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先月(2017年6月)

シャクティさんのレビュー一覧

投稿者:シャクティ

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紙の本コンタクト・ゾーン

2004/06/06 15:30

革命戦場で見いだす女たちのユートピア

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30代後半にさしかかった三人の女性たちが、本書の主人公だ。三人とも、本当はかなりの潜在力はあるし、給料だってそこそこもらっている。だが、出世したり、世間から認められることもない。いい男とも結婚できないし、欲求不満状態に陥っている。

そんな彼女らの楽しみは年二回の海外旅行だ。しかし、今回はいつもと違った。旅行先の東南アジアの架空のビーチリゾートが、過激な革命運動に巻き込まれてしまうのだ。その混乱と戦乱の場を彼女らがサバイバルしていく過程で、日本では見いだせなかった一種のユートピアを見いだすのである! 東南アジア島嶼部の内部に、自給自足可能な豊かな村人たちの生活があったのである。

篠田節子の示すユートピアは、男性中心のイデオロギー過剰を、断固として批判したものである。イスラム原理主義か反イスラムか、民族解放か帝国主義かといったイデオロギー闘争は、実は男たちの政治権力闘争にすぎないから、女たちがコミットするには価しない。むしろ、地に根ざした、村人たちの共同体こそが信頼に足るというわけだ。

なお、小説上の三人の日本女性たちは、帰国後、日本社会からバッシングを受けることになるのだが、まさに最近のヴォランティア・バッシングを想起させる。ボランティア的生き方を許容しない日本社会を、篠田はすでに先取りする形で問題提示していたとはいえまいか。

ちょっと残念だったのは、篠田が丁寧に描いた東南アジア島嶼部は、現実にはあり得ない設定だということである。たとえば、閉鎖的共同体でありながら、英語が通じる開放的社会というのはちょっと矛盾している。あるいはマレー社会に、食糧を自給できる豊かな村なんて、あるだろうか。どうせ架空のユートピア社会を描くのならば、もう少しその説明を簡略化したほうが、読者には親切ではなかっただろうか。そのため、減点1とする。

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