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    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

Winnieさんのレビュー一覧

投稿者:Winnie

2 件中 1 件~ 2 件を表示

マスコミ関係者必読書

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本は、マスコミ関係者やマスコミに就職を希望している学生は必ず読むべきである。近代文学史や雑誌ジャーナリズム史を青春小説として面白く読み進めながら、簡単に理解することが出来る。

 主人公の川端康成と大宅壮一は同世代で、大阪・茨木中学の先輩後輩にあたる。川端は純文学、大宅はジャーナリズムとまるで別の世界なので文学史では比較されることのない二人だが、実は二人にはいくつもの接点があった。若き日の二人が成長していく過程を実際のエピソードをもとにして痛快に描いている。そこに明治時代の夏目漱石や森鴎外という作家の誕生から、大正時代の投稿雑誌の隆盛、芥川龍之介や菊池寛の世代でのマーケットの成熟などの時代背景を綿密な取材によって事実に即して詳細に説明している。猪瀬直樹著作集のタイトルが「日本の近代」であるのを納得させる一冊である。

 著者は当時の原稿料や出版部数に細かくこだわる。「日本の文学史は純文学中心でベストセラーを軽視した。したがって売れ行きについてのデータがほとんどない。それはおかしいのではないか。出版が市場として成立した以上、作家もそれに影響を受けざるをえないのだから」という考えも著者が作家だからゆえである。
 一方は孤児であるにもかかわらず生活力に乏しく親戚や菊池寛からの借金だけで食いつないできたやせっぽっちの青年、もう一方は中学時代から苦学しながら家族を一人で養ってきた生活力のあるたくましい男。この二人を対比させながら、「雑誌への情熱」という感情ですべての作家を結びつけつつ、近代文学史を読み解いている。
 物語は、二人が芥川の死に接して文壇ギルドの終焉を認識し、自分たちが拓いていく新しい時代を予感するところで締めくくられる。若いエネルギーを感じさせてくれる励まされる一冊である。

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隠された真実

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 まず、本書が20年前に書かれていたことに驚愕した。歴史の上では、1945(昭和20)年が敗戦の年だが、1941(昭和16)年12月の開戦よりわずか4ヶ月前の8月に、平均年齢33歳の内閣総力戦研究所研究生で組織された模擬内閣が、日米戦争日本必敗の結論を出していたという事実があったとは、全く知らなかった。

 官僚や軍人や民間企業のエリート社員など、“最良にして最も聡明な逸材”が全国各地から36人集められ、大蔵省から来た者は大蔵大臣、通信社から来た者は情報局総裁など、それぞれの出身母体をもとに役割分担をして、日米戦のシュミレーションを行った。そこで、最も重要な戦略物資である石油の供給見通しがたつのか、という需要予測をする。アメリカが石油の対日輸出を禁止、オランダ領のインドネシアに獲りに行かなければならない。ABCD包囲網を強行突破してインドネシアの石油を確保できたとしても、タンカーで輸送している間に、フィリピン沖でアメリカの潜水艦に撃沈されてしまう。その船舶消耗量をイギリスの“ロイズ・レジスター船舶統計”をもとに計算して、国内の造船能力と照らし合わせると、南方資源の獲得は穴のあいたバケツのリレーになる、という結果になった。そして、模擬内閣は「長期戦は耐えられるはずはない」という結論に至る。しかし彼らの報告は無視され、実際の政府は甘い需要予測をもとに違う数値と違う結果を御前会議に提出し、日米戦争は始まる。

 著者は20年前にまだ93歳で生きていた当時の企画院総裁鈴木貞一に、なぜ間違った数値を出したのか、と問い質している。鈴木は三年分のデータを提示したにもかかわらず「1、2年で講和できると思っていた」と述べ、開戦するためのつじつまあわせの数字を「客観的な数字だった」と言っている。「1年たてば石油がなくなるので戦はできなくなるが、いまのうちなら勝てる、というムードで企画院に資料を出せといわれた」と証言したのである。いわば全員一致という儀式をとり行うにあたり、その道具としてつじつま合わせの数字が使われたにすぎない。決断の内容より“全員一致”のほうが大切だったとみるほかなく、これが現在にもつながる日本的意思決定システムの内実であることを忘れてはいない。

 本書の帯には「いま、すべての30代におくる、ほんとうの日本人の物語」とあるが、私たちすべての日本人は、本書で明らかにされた真実を知るべきだと思う。


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