サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. peneropeさんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年8月)

peneropeさんのレビュー一覧

投稿者:penerope

24 件中 1 件~ 15 件を表示

このアンバランスさから…

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この表紙の写真をさらっと流してはいけない。じっと見る。もしかしてこの白いタンクトップの下には何もはいていないのではないだろうか。ええっ!! だからどうしたこのスケベ!!と言われそうだがしょうがない。本書を読んでいくにつれこの、エッチな感覚がとても重要なモチーフになっていることがわかるはず。まずはここから妄想を膨らませていきましょう。

例えばナボコフの「ロリータ」。たとえば山口椿の「ロベルトは今夜」。そしてあるいは「我が秘密の生涯」。そんなエロティシズム全開の作品群を思い浮かべてからこの本に手をのばす。

SEXは大事なことであろうか? 思わずそう問うてしまう自分を読者は発見するだろう。パートナーとのSEXハウツー本が今ブームのようだが、欲情は体だけでするものではなく、頭でもするものだということの再確認を、この本を読むことでできるようになるだろう。本書にはそれが小気味よく記されていて、こんな明晰な頭脳でもって分析する著者に、妄想全開の僕は軽い恋心を芽生えさせながらページをめくっていったのです。

本書はフリーライターの彼女がいろんなスタイルで綴った恋愛論である。もちろんそのベースは自分の実生活に基づくものであって、ゴシップ的な、ある種他人の私生活を覗き見してるような感覚で軽く読めるものになっているのだが、その論述のなかに頻出するアフォリズムのごとき断章がもう、それはそれはじつにいいのだ。

数えたら僕は本のページを49箇所折っていた。

彼女は言う。ただあなたと一緒にいたいのだと。そして、そんなありふれた台詞がそのありふれたまま相手に届かないことを嘆く。年齢って何だ? なんで年くってるとみんな過剰に先走りしていろんな意味を付け加えて考えてしまうの? あたしは結婚してなんてひ・と・こ・と・も言ってないのにっ!!ってな感じで。

本書の帯のリリーフランキーの文「誰にとっても人事じゃない話だ!!」は本書の形容として簡潔かつ最高の文句である。それほど広範囲の内容に触れているということだ。悩める乙女からいかず後家と陰口をたたかれてるかも?という30代OLさんまで、とにかく元気になれる台詞がたくさん書いてある本書を見逃してはならない。もちろん男性陣もね。がつーんとやられたくちですから、僕なんて。やっぱヨーロッパみたいに高年齢でもあたりまえに恋愛していたいじゃないですか。と30台に差し掛かった僕は思ったのでありました。そして最後に本書からの一文。

「結婚には二種類あるのだという。修行のための結婚と、人生のご褒美のための結婚。うまいこと言うじゃない。だって、人生のご褒美が欲しいから、一生懸命生きようなんて殊勝なこと考えちゃうんだもんね。でも、そんなふうに考えると、やみくもに結婚したいと思うように世の中が回っているのは何かの罠ではないか? 独身なら独身である今を楽しまなくっちゃ損だ。自由というメリットを存分に味わうべきだ」。

誰もが読んで欲しい本。いろんな年齢のひとたちにっ。ね。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本恋愛のディスクール・断章

2002/09/04 14:44

人生ってすばらしい?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

  僕には小難しいことはわからない。現代思想とか哲学とか。読んでも理解できないのは当たり前だとして、それ以前に単語の意味がわからない。だから気にはなるけど足を踏み入れないのが<哲学・思想>のコーナー。
  ではそんな僕がなぜこの本を買ったのかといえば、俳優の三上博史さんが愛読書として紹介していたから。そこでは何度も読み返す大事な本だと語られていて、彼の大ファンだった僕はすぐさま本屋に走りました。
  最初はわからなかったんです。前書きもあとがきも意味不明で。でもね、愛の力とは恐ろしいものです。この本がわかればあの人のことが(三上さんのことね)理解できるのだという僕の思いこみは忍耐となって、何ヶ月もの間、僕はどこへ行くにもこの本を離さずに持ち歩き、電車のなかで、路上で、喫茶店で、仕事場で読み続けたのです。
  そしたらでてくるでてくる、今まで知らなかった言葉が。難しいところはとばしました、そしてぎりぎり理解可能なところを拾い読みしているうちに、あるページの端っこは折られ、また別のページも折られとなって結局30カ所ほどになったのです。
  そして折られたページには本当に美しい言葉が書かれていました。それは今自分が生きていることと直結し、血肉となり飢えをしのぎ、退屈をやり過ごし傷ついた自分を再生させることのできる言葉たちでした。
  僕は何度も読み返し(この本が好きな人は皆そうするようです)またページを折り、ノートに書き写し、大切な人にはプレゼントしながら(10年間で20冊は買ったような気がします)僕はこの大切な書物に記されている言葉以上の美しい言葉を、未だ発見することができません。
  今でも読み返します。それがどんな時かはすぐには浮かばないのですが、人と出会ったりきれいな風景を見たり、気持ちが通常の自分の枠内からはみ出た時に(喜び、悲しみ問わず)ついこの本を開いてしまうようです。
  とりあえず本屋にいったら手にとってみて下さい。そして五分間集中して読んで下さい。断章なのでたくさん項目があります、自分の興味のある断章を、わからないところはとばしてもかまわないので読んで下さい。もしかしたら幸福な出会いの種子が、ページのすきまから強い風にのって、あなたに降りかかるかもしれませんから。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

まだまだ欲しいの…

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

濃いなぁ、そしてつらいなぁというのが最初の印象。なんだろう、僕にとって欲望というのは満たされないもののほうが多いという実感があるからだろうか。このマヨ姉さんの(随時叶えられていく欲望)+(それが叶えられないという嘆き)を寄り合わせた黒い皮の鞭が振るわれるサイクルの速さにこっちはついていけない。さらに欲望発生のチューニングも合わなくて、こっちがどう受け止めてよいものやらうろたえている間にもマヨ姉さんはすでに次のサイクルの真ん中で垂れ流してる。ちょっと待ってよ!!

だけどその表現の核(ご主人様とともにある喜び! そして不在の悲しみ)があまりにも率直で、例えば観念的なことをこねくり回しながらうじうじっていうタイプの文章ではないから、しだいにそのスピードに追いつくことができるのです。チューニングが合ったところで一日、また一日と日記を読み進めていき…でもってその後は…

もう共感なんですよ!! マヨ姉さん本人かおまえはっ!!てつっこみも入ろうテンションで。ご主人様がにゅうっと予期せぬ時に家に来てくれたりすると「きゃああっ!!」なんて喜んでしっぽ振り振りああ嬉しいわって本当に思うんです。不在の人に対して、あらぬ妄想・勘違いも含めひたすらに思いをはせること。そのつつましさ、痛さ、不安と、思い違いかもしれないという一時的な軽い楽観によってもたらされる不在の時間の承認化。そんな、孤独をひしひしと感じざるを得ない時間を過ごさなければならないという…何だろう…人生に訪れる不自由な流れの奔流。相手に対しての同化したいという過度の欲求はパラレルワールドの入り口たりえるかもしれなくてもう、こちら読み手ともども共感通り越して…まさしく同化しちゃったという感じですか…になるのです。彼女の愛らしさ、ひたむきさがまず先に見えてしまって、自分はもうマヨ姉さんの絶対的な支持者になっているというこの意識。

性を題材にした作品は、その表現形態がどんなものであろうとも似たような経験をしていたほうがすんなりその世界に入りやすくかつ没頭しやすい。もしくはほんの少しでも接点があればそこを引き金にして想像力が格段にアップして楽しみも一気に倍増するのだ。

とはいえ自分はこの本にある過激なスタイルの性的パッションを持ち合わせていないし、SMに代表されるような形態での性の交歓も知らない。だから僕がこんなに激しく奮い立ったのは(心震わされて)ひとえにマヨ姉さんの真摯な態度に(ご主人様を求める気持ち)完膚なきまでに打ちのめされたからにほかならない(マヨ姉さんの文章は一行たりとも不純物が混在していないし、具体的なプレイの内容、その過激さ云々が読んでいる僕の発情装置になる機会も少なかったから)。

もっと欲しくなる(不思議な感覚だ)。どうでも何でもいいからもっとだもっと!!と叫んでしまいそうになったし、さらに、とにかく何かむちゃくちゃに曝け出したいと欲望している自分を感じる。なんだろうこの心の振れ具合は。飲み会の後、軽く酔った体で新宿歌舞伎町の中心街を一人でふらついているときの微妙に猥雑な気分と、そのぼやけた視界に突然割り込んでくるすれ違いざまの強い香水の匂いに体全体がぐぐっともっていかれながらもそのまま身を委ねていたいという猥褻な気持ちが欲情という言葉でぴたっと額に貼り付けられる瞬間に似ている(でもその一人の時間そのものが心地良かったりもして)。さらに室井佑月の解説も最高だ。もうただたくさん翻弄されてください。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

アフリカ ポレポレ

2002/09/03 19:35

…気づけば地平線と地続きの解放へ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 よくあるネイチャー系の本は口々に、自然が一番だとか物質文明の末路がどうのこうのだとかいいがちですが、この本はそういった有象無象とは確実に一線を画す書物であるといっていいでしょう。
 写真家のだんなが動物を撮る為にサバンナに家族と移住します。妻と小さな娘を連れて。で始まったサバンナライフを奥さんが綴ったのが本書なのですが、まずこの奥さんの文書がすごくいい。自然の中にいるからというわけではないけれどとにかく自然体なのです。押しつけず、批判せず、無理に結論を出さず、傍観者に徹してここでの生活を記述していく様子は、思いがけない出会いのようなふわふわとした、でもなんだか気分が高揚しているかも、という気分を読み手に与えます。そして、さすが写真家なのでしょう、何気ないスナップの一枚一枚が、それらの文章を包み込むように寄り添い、こちらの興味をさらにかきたててゆくのです。さらにいいのは子どもの写真。あらゆる規制概念からのがれてただ生活するということのすばらしさがにじみ出てくるようなスナップが多数入っていて、その子どもの表情の自然さ(あー本当はもっとうまく表ししたい! 言葉足らずの自分がもどかしい!)が圧倒的な存在感でせまってきて、なんだかわけわからないけどもう一回人生をやり直したい!なんていう気分にさせてくれそれが、本当に力強いメッセージになって自分の心の中に<良い記憶>として残るのです。
 なんか熱くなってしまいましたが、文庫です、安いです、だまされたと思って買ってみて下さい。だめなら立ち読みでもOKです。たぶん個人的な好き嫌いを越えた良さがこの本にはあると思うのです。お願いします、信じて下さい。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本煙か土か食い物

2003/04/03 01:27

IWANTYOU

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

一郎・二郎・三郎・四郎…一郎・二郎・三郎・四郎…一郎・二郎・三郎・四郎…ああ俺は呪術的な不気味さとサイクルでもってこいつらの名前をつぶやいている。もう頭から離れない。本を閉じても消えてくれない。すでに俺はパニックの真っ最中だ。こんな閉店間際の安コーヒーを飲ませる店の学生アルバイトがたらたらと床を箒で掃いているが遅いんだよそんな動きは!と俺は叫んでしまいそうになるほど頭のなかはきっちりぐるぐる酩酊してるんだ。ぐるぐる魔人ぐるぐる魔人。俺の頭蓋んなかの酸素を喰らい尽くすな! ぐるぐる魔人。

ジャコパストリアスのあのきわきわハイテンションでテクニカルカルなベースプレイ、そのスピード、その音の羅列が舞上の筆先には宿ってる。ダダダダダッダダッダッダダダダッ言葉は跳ねる一回転、そして転がる二回転、にやっと笑って一発パンチで三回転したらもう奇跡的にかっこいいフレーズの出来上がりだ。ばかなまねごとなんて足元にも及ばない、けど感動したら誰かに伝えなきゃ、どんな形でも独りよがりでもってなことで満ち足りた時間の渦がやってくる。くるくる。

詰め込めるだけ詰め込んでみる。暴力もSEXも理不尽な世界も。饒舌は時に相手を辟易させ疲労に追いやるがそんなこと感じてぐったりしてる暇などない。現実はどこまでも、自分が感じてる速度なんかよりももっと高速でぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅーんと進んでいるんだから。「熱にうかされたようにのめりこみたいわ」と思いながらページをめくろう。あらすじとかはみんなの書評を読んでちょうだいね。時々その過剰な話っぷりにいっぱいいっぱいになって頭が螺旋にぐわんと流されたりするんだけど四郎ちゃんそう四郎ちゃん、の次の行動が知りたくて、次の発言が聞きたくて、次の明晰な頭脳でもってすぱぱぱぱんっと謎を解く瞬間に立ち会いたくてやっぱり本が閉じられない。うーぅーと低い唸り声のまま火のついた煙草が丸々一本灰になって視線がやっと目の前のぼやけた現実に移行する。でも一瞬だけねちょっとの間。またすぐ視線は本に釘づけで、いきなり人が血を流してます。骨を折られて頭割られていっぱいいっぱいの暴力です。でも変な奴が多いんだよこの世界には。だからしょうがないんだよね。じっと見てやろう、感じてやろう、まちがいを教えてやろう。

そしたらまたスタートです。虫の歩みから始まって川の流れになって風のそよぐ調べになる。のちに歩きながら、早足になりながら、小走りになったところで額に滲んだ汗を袖口の繊維質になすりつけよう。やがての疾走、全力疾走。本を片手で持ちながらメインストリートを突っ走る。ぱららららっとページが音を立てる。それでも離さないで必死に走り、読む。そうだ、行間も忘れちゃいけないぞ。下手から太陽が登場してくるときに地雷を踏んではいけないように注意深く、でも疾走しながら読みつづけて走りつづけて息が上がっても足が震えてかくかくしてふくらはぎに熱されたハリガネを押し付けられたように痛い熱さを感じてもまだ走りつづける。エコーをこだまさせて叫びながら、いつまでも走りつづけよう。くわんくわんくわんくわんくわんくわんくわん……

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本平壌ハイ

2003/01/13 01:33

YYYYYYYYYYEEEEEEEEEESSSSSSSSSS!!!!!!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

昨日この本を読んでいたときに思いついた気の利いた(はずの)本書への形容の言葉が今日はどうしても思い出せない。自分の記憶など信用してはならないということだ。<今・この瞬間>を逃してしまっては後悔しか残らないのだ。思いついたときにメモをとれ。ばか! 死ね! この俺。

んでもって今日の俺はいつもと違って興奮している。興奮しているということは他人のことなど考えないということだ。僕ではなく俺ということだ。どこかに思いをはせたりもしないし、感傷的にもならない。ただ頭から始まって下り、足先まで体中が発熱してるだけ。そしてその原因はもちろんわかっている。この本を大興奮のうちに読み終えたからだ。

ばかっぽい? うん、きっとそうに違いない、俺もそう思う。俺はばかだしついでに浮かれている、打つ手なしって感じだ。だって言葉のほとばしるスピードとキーをたたくスピードがずれているのがわかってもそのまま打っているじゃないか! もちろん修正かけているので今は大丈夫だがほんとのところはこんな感じ…”&$%$%”$(&’$’%%#”#!!”$#”##”…俺はアイリッシュウィスキーと読後の余韻でべろべろに酔っている。

YYYYYEEEEESSSSS!!!!! みんな元気かな? この「平壌ハイ」は文庫三作目。かつて「スピード」・「アフタースピード」の二つでドラッグ体験の極上ルポをものにしそのまま刑務所行きとなった石丸の才気あふれる野心作だ。今回、幻のドラッグ<平壌ハイ>を求めて5泊6日の北朝鮮パックツアーに潜り込んだ石丸は、クレイジーかつめちゃくちゃ笑える、そして過剰なほど生命力に富んであほでまぬけででぶで人一倍欲深い相棒キムと一緒に(他の連中も最高にばかでいかしてる!)この得体のしれない国を練り歩き、前作をはるかに上回る作品を書き上げた。

この人を形容する言葉であるゴンゾージャーナリストの<ゴンゾー>とは、ならず者という意味だ。俺的にはここに、ワイルド・はちゃめちゃ・予想外の・とっぴな・大ばか者などの言葉や、例えば、怒りとやるせなさと呆れて口あんぐりになって「もーっ! あぁぁんた!って人はぁぁ! なぁぁぁぁぁんでそぉぉんなにぃぃっっっ……!!!」なんて言いたくなるときのこの<……>の部分、どんな言葉をもってきても足りなくって憤然やるせないこの感じ、を表す言葉を付け加えたい。ならず者の危ないジャーナリスト、つまりはそういう奴が頭で考えるんじゃなくって(お勉強しました!的なルポではなく)体で感じたそのときの現実だけを基盤にしたルポルタージュは、始めてこの作品に触れる人々には奇異に映るかもしれない。そしてきっと嫌悪感をもよおすだろうがそんなことはどうでもいい。これは一人の人間、俺らと同じ日本人がたどった現実の世界だ。俺は自分に渇を入れる。知らない世界から目を背けるな、じっと見つめ続けろ、そして歩き出せとね。

本書の解説はあの重松清が書いている。「石丸さんは、現実に対して、徹底的にフェアでありつづける。ぼくはその一点において……彼の他の著作と同様、本書を全面的に信頼する」。

さあどうだ、重松ファンの皆様方!(たくさんいるでしょう) ここで一発、おそらくむかつかれるであろう俺の支離滅裂なたわごとなんかじゃなくって、彼の言葉を信じて(信頼して)みようじゃないか!!!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本パッチワーク

2002/12/10 01:34

百花繚乱お手ごろ入門書

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

いろいろつまっててたいへん良い感じ。同じエッセイでも「それいぬ」とはまた違って、本全体に春先のような軽さを感じます。野ばらん入門編の趣きに満ち満ちた愛らしい本です。
個人的には圧倒的存在感で読み手を失神させ続ける長編達に深い愛着(いや執着か?)と敬意を感じてるだけに、このインターバルは少し残念。でも装丁も含めてGOODですから文庫になってもかわいいたたずまいの本になるようにとみんなで今からお祈りしましょう。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本睡魔

2002/12/10 01:23

ははっ、ばっちりクロスオーバー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

夜11時に読み始めて気が付きゃ朝の6時。うそじゃありません、久しぶりに読書で徹夜しちゃいました。

さえない主人公とその仲間達がマルチ商法にはまってゆき、結局何も得られず(ようは金ですな)元通りにさえないままになってしまうお話。僕も昔やってたんです、こういうの。見事に24時間お風呂の機械を30万ほどで買わされて…。

だから本当にリアリティがありました。全くおんなじこといってんじゃん!的な発言や人を言いくるめる手段があまりにも似ていてびっくりしたのです。しかし(かつての僕もそうでしたが)金に困った人間の発想ってたいがい一緒で、ちょっと立ち止まって考えればわかることなのにそれができない、がゆえに泥沼にはまって取り返しのつかない場所まで自ら踊り出てしまう行動形態はこうやって客観的に読むとはっきり知覚できるのですが、その当事者たちはやっぱり、ある意味トリップしちゃっていてなんか痛々しいと思いました。でもなんだろう、ただ共感したっていうだけじゃなくて、人の不幸ははたから見ると面白いのかなぁやっぱり、なんていう疑問も浮かびながら休む間もなくただひたすらページをめくりつづけてしまいました。

この作家、どうなんでしょう。過去何冊か読んで、いずれも楽しく夢中になったんだけれど、例えば花村萬月の本を読んでいるときに感じるようなあの、前のめりになっても鼻息荒くページをめくるような高揚感がないのです(なんか手触りは似てるんだけど)。だからいまいち手放しで褒めちぎることができなくてもどかしいのです。

しかし面白いことは面白い、掛け値なしに。でもなんかなぁと同じことをつい繰り返してつぶやいてしまうのもつまりはこの作家の術中にはまっているのだと思えば納得も?するのでしょうか。

文庫だし通勤電車45分同じなんて方、ぜひチャレンジしてみては? 多分、もうおりなきゃなんないの!なんてくらい夢中になれることうけあいだと思いますので。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

YYYYYYYYEEEEEEESSSSSSS!!!!!!!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「すっごぉぉぉぉい! 面白い!!!!!」と誰もいないのに叫んでしまうほど面白い、っうかすごすぎる。この日本唯一のゴンゾジャーナリスト(ラスベガス77という本の書評などを参照のこと)はどこまでつっぱしるのだろうか。一般的にみたらかなりあぶない、そして近づきたくない友達になんてまちがってもなりたくない石丸元章の文章はすでに麻薬のように僕の脳髄を震撼させつづける!

この本は、雑誌の連載をまとめたということもあり、いろんなトピックがつまっているので大変にお得。ドラッグ、神風特攻隊についての本はすでに出ているが、そんなもんに興味ない人ならなおのことこの本からはいるのが良いでしょう。値段も1200円と良心的だし、本のサイズや装丁も含めて、かばんにぽんと放り投げてあらゆる場所で読んでほしいって感じの代物だ。カバーなんかもとっちゃって表紙なんかもそっくりかえっちゃってハンバーガーのしみなんかもつけちゃったらもう最高!って感じで本は生き生きと街のガス臭い空気を吸ってその存在感を大いにアピールしていくことでしょう。

この人の世界を知っている人には説明なんていらないだろうから、何かの偶然でこの書評を目にしている未だ石丸知らずのあなたに向けて何らかのメッセージを発するならば、この世界において自分が存在するステージは、そんなにきらびやかな場所ではないんだよってこと。人は自分の人生を後悔しないように失敗を正当化していく生き物だけど、そのせいで自分にかける負荷って相当なものだと思うんだ(もちろん僕もです)。でもね期待しすぎなんだ、みんな。特別な人生、特別な出来事、素敵な、快適な、認められた生活と存在、自分はやっぱり特別でありたいという様々な思い、思念、想像、妄想などのあれこれ。そんなものは不必要だってこの本は言ってる。自分の立場と現実をきちんと認めて、そのステージで楽しんで笑うこと、そうあるべきだと言ってる。幸福の基準ってもちろん人それぞれだけど、たくさん笑ったら人生勝ちなんじゃないか、僕はそう思う(松尾スズキも何かで書いてた)。

この本はおおよそ一般の人がおそらく死ぬまで経験しないであろうことを(おおざっぱにくくってごめんなさい)たくさんたくさん書いてあります。それはおそらく嫌悪感をもよおすかもしれません。でも、本来生きるってこんなことの繰り返しじゃあないかってこの本読んでると思えてくるんです。そしてしだいに嫌悪感もなくなってきていつしか共感していてかつこの世界にあこがれている自分も発見しちゃったりする。人生はあなどれない、しかしだからこそ次々にやってくる倦怠感をやりすごす術をたくさんもっていたほうがいいんだな、なぁんて気持ちを覚えたのです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

んなこといったって

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

  クドカンとともにいちやく時代の最先端に踊り出た感のある松尾スズキの日記である。現物での彼の舞台をみたことがない私としては、なんではやってるかなぁ、どんなところからの評価なのかなぁ、ビデオで見た「キレイ」は微妙にいまいちだったしなぁと思いつつも、やはり気になる一人であることに変わりはないので、いそいそとこの本を買ってしまった。
  サラリーマンをやめて劇団を立ち上げたエピソードだけは知っていたけれども、なぁんでぃ、学生演劇やってたんじゃん、てなこともこの本で知った。
  結局は、素養あんじゃん、でも病んでんのね、というのが率直な感想。時代のキュウジに祭り上げられたのではなく、自ら踊り出てきたのね、そんな心意気に乾杯!てな感じです。
  俳優志望者は必読。根源的な負の感覚から発せられる言葉、疑問はその世界の住人でないときちんと理解するのが難しいけど、この感撹を表現しないとゴールにはたどりつけないよと私は思うので。これ読んで圧倒的な情報量に翻弄されてくださいな。こういう本が売れて、みんなが演劇に興味もってくれるといいよねぇと思う今日この頃、アングラ劇団もみんながんばれ!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本ベティ・ブルー

2002/09/07 01:56

笑いから遠く離れて…いつも笑っているだけの人生なんて…

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 純粋と狂気の間、そのすれすれを恵まれた主演女優によって奇跡的に表現し、人々の記憶に残りつづける映画ベティブルー。本書はその原作本で、本国フランスでは実力派と呼ばれているフィリップジャンの著作である。
  実はこの原作、映画ほどエキセントリックではない。映画ではとにかく全てのシーンが(ほんと何気ないシーンであれ)激情に満たされていたのだが、小説ではそんな雰囲気は感じられない。何気ないシーンは何気ないままなのである。
  しかし僕はそれでもこの小説を楽しく読んだし、今までに10回以上は読み返していたりもする。それではなぜ映画とは違って控えめなこの小説を僕は夢中になって読んだのか。
  男が女に出会ってその人生を180度変えられてしまう。もちろん男は女の魅力にまいって自らそうしむけている。物語はだから二人を中心に進んでいくし、ふたりだけが登場人物だといっても差し支えはない。二人は愛し合っている。しかし夢は長くは続かず、人が生きることにおいて遭遇するさまざまな困難が二人の身にも降りかかる。愛はそんな些細な障害などけちらしてしまう力をもっているし、二人もそう信じている。けれど生きていくことは、生き続けていくことは、その過程で二人の精神を磨耗させてしまう。それでも愛の力を信じて、何とか、たとえごまかしてでも二人は愛し合うこと、その状態で生活することを望みつづける。そしてある日、大きな意見の食い違いがあり物語は急に速度を増す。一つの愛がもう一つの愛を追い越して行きさらに速度を上げて加速し続けそれが限界まで達してしまいそこで、消失してしまう。
  映画ではひたすら過剰な激情を秘めた女を執拗に追いつづけた。しかし小説では反対に、ナイーブでやさしい男の側から物語が語られていく。つまり僕はその男の気持ちに同化して小説を読み、その視点で女を見ていたのだろう。監督が女優を死ぬほど魅力的に撮れたのは、彼がナイーブな男の視点にたったからにほかならない。そして一人の女に人生を惑わされるということはこの上なく甘美な、華麗な堕落だ。これ以上何も望まない状態で、ただひとつのものを追いつづけること、これはすでに悦楽なのだ。だから僕は何度も物語を読み、どこまでもかなわない夢(妄想)を全開させてしまうのだろう。
  この小説は、愛を渇望している人なら過度の思い入れをもつことができるだろう。しかし本当の愛とは何なのか、いつもこの本を読むとそんな思いにとらわれてしまい、神経に負荷がかかるのである。
  

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

発火点

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

  第一線で活躍している人同士がぶつかり合うと、こんなに美しい火花が散るんだな。これが読後の感想。それは本当に刺激に満ちていて、無知ということを恥じる必要はべつにないけれど、知ってることが多いということはすなわち、感動の幅が広がるのだということを、この本を読んでいる間中ずっと痛感していました。
  本書はあの「世界のNINAGAWA」がゲストを招いて、その分野の人たちと自由に語り合う対談集です。まずびっくりしたのは、もう60を過ぎたにもかかわらず、自分の知らないことや興味のあることはどん欲に吸収してやろうという姿勢で、全ての表現活動には終わりはない、ただ進んでいくだけだということを再認識されられました。舞台のことはよく分かりませんが、こういう姿勢こそが偉大な芸術を生み出すのだろうと、何だか無条件に元気づけられました。
  個人的には山本耀司の回が格別印象にのこりましたが、いずれもの人たちに自分の無知を気づかされ、でもそれがとても心地よいショックで、とにかくひたすら満足したというのが実感です。
  何かを表現しているけど上手くいっていない人、自分の枠からどうしても外にはみ出すことができずに右往左往している人なんかにぜひ読んでほしいなと思います。感動する心の基盤を自分の中につくるために知識を得るということは、とてもすてきではありませんか。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本無限の網 草間弥生自伝

2002/10/31 15:35

生きることは描くこと

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

もうかれこれ10年前、自分は絵描きになってやると息巻いていた20歳の頃。休日にはたった独りで美術館巡りをしてた時期、品川の原美術館ではじめて彼女の作品を知った。

狂おしい程の反復、点、黄色と黒に彩られたかぼちゃがなぜそんなに僕の興味をかき立てたのかはわからないが、とにかく僕は夢中になって彼女のことを知ろうとし、いろんな本を買いあさってはどんどんのめりこんでいった。もちろん彼女の小説も読みまくった。

この希有なアーティストは精神を患っているようだ。彼女自身のビジュアルもそうとう過激だが、本書に書かれている事実をまのあたりにして僕はひどく動揺してしまう。

「人生のスピードを上げるのよ!」といったのは鈴木いずみだったろうか。高速回転しながら爆走する鉄の塊のイメージは草間弥生にもあてはまるだろう。とにかく自分の欲望にこれだけ忠実になれなければいいものが創れないのだろうかと僕は不安になるけれど、この、決して自分では体現できない猛スピードの人生は僕をとことん魅了してやまない。生きることそのものは創造することでしか成り立たない、その究極がこの本には記されている。みんなも驚いてほしい、岡本太郎のシンプルなメッセージが多くの芸術家の卵たちに愛されているのとは対局の表現で、草間弥生は発熱し続けている。

僕の携帯電話には黄色いかぼちゃがぶら下がっている。生きることに無関心になった瞬間にはこのかぼちゃをぎゅっと握りしめ、「まだまだだ」とつぶやいてみる。どこまでも生きてやろう、創ってやろうという声が胸の内で反響する。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本無境界の人

2002/11/23 16:29

またまたびっくり!

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「無境界家族」を読んで驚きすぐさま本屋で本書を購入しまたまたびっくりしたおかげでここ数日は何だか今までの自分がどこかに行ってしまったような、地に足のつかない浮ついた場所に存在しているような気がしてなりません。

一つの物語が、思想が、メッセージ・提言が及ぼす影響の大きさにあらためて驚愕しているのです。

糸井重里&…の「海馬」を読んだときも目からうろこで、知らないこととは何ともったいないことかと思ったのですが、海馬のほうは例えば、ポリフェノールは体にいいとか、ニラには疲労回復効果があるけれど切って5分以内に調理しないとその効果はないんです、といったようなちょっとした、知ってると得する人生のエッセンス…職場の人達と軽口の延長で話せるような…のようなものとして、あー世の中には知らないことがいっぱいだなぁとその場でその効果が記憶に定着して終了してしまったのですが、この森巣博の本はただ知っておしまい、ちょっとお勉強になってよかったねというような着地の仕方ではすまされなく、冒頭のようにやっぱり僕は気付くといろんなことについて考察させられているのです。その影響、いつまで続くのかはわからないけれど、今僕が生きているなかでは結構インパクトの大きい、決定的なことを知ったのだという思いばかりがぐるぐると頭の中を駆け巡っているのです。

ギャンブルのあれこれは僕には全くわかりません。本書のなかでも絵入りで解説されているゲームのルールは何度読んでもわからなかったのですから。しかしこの、ギャンブルを中心とした人生を突き進む森巣博を取り囲む世界の、何と美しく生命力にとんでいて激しいことか! もちろん人それぞれ自分の人生を一生懸命に生きているだろうし、そうだからこそ今の自分がここにいるのだろう。けれどこの魅力的な世界は決しておとぎ話でもないのだと思ってしまったが最後、僕ははっきりと思うのです。どうせ一度しかない人生なのだから、好きなことしかやらないぞ。そしてその後には、好きなことをもっと増やしてやれば、極端にこのような、ある意味異端な境遇にむやみに憧れて自分を見失うこともないだろう、もっと自分の快楽原則にのっとって生きることができるのかもしれない、と。

そして僕はまたいそいそとこの人の本を買いに走るのです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

ONとOFF

2003/01/13 00:32

本当にONとOFFだ、でもあえていわれなくったってねぇ、でもやっぱり…

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

15・22・26・32・40・60・67・82・83・88・91・95。本の角が折られていたページ。

本書は全部で222ページある。つまりは僕が、いいなぁこの台詞とか、いかしてるなぁこういう考え方・言い回しとか、自分の上司もこんなだったらいいのになんて感嘆して後でもう一回読み直さなきゃって思った部分は全て、前半100ページ以内におさまっている。

本書の構成はおおまかに二つにわかれている。前半はソニーCEOとしての企業家を前面に出した会社の運営についてやそれにまつわるいろいろ。そして後半は、ゴルフ・ワイン・車など自分の趣味についてのエッセイや、夏休みの過ごし方、塩野七生とのローマでの散歩のことなど、個人的なことに端を発するあれこれ。多少前後はあれどもこんな感じ。

ということはつまり、僕が感動した個所はいずれもCEOの立場からのメッセージなのである。書いていて自分でもびっくりしたが、自分が現在気にしていることや関心の中心はサラリーマンとしての日常のものであるということが、無意識的な選択のせいかもしれないけれどこれで証明された。そういえばおもいっきり共鳴してましたもん、読みながら。自分の会社の状況や上司や部下達の顔なんかが頭をちらほらとかすめながら。

それから後半部分、こちらも楽しく読みました。著者の興味の発露はとても60過ぎの老人?のそれとはかなりかけはなれていてとてもアグレッシブだし、ゴルフが好きで好きでたまらなくって肩を痛めてもまだやりたくてどうしようかと思いあぐねているさまなんて子供がおもちゃに夢中になっているような無邪気さのなかのひたむきさみたいなのを感じさせとても愛らしいし、塩野七生のローマについての解説が深すぎてついていけなくて正直に言ったらさらにハードな説明をされたけれども集中して聞いてとても為になったと、強がるそぶりも見せずに素直に認めるなんて、ほほぅ、いい心がけだねぇなんて言いたくなるし。その他にもいろんなエピソードがでてくるのだが、たとえばゴルフについて書いていても、その視点は常に新しい発見をしたいという欲望に満ちていて、同じテーマが何度でてきてもあきない。こんなものに勝ち負けがあるとは思わないがそれでも、俺なんかまだ半分の年だぜなんて自嘲の声がでるのを抑えられませんでした。

いいことずくめ、ほめちぎりだけどしょうがない。これなら売れているのもよくわかる。こういうのを読むと、普段はマイナーへマイナーへ向かう自分の感性を疑いたくなってしまう。良いものは良い、そうあらためて思った。そしてやっぱり前半部分のインパクトは大きかったのだろう(たくさんのアフォリズム! 即効性あり)後で必ずもう一度彼の言葉を反芻しようと思ったのでした。そこから得た思考の方法を自分の日常にどう溶かすか、そして血肉化していくか。そう考える今この瞬間の嬉しさも手伝い、とても楽しみなのです。

人間もそうだがいろんなことがらのスタートはつねに出会いだと思う。この本を読もうと思わせてくれたやんちゃ青さんに感謝します。

即買い!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

24 件中 1 件~ 15 件を表示