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ユエコさんのレビュー一覧

投稿者:ユエコ

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紙の本後宮小説

2002/08/03 13:40

もっと早くにこのファンタジー小説と出会いたかった、というのが本書を読破した後の感想だ。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

舞台は素乾国王朝末期。物語は先代皇帝の臨終の記録を冷ややかに述べた一言で始まる。「腹上死であった、と記載されている」。
この一文で中国風ファンタジー世界への旅が始まった。
新しい皇帝・槐宗の後宮づくりのため、多くの地方から若く美しい娘達が権力を欲する宦官達の手によって集められた。その中には田舎出身の「銀河」という無鉄砲な少女もいた。後宮独特の性哲学を学ぶ「女大学」の講義で繰り広げられる彼女の珍答と師に対する身の程知らずと言ってもいい文句の数々。しかし銀河は見事、正統な性哲学の後継者を意味する「正妃」という称号を与えられる事となった。この奇妙な決定の理由は、本書を読んだ方が銀河の人間性に触れると共により分かりやすく知る事が出来ると思うので、ここでは割愛する。終盤では、「銀正妃」となった彼女が何と反乱軍の蜂起に立ち向かうため、自ら「後宮軍隊」を組織し戦闘に参加するのだ。

文庫「後宮小説」が出版されたのは数年前。もっと早くにこのファンタジー小説と出会いたかった、というのが本書を読破した後の感想だ。まだまだ子供っぽさが残っていたあの頃に、決して物怖じなどしない良い意味で幼い主人公・銀河と巡り合っていれば、今よりも素直な共感を彼女に対して持つ事が出来たのだろうな…と悔やんでしまうのである。
彼女は、貴族出身のプライドの高い少女だろうが誰もがひれ伏す皇帝だろうがズバズバと自分の言いたい事、思っている事を放つ。それは相手が高貴な身分であるが故に反発するのではなく、相手をひとりの人間だと思って対等に話をしているのである。だから、最初は銀河をただの田舎出の女、と見下していた銀河のルームメイトがしだいに彼女に心を開いていく過程を私はとても美しく思えるのだ。
そして、彼女を取り巻く登場人物達は更にファンタジーの度合いを高めていく。特に前半部分に登場する「コリューン」の存在は読者の注目を惹きつけさせるし、私の好きな「江葉」という滅多に笑わない無愛想な少女が、戦闘では後宮軍隊の先頭に立って敵軍に大砲を容赦なく撃つという行動には何故か微笑みを浮かべてしまう。
この不十分な解説だけでは「後宮小説」が何故ファンタジー小説と呼ばれているのかが伝わらない、というのは承知の上。是非自らの目で本書の面白さを知り、そしてファンタジーの真髄に触れて欲しいと願う。

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