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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

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    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

ノミの心臓さんのレビュー一覧

投稿者:ノミの心臓

3 件中 1 件~ 3 件を表示

「日本の近代」を締めくくる必読の良書!

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日米戦争は太平洋上の海戦が勝敗を左右する。これは当時の未来戦記のなかで精密に予測されていた。現実の戦争が、SF小説の想像の通りに展開するということは、実際にありうる。『黒船の世紀』は、日米戦争にその痕跡を浮かび上がらせる猪瀬直樹らしい力作だといえる。読み進めるうちに、未来戦記が近代日本人の心象を深いところで表現していたことが明らかにされていく。

本書は、日露戦争から太平洋戦争の間に日米英で書かれた日米未来戦記がテーマで、その背後に、日本の精神史を読もうというのが著者の企図である。主人公は、海軍軍人水野広徳。日露戦争後から『此の一戦』や『次の一戦』などの未来戦記を上梓していった人物である。一方米国のホーマ・リーや英国のスパイ、バイウォーターらは逆に日本の脅威をこそ小説に記していたのであるが。

本書で照明があてられていく未来戦記が興味ぶかいのは、時代を経るに従って相手国が過小評価され、自国に安易に軍配をあげる作品が大衆に受けていく経過である。太平洋戦争は軍部が始めたのは事実だが、世論も積極的にこれを受け入れていった。近代の日本人に独特の精神構造だったと筆者はみる。日本は黒船の来航以来の近代ヨーロッパ文明に無理やりに組み込まれてきた。仕掛けなければ仕掛けられるという強迫観念があった。「ガイアツ」との緊張関係は、日本国と日本人を根底から突き動かす動因としていまもその行動原理を規定している。

本書で最終巻となる著作集は「日本の近代」と銘打たれている。近代という視野からという日本人の自画像に迫ってきたのが、猪瀬直樹である。この国はなぜ勝ち目のない戦争をしたか、という近代日本の最大の謎に挑戦した「黒船の世紀」が著作集の締めくくりというのは、いかにも収まりがよい。日本国がこれからどこへ向かうか、ということを考えるべき今こそ、必読である。

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東京の成立を描いた出色のドキュメント

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東京という都市の特殊性は様々な文脈で語られるだろうが、そのひとつは満員電車に乗って通勤するというライフスタイルにある。その成立の陰に東急王国の創設者五島慶太がいた。「土地の神話」は、日本の都市における不動産業の基本型を発明した五島のドキュメントを克明に描いている。本書が発表されたのはバブル経済真っ只中の1988年だというが、14年後のいまでも、我々の生活を規定する重層低音を新鮮にみせてくれる。

東京の人口が急増する大正から昭和初期、五島は都心から郊外にかけて放射線状に伸びる私鉄網をはりめぐらす。同時に東京の西南の緑地を宅地開発した。鉄道を点(駅)と線(鉄道延長)としてではなく、沿線も含めた面としてとらえる不動産業として展開することで、東京を膨張させていった。これが東京のライフスタイルの原型である。結果として「聖なる森」皇居だけが不可侵の東京の中心に残された、とみるのは「ミカドの肖像」で大胆な天皇制分析をみせた筆者らしい鋭い結論といえる。

「ミカドの肖像」では西武グループの創始者堤康次郎が描かれた。「土地の神話」は同書の続編でもあるという。皇族の土地を次々と手に入れプリンスホテルを建てていった堤と、不動産業としての鉄道開発に腐心した五島—併読すると日本国の中心都市のかたちを決定づけていったドラマを立体的に読み進めることができる。日本近代の見取り図を映し出してきた筆者ならではの出色の書である。

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猪瀬作品の原点ここにあり

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「日本国の研究」ではじめて猪瀬作品を知った私にとって、筆者の処女作品である「天皇の影法師」を読んだときは、猪瀬の関心領域の広さに驚いた。しかし読み進めるうち、後の官僚制や特殊法人への視野の原点もここにあるのだな、と分かってくる。

この作品は、大正天皇の崩御と世紀の大誤報といわれた新元号「光文」報道の真実や晩年の森鴎外が生涯の仕事とした元号考の謎など、天皇制にまつわる歴史の影のドラマをオムニバス形式で描いていく。一見無関係でありながら、読み進めるうちに、それらが天皇制という日本人の無意識の行動原理として連なっていることがみえてくる。

筆者独特の大胆な仮説と徹底した調査力はすでに存分に発揮されており、とくに天皇の棺をかつぐ「八瀬童子」の存在にスポットをあてた調査は、発表当時アカデミズムの世界にも衝撃を与えたという。歴史ミステリーとして読者をひきこむ猪瀬作品の真骨頂が、処女作にすでに現れているといえるかもしれない。

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