末に載せられている参考文献(外国語文献が載せられていないのはこの本の読者層を考慮してのことだろう)では一次資料のみが載せられ、別の視点から見た研究者の本の紹介が欠落しているのが残念なところ。アステカ帝国征服については、『インディオの挽歌—アステカから見たメキシコ征服史』、、『アステカ帝国滅亡記』を比較参考にするといいし、これを書いている私もアステカ帝国征服に関しての自分の見解を、『アステカ文明』(購入は太陽書房からの直接注文)で論じた。
ペルーに関しては著者も言及しているプレスコットの著作が『ペルー征服』として講談社学術文庫(長く在庫切れのまま)から出たことがある。
この本を読んで、この時代のことに関心ができた方々は、こうした本を読んで比較検討してみると面白い見解を見出せると思う。
私もアステカ征服の本を書こうと思っている。どこか関心のある出版社はないであろうか。
5をつけたのはこの著者の本はいつも平明で読みやすいことから一般読者には最適だからである。

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紙の本古代マヤ王歴代誌

2002/09/12 20:31

古代マヤ王の戦いの歴史を明らかにする書

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 とうとうこういう本の翻訳まで出るとは、日本のマヤ文明愛好家の数も増えたのであろうか?
 マヤ学といえばメキシコ以外ではアメリカがその中心だと思うかもしれないが、実のところドイツの水準も侮れないのである。
 ドイツ人であるニコライ・グルーベ博士は、三日間だけだがマヤ碑文を教えてくれた人である。厚かましくも恩師であるというつもりはない。私の本来の専攻分野は違うので、向こうも覚えていないだろう。ドイツ人らしく几帳面でかつ親切な人であったと記憶する。あの時、高名な碑文学者であったリンダ・シーラ博士に自説に反論され、困った顔をしていたのを覚えている。
 イギリス人のサイモンマーチンは、一応研究員という肩書きはあるがイギリス人によくいる、在野であるが学会からは敬意をもたれる偉大なるアマチュアの一人である。かつてマヤ学の権威であった、同じ英国人トンプソン卿は一度も教授職に就かなかった。彼もその意思を継ぐのだろうか?
 この本はそうした2人が組んで、碑文解釈の結果を用いた初めてのマヤ古代文明の復元であるといっても過言ではない(もちろん、先行する書物は英語圏では多くあったがこれだけのものではなかった)。英語圏での人気は絶大である。ただ、他に書物が多く出ている英語圏の読者を念頭に置いたため、マヤの王の歴史に重点が置かれ、暦、慣習、神話などの記述は期待できない。
 今回の日本語訳、多数による翻訳であるが、翻訳者の趣向の違いによるばらつきは少ない。日本語監修者によれば中米旅行のハンドブックにとのことだが、それならば軽装版で出して、持ち運びしやすくしておいたほうが良かったろう(価格も安くなる!)。まあ、原著もペーパーバックは出ていないのでその許可が取れなかったのかもしれない。
 内容のほうは、他の評者も書いているように碑文解釈に偏りすぎている嫌いがある。特にテオティワカンのマヤ文明地域への進出については、サイモンマーチンもよく知っているワーウィック・ブレイ博士(ロンドン大名誉教授)は考古学見地からかなり懐疑的な見解を示し続けていたが、この本にはあまり反映されていない。まあ、考古学者も場が変わればほとんど同じような人が多いし、学問間の融合は難しい面もあるのであまり批判はしたくない。
 マヤ文明の発展がテオティワカンの主導によって始まったという主張は面白い。日本でもかつて大井邦明氏らがテオティワカンのマヤ進出という説を立てたが、中村氏(別のマヤ文明の本の著者)などは名指しではないが「極論」といい、猪俣・青山氏は(西洋の学会では受け入れられていない)というものの、その実彼ら自体の明瞭な反論基準をしめしていない(私がアマゾンの書評で書いたあいまいということ)。これでは大井氏も気の毒であるので、何が問題であるかは私の出した本、『マヤ文明』で論じた。私個人も16世紀前後が主専攻の為、碑文学においてはサイモンらからすればごみのような存在である。しかし、碑文学にまったく無知でもないため彼らの説に有益と思える情報を足した。この本ではマーチンらと違った視点からの考察も足しておいたので関心のある方は、出版社直販のみのため、太陽書房まで。私の本ではマーチンらとは違い在来のあだ名を基準に採用したのだが、どちらが良かったのだろう。読者の意見を待ちたい。
 いろいろ問題はあるといえばいくらでもあるものの(これはどんな本についても言えること、これだけの本を書ける日本人はいつ出るのだろう。

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紙の本マヤ神話ポポル・ヴフ 改版

2002/09/19 20:26

マヤ文明の神話

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 グアテマラ高原にすむマヤ人たちが、スペイン人によって征服された後、自分たちに伝わる神話、歴史を書きとめたもの。マヤ人たちの聖書とも、アメリカ原住民の聖書とも言われる。これはアドリアン・レシーノスというグアテマラの学者がマヤ語からスペイン語に翻訳したものを日本語訳にしたものである。レシーノス氏の訳は英語・スペイン語のものとも現在でも世界各国で売られている。重要な訳の1つである。
 内容、構成は日本の古事記に近い。世界の創造から、今までの人間より過去に作られ滅んだ人間、双子の神の地底の国の神々との戦い、そしてマヤ人の祖先の王国建設と発展という筋立てになっている。それだから、本来は古事記という王朝の本なのであるが、現在のマヤ人の間では時間の書という呼ばれ方が提唱され、かなりの数の民間の宗教指導者は「ポップ・ヴフ」と呼んでいる。このあたりは実松氏の『マヤ文明』を読まれると興味深い話が出てくる。
 見慣れない固有名詞が出てくるため、ちょっと親しみにくいと考えられるかもしれないが、現在の人間の前には木の人間がいたなど、ギリシャ神話でヘシオドスで伝えるところの過去存在した金の人間・銀の人間の発想などと似ている部分もある。
 また、林屋氏による訳には詳しい訳注が出ているが、50年以上前に書かれた古いものなので、今の学説にはそぐわない記述もある。この辺は、私の『マヤ文明 マヤ人たちの残した歴史』(購入は太陽書房からの直接注文のみ)にもいくつか関係することを述べてある。
 他のマヤ神話などを簡潔にまとめた本(『アステカ・マヤの神話』、『マヤ・アステカの神話』)もあるので、こうした本を合わせてみると理解が深まるであろう。

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「書店で買える」日本人による一番新しい一般向けマヤ

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一般書店から買える日本人によって書かれた一般社会人向けのマヤ文明の本で一番新しい本(この時点で最新刊は私の本『マヤ文明』だが、この本は書店では買えない出版社直販(太陽書房より)である)。
作者は考古学者、実際にマヤ遺跡の発掘にあたった人が書いているということで内容には信頼が置けるが、本としての面白みには欠ける様に思える。大学のテキストのみならず、一般の人が読んでも面白いものを書くことが日本のマヤ学の発展に必要なことであろう。ただ、マヤ文明の文字解読が遅いこともあって、どうしても考古学データーの羅列をしなければいけないことにも原因はある(特に、彼がこの本を書いたときにはマヤ文字の良い本は多くなかった)。内容的には彼自身が発掘した地域で最も重要な都市コパン(ホンジュラス)を中心にしたマヤ古代文明の再現という提唱が行われている。確かにコパンはマヤの2大強国、ティカルやカラクムルとは違う文化様式を発展させ、政治抗争からも外れていたきたと思える。しかし、本格的にコパンの独立経済・政治圏を確立しようとしたのは末期のほうと考えるのが妥当のようにも思える。
西暦10世紀以降の記述はこの著者の専門ではないためあまり期待できない。日本では考古学者ばかりが異様に注目されているのが現状だろう。特に国際誌等にも論考を出している、マヤのシウ家の文書などを研究するメキシコ在住の大越氏・優れたミシュテカ絵文書の研究を出す米田氏などは日本ではまったく無名な状態である。
古典期マヤの概説としては良くまとまっており、一読の価値はある本である。
マヤ学をどの分野から挑戦するにせよ、語学のマスターは必須条件だが、この著者の言うように語学の壁が厚いから自分でデーターを集め…と言う理論はちょっと??である。語学なんて必要に迫られれば誰でも覚えられるものである。事実大学の英語がほとんど可であった私は、いまやスイス・米国・英国の名門出版社からの本の刊行を予定している。おまけに放送大に在籍したことすらある。国立大に行った人方は、あまり物事は難しく考えていはいけないだろう。日本人も欧米に直接どんどん挑戦していく時代である。

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図説古代マヤ文明

2002/09/14 20:02

マヤ文明入門にはまずはこの本から

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 日本におけるマヤ文明入門書として、一番手軽に読めるのはこの本であろう。いろいろ本が出ているが、マヤ文明の「ま」の字も知らない人はこの本をまず読むといい。私は著者とは一回も会った事はないし、手紙をやり取りしたことも無いので、これは仲間内のひいきで書いているのではない。
 考古学専門のようであるが、マヤ碑文の解説はあまり期待できない。残念ながら私が別のところで書評を書いたときからかなりたち、内容が少し古くなりだしているが、それでも平明だし、写真も美しく自説の押し売りが無いのが極めて好意的になれる点である。
 この本を読んだ後で、アメリカ・中米で活躍する猪俣氏(私は彼のことは知らない)らの『メソアメリカの考古学』、サイモン・マーチンらの『古代マヤ王歴代記』、中村氏(この人もあったこともない)のマヤ文明を読むと古代マヤの大体の概観をつかむことが出来るだろう。いつも、手前ミソナ宣伝になって申し訳ないが、古代から現代までのマヤ文明の通史として、拙著『マヤ文明』を(購入は出版社からのみ、太陽書房)拝読いただければと思う。

 もちろんこれ以外の本もあるが、発行年代が古く新しい発見の成果が入れられていない。古い本にもまだ見所があることも多いので、出来るだけ新しい本を読んでそれから古いものを読んでいったほうがいい。

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アステカ文明

2002/09/13 22:24

手際よくまとめられたアステカの概説書

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 講談社新書のアステカの本が在庫切れになったままなので、気軽に書店で買えるアステカ文明の全容を解説する唯一の本となった。増田氏の「古代アステカ王国」が中公新書で出ているが、こちらはスペイン人の征服に重点が置かれた本でアステカ文明の解説は至極簡潔である。創元社からでているアステカ文明の本は、よりビジュアルなもので、これほどは内容がない。
 訳者は日本の考古学者。もう絶版になったが、昔マヤ文明とアステカ文明を解説する本を出した。文庫クセジュ全体にいえるが、原文に忠実なのは大事だろうが、もう少し意訳してしまった方が通りが良いとも思える。ナワトル語のかな表記はなんとなくフランス語風になされているのは気のせいだろうか。
 この日本語訳は、アステカ文明の日常生活を詳しく解説した筆者の別の本の簡素版である。そのため、あまり突っ込んだ解説は見られないものの、アステカ文明についてよい入門であり、一般社会人の教養書として必要不可欠なことはすべて網羅されている。
 どういうわけかフランスはアステカ研究にかなりの伝統があるところで、この人の本は今でもアメリカの大学の教科書に使われる。多少古い記述はあるが今でも十分な内容の本である。
 私もアステカ文明を大学院で副専攻として取ったため、アステカ滅亡後の社会まで簡潔に概説した『アステカ文明 発展と崩壊』なる本を出版したが(出版社直販のみ太陽書房)、当然アステカの専門家である彼の研究が大きく役立っていることを明記しておきたい。
 

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マヤ人たちによるマヤの古事記の再認識

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 グアテマラのマヤ族はわが国の古事記と同じような『ポポル・ブフ』という古代記録を持っていた。元々はスペイン人が到着する以前のキチェー王国の末裔が、スペイン人による征服後ローマ字を使って記したものである。
 本書はこのマヤ人の古代記録が現代のマヤ人の間でどう解釈されているかを調べたもの。マヤの考古学などが知りたい人は残念ながらこの本はあまり役に立たないものの、現代のマヤ人の考えを知ることで古代のマヤ人の思想を考えるのに役立つ。
 元々は古代王朝の本であるはずのこの本が、民間のマヤ人たちには『ポップ・ブフ』すなわち聖なる時間の書であるという認識が行われているのが面白い。また、学会からはほとんど相手にされていないアドリアン・イネス・チャベスの翻訳がマヤ人の間ではテキストに使われているなど、シャーマニズムと学者は違う方向にあるのだと認識させられる(マヤの学者はチャベスのことを面白い翻訳のひとつとは言うものの、『ポップ・ブフ』の名は認めていない)。
 まあ、キチェー王国の王もアフ・ポップ(ミスター・時間)という具合に呼ばれていた。時間を操ることもこうした古代国家では王の権力と考えられていたからである)。  気に入ったところは、著者とマヤのシャーマンとの対話形式になっていること。こういう出版は、マヤ文明の研究の盛んな欧米でも実はあまり多くない。よい面は、比較的宗教観念の似た日本人の取材であることから、欧米人学者が見落としがちな質問がよくなされていることであろう。事実アメリカの人類学者カーマック博士はこの本の一部を紹介したところ面白いといった。
 ポポル・ブフの現在に至るまでの経緯にちょっとした間違いがある以外、シャーマニズム。マヤ人の宗教観に興味のある人にはなかなか面白い本で、推薦に値する。
 なお、手前味噌なことで申し訳ないが、この本にもたびたび出てくるマヤ宗教とキリスト教の関係については、私の本『マヤ文明 マヤ人たちの残した歴史』太陽書房において論じている(この本はBK1のデーターベース(すべての書籍)にも出ているが、出版社直販のみ)。暇があったときは見ていただきたい。

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敗者の立場から見たスペインのアステカ征服

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スペイン人による黄金帝国といわれたアステカ征服を、征服されたアステカ人の資料を中心にすえて再現した本。中央公論新社から出ている増田氏の古代アステカ王国は、スペイン人の記録を主にして征服戦を再現しているので、この本は反対の立場から見た征服戦の過程としてちょうど良い比較になる。著者のレオン・ポルティーヤ博士はアステカ文明の権威であり、ユネスコ大使なども勤める国際的に高名な方である。
とは言うもののこの本が出版されてからあまり注目を浴びてこなかったのは(スペイン語・英語版は今でも版を重ねている)、日本におけるアステカ文明への関心が低いせいもあるだろうが、一方の増田氏の古代アステカ王国はもう版を何十回と重ねてきているのだから、単に宣伝不足か出版社のブランドの不足にあるのだろうか。
アステカ族はスペイン人に敗れたことを、悲劇的な宿命で避けることは出来なかった事件であると解釈したがっていた。それはこの本をよく読んでみるとわかる。悲劇的なロマンス調文学とでも言うのであろうか?一風変わった世界に関心のある人は読んでみて損はない。

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