卯月さんのレビュー一覧

愛しい気もちになりたいとき、読みたい本

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未来の地球、そこでは超能力者が迫害される世界。
社会を混乱させる者＜P＞として、超能力者は人間に追われ、捕われ、命を奪われていた。
そして、ある日、８歳の少年スロウにテレパシーが発現する。

この作品が、他の超能力ものと一線を画しているのは、
主人公スロウが、どんなに打ちのめされても、決して人間に反撃しないこと。
代わりに彼が行なったこと、そして最後に行き着いたところは……。

スロウの健気さ、そして人の心の強さや優しさがやさしい絵柄で描かれます。
全３巻刊行の、これは第１巻目。３巻目は涙なしでは読めないはず。
愛しい気もちを感じたい方に、お勧めします。
作者のライフワークとも呼べる作品。80年代のSF作品の傑作のひとつだと思います。